Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

第62弾:選手がみせた、その横顔 52

Inside the RICOH BlackRams

2012.10.24

リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

日本という異文化の中で、プレーすることに意義を感じた(コリン ボーク)

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 今年4月、日本にやってきたNO.8コリン ボーク。

今年からリコーに加入した外国人選手の中では、一番早い合流だった。もう半年以上日本にいることになる。これまで海外でのプレー経験はあまりない。

「23才くらいのとき、イタリアで8ヵ月間だけプレーしたことがあります。その年NZでは、ケガで最後の数試合だけしか出場できず、もう少しプレーをしたいと思ったんです。それで南半球がオフシーズンに入った後、ヨーロッパに渡った。少し前のことなので忘れてしまったけれど、イタリア語、少しなら話せますよ」

今回の海外移籍はそのとき以来のもの。期間ももうすぐ最長になる。
「28才になって、環境を変えようと思ったんです。18才からずっとNZでプレーしてきたので、別のことができるかな、と。そこで日本でプレーするという選択が、いろいろな条件上フィットしたんです」

2010年、ボークはニュージーランド・マオリ代表やバーバリアンズ(競合国代表と試合をする世界選抜チーム)にも選ばれるステップアップの年となった。オールブラックス入りも視野に入っていたが、バーバリアンズの試合でケガを負って肩の手術を受けることになり2011年はスーパーラグビーでの出場機会を失った。NZ国内リーグであるITMカップの試合に出ながら、次のステップをどう踏むか、エージェントやオールブラックスのセレクターなどと相談をしてきた。だが、その時点では、日本でのプレーは選択肢に入っていなかったという。主に欧州でのプレーを考えていたそうだ。

「でも、日本からNZに戻り、また代表に選ばれたりしていたタマティ選手(エリソン)を見て気持ちが変わった。NZでは18才くらいでプロになって15年、20年プロとしてプレーします。その中で一度、自分たちに近いカルチャーを離れて、食事も違う、言葉も通じない、そんな別のカルチャーを体験するのは、リフレッシュになるかもしれないと思いました。タマティ選手自身からも、それが効果的で、NZに戻ったときラグビーに集中できる状態にあったと聞きました」

そしてボークは日本に来る決意を固める。日本のラグビーについて、かなり具体的なイメージを持って日本に来たようだ。
「NZでも、日本のトップリーグについてはテレビで観ることができます。プレーしている友達がいる試合はよく観ていました。昨シーズンなら、マア ノヌー選手やタマティ エリソン選手の試合は観ていました。NZの選手の間の共通認識は、日本のラグビーは速く、フィットネスが必要というものですね」

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 具体的なプレーについて言えば、以前NO.8マイケル ブロードハースト選手が、日本人のタックルはとても低く、膝で蹴ってしまいそうになることについて、怖くないのが不思議だと驚いていたが…。

「それについてはロイ キニキニラウ選手に注意をしてもらいましたよ。あの選手とあの選手は、低いタックルが来るから注意するようにと。

実際に公式戦でプレーする機会もありましたが、日本に対するイメージは想像に近いです。とにかくクイックで、ラックやブレイクダウンが長い時間続かず、すぐにボールを出す。つまり、ボールを追いかけている時間が長い」

父、兄に加え姉もラグビーをやっていたというラグビー一家に生まれた。4才でラグビーを始めて18才でプロになった。
「ポジションはFB、CTBとやって、NO.8に。それ以来はずっとこのポジションですね。ラグビー以外の道? 考えたことはないです。やっぱりラグビー選手でありたいとずっと思っていた。NZでプロのラグビー選手には、オールブラックス(NZ代表)を目指すという明確な目標があります。そこにフォーカスして日々努力を続けてきたので、違う人生はあまり考えにくいんです」。

だが、プレーヤーを引退してからの準備はしている。
「実は、体育の先生の資格を取ろうと、通信制大学で勉強をしています。NZのプロチームには、そういう取り組みをサポートしてくれるスタッフもいるんですよ」

ラグビーだけをやっている、ということにならないように、その後の人生に向けての準備を考えていくシステムは、きっとNZのラグビーの発展を下支えするものだろう。形は違うが、引退後も取り組むことの多い社業で努力しながらプレーする、リコーのメンバーの面々とも、意識の面では共通しそうだ。
「彼らは僕らより大変ですよ。網走合宿で彼らを見ていて感じたのですが、彼らは、NZのプロ選手と比べると寝る時間が遅い。ラグビーと仕事を両立させようと努力するうちやることが増えるのでしょう。日常的に夜は遅くまで起きているんだろうと想像できました。

でも、ラグビー選手にとって、睡眠は大事です。NZでは午前と午後の練習に45分ぐらい睡眠を取ったりしますからね。朝眠そうな選手も多いので、そこは改善できるといいですよね」

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異なる文化を知り、自らの視野を広げようという目的も持って日本にきた。さすがにコリン ボーク選手の観察眼は鋭い。

リコーでのプレーが、ラグビーを通じた国際交流という側面でも意義あるものになれば、リコーの企業スポーツにおける外国人選手の招聘にも新たな意味を持つものになっていくことだろう。

  • コリン ボーク選手のプロフィールはこちら

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