Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

トップリーグ 2015-2016 第7節 クボタスピアーズ戦レポート

2015.12.30

前半20分までに3トライも、終盤に悪い形でトライを許す

もがきつづけてきたリコーだったが、ついに未勝利のままリーグ最終戦を迎えた。前節のサントリー戦でかすかに射し込んだ光の方へと進み、なんとか1勝をもぎ取り意地を見せなければいけない。大阪・キンチョウスタジアムでのクボタスピアーズ戦は、期待と緊張に包まれた一戦となった。

風下のクボタのキックで試合が始まる。リコーはキープするとWTB星野将利が右サイドを縦に突いて展開。左サイドへボールを運ぶ。エッジにポイントをつくると戻す。左中間でディフェンスするクボタがオフサイド。

リコーはPKを蹴り出して敵陣に攻め込む。右サイド10mライン付近のラインアウトをキープして展開。SOバーナード フォーリーとCTB山藤史也がループを決めて左サイドに運ぶと、CTB小浜和己とWTB長谷川元氣で外を突く。うまいアタックだったがノックオンでクボタのスクラムに。(2分)

クボタ陣内15m付近のスクラムからクボタが展開。左中間からキックを上げてプレッシャーをかけるとリコーにノックオン。リコー陣内5m付近のスクラムからクボタがアタック。リコーは差し込まれじりじり後退し、中央22mライン付近でノットロールアウェイの反則。クボタはPGを決めて先制。0−3。(6分)

リコーはすぐに獲り返す。左中間を攻め、WTB長谷川らが22mライン付近で突破を図るとクボタがノットロールアウェイ。タッチラインの外に蹴り出し、左サイドのゴール前でラインアウトのチャンスを得る。

リコーはモールで押す。クボタのディフェンスでモールが割れたが、最後尾のNO.8コリン ボークが右側の広いサイドに飛び出す。密集を抜けてポストの左にトライ。CGもSOフォーリーが成功させて7−3。リコーが逆転に成功する。(10分)

リコーはさらにPKで攻め込むと、敵陣15m付近のラインアウトからHO滝澤佳之が狭いサイドを突く。ラックからスピーディーに展開し、逆サイドにボールを運ぶと、左中間22mライン付近で、鋭く走り込みSOフォーリーからのパスを受けたPR辻井健太が突破。そのまま左中間インゴールにボールを運びトライ。角度のあるCGもSOフォーリーが決めて14−3。(14分)リコーが良いペースでスコアしていく。

再開のキックを受けて自陣で回すリコー。左サイドをFLロトアヘア ポヒヴァ大和が突いて前に出る。さらに回すが、弾いたボールが相手に入りディフェンスに回る。しかしここはよく守りノットリリースザボール。PKを右サイド10mラインの先に蹴り出し、またも敵陣に入っていく。

ラインアウトはクボタの選手に当たるが、跳ね返ったボールがHO滝澤に入りリコーがアタック。中央をCTB小浜が突いて前に出る。さらに展開し、WTB長谷川が外でブレイクを狙うが、ここはタッチラインの外に押し出される。クボタは22mラインの内側のラインアウトをキープし蹴り出す。リコーは左サイド15m付近のラインアウトを得る。

これを展開し逆サイドに運ぶと、右サイドをWTB星野が突いて22mラインまで前進。激しいディフェンスに遭うが、タッチを割ることなくボールをキープ。ラックから出すとBKに展開。CTB小浜が、外のWTB長谷川へのパスをギリギリまで粘り、ディフェンスを引きつけてからパス。長谷川が抜けてインゴール左隅にトライを決めた。CGは外れたが19−3。(22分)これまでの鬱憤を晴らす3連続トライで、リコーがリードを広げていく。

クボタの再開のキックを蹴り返しタッチに出すと、ラインアウトでオブストラクション。自陣でのペナルティで、クボタにゴール前進出を許す。しかしクボタがラインアウトでミス。ボールはリコーに入り、これをSOフォーリーが蹴り出して15m付近まで戻す。

クボタはラインアウトから展開して右中間を攻め、22mラインの内側に入るがノックオン。リコーはスクラムから出して再度蹴り出す。クボタはもう一度攻めるが、こぼれたボールをリコーが奪い、キックでハーフウェイラインまで押し戻す。(27分)

さらにリコーがラインアウトを奪いアタックに転じる。FL武者大輔の突進で前に出ると、BKでパスを回しブレイクを狙う。しかしここはノックオン。

またPKを得てリコーは中盤のラインアウトを得るがボールを失う。クボタがキックを上げ、リコーがこれをキャッチして攻めると、ホールディングの反則。ハーフウェイライン付近からの長いPGをFBピータースダニエルが成功。22−3。(33分)

