Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

第23弾:選手がみせた、その横顔 13

Inside the RICOH BlackRams

2011.12.05

 リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

仲間と昇格に挑み、こじ開けたトップリーグの扉(赤堀龍秀)

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 野球部員だった赤堀は、ラグビー部にスキー場でスカウトされた。
「高校に進んだら、何のスポーツをやろうか考えていました。中学時代は野球部に入っていたんですけど、あまり勝てず悔しい思いをしていました。それでもこのまま野球を続けるのかな、ぐらいに考えていたんです。そんな頃、学校でスキー教室があって。指導者として参加されていたのが高校のラグビー部の先生でした。そこで熱心に誘ってくださったんですよね。身体が大きかったからか? いや、スキー教室に参加していた仲の良かった仲間10人ぐらいみんな誘われていたので、とにかく人数をそろえようと必死だったんだと思いますよ」

赤堀は東京都西東京市生まれ。中学受験を経て明治学院東村山中学、高校は明治学院へと進んだ。中高一貫校だったため、こうした機会があったのだ。帰京した赤堀はラグビー部の体験入部に足を運び、入部を決めた。

「それまで、試合を観たことすらなかった。ルールもまったくわかりませんでした。身体をぶつけあう練習を面白いとは思っていたんです。高校時代は正直言って技術以前の練習ばかりでした。走って、ぶつかって。とにかくきついんです。でも、精神的には鍛えられるんじゃないかと考え、続けようと思いました」

高校卒業後、大学に進んでラグビーをする仲間ははほとんどいなかったが、彼は(大学でも)ラグビーを続けることを決めた。しかし、赤堀は高校で結果を出したわけではない。そんな彼に希望する強豪校へ進む道は開かれていなかった。

「それでも、周囲の方の協力で法政大学のセレクションの"相手"をするチームのメンバーに入ることができたんです。そこでなんとかアピールしようと思ったんですけどね。だめでした」

こじ開けようとした扉は開かなかった。だが、ここで腐らずに置かれた環境で全力を尽くしたことが、赤堀の未来を拓く。仲間にも恵まれた。進学を決めた明治学院大学では、1、2年次は所属する関東大学対抗戦Bグループでも下位になることが多かった。が、3年次はAグループとの入替戦に、同大学として初めて出場する。

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「チームの意識が明らかに変わった。全員が『上にあがる』ことに対して本気になっていました。僕が3年生の時は昇格できませんでしたが、4年のときは入替戦に出るのは当たり前。次を狙う空気になっていました」

雪辱を期し翌年の4年次も入替戦へ。しかし、再び敗れ念願だった昇格を果たせずに大学を卒業した。だが、最後のシーズンを闘うのと同時に、就職活動に取り組み内定も得ていた赤堀に、リコーからのオファーが届いた。明治学院大学からトップリーグに所属するチームの選手が誕生するのは初めてのこと。大学入学時に叶わなかった一流の環境でプレーしたいという夢を叶えることになった。今年4月、晴れて社会人としてのスタートを切った赤堀。リコーでの配属先は研究開発部門。研究者のサポートをするスタッフだ。

そんな赤堀が、リコーラグビー部に入部してからは、環境の変化に驚きつつも、その中で自分を追い込んでいる。「レベルの高い環境でプレーしていた周りの選手は、自分より身体ができあがっていることは覚悟しています。それに対抗するためには、身体を大きくするのは当然。それだけじゃなくて、激しいコンタクトにはやく慣れていくことも大事だと考えました。今年は"痛い"練習を積極的にやっていくように心がけてきましたね。
そうした激しい練習をするには、リカバリーなど身体のいたわり方も同時に学ぶ必要があることを知りました。ドクターやメディカルの方からのそうした部分の指導は、すごくありがたいです」

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 赤堀は、取材の最後に付け加えた。 「高校時代の厳しい練習があったからこそ、いまの私があります。精神面を鍛え、人としてそして社会に出てからも、しっかりと生きていけるようにと日々教わりました。高校の練習は、とにかく走って、『ボールを持ったら前へ』でした。『横に百歩よりも前に一歩』といった練習の日々でした。高校時代のラグビー部での経験がなければ明治学院大学、そしていまのリコーでの自分はありません。高校の練習の中には、自分の生き方の基本が沢山詰まっています。その中心はラグビーです」と。

トップリーグは、名の知られたラグビー強豪校出身者だけのものではない。強い意思を持ち、努力を続ければ道は拓ける――。本人はそんなこと意に介さず、無心でプレーしているだろう。だが、赤堀という存在、そしてその挑戦する姿は、多くのプレーヤーに希望を与えているに違いない。

  • 赤堀龍秀選手のプロフィールはこちら

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