Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

【Review】トップリーグ 第4節 vs キヤノンイーグルス戦

2018.09.26

4試合連続の先制を許すも、ディフェンスで立て直しリード奪う

福岡でのゲームに快勝したリコーは、再び東京・秩父宮ラグビー場に戻り第4節・キヤノンイーグルス戦を迎えた。19時30分のキックオフには止むとも伝えられていた雨は止みきらず、霧雨の中でのゲームに。リコーは前節に引き続き堀米航平がSOで先発。またバックローにFLに松橋周平、NO8にコリン・ボークと好調2選手を並べる布陣で挑んだ。

 

キヤノン10番のキックで試合が始まる。リコーは左サイド、自陣浅めのラインアウトをいきなりスチールしアタックに転じる。ハイボールのこぼれ球がリコーに入ると、崩れた陣形を見て右に展開。WTB渡邊昌紀が右サイドをえぐり22mラインを越える。

 さらに継続し左サイドにボールを運ぶと、折り返しもう一度右サイドに展開する。ここはスローフォワード。しかし映像を用いた判定で、その前のラックで相手選手の排除を狙ったプレーで首に手がかかっていたとされペナルティ。PKでキヤノンが前進する。

 

リコーはハーフウェイ付近のラインアウトモールを止めスクラムを得る。しかしこのスクラムでキヤノンのプレッシャーを受けペナルティを奪われる。再びPKを蹴られ自陣侵入を許す。

キヤノンがアタック。リコーはディフェンスに集中する。裏へのキックをSO堀米が蹴り出してゴール前でのキヤノンのラインアウトに。モールからラック、継続し右サイドに運んだキヤノンは、10番がギャップを突き、捕まりながらも15番に後ろ手のパスを通しトライ。CVも決まり0-7。(前半10分)

 

ハーフウェイからリコー陣内浅め付近での戦いが続く。キヤノンがボールを保持する割合が高かったが、リコーはブレイクダウンなどで猛然と抗い均衡状態が続く。ハイパントを確保し、これを高く蹴り返してゲインを狙ったリコーに対し、キヤノンがオブストラクション。チェイスにいったCTBティム・ベイトマンが妨害を受けた。(前半20分)

 

PKで敵陣侵入を果たしたリコーは、右サイド、10mライン付近のラインアウトからアタック。キヤノンにオフサイドが出てPKでさらに敵陣深くゴール前に攻め入る。

 

このラインアウトでリコーはボールを失うが、人数が合っていなかったとしてリコーのFKに。リコーはこのFKをHO森雄基に突進させてリスタート。ラックからのピックゴーを繰り返しゴールに迫っていく。

 

アドバンテージが出ると、中央のラックから右に出しSO堀米が自ら突っ込む。捕まるがサポートしたFLエリオット ディクソンにつなぎボールを守ると、鋭く走り込んだCTBティム ベイトマンが拾いポストの右にトライ。CVも決まり、リコーが7-7の同点に追いついた。(前半25分)

 

トライ直後、キヤノンのラインアウトでバックスラインが少し早く前に出てしまい、リコーにオフサイド。ほぼ正面、ゴールまで40mのPGを狙うが、右にそれた。(前半27分)

 

30分過ぎにアタックの機会を得たリコーが22m付近に侵入。うまくボールを動かしながら長い攻撃を見せると、左中間をNO8ボークが突く。激しくクラッシュして裏に抜けかけたが惜しくもノックオン。(前半35分)

 

左中間、22mラインの内側のキヤノンのスクラムをリコーが押す。相手フロントローが巻き込まれるように下に落ちコラプシング。15mほどの距離のPGを成功し10-7。リコーが勝ち越しに成功する。(前半37分)

 

前半ラストもリコーは敵陣浅めのスクラムから攻めたが、ここはキヤノンが意地を見せノットリリースザボール。ここで前半が終了する。

“我慢”する力。数的不利、僅差の終盤を戦い抜き大きな勝利

メンバー入替はなし。リコーのキックで後半が始まる。敵陣の相手ボールのラックでの相手の排除で危険なプレー。PKでリコー陣内に入ったキヤノンは、ラインアウトをキープし、22mラインの内側で勢いのあるアタックを見せる。リコーも激しいディフェンスを見せるがラックでオフサイド。ほぼ正面、10mほどのPGを決めて10-10の同点に。(後半5分)リコーはPR大川創太郎に替えて柴田和宏。(後半6分)

 

ハイパントの処理でキヤノンにミスが出てノックオン。リコーは敵陣の左中間、22mライン手前のスクラムを得ると、アーリープッシュによる組み直しを経てコラプシングを奪う。

 

PKを蹴り出してゴール前ラインアウトにすると、手前のLOブロードハーストマイケルに合わせモールを押す。前進し左隅にラックをつくると、FLディクソンが力強くキャリーし押しトライラインに迫る。さらにラックからWTBロトアヘアアマナキ大洋が取り出し、インゴールに片手で押さえてトライ。角度のあるCVは惜しくも外れたが、15-10とリコーが勝ち越しに成功した。(後半12分)

