Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

トップリーグ 2015-2016 第1節 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦レポート

2015.11.18

キックパスで鮮やかなトライ。しかしペナルティ重なり主導権奪えず

色付いた秩父宮ラグビー場バックスタンドの向こうのいちょう並木。例年ならばシーズン中盤以降の風景の中で、2015-2016シーズンのトップリーグが開幕した。リコーの初戦の相手はNTTコミュニケーションズシャイニングアークス。昨シーズンのワイルドカードトーナメント1回戦での勝利は記憶に新しいが、相手は1stステージを4位以内に残ってみせた地力のあるチーム。そのポジションを奪いにいくリコーとしては、絶対に落とせない開幕戦となった。主将として初の開幕を迎える野口真寛がNO.8、日本代表としてラグビーW杯で活躍マイケル ブロードハーストがFL(6番)で先発。新加入のティム ナナイウイリアムズもリザーブに名を連ねた。

天候は弱いが粒の大きい雨。NTTコムのキックオフで試合が始まる。リコーはFBピータース ダニエルのキックで攻め込む。NTTコム陣内22mライン手前のラインアウトから、NTTコムがアタック。CTB山藤史也がタックルを決めてボールを奪いかける。2人目がジャッカルに行くが惜しくもノックオン。

NTTコムもリコー陣内深くにボールを蹴り込む。FBピータースが蹴り返すと、ハーフウェイライン付近で6番がファンブルしながら拾い上げる。左中間を真っ直ぐ走り、リコーディフェンスのギャップを抜けてゲイン。左中間22mライン手前で、止めにいったリコーにホールディング。NTTコムはPGを狙い成功。0−3と先制。(8分)

その後、ハーフウェイライン挟んでの攻防が続く。接点で数人が固まりになって押し込むNTTコムにリコーはやや受ける形に。それでも自陣から回し、WTB長谷川元氣がキレよく外側のスペースを突くとNTTコムがハイタックル。リコーはPKを蹴り出し22mラインまで前進。ラインアウトをキープし、SOコリン ボークが走りこんだCTB小松大祐へパス。激しくクラッシュすると、ラックでNTTコムにノットロールアウェイ。リコーは正面やや左、22mライン付近からPGを狙うが、これが右にそれる。(18分)

ドロップアウトで再開。低い弾道のボールをSOボークがキャッチすると、前方へ走る。自陣10mライン付近でパントを上げ自ら追い、こぼれたボールを拾うと、FLブロードハーストにつなぎ一気に右中間ゴール前までボールを運ぶ。

LOカウヘンガ 桜エモシがリリースしたボールを拾い上げて突進。継続するとSOボークが右中間から左サイドへキックパス。これをよく見ていたWTB長谷川が鋭く飛び出し、ゴールライン上でキャッチ。そのままグラウンディングしてトライ。CGも決めてリコーが7−3と逆転する。(20分)

逆転したリコーだが、自陣浅めのラックでノットロールアウェイ。PKを蹴り出されNTTコムが22mラインの内側へ前進し攻撃の局面を迎える。しかしスクラムでボールを出そうとした8番に、SH山本昌太が素早くプレッシャーをかけターンオーバーし押し戻す。

リコーは左中間、自陣浅めのスクラムから展開。SOボークがハイパントを上げる。NTTコムの11番が弾いたボールを12番が確保し展開。14番がディフェンスラインの整っていないリコーの左サイドを破る。WTB長谷川が追いつきタックル、再度ボールがこぼれたが続行。タッチライン際のラックからブラインドサイドに走り込んだ2番につなぎ突破、そのままインゴールへ達しトライ。CGも決めて7−10とNTTコムが逆転する。(30分)リコーは一瞬の隙を突かれた。

