全日本選手権自戦記  99.2.13 菊田裕司

菊田−細川戦:棋譜解説





対戦相手が細川君に決まったときに、一番嫌な相手になったと思った。先週の都名人戦 で250手の激闘をしたばかりであったからだが、やはりもうこの時点で気持ちで負けて いたのかもしれない。  4手目3三角は予想通り。同じく先週の都名人戦で麻布中の山内君に指されて苦戦した が、本譜はその後考えた対策のつもりである。  11手目4六歩が早くも勝負手。2四角から4五歩と来る手があるからである。先週細 川君と指したときも相居玉の乱戦だったので今日もまたそういう展開になるかと思ったが、 細川君が自重したためにゆっくりとした展開になった。ここまでで双方かなり時間を使っ ており、他の将棋はもう中終盤になっているのに、ここだけはまだやっとこれから駒組と いう感じだった。それで安心し切ってしまい、気が抜けてしまった。  5九銀を打たず、単に桂捨てから飛車を切る手を完全に見落とした。 4五歩と仕掛けられてもまだ気づかなかったのだからどうかしている。 気づいていればまた4六銀のところで2八銀と引く手があり、それなら 難しかったらしい。4四桂が最後の悪手で単に6九飛、4六銀成、4七 歩ならまだましだったようだが、もうここでは完全にやる気をなくしてい た。  最後になりましたが、今回はいろいろ運営で不手際があり、選手の皆さん、後援の週刊 将棋様、その他関係者の皆様にご迷惑をおかけして申しわけありませんでした。  来年はこのようなことがないよう全力を尽くしたいと思います。                    (了)


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