Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

トップリーグ 2015-2016 第4節 東芝ブレイブルーパス戦レポート

2015.12.09

ディフェンス安定せず前半で大量失点。試合つくれず

開幕戦からの連敗が止まらず苦しむリコー。それでも短期決戦の今シーズンは、間断なく試合がやってくる。光明を見出したい第4節は東芝ブレイブルーパスとのゲーム。前節王者相手に見せたアタックを再現し、転換点としなければいけない一戦となった。ケガ人が出始めている状況もあり、今シーズンHOに挑戦していたマウジョシュアをNO.8に置く布陣で挑んだ。

よく晴れた埼玉・県営熊谷ラグビー場は例年を大きく上回る来場者でにぎわった。風下の陣地から、SOバーナード フォーリーがキックを蹴り試合が始まる。

深めに蹴り込んだキックをキャッチした東芝は、ラックから持ち出した2番が抜け出しビッグゲイン。ハーフウェイラインを越えると展開しディフェンスラインの裏へグラバーキック。リコーは処理にいくがボールが手につかない。11番がさらいインゴール左隅に迫る。ここは追いついたSOフォーリーがタックル。タッチラインの外へ押し出し、なんとかトライを阻む。

続く攻撃も東芝。リコーのドロップアウトのボールをキャッチすると、リコー陣内10mライン付近からボールを回して攻める。リコーはランナーを前で止められずじりじりとゲインを許す。22mラインの内側に入られると、左中間で2番の内に戻すパスを受けた8番がギャップを抜け、インゴールにグラウンディングされた。CGも決まり0-7。(5分)

リコーはハーフウェイライン付近のスクラムから展開しCTB小松大祐がラインブレイクを狙う。しかしディフェンスに阻まれノットリリースザボール。東芝がタッチを狙いPKを蹴ると、風に乗って伸びゴール前まで前進。ラインアウトからモールを組むと東芝が強く押す。リコーFWも必死に押し返そうとしたが崩され、押し込んだ東芝は6番がトライ。CGも決まり0-14。(11分)防戦一方のリコーは、今節も苦しい立ち上がりとなる。

さらに自陣スクラムでリコーがコラプシング。またもPKでゴール前まで前進されると、東芝がラインアウトモールで攻める。守るリコーのペナルティ(オフサイド)で、東芝はもう一度ラインアウトにすると再度モールで押す。リコーはここも押し返せず2番が左中間のブラインドサイドのスペースに飛び込んでトライ。CGは外れたが0-19。(17分)

リコーはこの後、自陣浅めの位置でFLマイケル ブロードハーストが相手を捕まえ倒す。LOカウヘンガ 桜エモシが倒れた選手からボールを奪おうとするが、ブロードハーストにノットロールアウェイの判定。東芝はまたもPKを蹴り出してゴール前ラインアウトにすると左中間をモールで押し、ショートサイドに飛び出した4番が左隅にトライ。CG成功。0-26。(21分)

20分間ほとんどボールを持てなかったリコーだったが、ここでアタックのかたちをつくる。自陣に蹴り込まれたボールを確保したSOフォーリーがハイパントを上げる。これをチェイスしたWTB渡邊昌紀がハーフウェイライン付近でジャンプ。後ろにはたいてリコーボールにLOロトアヘアポヒヴァ大和が縦に突くと、展開してCTB小松が左サイドを攻める。東芝にノットロールアウェイ。リスタートした小松がステップを切りながらゲインして22mラインを越える。すると東芝が同じ反則。リコーはPKを蹴り出して左サイドゴール前のラインアウトに。この試合最初のチャンスをつくる。ここでキックオフボールの争奪で負傷したWTB長谷川元氣に替えて星野将利。

ラインアウトをキープしたリコーは、走り込んだCTB小松につなぐ。縦に抜けようとするが捕まりラックに。即座に展開し中央をLOカウヘンガが突進。しかし仰向けに倒され、こぼれたボールは東芝に。リコーはチャンスを逃した。

リコーは追い風を生かしたキックで自陣に戻される。東芝のラインアウトを奪い自陣からアタックするが、CTB小松のキックをキャッチした東芝は、最終ラインでボールをつなぎ逆サイドにボールを運ぶと、ディフェンスの整っていないリコーの右サイドを突く。13番から11番、また13番に戻しディフェンスをかわすとそのまま左中間にトライ。CGは外れたが0-31。(26分)

