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イベント・レポート

第72回 職域団体対抗将棋大会

1997年3月3日 日本武道館


リコー(1)Sクラス (リポータ:菊田裕司 )

リコー(2)Aクラス (リポータ:牧野正紀 )

リコー(3)Aクラス (リポータ:西田文太郎)

リコー(4)Bクラス (リポータ:室井哲也 )

リコー(5)Bクラス (リポータ:岡田進  )

リコー(6)Dクラス (リポータ:伊藤誠  )

リコー(7)Dクラス (リポータ:徳増貴彦 )


リコー(1)

出場クラス:Sクラス

メンバー
菊田裕司、野山知敬、南尚文、谷川俊昭、瀬良司

レポート
 職団戦の優勝から遠ざかること2年。今回こそはと我等リコーチームは極秘の猛特訓を乗り越えて武道館に乗り込んだ。
 今回の1軍は上から菊田、野山、南、谷川、瀬良の順。菊田が絶不調なのと南さんの体調が悪いのが気掛かりである。
 予選のブロックはプロセス(2)、毎日コミュニケーションズ(1)、富士通(1)と同じブロックで、うまく分散したという感じか。


予選一回戦
 前回は富士通に決勝で負かされており、ここで勝って波に乗りたいところ。
 大将の野山さんは浜氏とでこれは前回と同じ対戦。
 菊田は奥村氏とで左美濃対四間飛車の定跡型で、研究不足がたたり苦しくなる。
 瀬良さんは出澤氏とでこれも前回と同じ対戦に、かなり細い攻めをしている。
 野山さんは浜氏の「バーミー攻め」で結局ぼろぼろにつぶされて完敗。

 菊田は一度勝ちになったものの金がただ取り出来るのをうっかりしてまた負けになったが、最後は詰みを逃してもらい辛勝。
 瀬良さんはいつのまにか必勝になっていてそのまま押し切った。
 谷川さんは序盤ひどかったものを持ち直したものの結局負け。
 最後に残った南さんを見ると既に必敗となっていたが、最後まで指していた。


予選二回戦
 プロセスは強豪チームであるが第2チームに負けるわけにはいかない。
 また予選通過には一つでも多く勝って勝ち数を稼いでおきたいところだ。

 野山さんは小島社長の四間飛車穴熊相手に馬を作って快調に攻めている。
 菊田は青野氏の左美濃に四間飛車で、快調に攻められている。
 瀬良さんは村上氏と相がかりから無条件の銀損となり必敗型。チームの負けもあるかもしれないと焦っていた。

 野山さんは快勝。
 菊田は相手の攻めそこないから受け切って必勝型となったが、寄せそこなって逆転負け。
 瀬良さんはと見るといつのまにか怪しくなっていて大逆転勝ち。
 結局菊田が負けただけの4−1だった。

 ここで星勘定を見ると毎コミが2−0、富士通とリコーが1−1でリコーは次に4−1で勝つと決勝トーナメント進出が決まるが、3 −2では決まらないという状況であった。


予選三回戦
 リコーはここでもオーダーを変えず。
 野山さんは古作氏と横歩取り3三角の最新型となっている。
 菊田は斎藤氏の右四間に穴熊にするがかなり作戦負けになった。
 瀬良さんは下村氏の横歩取り3三角中原流をうまく押さえ込んでいる。
 野山さんはうまく攻められ完敗。
 菊田は作戦負けから順当に不利になり、ほとんど必敗であった。ここで負けると敗色濃厚だったが、唯一の狙い筋を受けてくれなかったので、これしかないというパンチが当たり逆転勝ち。
 瀬良さんは千日手になったが、指し直し局は勝ち。
 終わってみるとチームは3−2で勝っていた。

 これで富士通がプロセスに5−0だと三つ巴で勝ち数も全く一緒になる。
 その場合大将の勝ち点10点、副将9点...という勝ち点制になるが、これだとどうなるかよくわからない。
 結局富士通は4−1に終わり、これでリコーと毎コミの決勝トーナメント進出が決まった。


