【レビュー】トップリーグ 順位決定トーナメント vs NECグリーンロケッツ戦

2018.01.18

過去最多の10勝を目指し、力を振り絞ったリコー

ここまで14試合を戦ってきた2017-18シーズンの最終戦は、NECグリーンロケッツとの7−8位決定戦となった。トップ4、そしてトップリーグ過去最高順位(5位)という目標に惜しくも手が届かなかったが、過去最多のシーズン10勝目、そしてシーズン最終戦を勝利で締めることなどを目指し、リコーは第6節以来のNECとの再戦に挑んだ。

メンバーにはケガで離脱していたCTBタマティ エリソンが復帰、それにともないブロードハーストマイケルがFLからLOへ。先発を務めたLOフランコ モスタートがリザーブに回り後半のインパクトを担った。また、前節慣れ親しんだCTBでいい動きを見せていた木上鴻佑が12番での先発出場を果たした。

NECのキックオフで試合開始。リコーの選手が触れてタッチを割り、リコー陣内でNECのラインアウトとなる。NECがモールで攻めるがここはリコーが前進を許さない。徐々にポジションを戻し、ハーフウェイを挟んでボールが目まぐるしく行き交う展開となる。

リコーは自陣のラックでFL武者大輔がジャッカルを狙うが、倒れこみの反則の判定。NECは左中間、約30mの位置からPGを狙い成功。0−3。(前半8分)

再開後、リコーはピックゴーで抜けた6番を捕まえると、ラックでSOロビー ロビンソンがボールを挑みノットリリースザボールを獲る。PKでタッチを狙うが、逆風の影響もあってタッチを割らない。キャッチしたボールをNECが外に振って左サイドを攻めていく。

これに対し、リコーはWTB渡邊昌紀が激しいタックル。こぼれたボールをFL武者がセービングしてターンオーバー。これを起点に攻めていく。適切なパス、サポートでボールを守りアタックを継続。徐々に前に出ていくと22mラインに到達する。ここで守るNECにオフサイド。その後もアタックを続けたが、プレーが切れたところでショットを選択する。

右中間、22mライン付近からCTBエリソンがPG成功。3−3。(前半13分)

NECはキックを交えリコー陣内への進出を図る。リコーは自陣22mラインの内側まで下げられたが、このポジションでのラインアウトをキープすると自陣から果敢にアタック。CTBエリソンからのパスを受けたWTB渡邊がギャップを抜けてビッグゲインする。ハーフウェイ付近まで走ると直後のラックでNECに反則。リコーはPKを蹴って敵陣へ。左サイド、22mライン付近のラインアウトを得る。

これを手前のFL柳川大樹に合わせ、ラインアウトの後列から駆け寄ったNO.8コリン ボークにパス。ボークはタッチライン際のスペースを突き2対1をつくる。ディフェンスが迫るとさらに外に立っていたSH中村正寿にパス。中村が抜け出し、そのままインゴールまで走って左中間にトライ。鮮やかなサインプレーが決まった。CVもエリソンが成功させ10−3。(前半19分)

NECはなおも追い風を生かしたキックを使いエリアを獲っていく。しかしリコーはラインアウトを確実にキープし、迷いなく攻めてすぐにエリアを奪い返す展開が繰り返される。

ハーフウェイ付近でアタックを仕掛けたNECだったが、モールの形にしながらボールを動かせなくなる。リコーは自陣左中間、10m付近でスクラムを得る。これに組み勝ったリコーはコラプシングを奪う。PKをタッチに出し22mライン付近まで前進。

ラインアウトを遠くで合わせてモールを組むと、左中間をじりじりと押していく。一度崩されかけたが、改めてFWが加わりもう一度押す。すると最後尾でボールをキープしていたNO.8ボークが、右前方が空いたのを見逃さず飛び出す。そのままインゴールに達し、ポストの左脇にトライ。CVも決まり17−3。(後半26分)

リコーはまたも自陣からアタックを見せる。CTB木上、SOロビンソンとつなぎその間に走り込んだWTB長谷川元氣の突破でゲイン、敵陣に入る。しかしノックオンでボールを得たNECがボールを回し前進していく。これを止めに行ったリコーは、自陣10m付近のラックで倒れこみの反則。NECはPKをタッチに出し左サイド、22mラインの内側、ゴールまで10mほどの位置でラインアウトを得る。

