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イベント・レポート

桑山君、結婚おめでとう

〜〜〜凡凡と積み重ねて非凡になる〜〜〜

年月日:2008年8月31日(日)

場所:幕張ホテル ザ・マンハッタン

レポーター:西田 文太郎

【幕張のホテル ザ・マンハッタン】

 残暑が残る日曜日。海浜幕張駅からホテル「ザ・マンハッタン」に向かって歩く。だだっ広い土地に点々と大きなビルが建っている。最近では毎年IT関連のトレードショー「シーテック」が、開かれるたびに訪れる。
 今日は、駅から歩いて数分のホテルに向かう。近くて楽だ。駅前のビルをすり抜けると、見覚えのあるマンハッタンの尖塔が目に入る。もう10年も前のことになるだろうか。ここへ、営業に来たことを思い出した。応対してくれた支配人はアメリカのホテルで働いていた年配の方だった。私のビジネスにはほど遠いことが直ぐに判った。しかし、丁寧に館内を案内してくれた。高価な調度品やアンティークな飾り物をゆっくり拝見させて貰った。不意に想い出して懐かしくなった。
 はるか前の方を歩いているのは平田のようだ。ふと後ろを振り向くと吉中がいた。10歩ほど待って、一緒に歩く。

【結婚式はチャペルで】

 10:45から、チャペルで、挙式だ。やや小柄な牧師さんが、外国人特有の日本語にさらに抑揚をつけて式を執り行う。1階分上に作られた空中の演奏席で、オルガンとバイオリン、そして聖歌隊が賛美歌を歌う。
 白いタキシ−ドの桑山が、白いウエディングドレスの愛さんと誓いの言葉を交わす。誓いの口づけを交わす。いつもながら、ポーカーフェースではあるが、どことなく嬉しそうだ。
 賛美歌をみんなで歌っているときに、隣の瀬良のきれいな声が聞こえてきて、とても意外だった。能ある鷹の隠された爪か。

【桑山流】

 彼は関西出身で、野山の同志社後輩に当たる。将棋は学生時代からかなり強かったようだが、タイトルに手が届くほどではなかった。しかし、リコー将棋部では地味ながら大物にも時々勝つことがある。普通の手を積み重ねて、いつの間にか優勢になっている。合宿では屋敷師範にも勝ったことがある。将棋というゲームは、良い手で勝つことよりも悪い手で負けることが多い。普通の手を積み重ねることが大事だ。
 桑山の将棋を見ていると、剃髪の森を思い出す。1978年名人戦に挑戦した森けい二が、「中原は強くない、相手が勝手に転んでいるだけ」と言ったが、人間同士が指す将棋の本質を突いていると思う。棋力が接近すればするほど、メンタルなものが勝敗を分ける。コンピューター将棋では棋力にメンタルが顔を出す空間はないだろう。羽生さんが「テニスは将棋に似ている」と言ったが、テニスも転んだ方がまける。

 将棋部では、最初合宿委員をやっていた。合宿委員は、大勢を相手に大声を張り上げなければならないので、直ぐにレーティング委員に代わってもらった。直ぐに結果を出すので、前任者より評判が良かった。ボランティアで、障害者将棋大会の運営にも手を貸してくれた。
 彼は書道を習っていて、一昨年は青葉区民芸術祭に出展していた。どういう書を描くのかは、残念ながら知らない。繊細に見えて、実は肝のすわった字を書くのではないだろうか。
 また、将棋の大会の後にはカラオケにも行くようだ。

【披露宴】

 11:40頃から披露宴が始まった。来賓が席に着くまでは、ピアノの生演奏で「ムーンリバー」が流れている。丸テーブルが10個ほど配置されている。奥方は学習院出ということで、友人のいるテーブルは、華やかだ。
 やがて、安室奈美恵の「キャンユーセレブレイト」のピアノ演奏に代わり、扉が開いて主役腕を組んでしずしずと登場する。新婦は丸みを帯びた優しそうな顔立ちで桑山君とよく似合っている。新婦の白いウエディングドレスがスポットライトに映える。

 主賓の将棋部長松浦さんが祝辞を述べる。自分の子供が結婚したが良い息子、良い娘が増えてめでたいという思いを語る。まさに同感だ。
 学習院の教授は愛さんのほっぺが赤くて可愛いということから「赤いリンゴ」の唄をうたってくれた。レトロな気分になる。

 ケーキに入刀し、新婚さん同士でケーキを食べさせあうという芸をした。二人とも嬉しそうな笑顔を浮かべている。桑山君は大いに照れている。

 こちらは気楽にワインを飲んだり食事を楽しんだり。

 カラオケ仲間の星出が何か歌っていた。良い声のようだが、ワイングラスのせいか良く聞こえない。

 チェロの演奏や生ピアノが中々上手い。

 ブーケの受け渡しはリボンを通じて行われた。

 やがてご両親への花束贈呈から、新郎の挨拶がある。明日からハワイに行くと言うことで、めでたくお開きとなった。

 桑山流の披露宴は奇をてらわず、粛々と進められた。将棋と同じように、普通の手を着々と指し進めていた。平凡を積み重ねて非凡となす。手慣れた司会のプロは心地よく、生演奏のピアノは美味しいワインを更に美味しくする。

 新しい門出、これからの幸せと、活躍を祈る。ボン・ボヤージュ!

 (記:08年9月13日)


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