奥秩父金峰山・雁峠縦走



‘98年12月29日〜‘99年1月1日



メンバー:磯辺、澤田、甲谷



12月29日
天候:晴れ
タイム:瑞牆山荘11:00−富士見平11:50−大日小屋13:05−大日岩13:50−テント設営14:30

八王子発7:33、韮崎着8:44の臨時特急"あずさ81号"に乗ろうと打ち合わせたが、磯辺さんが現れない。結局約束より1時間遅刻で韮崎駅の改札口を出て来た。韮崎駅から瑞牆山荘まで行くために、事前にタクシーを予約しておいたが、その間運転手さんはいやな顔もせず韮崎駅でズ〜と待っていてくれた。

今回の計画は12月29日から1月2日までの4泊5日で金峰山から雲取山まで抜けるというものである。(結果は時間切れで途中の雁峠から下山となったが)瑞牆山荘へ向かう林道の途中で瑞牆山が見える。その特異な岩峰はなんとなく山水画の雰囲気を感じさせてくれる。
瑞牆山荘前で共同装備・食料をパッキングし登山開始。登りはじめてから30分間の急登を終え尾根に着くと、先ほど林道の途中から見えた瑞牆山の岩峰群が再び正面に見える。
登山口から富士見平まではほとんど雪が無い。また良い天気に助けられ、大日小屋まではコース標準タイムとほぼ同じペースで進むことができた。しかし出遅れ1時間の挽回はなんともし難い。29日のうちに金峰山山頂を経て幕営の予定でいたが、予定よりはるか手前の大日岩基部を30分ほど過ぎた辺りに適地を見つけテントを張った。
幕営では雪が少なく水を作るのに苦労したが、テントの周りにある少ない雪を選り好み、何とか飲用に適する水を作ることができた。

 

12月30日
天候:くもり後晴れ
タイム:テント設営地6:50−金峰山山頂9:00−朝日岳10:30−大弛峠11:55−国師岳13:15−テント設営(国師ノタル付近)15:10

 ほぼ日の出の時刻にアイゼンを着けて出発。昨日より風が強いが心配するほどのものでもない。
出発してから1時間位で森林限界を越え"砂払いの頭"といわれるところまで来る。岩尾根であることも加わり一気に高山の雰囲気が出てくる。また、金峰山頂上の目印になる"五丈岩"がガスの合間に見え隠れする。今回の山行中"高い山"の雰囲気を感じたのは唯一この金峰山山頂付近のみだった。

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金峰山頂上へ到着(背後の岩が五丈岩)

9時ちょうど金峰山山頂着、山頂では風強くガスが掛かりあまり展望もよくなかったので、少しの行動食の補給と2.3枚の記念撮影をして、早々に大弛峠方面へ進んだ。
本日の予定は計画書上では国師岳頂上付近に幕営としていたが、以降の行程を考えるとできるだけ前へ進みたいところである。しかし重い荷物による体力の消耗が激しく、期待したほどなかなかペースが上がらない。40分程度で登れる筈の大弛峠から国師岳に至る登りでは、途中1回の休憩を含め1時間20分も費やしてしまった。
そんなことで、計画書上の本日の幕営予定地国師岳を越えたので「これで良し」とし、国師ノタルと言われる鞍部付近にテントを張った。
国師岳から国師ノタルにかけては鬱蒼とした針葉樹林帯であるが、過去の台風による被害のものなのか?、無残といえるほどに倒木が多い。倒れ掛かった木々同士、または倒れ掛かった木と生樹の幹が触れ合い、風にゆれて錆びた蝶番のような音(お化け屋敷の戸が開くあのギギ〜という不気味な音)をそこかしこで発している。

 

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金峰山山頂
 

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国師岳山頂。前に見える丸いコブは奥秩父で一番高い北奥千丈岳

12月31日
天候:晴れ時々くもり
タイム:テント設営地7:15−東梓8:15−両門の頭9:20−ミズシ11:00−甲武信岳12:10−笹平避難小屋14:10

昨日の疲れのせいか、5時起床のつもりが5時50分起床の朝寝坊。今日もけっしてのんびりできる行程ではないのだが、遅い出発となってしまった。昨晩の打合わせで、今日中に雁坂峠まで行けなければ雲取山はあきらめて途中で降りようと3人で相談した。だから計画の全行程を終了するためには、何とかして今日中に雁坂峠までは行きたい!