NECはモールを選択。リコーは対応にいったが、少しずらされ押し込まれる。あきらめずもう一度組み直し、勢いを止めたものの、BKも加わり決めにきたNECに粘り強く押され後退、インゴールまで運ばれた。左中間で8番が押さえトライ。CVも決まり17−10。(後半32分)

再開後、自陣22mライン付近でボールを回したNECは、13番がオフロードパスを通し8番が抜ける。リコーのディフェンスをハンドオフしながらパワフルに中央をゲインしハーフウェイ付近まで運ぶ。

ここからすかさず展開。右サイドタッチライン際の14番につなぐと、まっすぐ裏へ転がす。14番は22mラインを越えたあたりでこれに追いつくと、拾わずもう一度蹴る。ボールは弧を描き、止めにいったFB中澤の頭の上を通りインゴールへ転がる。蹴ると同時に再加速した14番はこれに追いつきグラウンディング。NECはノーホイッスルでの連続トライを決めた。CVも決まり17−17。

主導権を握っていたかに見えたリコーだったが、一気に同点にされた。直後、LOブロードハーストとWTB渡邊が出血のため一時交替。馬渕武史と高平拓弥が入った。(後半36分)

NECの勢いは止まらない。自陣左中間の密集でリコーからボールを奪うと、大きく展開。右サイドを攻めて前進。ハーフウェイ付近からハイパントを上げる。これをリコーが22mラインの少し前で後方に弾く。チェイスしていた8番がこのルーズボールを確保すると、右中間インゴールに飛び込む。喜びを露わにした。

しかし、テレビマッチオフィシャル(TMO)が行われ、ハイパントに対するチェイサーの飛び出しが一瞬早かったとしてラインオフサイドの判定が下される。トライは取り消しに。(前半37分)

PKを得たリコーは、左サイドのタッチに蹴り出しラインアウトに。奥で合わせると、走り込んだCTB木上に渡し中央でクラッシュ。このラックでNECにノットロールアウェイ。リコーはほぼ中央20m付近の位置からPGを狙う。これをCTBエリソンが成功させリコーに追加点。20−17。(前半40分)

前半の終わりに反撃を受けたが、リコーはなんとか勝ち越しに成功し前半を終えた。

クロスゲームに。しかし終盤は確かな力を見せ圧倒

PR辻井健太を眞壁貴男に、HO森雄基をマウジョシュアに入れ替えて後半へ。NO.8ボークのキックオフで試合が再開される。

敵陣浅めでリコーがアタック。蹴り合いに移行すると、短めのキックを飛び出してキャッチしたSOロビンソンが、右サイドのスペースを見出し、バウンドさせてタッチに出しゲイン。22mラインの内側へ。しかしリコーはここからホールディング、モールパイルアップ、スクラムコラプシングと続けて相手にボールを渡してしまい自陣に押し戻される。(後半5分)

さらにリコーは自陣のラインアウトでも反則。NECはPKで22mの内側に侵入。しかし、ラインアウトからタッチライン際を突くサインプレーにリコーが対応。8番をタッチラインの外に押し出しボールを奪い返した。PR大川創太郎に替えて柴田和宏。(後半7分)

ラインアウトをキープ、自陣でボールを動かした後SOロビンソンがキック。ワンタッチあったボールを前方のWTB渡邊らが拾いつなぐが、接点にプレッシャーをかけたNECがボールを奪い返し、さらにディフェンスに回ったリコーにオフサイド。NECが右中間、22mライン付近からPGを決め20−20。再び同点に。試合の行方はまたも混沌とする。(後半10分)

リコーベンチが動く。SOロビンソンに替えてアマナキ ロトアヘア。アマナキをCTB、木上をSOに入れ流れを変えにいく。(後半12分)

右サイド、10mラインと22mラインのほぼ中間のラインアウトから、リコーがドライビングモール。推進力を見せ22mラインまで前進。モールコラプシングのアドバンテージが出ると展開し左サイドを攻めるがこれは決められず。FB中澤がPKを右サイドに蹴り出し、ゴール前ラインアウトにする。

再びモールを組みインゴールへ。しかしグラウンディングできずアンプレアブル。右サイド、リコーボールの5mスクラムに。

スクラムが左に流れブラインドサイドのスペースが広がると、NO.8ボークが突き、右隅インゴールに手を伸ばしてトライ。難しい角度のCVもCTBエリソンが決めて27−20。セットプレーからのアタックで高い精度を見せるリコーが再び勝ち越す(後半18分)

