Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

PR長江有祐選手インタビュー

2012.06.28

 新体制が敷かれた日本代表にPR長江有祐が選出された。4月から6月にかけて合宿、HSBCアジア五カ国対抗、IRBパシフィックネイションズカップとチームに帯同し、多くの試合で先発出場を果たした。"ジャパン"のメンバーとしてどんな経験を積んだのか、その経験を優勝という目標に向かうリコーにどう還元していこうと考えているのか――。その思いを聞いた。

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カザフスタン戦、とにかく出国前からガチガチ

―― 4月28日に行われたHSBCアジア五カ国対抗のカザフスタン戦では日本代表初キャップ獲得。記念すべき試合になりました。

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 試合で緊張することはあまりないのですが、今回は本当に緊張しました。日本で先発出場が発表されたので、カザフスタンに向かう道中はずっとガチガチで。代表常連のハタケ(畠山健介選手/PR/サントリー)に「いつも通りでいいから」って声をかけられていました(笑)。同じ歳なんですけど、経験豊富なだけあって落ち着いていましたね。ただ、自分も実際にグラウンド立ってみたら意外と落ちついて力が出せたと思います。

―― その後の試合は大丈夫でしたか?

 リザーブスタートの試合は心の準備に少し苦労しました。ただそういうのも勉強ですよね。出場のかたちを問わず代表に貢献していきたいので、慣れないといけない。もちろん、信頼を得て常に先発出場できるような選手になることも目指しますが。

―― 今回新体制となった日本代表のエディ ジョーンズヘッドコーチ、薫田真広アシスタントコーチとはどんなコミュニケーションを?

 エディさんからはブレイクダウンで顔を上げるように言われています。自分はボールばっかり見てしまって、目の前の相手を確実につぶすという意識が足りなかった。ボールをしっかり出すために、ボールを越えて相手をつぶすサポートをするようにと。また、結構コミュニケーションをとる人ですね。よく気づく人。食事中なんかも日本語で気軽に「調子はどう?」みたいな感じで声をかけてきてくれます。楽しい雰囲気をつくるのが上手な人ですね。
 薫田さんには、U-23代表、A代表でも指導を受けてきました。基本的に自分に求められていることはその頃から同じ。バインド(他のプレーヤーをしっかりと腕全体を使って抱え込むこと)の強さとか。そこがわかっているのでやりやすい。まだ足りないところはありますが、求められるレベルに近づけていくことに集中できています。
コーチ以外にも、フォワードリーダーの佐々木隆道さん(FL/サントリー)などから、帰りのバスなどでよくアドバイスをもらっていました。主には状況判断のことですね。こういう場面ではプロップがこう動くと、他の選手はこんなに楽になるというような。すごく勉強になります。

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―― リコーのやろうとしているラグビーとは、やはり違う部分も?

 そんなに違いはありませんが、根本の考え方が違う気がします。アタック、アタック、アタック。世界一のアタッキングラグビーを目指すという。もうウォームアップからそこを意識していて、フォワードのサイドアタックの練習を兼ねたりする。やろうとしていることははっきりしていますね。
 ミーティングは短いんですけど濃い。メモするのも大変です(笑)。自分のポジションだと状況判断、ブレイクダウンのスキルについては毎回指導があります。大変な部分もありますが、日々新しい発見があって、充実していたと思います。楽しくもありました。

代表入りに、戸惑うことなく「来た!」と思えました

―― A代表を一昨年に経験して、代表入りは、やはり意識していましたか?

