第54弾:選手がみせた、その横顔 44

Inside the RICOH BlackRams

2012.08.17

 リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

支えてくれた妻に贈る"一年間ありがとう"(長江有祐)

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 トップリーグは秋から冬が本番だ。だが、当然春や夏にも厳しいトレーニングは行われる。選手にとってのオフシーズンといえるのは2月から3月にかけてのわずかな期間。さらに日本代表選手ともなると、その短いオフさえ春から初夏にかけて続く代表戦に向けた準備期間となる。まさにラグビー一色の1年を過ごすのが代表選手なのだ。

2010年には日本A代表に、今年は代表に選ばれたPR長江有祐。そんな多忙な選手の一人となった。

「プライベートはあまりないですね(笑)。家にいれる時間も少ない。だから妻にはいつも申し訳ないと思っています。家のことはまかせっきりだし、帰れば『疲れた~』ってなっているわけですから」

入籍して3年。
普通なら新婚と呼ばれる期間。長江はこの期間、ラグビーに集中し日本代表にまで上り詰めた。その間、自らの成長を支えてくれた妻に長江は本当に感謝している。

そんな長江が、毎年捻出した時間でしている家族サービスがある。家族旅行だ。
「観光地であったり、温泉であったり。国内を中心にあちこち行っています。旅程を組むのは全部僕です。食には特にはこだわりますよね。とにかく、その土地のおいしいものを食べたい。あまり予定を詰めずに行くほうが楽しいって人もいると思うんですけど、自分は逆。ある程度、ポイントは決める。あとで『あれやっておけばよかった…』って後悔するのが嫌なんですよ(笑)。

遠征でも、その土地の名物はいつも気にしています。でも、試合が間近の状況では、好きなものを食べるというわけにもいかない。だから、そういうときは情報収集にとどめておいて、妻と旅行するときに思いを遂げるっていう感じですね」

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 昨シーズンのオフには、自動車で四国を一周した。
「交代で運転し、東京から車を走らせていきました。香川から入って、まずうどんを食べて。一度愛媛に入って一泊したんですけど、前日着いた時間が夜遅くて行けなかったお店にどうしても行きたくて香川に戻ったりして(笑)。3軒ぐらい四国の美味を楽しみました。あの、テレビで紹介されたこともある、自分でうどんを茹でるタイプのお店です。
その後、高知に回って前に遠征で来たときには、生ものということで我慢していた鰹を食べたりしながら、徳島へ回って。最後は『和歌山に行ったことがない』という妻のリクエストに応えて、フェリーで和歌山に渡りました。奈良にも少し寄ったかな」

過去には、電車で九州を一周したりしたこともあるという。なかなかハードそうだが…。
「それが、スケジュールを組んでいる自分のほうがへばって、妻の方が元気だったりするんです(笑)。僕、行きたい場所に関しては雑誌やインターネットでまめに情報集めますし、テレビでも気になったらすぐにメモを取る。そのへんのこだわりはすごくある。でも、そうやって調べた行き先には、妻はどこへでも興味を持ってついてきてくれる。だから、『一年間ありがとう』という思いを込めて、オフシーズンの夫婦二人での旅行は続けていきたい。といいつつ、自分が一番楽しんでいるんですが(笑)。すごくリフレッシュできるから、ラグビーにもいい影響を与えていると思うんですよ」

一緒に旅をすると、その人との本当の相性がわかったりするものだ。長江夫妻が内容の濃い旅行をともに楽しめるのは、深い絆の証でもある。

「妻はラグビーに特別詳しいわけでもないし、共通の趣味もどちらかといえば少ない。でも、旅行ではすごく息が合います」

はやくも、次の目的地は決まっているそうだ。
「東北は以前ひと回りしたので、今考えているのは山陰地方。結構情報を集めていますよ。出雲大社とか、鳥取砂丘とか…。砂丘って、踏み荒らされていない朝に観に行くのがいいんですよね?」

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 リコーを人一倍大切にし、そして日本のラグビーに挑戦し続けている長江有祐。
ファンの皆さま、また多くのリコーグループ各社から観戦に訪れるみなさんに、試合後はいつでも笑顔で応える勇姿。この笑顔の源には、奥様からの絶大なるサポートがあることを忘れてはいけない。

今シーズンも頼むぞ。長江っ。

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