Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

日本代表 CTB金澤良選手、日本A代表 PR長江祐介選手、同FL金栄釱選手インタビュー

2010.08.03

 今シーズン、リコーブラックラムズ(リコーラグビー部)から3名の選手がナショナルチームに選出されました。CTB金澤 良が日本代表に、PR長江有祐、FL金 栄釱が日本A代表に招集され、3選手とも試合に出場しました。ラガーマンなら誰もが目指す栄誉とともに、それぞれがつかんだものは何なのか? チームにどんな形で還元していこうと考えているのか? 梅雨明け直前、真夏を思わせる猛暑の中、練習にはげむ3選手に、その想いを聞きました。

■ 「次呼ばれたら、もう迷わない」(PR 長江 有祐)

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 長江は、「いやー、僕でいいのかなって。これまで代表経験がなかったし、海外で試合するというだけでも不安でしょうがなかったですね」と選出時の気持ちを話す。
「調子があまりよくなくて。パフォーマンスを発揮できるかどうかわからなかった。今は、リコーでトレーニングを積むべき時期ではないかと考え、辞退も検討したんです。でも、代表経験の豊富な渉さん(SH池田)に相談したら『今できる100%を見せてきたらいい。いろいろな人との出会いがあるし、貴重な経験になる』と言ってくれて」
 長江はその言葉に参加を決心したという。

 日本A代表の「スコットランド・スペイン遠征」(5月19日~6月7日)で長江は、初戦のスコットランドリーグの強豪Currie RFC戦、次戦フル代表に近いスコットランド XV戦、そして最終戦の大型FW擁するスペインXV戦の3試合すべてに先発出場しチームを支えた。
「薫田真広監督からは、特にスクラムで頑張ってくれという言葉を頂きました。相手の高さに合わせず、低くいくように心がけましたね。あとは、『デカくて、速い』選手に対し、どうディフェンスするか。チームディフェンスを機能させるためのコミュニケーションの重要さは一層身に染みました。そういうテーマは、リコーでのラグビーでもやらなければいけないことですね」

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 そして、遠征前とは代表への思いは一変した。
「次に呼ばれる機会があったら? 必ず行きます。同じポジションの選手と合宿を通じて考えを交換できたし、やっぱり得られるものはたくさんある」
 その長江に、代表チームで一番印象に残った選手を聞くと即座に挙がったのは、なんと金だった。「すごかった。目の色変わってました。この人が味方でよかったなって(笑)」

■ 「チームが同じ方向を向けるように、手助けしたい」(FL 金 栄釱)

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 金も全3試合に先発。FWリーダーとしてチームを引っ張り、第2戦のスコットランド XVとのゲームではチーム唯一の得点となるトライを決めるなど、チームの柱として活躍した。
「楽しかったですね。新しく集まったメンバーとゼロからチームをつくっていったのですが、目的意識も技術も高く、思い描いたラグビーがどんどん形になっていくのが心地よかった。既にベースのあるリコーラグビー部とは状況が違うのですが、リーダーとして意見をまとめる経験は、今後必ず活きてくると思います」
 痛感したのは、モチベーションの重要性だ。
「今回はスコットランドに勝とうというわかりやすいテーマがメンバーで共有されていた。ベクトルがしっかり同じ方向を向くと、チームはまとまるんだと改めて実感しました。クラブでは、どのチームも、レギュラーを確保したい、活躍したい、代表や世界でプレーしたい……など、選手の目標には幅があるもの。でも、それをチームの「勝利」に一本化できたとき、真の力が発揮されるんだと思います。まだ入ったばかりなので慣れることが最優先ですが、シーズンに向けてリコーラグビー部が同じ方向を向けるように、できることがあれば手助けしたいと思っています。

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 今チームに感じていること? ベテランの選手がよく引っ張っているチームだと思う。一方で若い選手は遠慮しているようにも映ります。もう少し自分を出してもいいんじゃないのかな、とは思いますね」

■ 「それぞれが役割を全うすることで、穴は開く」(CTB 金澤 良)

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 今春シーズン、フル代表デビューを果たしたのが金澤だ。4月から6月の3ヵ月にわたってチームに帯同。「HSBCアジア五カ国対抗2010」のアラビアンガルフ戦で代表初キャップを獲得した。トライもあげ、スピードと冷静な判断力を披露しコーチ陣から「ジャパンスタイルのラグビーに必要な選手」という評価を得た。その後も「ANZパシフィック・ネーションズカップ」の代表にも選出され、日本代表の好成績に貢献した。
「最初は不安だったけど、経験を積んでいくうちに少しずつ自信がついていきました。試合を重ねるごとに、出場メンバーやスターティングメンバーとして名前が呼ばれなかった際の悔しさが増していくのが、よくわかった」
 一番印象に残っているのは、開始5分にCTBライアン・ニコルスが脳しんとうで退場。代わって試合終了まで出場したANZパシフィック・ネーションズカップのトンガ戦だという。
「アジアでは相手のレベルがそこまで高くなかったので、そこそこやりたいことはできました。でもトンガ戦は違った。相手のプレッシャーが激しくて、接点での判断にミスが出てしまった。悔しさがあります」
リコーラグビー部に戻ってきて2週間半。代表との差を感じたことは少なくない。
「代表は、練習を通じて集中力にムラがなかった。絶えず選手の間には『試されている』緊張感が漂っていましたね。これは選手一人ひとりの気持ちの問題です。リコーでも、代表のような集中が保たれるよう、率先して働きかけていかないといけません。
 あと、サインプレーやムーブは、もっと互いに理解を深めたい。選手全員が役割を全うすることで、はじめてディフェンスに穴は開くんだって意識を共有して、走ることを心がけないと」

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 グラウンド上でのコミュニケーションに対する欲求も湧いている。「テンポ良く練習して量を確保するというテーマも大事だから難しいのだけど」と前置きした上で金澤は話す。
「抜ければOKではなくて、なぜ抜けられたのかを確認する時間が持てたらいいなって思いますね。終わってからじっくり話し合うのもいいんですけど、細かい部分の理解度を高めるには、グラウンドで、もう少しコミュニケーションを図ったら良いと感じました。練習のテンポを意識しつつ、気づいたことは言葉にしていこうと思います。
 若い選手に代表の様子について聞かれることですか? ありましたよ。この間、野口(真寛/HO)が練習内容について聞きにきました。僕の経験でよければなんでも話すので気軽に聞きにきて欲しい」


「でも、フィットネスのトレーニングはリコーのほうが厳しい。代表は試合もあったし早くチームのみんなに追いつかないと」(金澤)。例年にも増して、選手が切磋琢磨するムードが高まっているリコーラグビー部。1つ上のレベルでプレーした選手の経験は、競争という過程を経て、チームに浸透しつつあるようだ。

(文 ・ HP運用担当)

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