 

再開後、カウンターアタックを仕掛けた相手15番の首に、寄せていったCTBベイトマンの手がかかってしまいリコーのペナルティ。キヤノンは正面やや左、ハーフウェイ付近から長いPGを狙うが不成功。(後半15分)

 

後半18分、リコーはNO8ボークを武者大輔に、SO堀米をブライス・ヘガティに。20分にはFLディクソンをロトアヘアポヒヴァ大和に入れ替える。

 

キヤノンはリコー陣内左中間で得たPKを蹴り出し、ゴール前ラインアウトに。リコーはキヤノンのモールへのディフェンスに集中し激しく押し返す。キヤノンも屈せずじわりじわりと前進。さらにラック戦でもボールをキープしフェイズを重ねていく。リコーも素晴らしいラインスピードで守り跳ね返していく。意地がぶつかり合う見応えのある攻防となる。

 

4分近い攻撃となり、キヤノンは左中間のラックから右に展開。ここでFBロビー・ロビンソンがタックルにいくと、手に相手のパスが当たる。これが映像のチェックを経て故意のノックオンと判定され、キヤノンにペナルティトライが与えられた。CVも決まり15-17。キヤノンが逆転に成功する。FBロビンソンにはイエローカードが出て、10分間の一時的退出が科された。(後半24分)

 

数的不利を背負って戦うことになったリコー。しかし慌てる様子はなかった。リスタートキックの蹴り返しがタッチを割り、敵陣でのラインアウトを得る。ここも手前のLOブロードハーストに合わせ、モールを組み一気に前進。ノックオンが出て相手ボールになるが、ラックでのクリーンアウトを狙ったプレーでキヤノンの選手にペナルティ。左中間、20mほどのPGを決めてリコーが逆転。18-17とした。ここでPR眞壁貴男に替えて辻井健太。(後半28分)

 

再開後、リコーは再びPKで前進。22mライン付近でラインアウトモールを組むが前には出られずラックに移行。しかしここからFWが中心となってボールキープを図りつつ前進。うまく時間を使っていく。トライライン間際まで前進したところでキヤノンにペナルティ。アドバンテージが出た状態でピックゴーを繰り返していく。

ボールが止まったところでレフリーが試合を止める。リコーはPR辻井らの突進で再開。再びFWが激しいピックゴーでトライを狙っていく。しかしキヤノンの抵抗も激しく、ついにノットリリースザボール。しかしこの長い攻撃によってFBロビンソンは10分間の退出を終えピッチに戻る。HO森に替えて芳野寛。(後半36分)

 

PKでハーフウェイ手前までボールを戻したキヤノンは、ラインアウトをキープし攻める。ハイパントを上げるが、WTBアマナキ大洋がしっかりキャッチし前へ。ハイパントを上げ返すと、鋭くチェイスしたSOヘガティがタックルを決め出足を止め前進を阻む。

 

ハーフウェイからキヤノン陣内に少し入ったエリアでの攻防となるが、守るキヤノンにラインオフサイド。正面やや右、40m弱のPGをSOヘガティが成功させ21-17。リコーは1PGでも届かない4点差に持ち込み、勝利を手繰り寄せる。(後半39分)

 

キヤノンが確保を狙い浅めに蹴ったリスタートキックはFLポヒヴァ大和に入る。リコーはこれをキープ。約1分半が経ったところでホーンが鳴る。激しくボールを奪いにくるキヤノンだったが、ボールを守りきるとSOヘガティが真横のタッチラインに向けてキック。これがタッチを割りノーサイド。

 

リコーはタフなゲームを勝ちきって今シーズン3勝目。試合後のロッカールームでは、大きな勝利と、この試合でリコーのメンバーとして公式戦出場100試合を迎えたブロードハーストマイケルを称えるセレモニーが行われた。マンオブザマッチにはHO森が選出されている。

 

 

3勝1敗としたリコーはホワイトカンファレンス3位をキープ。勝ち点は2位のヤマハ発動機に並ぶ14に到達している。

監督・選手コメント

神鳥裕之監督

今日は本当にタフでしたね。今日はFWを称えてあげたいんですが、BKも含めてチーム全体がタフに戦いました。今後に向けて自信になったんじゃないかと思います。アタックが少しずつ機能し始めているというところは手応えを感じています。この天候の中でもボール動かしてチャンスメイクもできていたし、FBロビー(ロビンソン)が15番に入ってSO堀米(航平)がよくやっているというのもありますし、チーム全体のオーガナイズがだいぶ機能し始めている。そしてディフェンスですよね。去年のスタンダードを取り戻してきている。これが安定している一番の理由。

 