このままトライを許さず前半を終えたいリコーだったが、ハーフウェイライン付近のラインアウトを起点にクボタのアタックを受ける。接点近くで差し込まれ後退していく。この数試合で修正を図ってきたディフェンスが再びほころびを見せる。アタックを断ち切れず、左中間を破られ7番にトライを許す。CGも成功し22−10。(37分)

勢いに乗ったまま押し切れず、リコーは風下に回る後半に不安を残し試合を折り返した。

近場を突かれ相次いだ後退。接戦を勝ちきれず

リコーは選手を入れ替えず後半へ。キックオフを折り返したクボタのキックがタッチを割り、リコーのラインアウトに。キープし、クボタ陣内10mライン手前からモールを押して前進。NO.8ボークが持ち出してさらに前に出ると展開。CTB山藤がゲインしLO馬渕武史につないで22mラインに迫るが、惜しくもノックオン。

クボタは自陣スクラムからボールを出し、風に乗せリコー陣内深くにキックを蹴り込む。リコーが処理に手間取る間にプレッシャーをかける。FBピータースがハイパントを上げるが、風の影響もありうまく上がらない。ボールがクボタに入るとゴロキック。22mライン付近でタッチを割る。リコーはラインアウトをキープしキックを蹴り、ハーフウェイライン付近まで押し戻す。

しかしラインアウトからのクボタのアタックに再び後退。相手15番が右サイドを破ると、バックハンドパスで11番につなぎ、リコーのディフェンスをかわしインゴール右隅にトライ。CGも決まり22−17。(6分)後半の入りのクボタのスコアで、試合の行方はわからなくなった。

勢いを取り戻そうとキックオフボールを獲りにいくリコーだったが、倒れ込みの反則。ラインアウトからボールをつなぐクボタに対し下がる。WTB星野がボールを奪いかけるがノックオン。22mライン目前のスクラムから攻めるクボタに、リコーのタックルが高く入りハイタックル。ここでHO滝澤に替えてマウジョシュア。(9分)

PKでゴール前まで前進されると、ラインアウトから連続攻撃を浴びる。中央ラックから9番、4番とつないで縦に破られトライを許す。CGも成功し22−24。(13分)前半の終わりからの3連続トライで、リコーは序盤に広げたリードを吐き出してしまう。

追いかけることになったリコーは、PR大川創太郎を柴田和宏に、LO生沼知裕をカウヘンガ 桜エモシに、SOフォーリーをタマティ エリソンに入替。

NO.8ボークのキックで再開。攻め込んだリコーは22mライン手前まで前進。ラインアウトから展開するが、外側のラックに強くプレッシャーをかけたクボタがターンオーバー。キックをリコー陣内に蹴り込む。しかしこれは伸びすぎてデッドボールラインを割り、リコーは敵陣22mライン上のスクラムというチャンスをつかむ。

SH山本昌太が仕掛け中央のギャップを突くと、突進するLOカウヘンガをHOマウがサポートする形でボールをキャリーしゴールに迫る。しかし届かずノックオン。

リコーはここからしばらく自陣に封じられたが、スコアは許さずに耐える。24分にはFBピータースを渡邊昌紀に、27分にはLO馬渕を福本翔平に、SH山本を中村正寿に入替。渡邊はWTB、WTB星野がFBに。福本はFLに、FLロトアヘアがLOに。

ラインアウトのミスを突いて中央を攻め敵陣へ。10mライン付近でクボタに倒れ込みの反則。PGを狙う判断もあったが、リコーはトライを狙う。この日度々ゲインを見せていたFLロトアヘアが、ボールを持って前方へ走る。22mラインに達するとボールを回し、ブレイクのチャンスを狙う。しかしクボタのディフェンスのプレッシャーにそこから前に出れない。我慢しきれずノックオン。残り10分に。PR辻井に替えて藤原丈宏。(30分)

クボタは自陣スクラムから出したボールをキックし、タッチに出して押し戻す。リコーは22mライン手前のラインアウトから再度攻めたかったがノットストレート。痛いペナルティが出る。

しかし、スクラムから蹴り込まれたボールをキープしてリコーが攻め上がる。LOカウヘンガ、HOマウらを中心にFWのプライドを懸けたアタックでゲインしていく。

そして左中間ゴールライン付近になだれ込む。LOカウヘンガがグラウンディングしたように見えたが、レフリーの手は上がらず。タックルで一度倒れた後、インゴールにボールを置いたいう判定でノットリースザボール。ボールはクボタに渡る。