歩きはじめて約2時間で展望の開けた両門の頭に到着する。我々3人が到着してまもなく単独の人も到着する。昨日どこへ泊ったのかたずねたところ、北奥千丈岳へテントを張ったとのことであった。
今回の山行でたくさんのパーティーにあったが、そのうちの半分以上は単独行の人たちだった。この奥秩父は落着いた雰囲気からして、単独行に向いているのかもしれない。

両門の頭から次のチェックポイントにしている富士見を通過し、予想した所要時間より早くミズシに到着する。ここまでくれば甲武信岳はもうすぐである。ミズシで休憩している間に、両門の頭であった単独行の人が我々を抜いて先に行ってしまった。荷物は我々より小さいとはいえ、かなりの健脚である。

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甲武信岳山頂へ到着

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甲武信岳山頂到着の記念撮影

ミズシから甲武信岳までの所要時間は40分弱。甲武信岳着12時10分。私としては5年前の夏以来2度目の甲武信岳である。十文字峠方面から3パーティーほど我々の直後に到着する。

木賊山を過ぎた頃よりほとんど快晴の状態になり、またさらに先のサイノ河原辺りはカヤトの原となって見晴らしもよく、北東方向には秩父の町並み、右手眼下には広瀬湖が見える。金峰山からここまで水平距離にして約30Km、よく歩いたものだと自己満足ではあるが充足した気分を味わう。(これが無いと山登りなんてやってられない)
しかし今日の目標地点の雁坂峠まではまだまだである。特に間近に見える西破風山の登りは辛そうに見える。そんなことで3人とも消極的になり暗黙のうち、少々時間は早いが西破風山手前の笹平避難小屋にテントを張ることに合意。

笹平避難小屋到着時点で他のパーティーがいなかったので、小屋の中の板の間にテントを張る。前2泊の幕営も然して寒くも無く、冬山としては好条件ではあったが、今日はそれにも増して最高の寝床を確保。後から、雁峠から来たという単独行の人も小屋の中で隣にツェルトを張った。

 

1月1日
天候:快晴
タイム:笹平避難小屋6:45−西破風山7:25−雁坂嶺9:00−雁坂峠9:35−水晶山10:20−燕山12:00−雁峠12:40−林道終点13:40−広瀬15:00

1月1日ドッピーカンの快晴。富士山が黎明に浮かぶ。元旦にふさわしい(と。勝手に思い込んでいる)光景である。

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1月1日朝、ドッピーカンの快晴。初日の出に映える富士山(笹平避難小屋から)  

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破風山の稜線から見える南アルプス
    

小屋から西破風山までの登りは見上げるほどの急坂。登りの途中、日の出に照らされた背後の山肌か赤く色づく。1時間以上はかかるだろうと思った登りも40分で登り切る。

雁坂嶺で縦走風の3人パーティーに追いついたが、彼らはこの先の雁坂峠から下山するという。

これから先、エスケープルートのことなど考えると雲取山はあきらめ、雁坂峠を過ぎ、雁峠でテントを張り、2日に下山するつもりでいたが、先に進まないなら今日中に下っても同じだろうという考えで、3人の意見が最終的に一致したので予定より1日早いが今日中に下山することにした。

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ホッとさせる雰囲気の雁峠。前方のピークは笠取山

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雁峠でくつろぐ磯辺、澤田の両名

下山地点に決めた雁峠は一面カヤトの原で、休憩にはもってこいの場所である。その雁峠でお湯を沸かし紅茶をいれ大休止の後、奥秩父の主脈から離れ下山にかかる。

亀田林道の終わりに近づいた頃、人懐こい2匹の黒いポインター系猟犬を連れたハンターの方に出会う。言葉を交わすと、暇なのでシカやイノシシを探しているとのことだった。また、「ここから広瀬までは、あと15分位だからがんばってください」と励まされる。
広瀬(新地平)の集落を見下ろす林道終点に差し掛かったとき、集落に3時の時を告げるローレライのメロディーがのどかな雰囲気のなか流れていた。新地平のバス停についたのは15時5分。1月1日の時刻表を見ると最終便の時刻ははすでに過ぎた14時45分。公衆電話でタクシーをお願いし塩山まで向かった。

 

今回は気象条件が良かったにも関わらず、最終目的地の雲取山まで踏破することはできなかったのは多少残念ではある。要所要所でもう少し頑張っていれば.という反省がないわけではない。しかし、踏破できなかった雁峠から先、雲取山までは次の良い目標ができたと思っている。また、限られた日数のなか、停滞することもなく40Km超の行程を歩いたわけだから、十分満足できる山行だった。





(記・撮影/甲谷記)


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