東芝はハーフウェイライン付近でキックキャッチしてアタック。左サイドまで運び、折り返して右サイドをゲイン。22mラインを越えてきた6番に対し、LOブロードハーストの低いタックルでスピードを落とすと、SOフォーリーが正面から受け止めて倒す。ジャッカルにいくがボールを離さず粘り奪い取れない。ノットリリースザボールかと思われたが、そこでサポートが押し寄せボールキープされる。一気にゴールラインまで押し込み5番がトライ。CGも成功し0-38。

前半はこのまま終了。リコーはアタックの場面をほぼつくれなかった。

正攻法で意地のトライ。NO.8ボーク、SH中村が存在感

後半はスクラムを起点にした東芝のアタックで始まり、テンポ良くフェイズを重ねていく。リコーは22mライン付近まで攻め込まれるがそこから我慢。しかし中央で相手を倒したカウヘンガがタックル後、手を離さなかったとしてホールディングの反則。PKを蹴り出されゴール前ラインアウトに。リコーはPR大川創太郎に替えて柴田和宏。(6分)

東芝は前半同様にラインアウトモールでトライを狙う。リコーは右中間を押し込まれトライを許す。CGも決まり0-45。(8分)

スコアして流れを変え、ボーナスポイント獲得を目指す展開に持っていきたいリコー。ディフェンスを破られゴール前に攻め込まれるがターンオーバー、SOフォーリーがキック。風に乗せ敵陣10mライン付近まで押し戻す。LOカウヘンガを生沼知裕に、FLブロードハーストをコリン ボークに入替。ボークがNO.8に、ジョシュアがFLに。(11分)

スクラムでリコーに反則。東芝はPKを風下から低い弾道でリコー陣内へ蹴り込む。SOフォーリーが蹴り返すが、東芝がクイックスローインしてカウンターアタック。9番が詰め寄ったリコーのディフェンスのギャップを抜けて一気にゲイン。22mライン付近まで持ち込む。

ようやく追いつきラインをセットしたリコーがノックオンを誘うディフェンスを見せると、SOフォーリーがキックを敵陣深くへ蹴り込む。フォーリーとNO.8ボークがチェイスしてプレッシャーをかけると、ゴールまで5mのところでボールを拾った相手15番がタッチを狙ってキックしたがミス。デッドボールラインを割る。リコーはここでPR辻井健太を藤原丈宏に入替。(14分)

再開の右中間5mスクラムからリコーが攻めると、東芝がオフサイド。中央で再度スクラム。左への連続攻撃でCTB小松、HO滝澤佳之が縦に突く。さらにSOフォーリーがインゴールに持ち込むがボールが動かなくなり、もう一度左中間でリコーのスクラム。今度はNO.8ボークがスクラムの右を突く。さらに右へ、LOロトアヘアが中央を突進。リリースしたボールを拾ったSH山本昌太がパスダミーで相手を欺き正面を抜けトライ。CGも決めて7-45。(20分)SH山本に替えて中村正寿を送る。

NO.8ボークの突破、SH中村のテンポの良い球さばき、SOフォーリーのパスが噛み合い、リコーがアタックの局面をつくる。フェイズを重ね敵陣に攻め込んでいく。ボークがさらなる前進を狙って左サイドを突く。ディフェンスにつかまれながらボールをキープするが、うまくつなげず倒され、ボールを乗り越えた東芝がターンオーバー。リコーはハーフウェイライン付近でディフェンス。

完全な形で止めることはできなかったが、相手の足にしがみつきなりふり構わず止めにいく。しかしじりじりと前進を許すと、ラックからボールを取り出す瞬間のSHを止めにいったPR柴田にオフサイドの判定。東芝はPKを蹴り出し、22mライン付近のラインアウトに。リコーはHO滝澤を芳野寛に入替。(26分)しかしまたもモールを組まれ、押し切られトライを許す。CGも決まり7-52。(28分)

リコーはもう一度敵陣に攻め込む。WTB渡邊の快足を生かした左サイドのゲインなど、前半は見られなかったアタックを見せる。34分にSOフォーリーに替わり入ったタマティ エリソンも相手の読みを外すパスでリズムをつくった。しかし東芝のパフォーマンスも最後まで落ちない。トライを生むには至らずこのままノーサイド。リコーは4連敗。ボーナスポイントも得られなかった。

1対1の場面で前に出れず、十分なスペースで相手のランナーに自由にステップを切られる場面が多く見られた。そして差し込まれて自陣侵入を許し、ペナルティ、ラインアウト、モールというパターンでのトライを多く奪われ、試合を決められた。

