イベントレポート

第23回三愛会東京支部将棋大会

〜〜〜トーナメントの功罪〜〜〜

年月:2000年5月20日(土曜) 10時〜

場所:港区 「リコー青山事業所 2F」

レポーター 西田文太郎 e-mailnishida@cs.ricoh.co.jp

 

今年はアジアジ

 

 今年の指導対局は安食総子女流2級だ。マシュマロのようなほっぺたが、かわいらしく、瞳には星が入っているようにキラキラ輝いている。彼女を最初に見たのは、数年前の全日本選手権で早稲田が出てきたときだった。当時清泉大学の学生だった彼女は清楚な感じだったが、早稲田の将棋部で、腕を磨いていたのだ。その頃既に、プロの女流棋士を目指していたようだ。

 

 私が開始時刻ぎりぎりについたのが問題なのだが、安食さんは既に来ていた。朝から来てくれたのは、感激なのだ。

 

一回戦

 

 私は上から二番目のクラスのAで、出る。ここは、一六人のトーナメントだ。最初は、田中さんと当たった。田中さんは、スポーツ刈りで強面の風貌で、将棋もハードパンチャーだ。大物を食う力を秘めており、去年の社団戦では、東大の下山くんに勝っている。私は練習では、なかなか勝てない相手だが、公式戦では一度だけ幸運にも勝っている。

 矢倉に進み、かなり強引な仕掛けを狙っているのがわかった。田中さんは、一度は居玉を回避したが、やはり直後に仕掛けてきた。しかしそれは読み筋で、悪いはずがないと思っていた。

 ほぼ読み通りに進んで、田中さんのぼやきが出始めた。強面だが、性格のいい田中さんは三味線は弾かない。本当に悪いと思っているのだ。おかげで、快勝できた。

 

上のSクラスには、期待の新人星出くんが出ている。野山主将も大阪から来ている。山田くんと藤森さんとこの四人の中から優勝者が出そうだ。

 

二回戦

 

 今度は、竹島さんだ。確か前に一度指しているが、どんな将棋だったか思い出せない。これも矢倉になった。攻めると見せてなかなか仕掛けてこない。力をためて一気に来るタイプのようだ。

 矢倉でさえも作戦負けで苦しかったが、途中で逆ったようだ。しかし、序盤で時間を使いすぎて、肝心な終盤の入り口で秒読みだ。そして、当然のように、読みが追いつかなくなり、勝てない将棋になって、負けてしまった。

 

 将棋は、簡単に強くならないから面白い。それでもいつか近い将来コンピュータが羽生さんを破るだろう。そのとき、私は将棋をやめるのだろうか。これは、私が温めているテーマの一つだ。

 

 

指導対局

 

 初戦の負けなら、慰安戦で頑張るという手もあるが、二回戦で負けると、もうやることがない。仕方がないふりをして、指導対局のリストに名前を書き込む。

 

 安食さんは、四間飛車党だ。▲五七銀左から斜め銀に出る。▲3三角成といき、同桂とばかり思っていたら、△4五銀と飛車取りに出てきた。それで簡単に悪くなった。そういえば、前にどこかで一度これをやられて困ったことがある。

 定跡は、形がよく似ていても、ちょっとの違いが大きな違いとなって跳ね返ってくる。生兵法けがの元とはこのことなり。

 

 それでも、粘って、端からの闘いに命運をかけるが、玉頭をうまく厚くされて、負けてしまった。隣では、本戦も慰安戦も一回戦負けという私よりも悲惨な運命の徳さんが、ひどい局面になっている。安食さんは、今日全勝だったらしい。かわいいこには、白星を。。。

 

優勝

 

 S級は、野山さんが初優勝、もっとも参加したのが三回目ということで、私がみたのは初めてだ。星出くんは、初出場初優勝とはいかなかったようだ。

 A級は、誰だっけ? 自分が負ければ、あとは誰が勝っても同じこと。そうだ、岡田くんだ。そういえば因縁の吉中さんと当たらなかったな。

 来年はもう少し強くなってこようと思う。

 三愛会の大会は、毎年楽しみだ。

 

 (完:記00年6月4日)

 

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