イベント・レポート
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第76回 職域団体対抗将棋大会 1軍レポート
年月:1999年3月7日(日))
場所:日本武道館(千代田区)
リポータ:山田 洋次 e-mail : Yohji.Yamada@nts.ricoh.co.jp
- 【試合が始まるまでの状況】
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前回の職団戦で優勝して、返す刀で全日本選手権まで優勝して、なおかつ前回の出場者に、佐々木さんも復帰して、現時点のベストメンバーでの参加です。
もっとも、心配事がない訳ではありません。社団戦はボロボロの成績でした。(ちなみに優勝がプロセス資材)もっと大きな事に、谷川さんが体調を崩してしまって、出場ができなくなってしまいました。心の支え的人物兼エースの欠場で、不安の走るリコー軍団。
そのため、私用で欠席予定の僕が、急遽出場することになりました。2期連続、補欠が出場という事実に、一抹の不安を抱きながら・・・。
私事ではありますが、この場を借りて、友達に謝っておきます。
「急に行けれなくなって申し訳ありませんでした。」
- 【組み合わせと団体戦での考え方】
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予選ブロックは、NEC・富士通・アルゴリズムと一緒です。3局で2勝が予選通過ラインでしょう。
S級は、どこと当たっても気を抜けないので、注意することは、気を抜かずに、集中力をどこで、発揮するかという事です。全試合の全部で発揮できたら、理想ですけど、一日5局も指す状況では、難しいでしょう。
是非は、あると思いますが、僕の団体戦理論は、一日複数局指すとしたら、一日一敗は、しょうがないと思っています。団体戦なので負けても続くという状況なので、負けた将棋は、さっさと忘れ次にいい将棋をすることが大事です。一敗でその日の厄払いをすると思えば気が楽になります。ただ、大事な所で負けるのは、自分に腹が立つので、がんばりましょう。
- 【予選一回戦】
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初戦は、NECと。前回の準決勝の相手で、強敵です。僕は、初手76歩と指しましたが、相手が遅刻らしく不戦勝。今までの人生で初めての不戦勝です。なんか、寂しいなぁ。
おかげで、周りの状況が良く見えました。
瀬良さんが負け、佐々木さんが勝ち(必敗の局面から最後詰ましたらしい、びっくり)。野山さんが勝ち、チームの勝ちが決定しました。
残った菊田さんは、必勝の将棋だったけど、最後はチームの勝ちを確信し(?)、投了。
結果的に、3-2でした。前回の初戦負けに比べて今回は幸先いいスタートになりました。
瀬良 ×−○長岡
野山 ○−×辻
菊田 ×−○山本
佐々木○−×伊藤
山田 □−■加藤 (遅刻で不戦勝)
3−2
- 【予選二回戦】
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二回戦は富士通と。お互い、なかなかベストメンバーを揃えるのは難しい。僕は、春と同様石井くんと対戦。不戦勝後で緊張感が抜けている僕に対し厳しい手でこられて、準王手飛車で終わった。その後、数手指した後に投げようかと思っていたら、その前に時間が切れてしまった。原因は、秒読みの音が鳴らなかったのである。投げる瞬間だったから、よかったもののこれが白熱していたら、と思うと、ちょっと怖い出来事だった。
チームは、僕以外は勝って4-1。これで予選通過も決まった。しかし、決勝トーナメントにいいムードで行きたいので、次は各自にとって意味ある試合にしないといけない所だ。
瀬良 ○−×奥村
野山 ○−×伊藤
菊田 ○−×喜多
佐々木○−×出澤
山田 ×−○石井
4−1
- 【予選三回戦】
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三回戦は、アルゴリズム研究所と。去年のこの大会の優勝チームだが、今回不調で二連敗している。僕個人的に初めて当たるので、楽しみでした。僕は序盤からボロボロでしたが、中盤、相手の飛車を殺して逆転。やっと自力での一勝。
チームも、4.5-0.5で勝ちました。菊田さんも終盤粘り千日手に持ち込みましたのが、決勝トーナメントに向って大きな一局だったでしょう。この結果、アルゴリズム研究所が降級かもという状況になり、アルゴリズム研究所の全盛期時代の終了かと少し寂しくも感じました。
瀬良 ○−×鈴木
野山 ○−×寺田
菊田 △−△中山 (千日手、チームの勝敗が決まっていたため指し直しせず)
佐々木○−×関根
山田 ○−×玉石
4.5−0.5
- 【準決勝】
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もう一つのブロックは、毎コミとプロセス資材が勝ち上がってきました。前回と同じベスト4でした。リコーは毎コミと対戦。
私の所は、苦しくなってが終盤粘って逆転。いい感じで決勝戦に迎えそうです。チームの状況は、自分が苦しんでいたため詳細は不明ですが、4-1。雰囲気も良くなってきました。
瀬良 ×−○下村
野山 ○−×小川
菊田 ○−×古作
佐々木○−×水沢
山田 ○−×出戸
4−1
- 【決勝】
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決勝は、プロセス資材でした。社団戦も優勝し、現時点、最強の相手です。ダブルタイトルか二連覇か、見ているほうも楽しみな対戦になりました。
私は、小林さんと。序盤の甘さを咎められ、苦しくなったので、玉を入城させて辛抱しました。辛抱が実って完封負けだけは避けれる展開になり、攻め合いに。最後は、時間が残っていたので、危ないながらも不詰めを読みきり、何とか勝利。自分にとってもチームにとっても大きな一勝になりました。チームの状況は、佐々木さんが負け、野山さんが勝ち、瀬良さんが負け、最後に菊田さんが残りました。大勢の観衆がいて、細かい局面は見えなかったが、何とか勝って、チームの優勝を決めました。
野山 ○−×石田
菊田 ○−×青野
佐々木×−○遠藤
山田 ○−×小林
瀬良 ×−○河上
3−2
- 【総括】
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今回は、野山さんの全勝が特記すべき好結果でした。僕個人も、なんとか谷川さんの穴を埋め、責任を果たしたつもりです。チームにとっても、S級になって初の連覇という、うれしい結果になりました。
最近、チーム内でも色々あった所なので、これを機会にいい方向へ向って欲しいです。
個人成績
瀬良 2−3
野山 5−0
菊田 3.5−1.5
佐々木4−1
山田 4−1 (内1不戦勝)
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