 昨年は、自分にとっては社会人になって初めてのW杯がありました。代表に入りたいという気持ちが、より現実的に持てていたと思います。いま、振り返るとそれでも(代表入りしてみせるという気持ちは)弱かったのかなとは思います。リコーのメンバーとテレビで代表戦を見ているときに、まだ自分には足りないものがあると感じました。

―― 今回、そう思った直後の代表に選ばれたわけですが。

 年齢的に次のW杯(2015年)は自分が一番いい状態で臨める大会で、狙わなければいけない大会。そこが目標になるなと思っていた矢先なので、すごくうれしかったです。体制が変わって、新しい監督の構想が自分にとっていい巡り合わせだったのだと思います。
 以前は、自分なんかが選ばれてよいのかという戸惑いもあったのですが、今回は素直に「よし、来た!」と思えました。足りない部分もあるけれど、A代表やトップリーグで積んできた経験が少しずつ自信になっているのだと思います。

―― 今回の代表には、京都産業大時代のチームメイトでともにスクラムのフロントローを支えた山下裕史選手(PR/神戸製鋼)もいますね。

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 はい。京産大OBはそのほかにもいて、橋本(橋本大輝選手/FL/神戸製鋼)、今回は来られませんでしたがフミさん(田中史朗選手/SH/パナソニック)も。同じ時期にプレーした選手が固まっているのは珍しいのかな。合宿の間、話すことは多かったですね。
特に山下と一緒にやれるのはめちゃくちゃうれしくて。向こうは先に代表に選ばれていたというのもありますし。大学4年間一緒に苦しい思いした仲間なのんで。しかも、4年の夏合宿で自分はアキレス腱を切ってしまって、最後のシーズンは1番、3番でスクラムを組む機会がなかった。そういう終わり方をしていたので、代表でもう一度スクラムを組めるというのは、何よりもうれしかった。当時のラグビー部の同期や、いつも応援してくれていた大学の友達からも、「いつか代表戦のスクラムを2人で」と言われてきたので、それを果たせたのもよかった」

―― 今回の代表選出に対し、ご家族は?

 母親は「私はいつか選ばれると思っていた」と。聞いたことなかったけど本当なんですかね(笑)。でも喜んでもらえたのはよかったです。両親はトップリーグの試合にもよく来てくれるんですが、秩父宮でやったアジア五カ国対抗の香港代表戦(5月19日)には、姉の家族、親戚が多く観に来てくれました。親戚一同というのははじめてだと思います。IRBパシフィックネイションズカップでは地元の岐阜から近い愛知県の瑞穂ラグビー場でフィジー戦があります。そこにはぜひ出場して地元の友達の前でプレーしたいですね。(後記:6月5日に行われたフィジー戦には見事先発出場を果たし、後半21分までプレー)

「自分の力を伸ばしたいという気持ち」をより強く持つこと

―― 代表戦が終わると、リコーに戻りトップリーグ開幕に向けての準備が始まります。チームは「優勝」という目標を掲げていますが、そのステップに進むためにまず取り組むべきことはどのあたりになると感じていますか。

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 選手一人ひとりが、自分自身を伸ばしたいという気持ちを強くもたないといけない。まだどこかに甘えがあると思う。まず一人ひとりの成長がないと、この先には進めない。自分に厳しくやっていかないと。
これまでも普段の練習、ロッカールームの会話でも、そういう気持ちの不足を感じることはありました。特に練習や練習時の出来事に対するマイナスな言葉ですよね。
しんどい練習が続くと、そういう言葉が口を突くことはあるし、自分もときどき言っているかもしれない。だから気にはなっていたけれども、言わないでいました。
でも、代表のつま恋合宿(4月3日~7日)で、メンバーそれぞれの意識の高さを目の当たりにして、いまのリコーにはない厳しさがあると痛感しました。後ろ向きな言葉は聞こえてこないし、全員が自分を伸ばすことを心がけていて、その思いがチームをいい方向へ前進させていました。自分自身の気持ちの甘さを恥ずかしく感じました。
 リコーでもそういう心がけを徹底できれば、もっと強くなれると思ったので、チームに戻ったとき、ミーティングでひと声かけたんです。それで、また代表に帯同してチームに戻って来たら、すごくいい練習していて、雰囲気もすごくよくなっていた。みんなの中に、自分の力を伸ばしたいという気持ちはしっかりあったんだと思いました。

―― 最後に今シーズンに懸けるひと言を。

 同じポジションの若い選手の成長も感じています。代表に選ばれてもリコーでは試合に出られないということにならないように。頑張らないといけない。

―― 今日はありがとうございました。

 ありがとうございました。

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(文 ・ HP運用担当)

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