98年11月7〜8日:夜の訪問者



蝶ガ岳〜常念岳



参加者:甲谷・澤田



11月7日(土)・晴

1:30三俣駐車場到着。
林道を走ると聞いていたものの、ここまではしっかり舗装され、約30台くらい入る駐車場と、奇麗なトイレが整備されている。
途中の道路では、カモシカが道を塞ぎ、タヌキが目の前を横切って行った。

7:00起床。今日は蝶ガ岳までしか行かない為、少々ゆっくりである。
稜線を見上げるが雪が全く無い。工事の人が上がってきたので雪のことを聞くと、「今年は随分遅いので、全然無いよ!」と言う。雪を期待していた為に、二人で4Lしか水を持っていないことに少々不安を覚えるが、ここは節約しかない!
稜線にも雪が無いことから、ピッケルを車にデポし、8:00に出発する。
しばらくは沢沿いのルートを登り、急坂を登りきると2時間ほどで豆打平に到着する。
ここからは林の中の急坂を、ひたすら登るルートとなる。
今回の蝶ガ岳新道もそうであるが、xxx新道と言うルートは、尽くきつい坂があるのは考え過ぎだろうか?
2100m辺りで沢を横切る。水音がするが流れはない。水音はどこか?と見上げると、50mくらい上に流れが見える。これから先は水場がないので、ここでしばらく休憩をとり、水を汲みに行く。
この先もしばらく急坂が続くが、突然目の前が開けて発電小屋が見える。あと少しである。
12:50蝶ガ岳小屋到着。穂高側にはガスがかかっていて、期待していた展望は望めなかった。
冬季小屋が開いていたが、ゆっくり眠る為にテントで泊まることを決め、小屋の裏側にある幕場でテントの設営を行う。
この辺りは全く雪が無い。従って水が得られない!
とりあえずお茶にするが、水が心細いので、たっぷり飲むことはできず、早々にシュラフに入って休憩体制をとる。何もすることがないのでそのまま寝てしまう。
17:00気が付くと回りが暗くなっている。甲谷さんは、私が寝ている間に山頂へ行ってきたようで、山頂で冬毛の雷鳥に会ったと話してくれた。
夕食をとり、お茶でも飲んで寛ぎたいところだが、水が少ないので辞めておく。寂しい限りである。
19:30にトイレに出て行った帰りである。幕場の回りにあるハイマツの下に、こちらの様子を伺っている2つの目がある。何か居る! でも何だかわからない! まあ小動物だろうと言うことで、外に出ている荷物をテントに入れて寝ることにする。

3:00頃だろうか? テントの外からゴソゴソと言う音がしてくる。その内に、ガンガンと引っ張られるような感じでテントが揺れだす。
地震? でもそんな感じではない。
何だろうと思って起き上がると、向こうも我々の気配を感じて静かになるが、またしばらくするとゴソゴソ言い出し、次第に強くなってテントが揺れだす。
「なんかいる!」私の声に、入口を頭にして寝ていた甲谷さんがテントを開けて頭を出すと、フサフサの尻尾が逃げて行く。どうやらキツネのようである。
この訪問者は、この後は訪れることなく、朝を迎えることができた。



11月8日(日)・晴

5:30起床。まだ外は暗い。2人で一杯のお茶を飲み、朝食のソバを作るが、水が少ないので1つだけにして、後は行動食で賄おうと言うことになる。
6:00を過ぎると、外が真っ赤になってくる。依然穂高の稜線には雪雲がかかっている。
昨夜の訪問者はどうしているのだろう? 何故我々のテントに来たのだろう? と考えながら、出発の準備を始める。
6:20幕場から2〜3分の蝶ガ岳山頂で記念写真をとり、6:30蝶ガ岳小屋を後に常念岳を目指して出発する。
小屋から30分くらい歩いた蝶槍の手前に、三角点と岩に赤ペンキで山頂と書かれた場所に到着する。私の地図では、こちらに蝶ガ岳と書かれているが、本当のところはどうなのだろう.....
蝶槍からいくつかのアップダウンを繰り返し、最後のガラガラの岩場の稜線を登って行くと、常念岳山頂となる。
9:54山頂到着。穂高の稜線にかかっていた雲は、大分無くなってきていて、槍ヶ岳がその勇姿を見せている。
山頂東側の斜面に目をやると、4羽の雷鳥が動き回っている。
北側の斜面には、雪が残っている。





しばらく休憩した後、「こんなに雪があるのなら、しばらく下ったところで腹一杯お茶を飲もう!」と言うことになり、山頂を後にする。
常念小屋との分岐を過ぎ、しばらく前常念岳側に歩いたところで、たっぷり雪が残っていて風が来ない場所を見つけ、お茶会が始める。残念ながらここからは穂高の稜線は、常念岳の影になり見ることができない。
コッヘルで雪を溶かし、腹一杯お茶を飲み、水筒に水を詰め11:00過ぎに下山を開始する。
前常念岳を過ぎ岩屋に着いたところで、あまりにも暑いのでアンダーウエアーを脱ぎザックに押し込む。
穂高の稜線に目をやると、さっきまで雲を被っていた奥穂高岳も望むことができた。
さて、ここからが大変である。ガラガラの岩場で、しかも急な下りが樹林帯に入るまで続く。やっとのことで樹林帯まで下り、一本立てる。
林の中を爽やかな風が流れ心地良い。登山者に全く会わず静かである。
ここからは樹林帯だからとたかを括っていたが、高度計を見るとまだまだ下りが続くようである。
膝が笑うようになったころ、やっと沢の水音が聞こえてきて、14:30三俣に到着する。
ここから駐車場までは、林道を500m下る。
駐車場の手前で、猿が道を歩いている姿を見つける。今回は本当にたくさんの動物に会ったような気がする。人間は少なかったが.....

帰りの楽しみは、ここから車で20分くらい下ったところにある温泉である。
「ほりでー湯 四季の郷」入浴料500円。現在男湯は工事している為に少々狭い。



(澤田:記)


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