次節は12月12日、14時5分から大阪・花園ラグビー場で行われる近鉄ライナーズ戦。心の底から勝利を欲し、立ち向かう姿を見せなければならない。

「ディフェンスでもアタックでも丁寧さが足りない。すごく大雑把になってしまっている」(LO生沼知裕)

神鳥裕之監督

今日はありがとうございました。あとがないという状況で臨んだ試合でしたが完敗でした。ディフェンスの部分ですね。簡単にゲインラインを破られて、反則をして、キック、モールと。この流れで半分以上のトライを獲られてしまった。FWのモールディフェンス。チーム全体のチームディフェンス。次の試合までに改善しなければならない。まだ終わったわけではないので、前を向いて次の近鉄戦に向けてしっかり準備していきたいと思います。【以上共同記者会見にて】

自分たちのやってきたことに自信を持とうというメッセージを出し続けているのですが、結果が伴ってこなければ自信は得られない。そういうところに陥ってしまっている。自分たちの良かったときのパフォーマンスを振り返って、できていないところを1つずつ改善していくしかないですね。チームに下を向かせないことは、今の自分の仕事だと思います。(FWに海外出身選手を多く並べた)相手のFWが強いのに対してというのと、ケガ人が重なっていたので。彼らのパワーで相手の強みを消すような戦い方をしたかったのですが、思い通りにいきませんでした。
(モールディフェンスに苦しんだ)相手がモールを組む前に、頭を入れて、低くセットして、押し返すというディフェンスがベースにあって。それが無理であればサック、崩したりするプランがある。相手のセットの精度が高かったのか、我々も頭を入れてやっているんですけど、力の部分で押し切られることが多かった。自分の仕事を終え押し返す上で役に立たない場所に来たら、もう一度入り直すのも徹底したのですが、選手によって精度の部分に差があった。細かく見れば1人ひとりの仕事量、精度の違いがFWの固まりとしての差になったのかなと。モールは相手の強み。ここをやられてしまうと勢いに乗られてしまう。後半は機能し始めたところはあったんですが。
ラインアウトモールでトライを狙えるエリアにボールを運ばせてしまったいうところも、当然反省しなければいけない。ディフェンスを我慢強くというのは1戦目から徹底して言ってきましたが、自陣寄りでペナルティを犯しキック1本であそこに入られてしまった。
(後半、ボークがNO.8に入ったあたりから、少し前に出られたようにも)この試合からFWに入ったのですが、よくやってくれましたね。ボールも動かせますし突破もできる。彼をうまく使った戦い方は、この後の試合でやっていきたい。(SH中村がテンポも上げる場面も)彼の球さばきのスピードでテンポは上がる。彼とバーキー(ボーク)でいいインパクト見せてくれました。HO芳野寛もトップリーグのデビュー戦となりましたがやってくれたと思います。
中6日という限られた時間の中での修正は難しく、それは短期決戦の怖いところでもあったんですが、短い時間の中で自分たちがコントロールできることを見つけて、修正していく。今日の後半のような戦い方ができたメンバーを入れるというのも1つのアイデアだろうと思いますし、とにかく下を向かず、ずるずるいかないことが一番重要だと思います。自信を持たせるためのアプローチが何かをコーチとも話し合いながらやっていきます。ハードなほうに舵を切って、僕自身がチームを引っ張っていかないといけない。落ち込んではいられない。乗り越えたい。

SH山本昌太ゲームキャプテン

前半風下で我慢しなければいけないのがわかっていながら、1対1のタックルミスからペナルティに繋がって、ゴール前に来られてという。前半はシンプルなパターンで終始受けてしまったので、それが全てかなと思います。でも試合は続くので。勝ち点を重ねられるように準備していきたい。(後半少しよくなった。修正できたと感じることはあるか?)風上に立てたということ、そこでコンテストのキック、敵陣に入るキックを有効的に使って、敵陣でプレーする時間が増えたので、そこが後半のスコアにつながったのかなと。【以上共同記者会見にて】

(ディフェンスが安定しなかった)しっかりラインに立つというところからできていない。それで展開され、不利な1対1に持ち込まれ前に出られるという悪循環。ラックの見極めのところ。入らなくていいラックに入ってしまって枚数が足りなくなったりしている。いよいよ本当に開き直ってやるしかない。残り3節あるので、今日もただ負けたっていうことで終わるのではなく、負けからいろいろなこと学んで次の試合に生かしたい。

