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インタビュー

PR柴田和宏選手インタビュー

 昨シーズン、トップリーグでの出場機会を大きく増やしスクラム戦に貢献したPR柴田和宏選手が、日本代表に次ぐシニア代表チームであるジュニア・ジャパンに選出されました。3月から4月にかけて行われたIRBパシフィックラグビーカップ2013に出場を果たしました。この1ヵ月にわたる海外遠征での体験と、そこで学んできたことを聞きました。


一番上と下では11歳もの年の差。でも、徐々にチームは1つに

―― 代表というものに選ばれたのは今回が初めてだったそうですね。率直にどんな気持ちでしたか。

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柴田: うれしかったですけど、ちょっと不安もありました。なにしろ全く想像がつかない世界だったので。とりあえず代表に慣れているチョーさん(PR長江有祐)に何から何までLINEで聞きましたね、練習やスケジュールだったり、守らなければならないルールであったりを。
 でも行ってみると、チーム以外のさまざまな選手や指導者と一緒に練習や試合をするのは得るものが多いです。刺激を受けました。これは昨年ニュージーランドへの海外研修に行かせていただいた時にも思ったことです。

―― 今回は2012年に新設された“ジュニア・ジャパン”という代表チームへの選抜でした。若手育成を目的に、高校生などの若い選手から、26歳の柴田選手やそれより上の世代もいるというチームは、どんな雰囲気でしたか。

柴田: 一番上と下では11歳くらい離れていたんですよ。最初は少し不思議な感じがしました。でも、約1ヵ月一緒にいたので時間が経つにつれてチームとして1つになっていくんですよね。年の差は関係なくなっていきました。
 リーダーシップをとっていたのは、キャプテンを務めた村田毅選手(NEC)、バイスキャプテンの林泰基選手(パナソニック)、ほかにも年長者の佐々木隆道選手(サントリー)や太田春樹選手(近鉄)が率先してチームを引っ張っていました。
 隆道さんはディシプリン(規律)のところをよく伝えていました。「ルールを守れない選手がいると、チームは強くならない」と、練習後のケアや私生活にいたるまでの規律意識について、若い選手によく声をかけていました。
 若い選手は元気でしたね。練習がハードなので、夜は社会人のメンバーは疲れきっているんですが、高校生は大騒ぎしながら卓球したり、ビリヤードしたりしてるんで。高校生のメンバーはフィジカルのレベルがすごく高いと思いました。普通にもうトップリーグでやれるんじゃないかなんて子も普通にいましたし。彼らが順調に育っていけば、日本は絶対に強くなると思いましたね。

―― 監督はフル代表と同じくエディ・ジョーンズ監督が務めています。何かアドバイスで印象に残っていることはありますか?

柴田: まず姿勢の部分では練習に入るまでの準備ですね。エディーさんは「練習の“入り”から100%でできるように、自分たちで準備をしなさい」と口酸っぱく言っていました。
 技術的には、ブレイクダウンへの寄りや、攻撃の形(シェイプ)をつくる速さなどですね。日本代表(ジャパン)は「世界一のアタッキング・ラグビー」を目指していくというテーマを掲げていて、スピードがその生命線であることは繰り返し伝えられました。
 国際試合で実感したのですが、外国人相手だとブレイクダウンで寄りが少し遅れただけでターンオーバーされるんですよね。ただ、そこをきっちり寄れていければ十分通用するしトライも取ることもできる。スピードの重要性は身に染みました。


次はジュニア・ジャパンではなく、ジャパンで。

―― 今回はオーストラリアで3試合、ニュージーランドで3試合。ニュージーランドに渡ってからは、スーパーラグビーのチームのディベロップメントとの試合もありました。

柴田: オーストラリアでは比較的若いメンバーで構成されたチームと試合をしました。ニュージーランドで戦ったディベロップメントはチームのスコッドに入っているメンバーと、将来を期待されている若手が混ざったチームで、やはり強いですよね。ハイランダーズのディベロップメントには30歳を超えた中心選手もいたくらい。
 僕個人の感想ですが、ニュージーランドの方が個人スキルというか、個人で来るという印象が強かったですね。特にハリケーンズのディベロップメントなどはそう感じました。オーストラリアで戦った相手はどちらかというと組織で戦ってくる感じでした。

―― 個々の選手のプレーで驚いたことはありましたか?

柴田: バランスですかね。向こうの選手は皆フィジカルが強いんですけど、バランスがよいのでなかなか倒れない。倒れても起き上がるのが速い。あとは少ない人数で仕事をするのがうまいというか。1人の選手が複数の仕事をしていました。

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―― 遠征の生活はどうでしたか?

柴田: 長い1ヵ月でしたね。オフがあまり無かったので(笑)。正確に言えばオフはあったんですが、移動日だったんですよ。それもリカバリーとかで身体を動かしていました。午後のオフは2回だけあったかな。
 ただ、「代表になると、こういうことが当たり前だから」と薫田真広さん(日本代表戦略室室長)に言われた瞬間、何も言えなかったですけどね。

―― 短い時間で、異なる環境にフィットしてプレーすることも求められるのが代表なのかと思います。それは自分に向いていると感じましたか。

柴田: 案外平気でした。でも、強いて挙げるなら食事が合わないところだと、慣れるまで調子が出なかった。自分のそういうところが知れたのはよかったと思います。今後対処していけるので。
 代表にはぜひとももう一度入りたいですね。今度はジュニア・ジャパンではなく、ジャパンで。


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