再開後、リコーはボールをキープし、ボールをワイドに展開しフェイズを重ねる。しかしブレイクダウンでプレッシャーがかかり、アタックのテンポが上がらない。こぼれたボールの争奪でリコーはオフサイド。キックで押し戻されて自陣のディフェンス。今度はノットロールアウェイ。NTTコムはPGを決めて追加点を奪う。7−13。(35分)

前半終了間際、リコーはWTB長谷川のパントキャッチを起点にアタック。SOボーク、FBピータース、CTB山藤、WTB渡邊昌紀、CTB小松と短くつないでゲイン。右中間、22mライン付近にラックをつくると、SH山本が持ち出し、相手を牽制しながらスライドし中央へ。LOロトアヘア ポヒヴァ大和がパスを受け縦に突っ込みラックとなる。しかしここで痛恨のハンド。ホーン後、10mライン付近のスクラムで押し勝ってペナルティを獲りPGを狙うが、わずかに届かずクロスバーに当たる。ボールを拾ったNTTコムが蹴り出して前半終了。

リコーが前半に相手に与えたPKは7個。そのうち6つがラック周辺のもの。ノットロールアウェイが3つ、オーバーザートップ、オフサイド、ハンドがそれぞれ1つあり、これがアタックの継続を阻んだ。

TLデビュー戦のCTBナナイウィリアムズが存在感

リコーのキックで後半スタート。リコーはノックオンとスクラムでの反則が続き、自陣ゴール前まで攻め込まれる。最初のアタックは押しとどめ、10mラインまで戻したが、NTTコムはラインアウトから展開。深いアタックラインから飛び出した12番が中央のギャップを破ると、8番につないで右隅にトライ。CGははずれて7−18。(8分)

これ以上点差を広げられるわけにはいかないリコーをアンラッキーが襲う。ハーフウェイライン付近のラインアウトから攻めるNTTコムに対し、タックルを決め前進を阻むリコー。ディフェンスからリズムをつくりかけていたが、10番がライン裏へ浮かせたキックを蹴る。これをキャッチにいったSH山本とCTB山藤が交錯。こぼれたボールを直接12番が確保し、10mライン手前から中央を走り切ってトライ。CGも決まり7−25。(11分)

流れを変えたいリコーは、PR藤原丈宏を辻井健太に、FLブロードハーストを柳川大樹に、CTB山藤をティム ナナイウィリアムズに入替。直後にナナイウィリアムズがミスマッチを突きゲインを見せたが、つないだ後パスが乱れたところを詰められ、ボールを離せずノットリリースザボール。

PKでゲインされ、リコー陣内のラインアウトに。ジャンパーからボールを受け取ったNTTコム9番がライン裏へ抜け、そのまま中央へトライ。CGも決まり7−32。(19分)

苦しい展開となるが、CTBナナイウィリアムズがチームに勇気を与える。スペースに抜け出し22mラインの内側にボールを運ぶ。パスが相手に渡ったが、すぐさま捕まえタッチラインの外側に押し出す。SH山本がクイックスローインしてアタックを継続。左サイドから展開し、久々に勢いのある攻撃。SOボークがボール離せず反則となるが、PKがタッチを割らずリコーは自陣からもう一度アタック。

CTBナナイウィリアムズのオフロードパスをNO.8野口がもらって中央をゲイン。22mライン手前まで進むとNTTコムにオフサイド。タッチに蹴り出し、リコーはゴール前ラインアウトから攻める。ここで野口に替えて福本翔平。福本はFLに柳川がNO.8に入る。(23分)

一度こぼれたボールが相手に入る。しかし、後方に蹴り込まれたキックをキャッチしたWTB渡邊がカウンターアタック。ラックからつなぎ、またもCTBナナイウィリアムズ。相手のタックルを次々かわして10mライン付近からゴール目前までゲイン。

このチャンスを逃すまいとFBピータース、NO.8柳川、SH山本が猛然とラックに入りボールをキープ。最後はLOカウヘンガが取り出し、右中間インゴールに低く突っ込んでトライを決めた。CGは外れたが12−32。トライの直後、HO滝澤佳之を森雄基に、PR大川創太郎を柴田和宏に入替。(25分)