優勢となってきたスクラム、また風上陣地というアドバンテージを生かし、リコーが敵陣でプレーする時間が伸びていく。CTBアマナキらがラインブレイクを狙って激しいプレーを見せる。SH中村に替わって山本昌太。(後半24分)またPR柴田が頭を打ちHIAで一時退出。大川がピッチに戻る。(後半25分)

左サイド、ゴール前ラインアウトからモールを狙う。しかしここはラックに。近場を執拗に攻めながら、少しずつポイントを右にずらしていく。鋭く突いたFL武者が素早いダウンボールを見せるとクイックに展開。SO木上、CTBエリソンとつなぎFB中澤へ。中澤はスキルを見せ素早くさばくと、大外のWTB渡邊へ。渡邊はプレッシャーを受けながらも右隅に飛び込み、力強くグラウンディングしトライ。再びの鮮やかなトライにスタンドが沸く。CVは外れたが32−20。(後半27分)

リコーは右サイド、自陣浅めのスクラムから、WTB渡邊に出すとファーストタックラーを、ボディバランスを崩すことなく振り払うと即座に加速。前に空いたスペースを抜け右中間をまたもビッグゲイン。

敵陣22mライン付近までボールを運ぶと、フォローしたNO.8ボークにつなぎ、ボークは外に流れながらディフェンスをいなし、右中間にトライ。ボークはハットトリックを達成。CVも決まり39−20。(後半30分)

NO.8ボークに替えてフランコ モスタート。(後半30分)さらにLOロトアヘアポヒヴァ大和を馬渕に、FB中澤を高平に入替。(後半32分)

NECのリスタートキックがタッチを割り、センタースクラムに。確実に押し込んでいき、右サイドに展開するとCTBアマナキが豪快にディフェンスを払いのける“らしい”突破を22mラインで見せる。独走し右中間のインゴールにダイブ。この日チームとして6つめのトライを奪った。CVも決まり44−20。(後半33分)

最終盤、リコーは自陣深くに攻め込まれたが、ラインアウトを奪ってボールをキープ。NECが密集で意地のターンオーバーを見せたが、最後のアタックを封じ、こぼれ球を確保したCTB木上が蹴り出してノーサイド。

多くのトライがラインアウト、スクラムから2、3フェーズのもので、44点は今シーズン最多得点でもあった。ディフェンスとセットプレーのスタンダードをこのレベルに保てば、中位勢相手であってもこれだけの試合ができることを確認した試合でもあった。ペナルティが重なった時間帯はあったが、チャンスですべきプレーを選択し冷徹に仕留める実行力、サインプレーの精度などは最終戦ならではクオリティだったといえるだろう。

これで最終成績はリーグ戦で9勝4敗、トーナメントで1勝1敗、通算で10勝5敗。順位は7位。昨シーズンから1つ順位を落としたものの、昨シーズンの8勝を上回る10勝を挙げ、トップ4の壁を破るための現実的な課題が像を結んだシーズンであったともいえる。多くのチームが跳ね返されている分厚い壁ではあるが、全てを出しきってぶつかれば風穴は空けられる——。それが確信できたシーズンではなかったか。日本で開催されるラグビーワールドカップが目前に迫り、史上最高にラグビーが熱く盛り上がるであろう来シーズン。リコーはもう一度トップ4の座に挑む。

「ビッグゲームで勝ち切るための準備とは何か。まだまだ自分自身突き詰めなければいけない」(神鳥裕之監督)

神鳥裕之GM兼監督

今日はみなさんどうもありがとうございました。1年間ありがとうございました。モチベーションとしては非常に難しいゲームではあったんですが、しっかりと勝ってシーズンを終われたということ、また1年間しっかり戦ったことについて、選手たちを称えたいです。今シーズンは本当にあと一歩のところでトップ4という目標を達成できませんでした。小さな差ではあるんですが、その部分を来年に向けて、チーム一丸となって準備をしていきたいと思っています。

(前半てこずった。どのあたりに原因が?)17−3まで点差が広がって、気を抜いたのか。トライの獲られ方も集中してバタバタと続いてしまったので。少し立て直すのに時間がかかりました。当然NECさんのひとつでも順位を上げてやろうという気迫も感じていたでしょうし、ただその後、自分たちが正気を取り戻して戦えたというところはよかったと思います。ただ、タッチを切るべきところで切れなかったり、少し反則が重なったり、こういった部分で相手がボールを持ってスタートするような状況をつくってしまっていましたよね。そこにアンラッキーなボールが続いたりして、最終的にトライが重なったということなのかと。

