リコー山の会慕士塔格登山隊1998(登山編)


第3部:C1入り!



8月2日(日) 晴れ  C1往復(BC−5000m)

全員:BCー5000m間往復

7:30起床。心配していた高度障害も出ていない。
このBCにはトイレがある。トイレと言っても簡単なもので地面に穴が掘ってあって周りに高さ1mくらいの鉄の囲いがあるだけのものである。キジ撃ちにはここへ行くことが決められているのだが、まだまだ順化が進んでいない我々にとってはキジ撃ちも大変である。
キッチンテントで朝食をとり、9:30C1へ向けて高度順化に出かける。
今日もペースが上がらない。5000m手前辺りから天幕場のように整地された場所が点在し、C1のある5300mまで続いている。おそらく年によっては雪が多く、C1を下げなければいけないのだろう!
今日のリミットである15:00となる。現在の標高は5000m! 今日はここまでとし、BCへと下山する。
BCへ下山してトラブルが発生する。我々は4日にロバを使ってC1へ荷上げする予定であったが、4日は他の隊が大量にロバを使う為に我々の使用できるロバが居ないと言うのである。
仕方が無いので明日荷上げを行なうことにし、大至急で梱包作業を始めるが結局個人の荷物にまでは手が回らずに明日の朝行なうことにして23:45に寝る。
この頃から雷が鳴り出しヒョウが降る。


8月3日(月) 晴れ  C1荷上げ(BC−C1)

中谷:BC->C1
磯辺・澤田:C1往復
大谷・志賀・和田:BC休養

7:30起床。朝食を済ませ、昨晩できなかった個人分の荷上げ荷物のパッキングにとりかかる。山を見上げるとC1辺りは昨晩のヒョウは雪だったようで、C1から下にも雪が積もっているのが見える。
今回の荷上げ隊(C1で荷上げロバを待ち受ける係)は、中谷・磯辺・澤田の3名であり、10:00出発の予定である。
気が付くと既にBCの周辺には荷上げ用のロバが集まって来ている。ロバは11:00集合13:00出発の予定ではなかっただろうか?
10:17荷上げ隊出発。とりあえずゆっくりペースで進むが、無線で11:15にロバ隊が出発した旨の連絡をもらい、追いぬかされるわけには行かないこともあって、BC入りで苦い経験をしたにも関わらず、今回もペースを上げざるを得なくなる。
追いすがるロバ隊はどんどん近づいて来るが、5000m地点で止ってからはなかなか上がって来ない。我々はなんとかこの間にC1へたどり着くことができ休憩していると、ロバ工の親方達3名が上がってくるのが見える。
え?トラブル?? ロバ工が言うには、「我々が待っているところは5300m地点よりも高いところなので、追加料金を払わなければ荷上げはしない!」と言うのだ。
これには非常に困った。我々の高度計を見せるが納得しない。仕方が無いので無線を使ってBCのアダラットさんにウイグル語で交渉をしてもらう。1Hかかって何とかロバ工に納得してもらうことができ、我々の荷物は無事C1へ到着する。
キルギス人と話しをするには、中国語よりもウイグル語の方が良いようである。
この間にすっかり身体が冷え切ってしまった。しかも小雪も舞ってきて非常に寒くなっている。
今夜中谷さんが荷物番の為にC1に泊まると言うので、早速C1に天幕を設営する。
時間も押しているので、今日はC1用の大テントや荷物テントは設営しないこととなる。
磯辺・澤田の両名は、16:45BCへ向けて下山する。18:20BCに到着するが、未だにロバの支払いの件でもめている。
最終的には1kgあたりUS$1で決着するが、少々高くついてしまったようである。
ちょうどこの頃、BCには遭難のニュースが入って来る。
NZ隊のアメリカ人がC2の上のクレパスに落ちたと言うのである。
夕食後連絡官から、遭難した方は残念ながら亡くなったと言うことを知らされ、クレパスは恐いものだなぁと、つくづく思い知らされる。


8月4日(火) 晴れ  C1往復(BC−C1)