リコーの時間が続く。NTTコムの再開のキックがゴールラインを越え、リコーはセンタースクラムを選択。さらにスクラムで押し勝つとPKで敵陣深くに侵入する。FBピータースに替えて高平拓哉。(28分)

敵陣でボールキープし、テンポを上げて攻めるリコー。スクラムでも優勢に立ちここに来て主導権を握る。しかしNTTコムのディフェンスも堅く、22mラインの先へのゲインができない。HO森が負傷し滝澤がグラウンドに戻る。(35分)

リコーはゴール前ラインアウトを得るが、ノットストレート。さらにNTTコムがスクラムから蹴り出したキックをクイックスローインして攻め上がろうとしたが、押し上げたNTTコムがラックでターンオーバー。これを起点にアタック。リコーはタックルを続けてはずされ裏へ抜け出されると、21番が左隅にトライ。CGも決まり12−39。(38分)SH山本に替えて中村正寿を送ったが、このままホーンを迎えノーサイド。リコーはトップリーグ開幕戦に敗れ、ボーナスポイント獲得もならなかった。

この日の39点以上の失点を喫したのは、直近 の3シーズンで2試合のみ。ショッキングな結果だが、休止期間なしで駆け抜けるシーズンにおいて下を向いている時間はない。限られた時間の中で最大の効果を生む準備を続け、1戦1戦ベストを尽くしていくしかない。

次節は11月21日(土)の11時40分から山口県・維新百年記念公園陸上競技場で行われるHonda HEAT戦。リコーブラックラムズとしては初めて試合を行う山口の地での再起を期待したい。

「とにかくリズムがつくれなかった。アタックもディフェンスも」(神鳥裕之監督)

神鳥博之監督

重要な一戦、今シーズンを占うという位置付けでチームとしての臨んだのですが、残念な結果となってしまいました。完敗です。ただ、シーズンは始まったばかりですので、ここで下を向かず、次の試合どうやって立て直してくかが一番大事になってくると思います。Honda戦に向けて準備していきたいと思います。(CTBティム ナナイウィリアムズの評価は?)セーフティリードをされ、流れを変えたいという思いもあって投入しました。持ち味を発揮してくれたので満足しています。(CTBでの起用が続くのか)ユーティリティなプレイヤーでどこでもできますので、チームの状況やメンバーとのコミュニケーションを見ながら考えていきます。(誤算と立て直していきたい部分は?)ブレイクダウンですね。サポートする2人目の選手の精度だったり、ボールキャリアの正確性だったり、そういった判断については春からやってきたのですが、NTTコムさんのディフェンスのプレッシャーによって意図したボール出しができず、リズムをつくれなかった。天候の影響もあると思いますがが、精度が足りませんでしたので修正していきます。(バーナード フォーリーの状況は)先週の水曜日に来日したばかりなので、今日はメンバーに入れませんでしたが、来週か再来週の試合には何番かはわかりませんが入ってくると思います。今週の状況見て決めます。【以上共同記者会見にて】