(チーム力が上がってきた。さらに上にいくためにはどこを強化すべきか?)すべての面でレベルアップしなければいけませんが、この1年を通して感じた部分としては、とにかくブレイクダウン。特にアタックでクリアボールがなかなか出てこなくて、やりたいことができなかったことはありました。アタックのストラクチャーといった部分で同じページに載せるための準備といいましょうか。点を獲るための手段、アタックの部分に関してはまだまだ成長できる領域があるのかなと思っています。ディフェンスに関しても安定して戦うことができていましたので、ここのスタンダードをさらに上げることですかね。ここはチームの強みとして1年間発揮することができましたので、ここをワンランク上げて、失点を20点以下でずっと戦えるようなチームを目指していきたいと思います。
【以上共同記者会見にて】

44−20……。リコーらしくないスコアでしたね。バタバタした時間もありました。ただ、ゲームを通じて最終的にスコアで上回ることができるだろうと、根拠はないんですが、安心感はありました。バタバタしたのは限られた時間帯だけで、しっかり正気を取り戻して戦えていたので。その要因の1つはスクラムがよかったこと。またラインアウトも神戸製鋼戦に比べれば格段に修正されていました。これはコーチ陣が準備してくれた部分があったと思います。セットプレーが安定していたのは大きかったです。

(ディフェンスにおいては若干だがファーストタックルが甘かった)どういう状況かわからないのですが、寒くて手がかじかんでいて、うまくグリップできないとか、グラウンドが固くてやりにくいとか、いろいろな部分あると思うんですが、確かにヒットしなかったですね。強度が低かったとは思わなかったんですが、ヒットできず簡単にゲインされてしまった。当然、NO.8の選手などを中心に相手のフィジカルも強かったとは思います。

(後半は徐々に取り戻していったが、同点の状況でSOロビー ロビンソンを下げ、木上鴻佑にSOをまかせた)このチョイスを躊躇なくできるようになりました。ロビー(ロビンソン)のパフォーマンスが悪かったというわけではなくて、木上自身がシーズン当初と比べて信頼できるプレーヤーに成長したということが一番の要因です。キヤノン戦でも10番としての先発を経験しましたので。シーズン当初はセーフティリードをつくった上での残り数分のチャレンジといった経験を意識した使い方が多かったんですが、今日はもう立派に戦力を支えるピースとして考えていました。

今日はタマティ(エリソン)を80分使うというプランがあり、ロビーを下げざるを得なかった状況でも、木上に安心してまかせられたというのは来シーズンに向けての大きな収穫です。まだ10番としては、キックのようなスキルアップしないといけない領域はたくさんあるので満足して欲しくはないのですが、この1年間で非常に伸びた選手のひとりであることは間違いないです。

(描いていた目標に対する距離など、今シーズンの感想を)順位に関しては、ルールはルールなので言い訳できません。先週勝てていれば5位に上がるチャンスもあったということなので。トップ4との距離という風に考えると、やはりまだあると思っています。大事な試合で勝ち切れなかったですよね。サントリー、ヤマハ発動機、トヨタ自動車、先週の神戸製鋼……。こういったビッグゲームで勝ち切るための準備とは何かというのはまだまだ自分自身突き詰めないといけないですし、学ばないといけない部分と思っています。

マインドのセット、メンタルの部分もそうでしょうし、1つひとつのプレーの精度、判断、こういったところも含めてまだまだ準備が必要かなと。先週の神戸製鋼戦でいえばラインアウトのミスが続いて、試合が壊れてしまったり。普段できていることができなかったり、そういった部分に対するあらゆる成長が必要なのかなと。来年の今頃には、このシーズンがいい経験だったと思えるようにするために、ここからの時間が必要だと。そういう意味でまだ差はあるかなと。

(ロビンソンの10番定着、FB中澤健宏の台頭など、もしかすると想像を越えるものだったかもしれない活躍が好成績を支えたのではないか?)我々が準備していた想定と違った中でチームが成長していったのはポジティブにとらえています。中澤のような若手の成長にはまだまだ期待したいですね。選手層的にもまだ足りませんので。能力を秘めた選手をしっかりと育成して、力を発揮させていくというスタイルはリコーとしてブレずに貫いていきたいと思っています。トップレベルの選手を多く獲得できればそれにこしたことはないのですが、仮にそれができたとしても、チームで選手を育成していく試みは続けていく必要があると思います。

