イベント・レポート

第27回三愛会東京支部将棋大会

〜〜〜S級野山2年連続優勝〜〜〜

年月日:2003年5月24日(土)10:00〜16:30

場所:港区「リコー青山事業所 2階食堂」

リポータ:西田 文太郎 e-mail : buntaro.nishida@nts.ricoh.co.jp
(将棋部は敬称略)

【嬉しいS級デビュー】

 ゴールデンウイークを過ぎ5月も通り過ぎようとしている。青山一丁目駅から外苑東通りを乃木坂に向かう。穏やかな春の陽射しは心地よい。今日は、あこがれのS級にでることになった。心の中はお天気と同じく穏やかだ。ややときめきはあるが気負いはない。
 何時の頃からか青山の食堂が会場になって久しい。三愛会の人たちが休日にもかかわらずリコー三愛グループの人たちのために大会を開催してくれる。有難いことだ。それなのに、今年はたった33人しか参加者が集まらなかった。寂しい。S級8名、A級8名、B級17名。Sはスイス式リーグ戦、AとBは慰安戦付きトーナメント。8名なら、A級もスイス式にしたほうがよかったのにと思う。トーナメントは一発勝負の世界なので、一回負ければ、それでおしまいだ。8人のスイス式なら4回は指せる。
 今回は、結論からいってしまえば、4戦4敗だったが、内容的には、充実していた。その証拠に、はじめて4局全部の棋譜を再現できた。90%程度は正確だろう。最初の2局は50手目くらいで、終わっているが、チャンスはあった。あとの2局もぎりぎりまでチャンスはあったので、少しは上達しているようだ。

【第1局:太田戦】

 スイス式も抽選で名前が入る。私は太田と対局することになった。昨年どこかで一度やったことがある。そのときは必敗の将棋を、向こうが勝手に転んで拾わせてくれた。敬老精神にあふれた立派な青年だ。(^。^/)
 先手番だったので、居飛車にした。横歩取りの戦形となった。18手目の△22銀あたりまではすらすら進む。そこから私の指し手は渋滞する。山崎流とかいうのをやろうとするのだがうろ覚えも良いところだ。中座真著作の「横歩取り△8五飛車戦法」という本を持っているが、中身が難しそうなので、ほとんど読んでいない。これからしばらく、あの本で研究しようと思う。そんなこと対局中に思っても遅いのだが。
 角を94の地点に打ってきた。玉を睨まれて嫌なラインではある。太田はこの角がよく効いていたというが、私はそれほど効いていたとは思えない。自分のこの辺の感覚がまだまだ発展途上中ということかも知れない。
 49手目に、角を切って攻め込んだ。直後に攻防の角を打たれた。そして龍が74に逃げたのが55手目。ここで、ほとんど将棋は終わってしまった。龍を56に引いておけば有望な変化もありそうだった。ここは、時間もあったので、もう少し慎重に読むべきだった。左翼の金と銀が壁のまま取り残されているのが痛い。

【2局目:宮田戦】

 宮田とは、過去3度ばかり矢倉で負けている。かなり良いとこまでは行くのだが、懐の広い柔軟な指し回しに最後は討ち取られてしまう。
 今回は、序盤から惑わされてしまった。矢倉の玉と金が一路中央寄りにいて、掘っ建て小屋のような構えだ。右銀を繰り出して足早だ。すっかり出遅れた私は、矢倉穴熊に組み替えた。桂馬がぽんぽん跳ねてきたので、角打ちの隙ができた。しかし、角には角と合わされてみると、大したことはない。ここで、千日手にしてしまえばよかった。局後の検討では、跳ねてきた桂馬を歩で取りきれるかどうかの変化をいろいろ調べたが、はっきりしなかった。そして、今思えば、50手目の角の成場所が悪かった。あそこは、苦しい展開が急によくなったので、手拍子で指してしまったのだ。

【3局目:坂下戦】

 坂下と公式戦ははじめてだ。読みの入った、筋の良い将棋といった印象だ。
 戦形は横歩取り。5筋の歩を伸ばしてくる。中央に気を取られていると、9筋から攻めかかってきた。ここは軽くかわそうとするが、じりじりと押してくる。仕方がないから飛車交換をして、反撃のチャンスを待つ。中央に追い出された我が玉はいかにも頼りない。
 しかし、こちらも飛車を打ち込み攻め合いに持ち込めた。途中感触がよいところもあったが、最後は、中原で仕留められてしまった。局後76手目の局面で、詰みが有ったことを教えてもらった。何だ、簡単な7手詰じゃないか。このくらいは瞬時にわかるようにならないとね。

【4局目:桑山戦】

 桑山とは、一度だけ指したことがある。矢倉だったと思うが、局後えらく深く読んでいるのにびっくりした。
 今日初の振り飛車にしてみた。最近は振り飛車も指すようにしているが、どうもぎこちない。銀を角の下に置いたままにしていたら、5筋の位をとられ、息苦しい局面になった。しかし、銀交換から角交換をして、良い勝負になった。直後の敵の飛車回りが緩手で、急所の▲45歩から面白い展開になった。最後、どうしても一手足りなくなってしまった。局後の指摘によれば、112手目の△19馬に▲28銀と受けておけば、有望だった。私は、△同馬▲同玉△37銀で詰めろがかかりそうに思っていたが、今見ると何でもない。惜しかったな。

【結果】

 S級は、野山が昨年に続いて優勝した。その野山に一矢報いた宮田の棋譜が見たいもの。(棋譜はこちらにあります。)準優勝は名田。
 A級は、木村さんが優勝。
 B級は、角田さんが初優勝。

【打ち上げ】

 宴会部長の豊岡がパソコンが自由に使えない職場になったということで、青山にいる私が幹事を引き受けた。食堂で打上ができるのは、楽で良い。
 今回は初めて島井咲緒里女流棋士が来てくれた。目がくりっとして、明るくさわやかだ。指導対局は全勝だったという。
 柳川さんも昨年の手術からすっかり回復されお元気な姿を見せてくれた。恒例の新人歓迎会は別の大会に行っていたので、合宿に持ち越しとなった。
 事務局の方には楽しい一日を感謝したい。

(完:記03年5月24日)


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