リコー山の会慕士塔格登山隊1998(登山編)


第4部:C2建設



8月7日(金) 晴->ガス->雪  C2荷上げ(C1−5700m)

中谷・澤田:C1−5700m間往復
大谷・志賀:BC->C1
和田・磯辺:BC休養

8:00起床。昨日降った雪がかなり積もってしまっている。
栃木岳連隊も、本日C2への荷上げとのことで、準備が始まっている。
我々も10:30アンザイレンで出発するが、予想通りのラッセルとなる。今日はアイスフォール帯を抜けることもあって、ワカンは持ってきていない。
C2へのルートは、C1上部のセラックのある斜面を登り、左側から回り込むように雪原を上がり、アイスフォール帯を抜け、C2への斜面を登って行くことになる。
天幕・コンロ・燃料・スノーバーを分担して持つが、1回目の荷上げで順化もできていないことや、思いの他ラッセルがきついこともあって、バテバテである。
前を歩く中谷さんはなかなか休憩をとってくれない。
かなり消耗している私は、アイスフォール帯の中の急登を登り切ったところでギブアップとなり、少し進んだところで荷物をデポして下山することとなる。
現在の時刻は17:00。見上げると稜線上に先行していた栃木岳連隊のパーティーが休憩している。
荷物を埋めていると吹雪となる。先ほどまでは晴れて暑かったと言うのに!
引き返すには、ちょうど良いタイミングであったようだ。
荷物を埋め、急登のFIXまで下ってくると、栃木岳連隊のもう一方のパーティーと出会う。
下りは早い。しかし、ガスの為に40mおきに立ててきたルート旗が見え隠れする。「この雪原で迷ったら帰れないなぁ」そう思いながらC1へと下る。
18:30C1到着。
C1には既にBCより上がってきた大谷さん・志賀さんの両名が到着しており、20:00より高度順化の為に1Hほど散歩に出かける。
ラッセルもあり大変な一日であった。
明日デポ地点まで登り、C2まで行けるのだろうか?
今夜は息苦しさは無いだろうか?
今夜は嫌に暖かい!


8月8日(土) 雪->晴れ  休養日

中谷・澤田・大谷・志賀:C1停滞
和田・磯辺:BC->C1

8:30起床。風が強い。天幕には雪が吹き付けている。
昨日トレースを付けたルートは、もう雪の下である。またラッセルなのだろうか?
9:00の定時交信では、BCの2名は本日C1入りすると言う。
9:30朝食。とりあえず天候が回復するのを待つこととなる。
BC組は10:00出発。10:15にコーヒーを上げてもらおうと無線でBCを呼び出すが、アダラットさんが出て「既に雨の中を出発した」と言う。
C1では停滞が決まり、コンロ2台で水作りにはげむ。



8月9日(日) 晴れ  C2建設(C1->C2)

全員:C1->C2

7:30起床。起きてすぐ4名が寝ている大テントへ行くが高いびき。
昨晩の降雪で天幕はかなり埋まっている。入口を開けるために入口付近を掘っていると、やっとのことで起き出す。
朝寝坊が祟って出発は10:30となってしまう。
今日は、A組:中谷・志賀・和田、B組:澤田・大谷・磯辺でC2建設へ向かい、1泊して帰ってくる予定である。
アンザイレンで登りはじめるが、1ピッチで後から出発した無名山塾隊に追い抜かれる。彼らはクレパス帯までのこの区間、ザイルを付けずに歩いている。
我々のザイルは水を吸い凍って行く、40mいっぱいに伸ばしてアンザイレンで歩くので、先頭の私は更にその重さが倍増される。
17:30を過ぎ、やっとのことで一昨日のデポ地点に到着し、荷物を回収する。
C2まではまだ遠い。これから先にもヒドンクレパスは我々を待ち受けていることだろう。
重い足、重いザイルを引きずって、やっとのことで5900mのC2に到着したのは20:55。もうすぐ日没である。
先に到着したA組が、既に天幕1つの設営を終了している。早速私もザックから天幕を取り出し設営を開始するが、消耗が激しいせいかなかなか進まない。
C2の高さは、私にとって初めての高度であるばかりか、今夜は泊りである。あまり無理をすると高山病が心配である。
その心配もよそに、疲れからか朝までぐっすり寝てしまう。


8月10日(月) 晴れ  C1へ下山(C2->C1)

全員:C2->C1

9:00起床。C2周辺は晴れわっている。とりあえず朝食および水を作る。
初めての高度での宿泊であったが、意外にも爽快な朝を迎えられた。
食後私物整理をすませ、天幕下の整地をやり直して、下山を開始する。
この頃にはC2から下はガスに包まれ、ガスの中へと下って行く。
クレパス帯へ下ってきた頃にはガスの下となり非常に暑い! 単パンTシャツで歩きたくなるような陽気である。汗だくでクレパス帯を抜けると、C1はガスの中であった。
夕食の後、今後の予定が発表される。「明日は休養日、明後日6名全員でC2を目指す」と言うものであった。
今回のスピードを考えると、次回は4名で登るべきではないだろうか?


8月11日(火) 晴れ  休養日

全員:C1休養

C1入りして2度目の休養日となる。登山期間の短い我々にとっては、辛い選択である。
昨晩またしても降雪があり、C1周辺では30cmくらい積もっている。BCでも3cmくらいの積雪があったようだ。
昨日の定時交信で、「明日休養日であればC1へ行ってみたい」と言っていたアダラットさんも、これでは断念せざるを得ない。
食料庫整理の際に、中谷さんに「4名でC2を目指すべきではないのか?」と言う話しをする。
昼過ぎ、C3建設に向っていた無名山塾隊3名が下山してきたので様子を聞くが、「雪が深くて6500m地点までしかルートを伸ばすことができなかった」とのことである。
我々に残された日数はもうあとわずかである。
これでは登頂はかなり難しいのではないだろうか?
夕食後、今後の行動予定に関して変更が発表される。
「明日は、中谷・澤田の2名でC2へ向かい、明後日残りの4名でC2入りする。
C3建設は明日の2名で向い、そのまま1次アタックを行なう。
2次アタックに関しては、明後日出発する4名の内、体調の良い2名で行なう。」
と言うものであった。

これで私にも登頂のチャンスが生まれそうである。



記録:澤田

第3部へ戻る

第5部へ進む


リコー山の会慕士塔格登山隊1998のページに戻る