(トップリーグの舞台で学べることは多くあるが、日々のトレーニングが効果を生んでいると話す選手も多くなってきているように感じる)監督になった当時を振り返ると、ゲームに出られない選手の不満であったり、そういったものを感じることはありました。競争である以上、それがゼロにならないことはわかっていますが、そういう状況でも前向きにトレーニングに取り組む選手が徐々に増えてきたとは思います。ゲームに出られなかったとしても、自身の成長のために真摯に取り組むんだというマインドが、チーム全体に広がってきたと思います。結局、「自分がどうするか」なのだという考え方ですね。

そこに今シーズンはサム ハリスコーチが来て、彼を中心にブラックホークという若い選手を集めたチームをつくり指導する機会を増やすといった環境を整えることができ、さらに良い雰囲気が生まれ、それが若い選手の成長につながってきているのだと思います。育成への注力は監督になってからずっとやりたいと思っていたこと。まだまだやり始めたばかりなので、しっかり継続させていきたいと思っています。

LO馬渕武史キャプテン

今日はありがとうございました。また1年間を通して、素晴らしい環境でラグビーをプレーさせていただきありがとうございました。目標としていたトップ4には届きませんでしたが、しっかり成長を感じられた1年だったのかなと思っています。来年こそトップ4に入れるように、今のレベルに満足せず、また成長できるように取り組んでいきたいと思います。

(前半てこずった。どのあたりに原因が?)トライが重なってしまったので、精神的に受けに回ってしまったのかなとは思います。(さらに上にいくためにはどこを強化すべきか?)ブレイクダウンのところ。相手が激しく仕掛けてきてなかなかボールが出なくて、継続できなかった試合があったので、どの相手でもしっかりクリーンボールを出してうちの攻撃をつなげることができるようにならないといけない。また、1年間通して自分たちの力を発揮するというのはまだできていない部分もありました。試合の中でも試合の入りだったりにムラがあったりするので、その辺はメンタルが絡む部分かもしれないんですが、チームとして強化が必要だと思っています。

(芝の状況は?)僕が入ったときはよくなっていたのですが、最初の方は硬くて、地面に倒れるのが少し怖いくらいの印象が。剥がれもスクラム組む時には気になりました。その辺は硬かったときは逆に良かったんですが。
【以上共同記者会見にて】

LOロトアヘアポヒヴァ大和

(試合前の練習から気合を感じた)そうですね。いろいろな思いが自分の中にあって。その思いを自分のプレーに変えたいなと。(思いというのは?)今までやってきた仲間の中に、今年でチームを去る選手もいたので、その仲間のことを考えていました。最後の試合になってしまうのだなと思いながら。あとはもちろん、今シーズン最後の試合なので、勝って終わろうというのもありました。向こうも勝ちたいという気持ちで臨んでくるだろうから、それ以上に強い気持ちでやらなければと思っていたかな。(一度追いつかれたが、よく突き放した)追いつかれた場面は、点差が離れたのでスイッチオフしてしまったのかなと。それでハーフタイムに「あと40分しかないのだからやりきろう」と話をして。

(7位という結果については?)悔しいという気持ちが強かったかな。チームの目標は達成できなかったので。ここから上にいくには精度。アタックでもディフェンスでも精度を高めて、毎試合いいパフォーマンスをできるチームをつくっていきたいと思います。

SO/CTB木上鴻佑

(展開しトライを奪った場面について)BKは全員揃っていたので、タマティ(CTBエリソン)が得意なプレーを選択して。枚数が一枚勝っているのはわかっていたので、速いパスでいきました。(接戦の状況でSOに入った)まあそうですね。でもナキ(アマナキ ロトアヘア)とタマティの両CTBはかなり頼もしかったので、シンプルに。10番に入ったときはシンプルなアタック、近めをダイレクト、ダイレクトっていうのが多いので、ナキに一番行きたいサインプレーを聞いたりしながらやりました。

(前半はトライを許したが)獲られるタイミングが悪くて、前半離したあとに追いつかれた感じだったので、チームの雰囲気としては良くはなかったですね。(どうやって戻していったのか)前半の最後に3点入れて、リードして折り返せたというのは良かったと思います。あとは運動量。ハードワークしようと。後半は運動量で勝てていたと思います。(ディフェンス時に少し食い込まれたりしたのは、それも運動量の部分だと考えていた?)そうですね、あとはファーストタックルで外国人選手に前に出られたので。セットが遅くなって後手後手を踏んでいた印象です。