中谷:C1->BC
大谷・志賀・和田・澤田:C1往復
磯辺:BC休養

7:30起床。C1の中谷さんと交信すると今日のC1往復組と一緒にBCへ下りると言う。
大谷・志賀・和田・澤田の4名が高度順化の為にC1往復。
明日のC1入りを前に、全員がC1を経験する必要があり、9:22BCを後に200m/hペースでC1へと向かう。
15:00C1到着。C1は昨日に比べかなり雪が減っていた。
既に中谷さんが居住用の大テントと荷物用のテントの設営を終わらせ、荷物の移動も済ませ、熱い紅茶を用意して待っていてくれた。
1H程休憩し、全員で下山する。
BC到着後、山塾隊の方々かキッチンテントに訪れたこともあって、本日は王さんの餃子を囲んで合同夕食会となった。
BCではこの頃から雷が鳴り出し、大粒のヒョウが降り出す。
夕食後明日の予定が発表された。
明日のC1入りは、中谷・磯辺・澤田の3名となり、残りの3名は1日休養をとった後C1へ上がることになった。


8月5日(水) 晴れ  C1入り

中谷・和田・磯辺:BC->C1
大谷・志賀・澤田:BC休養

9:00起床。朝起きるが調子が悪い。連日行動していた為に疲れが出てしまったのかもしれない。そのため今日のC1入りを見送り、明日残りのメンバーと一緒にC1入りすることとなる。どうも精神的に疲れているようである。
志賀さんは高度障害からか、顔がむくみパンパンとなっている。
今日のC1入りは中谷・和田・磯辺の3名となり、12:00に出発して行く。
明日C1入りしてしまうと、登山期間の終了まで下山してこれないような気がしたので、午前中に洗濯を行なう。昼食には日本から持ち込んだホットケーキを焼く。始めて日本から持ってきたサラダ油を使うが、中国のものと違って軽くて日本人好みのような気がする。
食後はのんびり天幕で昼寝を決め込むが、だんだん暑くなって眠れなくなる。
夕食には五目寿司を作る。C1へ行った隊員が聞いたら羨ましまれそうである。
23:30寝るが、夜半から雷が鳴り出しヒョウが降り出す。後でC1に泊まった隊員から聞くと、雷がC1と同じくらいの高さで鳴っていて、いつ落ちるかヒヤヒヤものであったようだ。夜中にふと起きると雨となっている。C1は雪が降り続いているのだろうか?


8月6日(木) ガス  停滞

中谷:C1停滞
和田・磯辺:C1->BC
澤田:BC->C1
大谷・志賀:BC休養

朝起きるとBCはガスの中に包まれている。ガスの切れ間からC1を見上げると昨晩雪が降り続いたのか5000m付近から真っ白である。9:00の定時交信で確認すると、C1での積雪は10cmとのことである。
昨日BCに残ったメンバーは、本日C1入りの予定であったが、現在もなお降雪中とのことで、C1からは本日のC1入りは見合わた方が良いと言ってくる。しかしこの先の日程を考えると今日C1入りしてしまわなければ上部キャンプへの荷上げが間に合わないこともあって、11:00出発予定であったがしばらく遅らせて様子を見ることとなる。
12:30に無名山塾隊がBCへ下山してきたので、登山道の積雪状況を聞くと、ルート上は雪があるものの特に問題はないとのことであった。
13:00C1と交信をし、この辺りの情報を伝え、最終的に私だけが一人で14:00出発でC1入りすることとなる。
14:00BCでも小雪がちらつくようになってきたがBCを出発する。
30分も歩くと雪はかなりな量となり右側から横殴りで降ってくる。C1までの尾根はほとんど隠れるところが無い。仕方が無いので天幕場の跡地のあった4900m付近まで歩き続けることを決め、先を急ぐ。
天幕場の跡地に近づくにつれ積雪は多くなり、足先が冷たくなってくる。もうトレッキングシューズでは限界のようだ!
ちょうどその頃、ガスの切れ間から中谷さんが降りてくるのが見える。
プラブーツを持って降りてきてくれたのである。
早速靴を履き替え、快適となった足元で雪を踏みしめながらC1を目指す。5000mに差し掛かった頃、本日BCに下山する和田さん・磯辺さんとすれ違う。
18:17C1到着。休憩無しで頑張ったせいか、少々頭が痛い。
紅茶を飲んで横になっていると、栃木岳連隊の佐藤さんから煎餅の差し入れがある。
久しぶりの煎餅はとても美味しい! 煎餅があればご飯は要らないのでは? とも思えるほどである。
20:30夕食を食べる頃にはC1周辺は晴れわたってくる。

さあ明日からはC2への荷上げが待っている!



記録:澤田

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