準決勝
 NEC(1)を相手にリコーはここではじめてオーダーを変える。
 菊田を大将にしたのは不調の菊田を当て馬として使おうというよみか。石田流模様から居玉のまま(石田流側が)棒金に出るという奇 策に出たが、自然に受け止められてぼろ負け。
 他はと見ると2−2でエース対決の野山−長岡戦が残っていた。
 局面を見ると野山さんが勝勢で、龍を切って必死をかけると野山玉はわずかに詰まず勝ちのようだ。しかし秒に追われてその順に踏み込めずと金で金を取ったがその手は詰めろになっておらず、野山玉は簡単に必死がかかる。
 南さんと二人で頭を抱えていると、ここでリコー将棋部の勝利の女神?西川さんが応援に駆けつけた。
 それとほぼ同時に長岡さんがほとんど一手必死を逃し、野山さんが勝利を収めた。
 後で聞くと両者ともこの手はまったく見えていなかったそうだ。


決勝
 最後はやはりアルゴリズム研究所。
 予選初戦はNECに不覚を取ったもののさすがにここまで勝ちあがってきた。リコーとの対戦成績もほぼ互角で宿敵ともいえる。

 菊田はここでも大将で、青柳さんへの当て馬としての役割を期待されている。居飛車穴熊相手にいつものように何も考えず組み上げた。
 瀬良さんは鈴木氏相手に急戦矢倉模様。
 菊田は青柳さんにうまく攻められ完敗。どうも指したことがある手順だと思ったら、昨年の職団戦で青柳氏とやった将棋とほぼ同じで あることを局後に青柳氏に指摘されてあきれた。これでは勝てないのも当然だ。
 感想戦を終え、チームの戦況を聞くと2−2で何と残った南−中山戦が2度目の千日手になったという。

 少し休憩の後、指し直し局は10分切れ30秒で6時半ころに開始された。
 多くのギャラリーが見守る中、南さんはついに伝家の宝刀南流を出した。
 中山氏の一瞬の隙を突いて南さんの猛攻が始まった。途中では切れかけていたが、そのまま勢いで押し切り勝利。
 リコーは2年振りにS級では2度目の優勝を果たした。


 準決勝、決勝はもちろんの事、予選でもどこかでもう一つ負けていると、決勝トーナメントに残れなかった。
 つまりすべての勝星が必要だったという、まさにぎりぎりの優勝であった。
 こういう幸運も然る事ながら、今回優勝できたのは全員の優勝に向ける意識がいつもより出来ていたからだと思う。
 次回以降もこの気持ちを忘れずに優勝を目指したい。

戦績    
予選一回戦:富士通(1)
●野山 × ○浜
○菊田 × ●奥村
○瀬良 × ●出沢
●谷川 × ○伊藤
●南  × ○島

予選二回戦:プロセス資材(2)
○野山 × ●小島
●菊田 × ○青野
○瀬良 × ●村上
○谷川 × ●篠原
○南  × ●塩見

予選三回戦:毎日コミュニケーションズ(1)
●野山 × ○古作
○菊田 × ●斎藤
○瀬良 × ●下村
○谷川 × ●小川
●南  × ○伊藤

準決勝:NEC(1)
●菊田 × ○大窪
○瀬良 × ●加藤
○野山 × ●長岡
○谷川 × ●辻
●南  × ○山本

決勝:アルゴリズム研究所
●菊田 × ○青柳
●瀬良 × ○鈴木
○野山 × ●玉石
○谷川 × ●寺田
○南  × ●中山

 


3回戦(慰安戦):日立電線
●山中 × ○渡辺
●安宅 × ○千葉
○伊藤 × ●一見
○池田 × ●渡辺
○須田 × ●夏目

 
4回戦(慰安戦):カシオ計算機
●吉中 × ○狩谷
●安宅 × ○吉久
●伊藤 × ○依田
●池田 × ○設楽
●須田 × ○黒木




リコー(7)

出場クラス:Dクラス

メンバー
小川博義、徳増貴彦、今井弘、豊岡寛司、土肥幸夫

レポート
 前回、E級で準優勝したので、今回はD級だ。前回の勢いを持続して、今回も昇級を狙いたいところだが、前回、大将、副将を務めた須田さん、山中さんが抜け戦力ダウンは否めない。
 最悪、降級だけはしないという気持ちが、今回の7軍全員にあったと思う。ただ、結果はフタを開けてみないと判らない。