クボタはPKを蹴り出し前進。ラインアウトからキックを上げると、キャッチして攻めようとしたリコーに倒れ込み。焦りからか規律が乱れる。再びPKを蹴り、ゴール前ラインアウトにしたクボタは右サイドラインアウトから中央を攻める。ボールキープを狙いモールを組んだが、ボールが出せずパイルアップ。

最後の最後でリコーにボールが渡る。ホーンが鳴る。リコーがやることは1つ。プレーを切らずにスコアすることだ。

力を振り絞り、リコーの逆転へのアタック。自陣22mライン付近でリスタートすると、右サイドをNO.8ボークが抜けてゲイン。クボタ陣内に入りボールを回していく。しかしクボタの激しいディフェンス、そして疲労からかリサイクルがうまくいかずテンポが上がらない。ボールをさばくSH中村が大きなアクションで他の選手に広がるように指示を出す。しかしクボタのディフェンスに煽られ、リコーはボールを回しながらも徐々に後退していく。SOエリソンがDGを狙える位置でボールを持ち、視線を上げたようにも見えたがアタック継続。BKで回し、左サイドにスペースを見出したWTB長谷川へのパスを通そうとしたが、飛び出した14番がこれをカット。そのまま70m近くを走りきってトライ。万事休す。CGが決まったところでノーサイド。

22−31。リコーは序盤の3トライで勝利を引き寄せたが、後半は流れが一変。届かなかった。

リーグ戦の最終成績は0勝7敗、勝ち点2となり、グループA8位が決定。1月9日(土)11時40分から秩父宮ラグビー場で行われる順位決定トーナメント1回戦は、グループB5位(3勝4敗、勝ち点13)の豊田自動織機シャトルズと戦うことが決まった。

「事実を受け入れ、練習するだけ」(CTB小浜和己)

神鳥裕之監督

前半の入りの部分で選手たちはやろうとしているラグビーを体現してくれたんですが、風下に回った後半にクボタさんのプレッシャーを受ける形になってしまって、結果的にディフェンスの部分で苦労してしまったかなというのが反省です。トーナメントは1つでも負ければ入替戦というハードな状況ですので、2週間でチームを立て直して、トーナメントでは上位に行けるように準備していきたいと思います。
(マイケル ブロードハースト選手が出場しなかったが)コンディションが万全ではなく、本来はメンバーに入っていたのですが直前で入れ替えることになりました。(前半について。風下にいるクボタにトライを与えなければよかったと考えているか? もう1トライ獲っておけばよかったと思っているか?)当然風上の戦い方というのはアドバンテージがありますので、我々としては1つでも多くスコアしたいという思いで臨んではいました。22−10というスコアは悪くはなかったと思っています。ただ1つ獲られたトライの獲られ方が。結果的に後半に苦しむことになったのと同じような展開で獲られたので。ラックサイドの近場に持って来られて。ああいった獲られ方に対し試合を通じて修正ができなかった。(ブレイクダウン周りのディフェンス)ラックサイド、特にピックゴーのところでゲインされてしまったのは痛かったです。【以上共同記者会見にて】

チームとしては落ちるところまで落ちたので。後は上がるだけというメッセージを出して切り替えるしかない。前半はゲインライン近くに走り込んでいく、自分たちのスタイルができて、選手たちは自信を持ちかけたと思うんですけど、1本獲られたトライの獲られ方がネガティブでした。サントリー戦からの課題をひきずる形。向こうも研究してきているとは思うんですけど。ラックサイド周りというか、ゼロチャンネル(最も近場。FWとSHの間)のところ。後半は徹底してそこを攻めてきたので、入りのところで結構やられてしまいましたよね。本来であればそれでも動じずに、自分たちのラグビーをもう一度引き寄せたかったのですが。もちろんそれ(相手の作戦)が全てではなく、うまくいっていない部分をしっかり探せば、1人目のタックルが悪く、そこから相手を勢いに乗せていたというのもあります。個人のタックルミスも勝敗を分けました。
あとは簡単にボールを手離し過ぎましたよね。もちろんサントリー戦ほどに、どこであってもボールを回すというメッセージは出していなかったんですが、少し言葉のニュアンスを変えて伝えた結果、意思統一がなされなかった。特に後半は風下で蹴っても不利な状況にもかかわらず、イージーなキックがありました。それも含めて僕らの責任なのですが。
(前半のハイペースでのスコアを考えれば勝てた試合)入りの勢いを見ると、ようやくいけるかなと。応援していただいた方々にもいいラグビーが見せられるかなと思った矢先で流れが変わってしまった。あと一息なんですが。精神論になってしまいますが、タイトな状況、思い通りにいかない状況になると踏ん張ったり、流れを変えたりする力がない。それは勝てていない不安などが影響しているのだと思う。それを払拭し自信をつけるために2週間を使いたい。
それでも自分たちが目指すラグビー、スタイルはだんだんと見えつつあります。今日の前半を戦ったようなスタイルを、80分のうちできるだけ長く再現できるように。少しずつですが目指している姿が選手の間で共有されてきているのは救い。最後のダブルモーションのシーンは、いったと思ったんですけどね。流れのよくない中で試合に入ったエモシ(カウヘンガ桜エモシ)や柴田(和宏)、マサ(中村正寿)なんかはきつかったと思うんですが、彼らなりの仕事をよくやってくれたと思います。とにかく結果を。1つ勝てば変われる部分もあると信じて。