(CTBは愛着がある?)リコーに入るまでSOはやったことがなかったので。高校も大学もずっとCTB。12番は自分で持ち込むプレーも多いので思いきってやれる一方、10番は頭を使って誰をどう動かすかとか考えることが多い。でも今はどっちでもっていう感じです。両方のポジションを楽しんでやれていますね。今シーズンは両方のポジションで使ってもらえて、個人的にもいい経験ができました。

(7位という結果について)最後の試合を勝って終われたこと、チームとしての最多勝利を記録できたことは嬉しいですね。ですがトップ4を目指してやってきたので、次こそはその場所にいけるようにしたいという思いはあります。決勝戦も見ましたが、僕たちがほとんどの局面で食い込まれていたパナソニックのアタックを止めて勝ったサントリーはすごかった。それでも僕が入った13位だったシーズンと比べれば差は縮められたと思いますし、今シーズントップ4に入ったトヨタ自動車との試合は、あと少しで勝てる試合だったと思っています。いけると思っています。

(来シーズンのテーマは見えてきたか?)SOをやるならキックのところですかね。今そこは他の選手にまかせていますが、自分で蹴れるようになればプレーの幅は広がりますし、スターティングメンバーで出ることも増やせると思うのでそこはフォーカスしていきたいと思います。

(SOについてのアドバイスは、どういった人たちから?)武川(正敏)BKコーチはもちろん、ロビー(ロビンソン)、タマティもいろいろなことを教えてくれます。バックスリーの選手からの言葉も参考にしています。昨シーズンまでは徳永(亮)さんもいたので教えてもらっていました。いろいろな人たちのアドバイスがあって今シーズンがあったと思っています。

FB中澤健宏

(ラストパスを出してWTB渡邊昌紀がトライを奪ったシーン。きれいな流れだった)よく練習してたサインなので練習通りできたなと。(試合全般を振り返ると)ブレイクダウンとかゲインラインとか、フィジカルのところでは勝っていたと思うので、そこで余裕はあったのかなと思います。ただ焦ってしまっての自分たちミスで、相手に流れを持っていかれそうになった場面もあって、順位決定戦というプレッシャーもあったのかなと。その中でも自分たちのトークや、スタッフの自分たちの強みを出していこうという言葉を受けて、もう一度自分たち自身にフォーカスして修正できたとは思います。

(ハーフタイムはどんな話を?)全般的に見たときフィジカルで余裕があったとは思うのですが、それが出せていない時間もあって、ラック周辺のところをFWでゲインされたりとか、少し受けてしまった場面あったので、すべてのフィジカルの勝負で勝とうと。

(後半は主導権を握った)リコーにはペネトレーターが何人もいるので、そこにNECさんが寄ってしまったりした結果、こちらが先手をとることができていたように見えました。こちらがゲインするのでディフェンスが寄って、スペースが空くのでそこにアタックができるというように。ペネトレーターの存在がいいアタックにつながっていたと思います。

(結果的にオフサイドとなったが、ハイパントを弾いた場面は危なかった)自分の中で迷いがあって、ジャンプするかどうか。それでボールを落としてしまった。もう一回蹴られたらちゃんと捕れると思いますが、あそこは課題ですね。これだと思って決めてプレーをしないとああいうミスが起こる。パスでもキックでもキャッチでも。

(少し苦しい時間帯だった)ああいうところでは、縦の軸、2番、8番、9番、10番、15番がしっかり立て直せるようじゃないといけないと思うので、自分も自覚をもって、向こうに流れがいきそうなときに声を出すとか。落ち着いてエリアを獲るとか。来シーズンはそういうプレーができるように意識していきたいです。

(今シーズンより立ち上がったディベロップメントプログラムを受けていた)参加していました。シーズン中も、火曜日の練習後という時間を使ってメンタル面に関するプレゼンテーションなど、ラグビーに直結するもの、そうでないもの、様々なコーチングを受けていました。(何か役だったものは?)やはりメンタルの部分でしょうか。パワーステイトメントという、つらいときや苦しいときに思い浮かべると力が出る頑張れる言葉をつくろうという取り組みなどは、印象に残っています。

PAGE TOP