PR辻井健太

スクラムの強い東芝さんに、セットピースでプレッシャーをかけていくということをテーマに試合に臨みました。前半は自分たちのスクラムが組めていたと思います。後半は体力の消耗、また相手が組み方を変えてきたこともあって、対応できず少しプレッシャーを受けてしまいました。今後の課題だと思っています。1番に転向してスクラムでの手応えはつかめているので、フィールドプレーでも活躍したい。(苦しんだモールディフェンスについて)引き倒したり、押しにいったりといろんなディフェンスのパターンがありますが、もう一度チームで意思統一して、それぞれの場合の1人ひとりの細かい役割を明確にすること。その上で1人ひとりが100%を出していければ。

HO芳野寛

(今日がデビュー戦)いつも通り自分がやれることをやろうと思って入りました。雰囲気があまりよくなかったので、まずは自分から声を出していこうと考えていました。(苦しい状況だが)1戦1戦課題は見えてきているので修正していきます。1週間かけて雰囲気づくり、チームづくりしていければ。FWはモールでかなり獲られたので、そこを特に意識して。個人的にはとにかくセットプレーを安定させることですね。スクラムもラインアウトも。

LO生沼知裕

パナソニックや東芝のようなチームと戦うときには、ゲームプランを遂行することがすごく重要でそれができないと勝ち目はないというくらい大事なもの。1個1個のプレーを正確に丁寧に。ディフェンスでもアタックでも丁寧さが足りない気がします。すごく大雑把になってしまっている。ディフェンス、ラインアウトのモールの対応などでは、これをやろうと決めていた部分に対し1人でも違うことをやったら崩れてしまうわけで。
初戦に負けた後、バーニー(スティーブン ラーカムアドバイザー)が「もっと丁寧にラグビーをしよう」というアドバイスしてくれたんですが、すごく大事なことだと思う。1つのスクラム、モール、ラインアウト、ブレイクダウンなどを正確にやろうとする丁寧さが足りないんじゃないかと。
でも、後半20分くらいから持ち味が出てきたりする。勢いに乗れば強いチームだとは思います。だからこそ最初の前半20分をどれだけ丁寧にできるか。ゲームプランを遂行できるか。それは毎試合のテーマですし、選手たちもわかっているんですけど、気負ってしまっているのかな。
(ディフェンスは本来とは違う状態)前に出れない、差し込まれている。横とのコミュニケーション。ノミネートして、それを声に出そうとかはリアム(バリーFWコーチ)からも練習の度に言われていることですが。どこかで食い込まれるとうまくいかなくなって、前にでるディフェンスが全然できなくなる。止められないんで、ディフェンスをセットする前に早い球出しをされて、全部後手後手になってしまう。
(モールをどう見たか?)相手を引き倒す、サックするサインが出ていても倒せない。すると1人分が無力化するし、周りのプレーヤーは倒そうとしているほうを見るので、完全に食い込まれる。そうなるとモールを強みとしているようなチームのモールは止まらない。倒すべきところで倒せていない。プランの遂行力。何がなんでも倒さなきゃいけない。
でもこのまま終わるわけにいかない。少ないかもしれないけど良いところもありました。山本(昌太)がトライ獲ったところなんかは自分たちのやりたいことがやれていたと思います。継続してアタックするかたちをつくれたので。締め直して、あれが最初からやれるように整えていきたい。

SH中村正寿

(途中出場でテンポが上がったように見えた)自分だけが上げても、他の選手がついてこれなければチームとして意味はないし、その辺はうまくできなかったと反省しています。球出しを早くすることはできるけれども、そのボールをキープできるかできないか。前半から出ているメンバーがどの程度疲れているかを頭に入れてプレーする必要がありました。今日はボールを出す部分に重きを置いてやっていたので、もっと周りをよく見てやれたら、もう少しボールキープできて、得点ももう少し獲れたと思う。
(チームはどのように見えているか)ボールキープするにしろ、ボールを動かすにしろ、やり切ること。人数をかけなければいけないところに人数をかけられていない。アタックでもディフェンスでも、人数をかけたのに相手に獲られ、人数の余ったラインにボール回されたりっていうのがあったので、見極め。ディフェンスでは14人がラインに立とうって言っているんですけど、ボールに絡んでしまって、ペナルティを出してしまったり。それが今のチームの弱さ。1人ひとりが考えてやるのが大事。チームで共通の認識を持てるように話し合っていきたい。

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