イベント・レポート

東京リコー残留ストーリー?

リポータ:中原 久志

空に星があるように
浜辺に砂があるように
僕の心にたったひとつの小さな夢がありました
何故こんな古い歌を思い出したのだろう。
きっと小さな夢を持っていたからかもしれない。
そんな事を考えていたら、普段乗り換える中野駅を通り過ぎてしまった。

8時40分頃武道館の集合場所に着くと、今回初参加の勝又さんだけが来ていた。
程なくして高橋や名田が集まってきた。
今回の1回戦の相手はジュポン化粧品の2軍チームだ。
事前のO田氏の情報ではA級の優勝候補らしい。
とりあえず2人は抜群に強いらしいので、工夫を凝らすことにした。
これが裏目に出た。

並び順
大将 中原 久志
副将 勝又 健児
中堅 高橋 定光
四将 名田 満
五将 星出 明

所が、相手も中堅、四将に抜群に強いと言われる2人を持ってきた。
大将 上岡 淑郎
副将 海老澤 賢
中堅 嘉野 満
四将 井ノ上 利文
五将 海老澤 吉富

おまけに待てど暮らせど星出がこない。
残念ながら今回も我がチームは裏街道を進むことになってしまった。
(でも星出の顔を見ると何故か怒れないんだよねぇ)

裏街道の1回戦は三菱重工業本社の1軍チーム
1軍というからにはそれなりに強いのだろう。
今度は奇を衒わずにレーティング順に座ることにした。

並び順
大将 星出 明
副将 名田 満
中堅 高橋 定光
四将 中原 久志
五将 勝又 健児

私の相手は人の良さそうなオジサンである。
若い人だと勝てないという先入観があるが、オジサンだと何とかなるんじゃないかとの気持ちになる。
四将なので何が何でも勝たなくてはいけない一番だ。
将棋は相矢倉となった。
序盤から激しい(本当は激しくない?)戦いに突入した。
ふと気がつくと、2筋の飛車が△2三に成り込める形になっている。
(金で取ると相手に詰みが発生する)
隣を見ると、勝又さんも高橋も形勢を損じている。
やばい!俺が頑張らなければ。
決断をした。
いや決断をしてしまったのだ。
飛車を成り込んでしまったのだ。
そして後悔した。
角道を止められてみると、飛車・銀両取りになってしまった。
熱くなった。
それでも冷静に対応すれば、間違い無く優勢であった。
自分の意思とは関係無く手が勝手に動く!!
何でこんな手を指すんだ!!
まずい!指す度に悪くなる。
左隣の勝又さんが感想戦に入った。(残念な結果であった)
右隣の高橋の将棋を見ると、明らかに悪い。
いかん!人のことは関係無い。自分の将棋に集中せねば!!!
そのうち右隣でも感想戦が始まった。
チラッと見てみても、どうしても高橋が勝ったとは思えない。
そして程なく……私の王様も詰まされてしまった。

早速星勘定を始める。
1回戦は1勝で、裏の1回戦は星出と名田が勝てば2勝。
合計で3勝か……
残念ながら俺の小さな想いは潰えてしまったようだ。

「中原さん、チームが残留できて良かったですね」高橋のその言葉にふっと我に返る。
残留できた?
良く判らない。
「高橋、何で3勝で残留できんの?」
「何言ってんですか、チームは勝ったんですよ」
「えっ 高橋負けたんじゃないの?」
「勝・ち・ま・し・た・よ 相手の時計が切れて」
「残留できたんだぁ」

それ以降の3局は、久し振りに楽しんで指すことが出来た。
東京リコーで職団戦をスタート(藤森・名田・中原)した時が第一期創世記ならば、今回のメンバーは東京リコーにとっての第二期創世記に当たるのかもしれない。
これからも楽しく将棋を指せる、そんなチームで有り続けたいと思う今日この頃である。

おしまい


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