Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

レオンHCインタビュー

2011.08.15

 今季、リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)の新たなヘッドコーチに、レオン・ホールデン(レオン)氏が就任しました。5月末に来日しチームに合流。以来他の4人のコーチと同じテーブルでコミュニケーションを交わしながら、チームビルディングに取り組んでいます。レオンヘッドコーチに、現在のチームに感じていることを聞きました。

みんなが、心から成功を望んでいる

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―― 来日前から、山品博嗣監督とはメールなどで情報交換をしてきたと聞いています。実際に自らの眼で見たリコーラグビー部に何を感じましたか。

 第一印象はとてもよかったです。1番から15番までポジションに大きな弱点がなく選手層も厚い。
 昨シーズンのリコーについては山品監督からよく聞いていました。彼とは性格的に似ているような気がしています。いい関係を築けていますよ。
実際に自分の眼で確認し、ラグビーに関する理解度、フィールドでのディシプリン(規律)、コンディショニングなどを課題に2ヵ月が過ぎました。貴重でポジティブな時間でしたね。次の段階に進むにあたり、やるべきことがはっきりとフォーカスできてきたと思います。

―― 春のオープン戦の結果について。

 どの試合も多くの選手が出場しました。すべてトップチームで闘ったわけではありませんし、出ていない外国人選手もいます。勝敗でこれからを評価するのは難しいですね。今は、結果よりもパフォーマンスを重視すべき時期と考えるべきでしょう。チームはトップリーグが開幕する10月29日から逆算し、段階を意識しながらじっくり時間をかけて課題に取り組んでいます。
 ゲームではチーム全体から「今年はリコーをトップ4」に入れるという強い願望を感じることができました。選手もコーチも、そうした願望を持ち心から成功を望んでいます。

―― 昨季の成績に満足している様子はない。

 ノー。してはいけないし、まったくしていません。

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―― 逆に、これから伸ばすべきところはみつかりましたか。

 全員がよりパワフルになる必要はあるでしょう。全員というのが大切です。例え5%でも、全員が伸びればチームにとっては大きな成長となります。限られたメンバーが突出して伸びたとしても、それをチームとしての成長とし、安心してしまうのは危険です。
 トップリーグレベルに達している選手は、20人ではなく35人は必要。そんなチームを目指していくというイメージを描いています。
 今年のトップリーグは15週間で13試合というタイトなスケジュールです。コンディションが低下したり、ケガをする選手が出たとき、即座にそれをリカバリーできるかが、例年にも増して重要となるシーズンです。チーム力、選手層の厚さは非常に大事。15人だけがトップリーグスタンダードというようなチームは、最初の数試合はともかく、そのうち苦しくなるはずです。

ハッピーを得るにはハードワークが不可欠。 リコーはそれを理解している

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―― これまでいろいろなチームを見てきたと思います。リコーのチームとしての雰囲気はどうですか。

 真面目なチームだと思う。合宿などでグラウンド外での彼らをより深く知る時間を持てば、もう少しリラックスした顔を見ることになるかもしれませんが。でも、明確な目的を持って、ここに"仕事"をしにきているという真剣さを感じます。
 これまで多くのチームを見てきましたが「一番ハッピーなラグビーのチームは、一番試合に勝てているチーム」というのは、ひとつの事実です。試合に勝つにはハードワークが必要、すなわちハッピーを得るにはハードワークが必要です。リコーはそれを理解しています。トップリーグにいられるだけで満足しないチームに来られたのは本当にうれしく思います。

―― 久々の日本での生活はどうですか。3月には東日本大震災がありましたが、ご家族は心配されませんでしたか。

 東京での生活は初めて。少し暑いですけれど楽しんでいますよ。日本に行くと告げると母が心配していました。でも、日本に長く住む学生時代からの友人に状況を聞き問題ないと判断しました。

社業での経験は、ラグビー選手としての成長につながる

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―― ラグビーをする環境としてはどうですか。また、選手の多くは社員として仕事をしながらプレーするわけですが、そのあたりについては。

 住まいから練習場が近いので、非常に快適です。施設も、以前コーチをしていたロンドン・ワスプス(イングランド・プレミアシップ)にも劣らぬレベルだと思います。
 日本でコーチをしたことがありますので、仕事を持ちながら、という日本のラグビーについては理解しています。会社も強化に対し柔軟に対応してくれているので、やりにくさを感じたことはありません。トップリーグの他チームも同じ条件ですから、それは言いわけにはできませんしね。
 完全にプロ化されたチームにネガティブな面があるとすれば、日々の生活やラグビーの世界だけで完結してしまうため、単調になってしまうことです。
 それを防ぐため、海外では若いプロ選手に仕事の体験を課すチームもあります。忙しい中でうまく時間を管理する技術は、ラグビー選手としての能力にもつながります。リコーの選手には、社業での経験がラグビーに活きると考えて欲しいですね。

―― サポーターの皆さんにメッセージを。

 私は、コーチのキャリアの中で11回の優勝を経験しており、「勝利すること」には慣れていると自負しています。今回リコーに来たのは12回目の優勝を成し遂げるためです。簡単な目標ではありませんから、夢のように感じるかもしれません。でも、夢はまずみなければ叶えることはできません。
 でも、これまでの優勝を振りかえると、チームづくりの期間はどこも今のリコーのように、じっくりと段階を踏んで課題に取り組んでいました。春からベストメンバーでトップチームをつくって闘えば勝てます。でもそれは短期間の爆発でしかない。オープン戦に敗れたことで、プライドは傷ついたかもしれませんが、優勝が決まるのは5月ではなく2月です。我慢強くチームの基礎をつくっているので、見守ってください。プレッシャーのかかる場面で真の力が発揮でき、しっかり闘えるチームをつくっています。

―― 今日はありがとうございました。

(文 ・ HP運用担当)

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