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2006年度社団戦最終日

年月日:2006年10月22日(日)

場所:港区「東京都立産業貿易センター浜松町館」

リポータ:桑山 尚司

 社団戦は1年を通して5日間行われ、リコーからはリコー1とリコー3の2チームが出場している。4日目まで終えた時点でリコー1は1部リーグ4位、リコー3は3部リーグ赤3位につけていた。私はリコー1のメンバーとして参加している。

 リコー1は1部リーグ残留をほぼ確定としているが、かといって3位入賞は難しいという微妙な順位であるため、5日目の最終日は優勝争いをしている上位チームに勝って慌てさせることが唯一の楽しみとなった。

 当日は目覚めがよく、天気は曇りであったが気分よく家を出ることができた。会場はJR浜松町駅の都立産業貿易センターで5日間とも同じ会場であった。電車の中で座っている時、将棋の本を読んで時間をつぶそうか、一般雑誌を読んで時間をつぶそうか、はたまた、うとうとしようか迷ってしまったが、試合数時間前の体調管理として、結局、週刊将棋を眺めながら時間をつぶすことにした。駅に着くと、知っている顔の人が数人会場に向かっていて、私も後を追って足早に会場に向かった。

 普通電車で来てしまったためか集合時間ぎりぎりに到着してしまい、会場にはすでに大勢の人がいた。リコー1のメンバーがどこにいるのか分からずうろうろしていると星出さんから電話がかかってきた。自分が会場にいる旨伝えている最中、やっとリコーメンバーのいる場所がわかりほっとした。

 1回戦は暫定首位の「くるくる」との対戦。くるくるチームにはリコーの2枚看板、細川、武田など大将から7将まですきの無い布陣で、誰とあたっても苦しい試合になるのは火をみるより明らかだった。相手メンバーを見渡し、なぜか竹内さんとは当たりたくないなと思った。リコー1の大将から7将までの並びは大将野山さん固定で、あとはトランプを使って決めるという面白い手法を馬上くんが使っていた。野山さんが大将におられるだけでチームが落ち着くのはさすがとしかいいようがない。メンバー表交換すると、私は竹内さんと当たってしまっていて、杞憂的中に思わず苦笑いしてしまった。

 下図は竹内俊弘さんとの試合。(私から見た図にしたかった為、図面下側が後手)

画像:図1
【図1】

 図1の局面、まともに▲4四銀または▲4四歩をくらうと敗勢になるが、読み筋どおり△2四角▲4四銀△5四金と進み、少し優勢になったと思った。以下、▲5三歩△5一歩▲5五金△7七飛成▲同桂△5五金▲同飛△6六角▲5二歩成△同歩▲同飛成△4七歩と進行し、図2の局面となった。△4七歩は数手後の△7六馬が金取りの先手になる自慢の一手であった。

画像:図2
【図2】

 図2の局面は2枚の角が急所に効いていることと玉が堅いことから若干優勢であると意識していた。しかし一手間違えるとすぐにひっくり返される相手なので最後まで油断しなかった。以下、▲4七同銀△7七角成▲5四歩△7六馬▲3九金打△4六歩▲3八銀△5一歩▲4二龍△同銀▲5三歩成△3一銀と進んだ。途中△4六歩では△5七桂の方が良かったかもしれない。以下も攻防は続いたが僅かの差を最後まで維持し、苦しみながらも勝つことができた。気持ちが入っていたので大変うれしかった。

 感想戦を終えてまわりを見渡すと、馬上―武田のリコー対決は馬上くんが勝っていた。星出さんは「相手が歩を持っていると思っていた」と、どういう局面か想像するのが難しい(?)言葉で非常に残念がっていたが、試合中にちらっと見た時は星出さんが大優勢だっただけに、負けて悔しい気持ちがよく分かった。現役アマ名人山田主将は貫禄をみせて勝ち、野山さんは残念ながら負け、宮田さんは勝てる試合だったようだが惜しくも負け、という状況だった。この時点で3勝3敗となり残るは、牧野―細川戦のみとなった。チームの勝敗を決める試合となったため、皆固唾を飲んで見守っていた。局面をみると明らかに牧野さん敗勢、でもこういう状況で決してあきらめる人ではない。大逆転勝利を期待したが細川くんにしっかり寄せられてしまい、ついにチームの負けが決まった。

 昼食後、宮田さんといっしょに、昨日行われた山田アマ名人と森内名人の角落ち戦の棋譜を並べた。私は会場で試合を最後まで見ていたので棋譜は知っていたが、2転3転の面白い将棋で、改めて楽しむことができ大変勉強になった。

 2回戦は、暫定2位の翔風館TLSとだった。
 私の対戦相手は小関さんで相矢倉の将棋となった。気持ちよく端攻めを成功させたのだが、その後にとんでもない悪手を指してしまい一気に敗勢になった。それから、しばらく粘ったが、ただ手数を増やすだけしかならず結局負けた。負けるといつも悔しいというか寂しい気持ちになる。相手にだけスポットライトがあたるというのは寂しいものだ。生活がかかっているプロは負けるとどんな気持ちなんだろう。チームは2−5で負けたので、次の最終戦も負けると、もしかすると入れ替え戦になるかも、と思った。

 3回戦は、翔風館NBFとで、私の対戦相手は若林さんだった。
 戦形は相手の三間飛車に対して私は穴熊で対抗した。大さばきをして玉の堅さが全然違うので優勢の分かれで終盤に入ったが、そこから5連発ぐらい悪手を指して一気に敗勢になった。しかしながら最後の力を振り絞って時間攻めをすると少しずつ挽回していくことができ、最後は詰めろ逃れの詰めろをかけて逆転勝ちすることができた。よい内容ではなかったが勝つと実にうれしい。チームも5−2で勝った。

 試合終了後、くるくると翔風館TLSの優勝決定戦をみてから、星出さんと渋谷へカラオケに。これはいつも楽しみだ。今日は充実した一日だった。


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