(終盤にシンビンが出たが、その後うまく時間を使った)そうですね。僕らから指示を出さなくても選手たちがイメージを持っていた。大きな成長を感じました。ゴール前でペナルティをもらって、PGを狙わずトライを獲りにいったシーンがありました。結局トライにつながらなかったのですが、あの判断は自分と同じ判断。上からメッセージを出そうかと思ったら同じようなプレーを選んでくれた。そして2回目のときはしっかりショット。あれも適切。賢くプレーできるようになってきたと感じますよね。

相手がうまくいっていないなと思えば、そういうところを繰り返し攻撃するようなしつこさ。ラインアウトで前が張っていないと思えば、マイキー(ブロードハースト)のところで獲ってしまうとか。ああいうゲームを見る力、読む力の成長はゲームを見ていて感じます。ほんとにありたい姿に近づいてきています。

CTB濱野大輔キャプテン

今日の試合は、しっかりハードワークして、その中でエンジョイしようということで試合に臨みました。試合の内容はタフな内容でしたけれども、FWがブレイクダウンでもセットプレーでもしっかり仕事をしてくれたおかげで、今日は勝てたと思います。(スクラムは激しい攻防だったが、どんな盛り上げ方をしていたのか。後ろから見えたことについて)チームでいいプレーがあったときには称え合おうと声をかけています。そういうポジティブな姿勢を大事にしているので、そういうことがエネルギッシュなプレーにつながったと思います。FWは本当にいい仕事をしてくれたと思います。【共同記者会見にて】

タフでした。この試合は毎年こうなりますね。想定していましたが。チームは先週からリコーらしさを出せています。でもトップリーグチャンピオンになるためには、ここから残りの3試合が勝負。(ディフェンスが急速によくなっているが)FWとBKが一体となって、しっかりラインスピード上げて、プレッシャーかけた上でゲインラインを切らせないというイメージを持って練習をやっている成果が試合でも出ていると思います。

あとは個人のディシプリンのところですね。そこはふがいなかった。いらないネックロールなどが出てしまったので。そこは対応していかないといけない。ディシプリンはリコーの強みでもあるので。

LOブロードハーストマイケル

(タフなゲームでした)すごいタフ。足が攣りまくっていました。(今シーズン)初めて本当の意味でのいい試合ができたんじゃないかな。ここまでの3試合はミスが多すぎたので。キヤノンという素晴らしいチームのおかげで、僕たちもいい試合ができたのだと思います。

(後半はシンビンが出て14人になったが、そこでうまく戦った)14人になるときついのは間違いない。だからできる限りFWでキープしようと。今年のうちのFWはかなりいいと思います。モールを押して、ピックゴーもうまくできていて、そこで時間を使えたかな。

(ディフェンスが昨シーズンのようなリコーらしさを取り戻した)ここまでの試合は最初の5分にトライを獲られたこともあったからね。今日はディフェンスしたいという気持ちが満々だったと思う。(選手たち自身でディフェンスについてかなり話し合っているとも)試合では僕たち。早く立ち上がって、早くセットするのは僕たちなんです。自分たちで解決できなければ勝てない。自分たちでという意味でも、今日はよくやれたと思います。

(チームとしての充実をかなり感じる)でも、これから3チーム、いいチームが待っています。そこでパフォーマンスしなければ負けてしまうので、毎週良くなり続ける必要があります。トップ4にいくためにはもっと勝たなければいけません。今年はどのチームも力が拮抗している。トップチームとそれ以外で大きな差がある時代ではなくなってきていると思います。

(今年は違うと感じているファンは多いはず)僕もそう思います。毎年良くなってきている自分たちを見てきていますし、上のチームに近づいていることを実感しています。

(雨の中大勢の人々が観戦し、両チームのファンの声援がすごかった)観客が多いと、感謝の気持ちも大きくなりますしエキサイトしてきます。どちらもすごい応援で、スタンドで喧嘩でも起きるんじゃないか、そんな雰囲気を感じていました。どちらも情熱的で素晴らしかったです。

SH山本昌太

自分たちの不利なエリア、自陣ではプレーしないっていうのをチーム全体で意思疎通ができてきています。どうやって敵陣に入るのか、どういうキックを使うのか、アタックをするのか、というところの意思統一を課題として、ここ1、2週間はハーフからのキックにフォーカスして取り組んでいたのですが、やることが明確になったことで、それぞれの役割がはっきりして、敵陣にうまく入れることが増えている。そこはチームとしてよくなっているところかもしれません。

(ハイパントの蹴る場所などには徹底を感じた)この1週間、我慢強さという言葉を使ってきました。チームで決めたプランを遂行するというのも我慢強さのひとつ。そこはよかったんじゃないかと。

(チームとして冷静にやれているようにも)そうですね。練習からコミュニケーションの量が増えているというのがあって。ミーティングもそうですね。選手だけですることも増えています。それと、練習時にノンメンバーがキヤノンのアタックだったりディフェンスだったりをうまくやってくれて、とてもいい準備ができたことも大きかったです。

文:秋山健一郎

写真:川本聖哉

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