リコー山の会慕士塔格登山隊1998(登山編)


第2部:高度順化始まる!



7月29日(水) 晴れ  BC往復(スバシ−BC)

今日から高度順化の為に、しばらくの間BCとの往復を行う。
10:30出発。草原をのんびりと歩く。
スバシからBCへは、目の前に広がる大草原を抜けて山麓へと向かうが、この草原のでかいこと! 歩いても歩いても端まで行きつけない! しかも我々は「BCはあの辺り」と言うことしか知らずに歩いている。まあ順化活動だと考えれば焦ることはない。まだまだ時間はあるのだから......
のんびり歩くこと2H。やっと草原の外れにある小屋のところに到着し休憩する。
ここからは踏み後をたどって行けばBCである。
ここまで来ればあとわずかと思って進むが、山の規模が大きいせいかなかなか山が近づいて来ない。まもなく引き返す約束の15:30が近づいてくる。
少々時間を過ぎてしまったが、15:50BC(4300m)に到着する。それにしても随分とかかってしまったものである。
BCでは無名山塾隊に挨拶に行き、スイカをごちそうになる。
帰りは? と言うと、2.5Hで下りてしまう。
帰ってから王さんから、「あなたたちはラクダ道を歩いてしまったようだ!」と言う忠告を受ける。どうやら途中からBCへ直接登れるルートがあったようである。


7月30日(木) 晴れ  BC往復(スバシ−BC)

8:05。昨日は暑かったので涼しい内に歩こうと言うことで、今日は早めにBCへの往復へと出発する。
昨日の忠告では、「ともかくBCへ向ってまっすぐ進め!」であったので、草原に付いている道も、昨日歩いたルートも無視して、ともかくまっすぐ進む。
昨日1回BCの往復を行なったこともあって、今日は少し早いペース! と言っても国内で歩くスピードの半分くらいだろうか?
あまりまっすぐ歩いてしまった為か、氷河の真下付近まで来てしまう。
BCへはどこを歩いても着きそうだが、今日もルート外を歩いてしまったようである。
まあ仕方が無いのでセラックの下を横切り、川を渡ってBCへと向かう。
今日歩いたところにはところどころにケルンも積まれていたが、地元の人たちが放牧にでも来た際に積んだものなのだろうか?
稜線を見上げると登山者が歩いている。どうもそこがルートのようである。
14:17随分遠回りをしてしまったがやっとのことでBCに到着する。
とりあえずBCを一回りし、天幕を張るところを検討する。
今日は高度順化の為、C1へのルートを標高で約200m登ってからスバシへ下ることになる。
帰りの課題は正規ルートを見つけることであったが、思いのほか上からだと簡単に見つかる。
19:36スバシのキャンプへ帰ると、ヨーロッパのトレッキング隊と栃木岳連隊の天幕がたっていて、パキスタン経由で入ったホンダの小松原さんと再会する。
0:30に寝るが、雷が鳴り夜中は雨となる。




7月31日(金) 晴れ  休養日

今日は完全休養日である。栃木岳連隊は今日北峰のBCへ入るとのことで、朝から荷上げ用のラクダが集まってくる。
我々は遅い朝食をとり、午前中は天幕の外で明日からの行動食の仕分けを行う。
3700mだと言うのに日差しは暑い。風は涼しいのだが、大汗をかきながらの作業となってしまう。
午後からは洗濯をする者、本を読む者、絵を描く者等など、思い思いのことをして時間を潰す。
夕方は全員でキルギス族の村であるスバシ村へ行き、村長(ケルドバックさん)宅を訪問する。
話しによるとスバシ村は開村して2000年! 現在は5軒が居住している。
スバシは「水の舞」を意味し、本来は「スノンベシ」であったが、中国名になって「スバシ」となったそうである。
この辺りの家は煉瓦を積み上げた土壁で、板張りの平らな屋根を持っている。
解放前はタジクの辺りまで放牧に出かけたようであるが、現在では自由に出入りできない為、スバシ周辺で放牧を行っているようである。山の草は5月頃から生え、この頃になるとスバシ村から動物を連れてだんだん山へ入って行くそうである。
村長さんのお宅で、ナンと山羊の乳のミルクティーをご馳走になる。
その後村の中で飼われているヤクを見せてもらったが、大きいのが800元・小さいのが400元だそうである。




8月1日(土) 晴れ  BC入り(スバシ->BC)

今日はBCへの荷上げである。
早めに起きたものの、10:00の予定のラクダがどんどん集まってきている。今日の行動はBCでラクダを迎える組、スバシで出発を見送る組の2組に別れる。私は先に出発してBCでラクダを迎える組となり10:30スバシを出発する。
ラクダがリコーの箱を積んで歩く姿が見られると思っていたので、非常に残念だったが3HでBCに着いてしまうラクダ隊とは一緒に歩けない。
ラクダ隊は12:00出発予定だったので楽勝と思っていると、11:15無線機からラクダ隊が出発したニュースが飛び込んで来る。え?? 頑張らなければ追い抜かされてしまう!!
ここから更にピッチを上げ、尾根ルートに入るとラクダが川を渡るのが見える。
「これなら楽勝かな?」そう思ってBCへと急ぐ。
14:15BC到着。何とかラクダより先に着くことができたが、少々頑張りすぎたような感じがある。そんなことを考えていると、もうラクダ隊が見えてくるではないか? 早いとは聞いていたがこれほどだとは思わなかった。14:30ラクダ隊BC到着。
早速荷物を降ろし、個人テントを立てはじめた頃、無理が祟ったのか気持ち悪くなってくる。
「やっぱり高度障害が出てしまった!」少し横になっていると楽になってくる。無理は禁物である!
今日も20:30頃からC1へ向って高度で100mだけ順化に出かける。

さあ明日からはC1だ!







記録:澤田

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