Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

第19弾:選手がみせた、その横顔 9

Inside the RICOH BlackRams

2011.11.07

 リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)を支える選手たちの、ラガーマンとしての思いや、これまでのキャリアに関するエピソードをご紹介します。リコーというラグビーチームは、彼らの個性と歩んできた道程、積みあげてきた経験が混ざりあって、今の姿があります。

恵まれたフィジカルに加え、マイペース貫ける図太さも持つ新戦力(柳川大樹)

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 トップリーグ開幕戦のキックオフまであとわずかという時のこと。リコーとサニックスのメンバーが、秩父宮ラグビー場に隣接するテニスコートに現れ、ウォーミングアップの準備を始める。

開幕戦のスターティングメンバーに名を連ねたルーキー、柳川大樹を探した。記念すべきデビュー戦。さすがに緊張したりしてはいないか。いつもの練習とは違う表情が見られれば――。だが、柳川がいない。

続々と選手が集まり、各自準備を始める。テニスコートが少し窮屈に見え始めた頃、ようやく柳川がやってきた。メンバーで最後の登場だった。
(誤解なきよう、彼は集合時間にはしっかり間に合っています)

「ああ。テープを巻いていたんですよ」
試合を終えた柳川はそう言った。テンションを上げ、百戦錬磨の先輩たちが次々とロッカールームを出ていくのを尻目に、一人丁寧にきっちり自分の準備に没頭する柳川の姿が目に浮かんだ。

恵まれた体格を持ち、スピードもチームでトップクラス。だが、雰囲気にのまれずマイペースを貫ける性格も柳川の武器だ。

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「ラグビーにはラグビーならではのプレーがたくさんある。そこに惹かれました」
徳島県に生まれ、兄の影響で高校時代にラグビーを始めた。入学時、身長は180cmに達していなかったというが、当時からポジションはLO。大学は関西大学Aリーグ・大阪体育大学へ進み、1年生からレギュラーを張った。

卒業後は教員になる同期が多く、社会人でプレーしているのは3人だけ。関東のチームに進んだ者は柳川以外にはいない。東京での生活は何もかが新しい生活だった。上京直前には震災も起きた。

生活面での戸惑いは多少あったようだが、ラグビーが始まれば、柳川は水を得た魚だった。

春のオープン戦では4試合中2試合、網走合宿では6試合中5試合でメンバー入り。身体をつくり経験を積むと、9月には男子7人制日本選抜メンバーに招集。HSBCアジアセブンズシリーズ2011「ボルネオセブンズ」全6試合にフル出場し、チームの優勝を支えた。プレシーズンマッチではサントリー戦に途中出場。近鉄戦に先発出場。そしてトップリーグ開幕戦でのデビュー。順調なステップでここまでやってきた。

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「トップリーガーのプレーに何か感じるか」 「自分のどこを伸ばさないといけないと感じたか」
ルーキーに聞きがちな質問をしてしまうと、柳川はキョトンとした顔をする。根掘り葉掘り聞けば、「パワープレーではまだ負けていたかも……」などと返ってくるが、本当のところはどうなのだろう。言葉のような気持ちも心のどこかにあるかもしれないが、「レベルの差に心底驚いた」という感覚はおそらくない。もしくは、そんなことを考える暇があるなら、今のベストを尽くすべき、と考えているかだろう。

ただ、この質問には、即答が返ってきた。「今シーズン、対戦が楽しみなチームは?」

「サントリーですね」

プレシーズンマッチでチャンピオンチームと闘って感じた悔しい思い。どこまでもマイペースな柳川に火を点けている。

  • 柳川大樹選手のプロフィールはこちら

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