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イベント・レポート - 0016-

第17回 グランドチャンピオン戦

月 日 :1996年7月27日
場 所 :東京都中野区 中野サンプラザ
リポータ:西田文太郎

レポート

 主なアマチュアの大会の優勝者を全国から8人集めてグランドチャンピオン戦が、中野サンプラザ8Fにおいて、アマチュア将棋連盟他の主催で行われた。

 27日現在のレーテイングを元にスイス式で各三回対戦する。
 持ち時間は45分で切れたら40秒の秒読みとなる。
 棋譜もアルバイト学生の手で取られ、アマチュア将棋連盟などの主催者関連の雑誌に発表されるという。
 今年はリコーの野山元朝日アマ名人が「アマレン」向けの解説を担当する。

 野山さんは今回集まった八人のうち近村さん以外は対戦の経験があるという。さすが元名人。
 私が見知っているアマ強豪の顔は三人だけだったので、他の五人を興味深く顔や様子を眺めていた。

 総じて皆さん紳士的で将棋のイメージアップには好適なチャンピオンたちだ。
 当日までのレーテイング順に紹介すると中村知義“「R」選手権”は半袖シャツにネクタイ、古賀一郎“平成最強者”は縞柄のシャツにネクタイ、桐山隆“アマ竜王”+”支部名人”は縦縞のシャツにGパン、蛭川敦“朝日アマ名人”は黒のGパン。
 渡辺健弥“アマ名人”は白い半袖でNHKの記念対局で羽生名人と角落ち戦を善戦していたのでご覧になった人も多いと思う。
 長岡俊勝“赤旗名人”はグリーン系のスーツに黒い縁のついた眼鏡で、八人の中では一番大柄である。
 樋田栄正“アマ王将”は白の半袖に黒縁の眼鏡。
 近村一輝“学生名人”は長身にグレーのスーツがよく似合っている。

 優勝決定戦は、樋田アマ王将対長岡赤旗名人戦となり、振り駒で長岡さんの先手。
 この時樋田さんは「あーあ、又後手か」というような顔だった。
 樋田さんは矢倉囲いから雀差しで猛攻撃をしたが、長岡さんはと金を作って飛車を僻地に追いやり完封体制を敷いた。
 それでも、角を香と変えてその香を使って敵陣に綾を付けたのはさすがで、私クラスはあの辺で逆転されるのがオチだ。
 しかし長岡さんはきれいな即詰みに討ち取った。

 局後、

  「仕掛けが無理じゃないですか」
  「え、そうなの。アマチュアらしく仕掛けてから考えたんだけど」

 とか感想戦がユーモアたっぷりで面白かった。

 結果は下記のように長岡さんが優勝、樋田さんが準優勝、三位渡辺さん、四位蛭川さんとなった。

出 場 者 名 一回戦  二回戦  三回戦 
 中村知義 「R」選手権     ●    ●    ○近 
 古賀一郎 平成最強者      ●    ○近   ●  
 桐山 隆 アマ竜王、支部名人  ●    ○中   ●  
 蛭川 敦 朝日アマ名人     ○近   ●    ○古 
 渡辺健弥 アマ名人       ○中   ●    ○桐 
 長岡俊勝 赤旗名人       ○古   ○蛭   ○樋 
 樋田栄正 アマ王将       ○桐   ○渡   ●  
 近村一輝 学生名人       ●    ●    ●  

 同時に開催された「GC戦開催記念ミニ賞金大会」は無差別級に34人参加、決勝は、遠藤俊樹さん対神辺さんの相穴グマ対決となり神辺さんの勝利となった。
 また、初級クラスは三人しか参加者がいなかったが小学生も参加して健闘していた。
 大会の運営の都合があるので、あまり宣伝もせずに開催しているようだが、折角全国各地からチャンピオンを集めているので、もっと将棋ファンを集めて賑やかにやりたいもの。
 将棋もすそ野が広がれば多くの人が楽しめるし、広い意味で将棋のレベルも上がっていくと思う。


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