1回戦
 相手は、富士銀行2で、豊岡さんの知り合いがいるらしく、聞いてきた話では、何とB級から落ちてきた強者チームだそうだ。

 序盤、横の大将で指している小川さんをみると何と小川さんが指しやすい局面。
 それに比べ、私は、一方的に端から攻められている。
 中堅の今井さん、豊岡さんは、いつもの通り淡々と指している。
 形勢は五分か?ただ、土肥さんまでは見えない。

 しかし、後半、勝負の女神に見放され、あっさりと0−4に、最後に残った土肥さんが奮戦している。
 優勢だが、相手玉にはまだ手がついていないので、まだまだ目が離せない状態が続いた。
 それでも、最後は確実に仕留めて、1勝。
 この1勝は降級に絡む場合には大きく利いてくる。


2回戦(慰安戦)
 対戦相手は日本ソフトウェア2である。ソフト屋の集団か?
 慰安戦に回ったものの、ここで負けると降級の可能性が高い。
 気を引き締めて行こうと思ったものの、私は、早くも作戦負け。
 横で指している今井さんと小川さんは好調のようであるが、自分の将棋が良くないので、いやになってくる。

 土肥さん、豊岡さんが早々と勝ち名乗りを挙げる。豊岡さんが勝つ時は早い。
 しかし、次に私が負けて、2−1。途中から見ていた小林さんが感想戦でいろいろと指摘してくれる。
 その途中で、今井さんが勝ちチームとして勝ったと今井さんが言っているのが聞こえた。
 直後、小川さんが敗戦。なかなか、難しい中盤戦だったようだ。こちらも小林さんがいろいろと教えてくれている。

チームは何とか3−2でD級残留を決めた。
 土肥さんが好調のようだ。小川さんと私は、戦前の予想通り2敗。
 チームとして次を勝つには、どちらかの勝ちが必要か?大将、副将で勝つのは、やはり難しいようだ。


3回戦(慰安戦)
 今度の対戦相手は富士電機2。
 昼食を挟んで、私としては、気分転換が出来て良かった。チームは勿論勝って欲しいのだが、何とか、個人としても全敗は避けたい。

 横歩取りから、端攻めの順を選び、序盤からガンガン攻める。細いが何とか攻めを繋いだ。何とか優勢。
 隣はと見ると、小川さんは又も難解な将棋を指している。決して劣勢ではない。
 今井さんは、相手が長考するのを見かねて途中で席を立って休憩を入れている。まだまだの将棋のようだ。
 豊岡さんもまだまだの将棋か?いまいちよく分からない。
 土肥さんは見えないけど、たぶん、勝ってくれるだろう。

 最初に終ったのは、豊岡さん。負けたらしい。
 次に私が勝つ。嬉しい1勝。これでチームが勝てば言う事なしなのだが、、、
 小川さんが負ける。これで1−2か。今井さんに頑張って欲しいところだが、形勢は良くない。

 ついに、今井さんが土俵を割ってチームの負けが決まる。
 土肥さんは好調を持続して、3連勝。後で聞いた話では先日の囲碁大会で優勝したとか、そのツキが利いたか?


 最後に、当初主将からお達しのあった降級は避けれたのでまあまあというところですか?
 ところで、第1戦で当たった富士銀行2は準優勝だったと、豊岡さんが言ってました。
 次回会う時はC級で会いたいものです。

戦績    
1回戦:富士銀行2
●小川 × ○松本
●徳増 × ○三島
●今井 × ○木村
●豊岡 × ○須永
○土肥 × ●白田

2回戦(慰安戦):日本システムソフトウェア
●小川 × ○田村
●徳増 × ○小山
○今井 × ●森木
○豊岡 × ●山本
○土肥 × ●足立

3回戦(慰安戦):富士電機2
●小川 × ○鎌田
○徳増 × ●岩月
●今井 × ○石井
●豊岡 × ○小南
○土肥 × ●吉田




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