CTB小浜和己ゲームキャプテン

本日はどうもありがとうございました。最終節はなんとかして勝ちに来たのですが、負けてしまった。この事実をしっかり受け止めて練習するだけなので。1日1日を大切にやりきりたいと思います。
(最後のアタックでドロップゴールを狙うことは考えたか?)自分たちは獲りきる、自分たちの攻撃をやりきるっていうマインドがあった。タマティ(エリソン)のところでそういうオプションはあったと思いますが、そこは10番の考え方なんで。でも全員獲りにいくっていう気持ちがあったと思う。(風下でもあるし)そうですね。【以上共同記者会見にて】

(後半は何か変わったか?)ちょっとワイドなスペースが見えて、本来はもう少しダイレクトにいこうと言っていたのに、小手先というか、そういうプレーになり後手後手に回ってしまった。ワイドワイドにいかず、ダイレクトに攻めることを徹底できていれば違った流れになったかもしれない。(風も強い試合だったが)前半風上の陣地を取ることができて、後半厳しくなるのはわかっていた。ボールをしっかりキープして風の影響を受けないプレーをしようと心がけていたんですけど。(ディフェンスについての問題点は?)そこは1対1のディフェンスが悪かった。ファーストタックルを外されて、横の人が止めることになって、それで他にスペースができてしまう。とにかくこの成績、この事実を受け入れて。やるしかないので。顔上げてやります。

PR辻井健太

(前半はよいアタックがあった。)サントリー戦から、自分たちのやってきたフラットなアタックを目指すようになって、前半はいい流れができて、いい形で獲れていました。(辻井選手にもいいトライがあった)順目に回す中で、SOのフォワードでいくというコールを聞いて、相手のディフェンスラインの狙うと決めていた場所にいいスピードで入れました。ゴールが近かったので、ドライブしたらトライが獲れると思っていきました。自分の間合いでもらえればいいキャリーができる自信がある。フィールドプレーを買われてるところはあると思うのでアピールしていきたい。

HO滝澤佳之

(後半流れが変わったが?)後半早々に変わったので、なんとも言えないですが、前半の終わりから後半の入りは、クボタさんがアグレッシブに攻めてきているなというのはあって。近場を。それで食い込まれて。うちは近場のディフェンスがうまくできなかった。(長い連敗になってしまったが一歩一歩内容はよくなっているように見える)うーん、まあ…。アタックの時間は伸びている。ボールキャリアが攻撃的に走れるようにはなったとは思います。(2週間でフォーカスすべきは)とにかく2週間しかないので、新しいことはできない。サントリー戦や今日の前半、いいところがあったのは間違いないので、さらに精度を上げていくこと。それからメンタルっていうことになってしまうのかな。今シーズンは馬渕(武史)や武者(大輔)がよくやっている。苦しい中でもリーダーシップを見せ、チームを盛り上げようとしている。彼らのような選手ががっかりしないように皆で応えたい。

SH山本昌太

試合の入りの部分は、フォーカスしていたボールキープして、敵陣で、っていう、それがうまくいきスコアを重ねられた。後半は風下で我慢して戦おうとしたのですが、ペナルティも多くエリアを獲られ、1対1のタックルミスが徐々に増え相手にスコアされた。後がないと言い続けてきたが、いよいよ負けられない試合になる。チーム全体で話し合う時間もつくれると思うので、いい意味で切り替えて次の1試合に集中したい。

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