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イベント・レポート -0005-

第70回 記念職域団体対抗将棋大会

日本将棋連盟主催、日本武道館、朝日新聞社後援

月 日 :1996年3月3日
場 所 : 東京都千代田区北の丸公園 日本武道館
リポータ:西田文太郎

レポート

 悔しい報告です。

 96年3月3日、世田谷区の羽根木公園では700本の梅が満開とテレビは伝える。皇居の周りも桜を真近に感じさせるほのかな陽射しが心地よい。今日ならライオンの皮でなくたって平気。

 九段下の日本武道館は、大勢の熱気であふれている。春秋年2回開かれる職団戦には毎回3000人以上の将棋好きが集まる。上は、Sクラスから下はFクラスまでに分かれ、日頃鍛えた腕を試す絶好の機会である。同僚と普段はライバルで競い合っていながら、今日は5人一チームとして勝ち越しを狙い一丸となって戦う。

 Sクラスは8チームだけで構成されるがそこへリコーは1軍、2軍と2チームを送り優勝を狙う。このクラスだけは4チームずつのリーグ戦を行い、上位2チームで決勝トーナメントを行うので、優勝までには5勝が必要。

 2軍は、初戦5勝ゼロ敗と好調な出だしだったが、プロセス資材とアルゴリズム研究所の壁は厚く3位に終わった。
 期待の1軍は、リーグ戦は全勝で抜けたものの準決勝で惜しくもアルゴリズム研究所に破れた。優勝は、結局、アルゴリズム研究所を破ったプロセス資材になった。
 最近は、Sクラスの力が均衡しており連覇は難しく、勝つにしても3勝2敗というケースが増えている。リコーの第50回からの8連覇と第60回からの4連覇の偉大さが今にしてよく分かる。ただ、リコーは連覇がとぎれた為に少し目標を失っている様なのでトップランナーの辛さをかみしめて再び連戦連勝の強いリコーを目指したいもの。そのためにも、もっと個人戦の大会にも沢山出て活躍してほしい。当面は来週の朝日アマ名人戦の野山さんに期待、頑張ってください。

 ほかのクラスもBクラスの3、4軍からEクラスの7軍まで初戦は勝ち抜いたけれど、2回戦か3回戦で敗退してしまった。
 東京リコーは破れはしたがいつの間にかBクラスまで上がってきているのは立派。
 職団戦のレベルは年々上がっているとは言ってもリコーの3軍以下も優勝を狙いたいもの。かくいう私もBクラスに4軍ででたのに二つとも落としてしまい、チームに全く貢献できなかったのが残念だ。遅まきながら少しずつ強くなって行くしかないかと次回を目指すしかない。
 終わってから槙さんと高橋君が励ましの白星をくれたのがせめてもの救いだった。それと、負けたときの菊田さんの悔しがる顔をはじめてみた。頼もしい。野山さんは何かの大会で(聞いたばかりなのに忘れてしまった)負けたのが悔しく一週間も悶々と眠れなかったという。強くなる秘訣はこの辺かもしれない、詰将棋と愛と悔しがることと。

 今回の職団戦は、70回記念でいつもの指導対局の他に女流棋士が22人も勢揃いして対局してくれた。  斉田さん、中井さんの顔に混じって、我らがホープ中倉姉妹も二面指しをやっていた。宏美さんは終盤必死をかけて詰ましてくださいとしたところ、相手は王手の連続で迫ったけれど詰まなかった。私も分からなかったが、我れらが浜下さんの解説で鮮やかな即詰みが有りなるほどと感心した。

 年に二度の将棋の催しで、3000人ものファンを集める素晴らしい大会、主催者へ感謝と拍手を送ると同時に、もっと広い会場でゆっくり指したり見たりできれば、尚、嬉しいと思う。
 幕張メッセ会場での開催、開始時間をクラスにより変更、、、いろいろと工夫はしているが、2階席から見ると芋の子を洗う夏の湘南海岸のようだ。東京ドームのようなところで、もっと沢山集めてできると将棋の普及に大いに弾みがつくのではなかろうか。
 Sクラスの大将戦などを大盤解説したりインターネットで海外にも流したり。我が花粉の友藤森さんはお子さんを連れてきていたようだがお子さまや奥様も見に来てくれれば将棋好きのご主人もより理解してもらえるし、将棋の裾野がより広がるだろう。


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