98年7月18〜20日:白馬岳



参加者:甲谷・小川・小泉



7月18日(土)・うす曇り〜快晴

午前5:30八方駐車場で朝食を済まし、白馬駅に向かって出発。6:00前には駅前バスターミナルに到着したが、バス待ちの列は既に多くの登山者が長蛇となっていた。「梅雨明け十日」と言われるようにアルプス登山の最盛期を象徴するかのような光景だ。列に加わること約20分、やっと猿倉行のバスに乗ることが出来た。猿倉まで約30分バスに揺られ、登山口に到着。
猿倉はすごい数の登山者で溢れていた。しかし本格的な登山はこれが初めての僕にはこんなもかなという考えしかない。



登山口からだらだらと広い登山道を登る。一時間ほど登るとあの大雪渓が見えてきた。はじめて「白馬岳にやってきたんだ!」と実感が湧いてきた。白馬尻荘付近では細くなった登山道では登山者がごった返し、なかなか前へ進めない。大雪渓に出るとはるか上方のお花畑周辺まで人がつながっている。頭の上の雲が徐々に散って、青い空が広がり始めた。雪渓の上の気候は、登っている間は実に心地よくす涼しかったが、一旦小休止を入れるとすぐにぞくぞくするようだった。予定のコースタイムで大雪渓を通過。雪渓上部で大休止。
さて「登るぞ!」とお花畑の中を上を目指すが、細い急登にはひと・ひと・ひとの大渋滞。まるでスキー場のリフト待ちの列に並んだようだ。しかし悪いことばかりではなく登山道の左右に広がるお花畑ではクルマユリやイワオウギ、ハクサンフウロ、イワギキョウなど様々な可憐な高山植物が咲き乱れ、天井の楽園のようだった。ゆっくりと花々や滝を見、写真を撮り、こうして登ること2時間、村営白馬小屋のテント場にやっと到着。



混雑でゆっくりと登ったせいか、まったく疲れなし。テント場も同じく混み混み。こちらもやっと空きを見つけるとテントを張って、白馬山頂へ向かった。ここからちょっとした登りも息苦しく感じられ、すぐぜーぜーしてします。これは空気が薄いのかな。
山頂への途中、「小川」ブロッケン現象が現れた。午後3:30あこがれの白馬山頂へ到着(2,930m)。
この日の夜は非常に寒く、夏山の難しい一面を見た思いがする。私は雨具、ザック、テントシートなど持っているものすべてをかぶったが、あまりの寒さに一晩中「うとうと」くらいしか出来なかった。しかし夜中に見上げた夜空には満点の星が。生まれてからこれほどの美しい夜空は見たことがなかった。


7月19日(日)・快晴〜ガス

午前5:30テント場出発。早朝から良く晴れ渡り、白馬〜杓子の稜線から剣岳、立山が間近にそびえ、槍ヶ岳の槍がツンと天を突いているのが見える。神々しい美しさである。
やはりここまで登ってきた者だけに許される景観であると感じるとともに、また優越感を感じた。
右手に剣、左には雨飾山が雲海の中に横たわるなか一路、杓子を巻き鑓が岳を目指す。ゆったりとした稜線漫歩は心から楽しい。杓子のざれ地ではコマクサが一株だけ、美しく咲いていた。
その気高さ可憐さに感動した。
鑓が岳頂上へ到着すると剣がさらに間近に見える。迫力である。ここから不帰峰を目指し天狗の頭、天狗の大下りへ。北アルプス難路を目前に緊張を感じる。天狗の頭は鑓温泉分岐の先、のどかな稜線の中ほどにあった。そこにある天狗池山荘の前には大きな雪渓が眩しかった。水場もありゆっくりと大休止をとった。ここまではコースタイムも予定通り順調な山行であった。山荘を後にし、まず第一の難所、天狗の大下りにかかった。標高差200m以上のこの超ガレ場は前半の鎖場で渋滞し、なかなか前に進めない。いらいらが募ると同時に、落石を起こさないようにと気を遣う。下り半ばでは足が滑り、滑落しそうになる。



大下りをやっとのことで通過しキレットにかかる。ここは鎖、梯子の連続で気が抜けない。キレットを目前に地図を見ている小川さんの「ここ一般縦走路と思ってたら違うんだね。」の一言に、また緊張。いざ登ってみると非常な急登を岩に張り付いて攀じ登る感じ。「こわい」と思ったら本当に危険な状態になると思い、思い切って先輩に続く。必死の思いでT峰を抜けたとも思うとなぜかあと3峰が見える。T峰は双耳峰だったのだ。この先もなんとか難所を乗り越えたが、途中遭難の碑があり、ここの危険さを再認識した。
キレットを超えるとやっと唐松が見えてきた。気がつくとガスが空をかなり支配していた。下りの苦手な僕は「この先、下りがないといいな」と思いながら、不帰V峰から唐松への稜線を歩いた。唐松岳の頂上が目前に迫り最後の急登が現れた。休み休みしながら前へ進む。先頭の小川さんはまったく疲れを感じさせず左右に広がる這松や高山植物についていろいろ講義をしてくれるが、あまり頭に入ってこない。
一歩一歩前に進み、午後3:00やっと(この言葉を多用しますが絶対必要なのでお許しください)唐松頂上に到着。ガスのため頂上からは唐松小屋だけが見える。早早に頂上を辞し、テント場に向かう。白馬のテント場の状態を懸念したからである。テント場は小屋から下る狭い登山道に付けられていた。
甲谷L,小川SLは絶好の張地を見つけ設営。この日の晩には風もなく快適な一晩をテントで過ごした。消灯間際、雷鳥の鳴き声が聞こえたが、あたり一面は深いガスにつつまれ、何も見えなかった。


7月20日(月)・霧

午前6:00、霧の中をテント場から八方尾根へ出発。途中、ガレ場ではチングルマの綿毛が朝露をつけ美しかった。本当であれば眼前に見える白馬三山、八方池も霧に包まれ眺めることは出来なかった。白樺林の美しい上の樺、下の樺を通過し、午前8:30順調に黒菱ゴンドラ「アダム」乗り場の到着した。




記録:小泉


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