もしかしたら自分が監督になって、一番内容のよくない試合だったかもしれません。でも選手はよくやってくれました。こういう結果になる準備をしてしまった自分に責任を感じています。ブレイクダウンのバトルのところで、向こうのほうがよりコネクトしてきた。我々もそこのところは十分、7ヵ月かけて準備してきたのですが、2人目のところの精度などが足りなかった。とにかくリズムがつくれなかったですね。アタックもディフェンスも。
ディフェンスについて、チームとしてのプランはスペースを奪おうと。前半はどうしてもボールに絡みにいってしまい、意思の統一ができていませんでした。それはディシプリンのところだったり。ちょっとした小さなことではあったのですが噛み合わず、終始流れを戻せなかった。ハーフタイムの指示もそのあたり。タックラーは起き上がってスペースを奪おうと。ボールに働きかけにいくとペナルティを犯しやすいので、スペースを奪ってオフサイドを誘うようなディフェンスをしようともう一回リマインドさせました。
あとはロールアウェイですよね。立ち上がってスペースを奪うか、奪えなかったらすぐにどくか。そこを徹底したんですけど。でもロックされてペナルティを獲られてしまった場面もあった。反省ですね。
アタックのミスもありましたけど、点差を追いかける展開になってしまった以上は仕掛けなくてはならない。あわてるなと言っても難しい。そういう試合展開にしてしまった部分を反省すべきでしょう。
(たらればだが、もしアンラッキーなトライがあと1つ2つ生まれず、ナナイウィリアムズが登場する展開になっていれば、また違った結果もあったのでは?)選手には、点差ほどの実力差は絶対にないので、気持ちをしっかり切り替え底力を見せて戦っていこうと伝えました。選手たちはここから這い上がる力を持っていると信じている。必ずやってくれると思っています。全力で勝ちにいきます。

NO.8野口真寛キャプテン

おつかれさまでした。雨の中にもかかわらず、たくさんの方に応援に来ていただき本当にありがとうございました。今日の試合はミスで自滅した試合だったと思います。特にロールアウェイの反則の部分、レフェリーとのコミュニケーションが十分ではありませんでした。ペナルティから失点をしてしまったのが目立った試合ですね。まだ1試合目ですので、修正して次の試合に臨みたいと思います。(ペナルティ以外のミスではノックオンも目立った。ボールはかなり滑ったのか?)滑ったのもありますし、ノックオンもありましたが、ルーズボールをうまく獲れなかった。そこからのイレギュラーなシチュエーションからの失点が多かったと思います。【以上共同記者会見にて】

PR大川創太郎

相手も強かったのですが、自分たちがやってきたことを出せずに負けた試合だったと思います。スクラムも自分たちのセットがうまくできず押し込まれることもあった。試合前にタイトファイブ(1〜5番)の選手で、セットプレーでは圧倒しようという目標を立てていたので、満足できる内容ではないです。試合中はディフェンスラックに入りすぎていたので、タックラー以外は立ってプレーしようといった声をかけあっていました。

HO滝澤佳之

開幕までの1週間、準備の段階で負けていたのかもしれない。ミスも多かったですから。向こうのほうがこの一戦に懸ける気持ちが高かった感じがしましたね。ちょっとハングリーさが足りなかったですね。(ここまでうまく成長してきたように映ったが?)うまくいっているときはいってるという感じなんですけどね。こういうゲームのときに(本当の)力が出るのかな。ゲームをやっている中で修正できなかった。(うまくいかず、フラストレーションが溜まっているように見えた)声もあまり出ていなかったですし、盛り返していく雰囲気にならなかった。こういう試合は大きなゲインとかあまりないと思うのでこつこつやるしかない。でもなかなか前に出れず、焦ってしまったのかな。練習ですね。とりあえず。もっとピリピリした雰囲気で、一人ひとりが意識してやらないと。

SH山本昌太

シーズンに向けてしっかり準備してきたんですけど、グラウンドで出せなかった。反省でもありますし、個人としても悔しい部分ではあります。ディフェンスは準備してきたものが少しは出せたと思うんですが、アタックはなかなかエリア獲れなかったりとか、前にボール運べなかったり、ブレイクダウンでプレッシャー受けてしまって、それがペナルティにつながってしまった。
ボールが動けばやれるという自信は全員が持っていた。(そのために)どういうことをしなければいけないかというのも全員わかっていたので、それをもう一回やるように声をかけあっていました。でもアンラッキーなトライなどもあってずるずるいってしまった。(次節に向けて1つフォーカスするとすれば)個人的な課題ですが、ブレイクダウン含めラック周辺のコントロールですかね。うまくFWを使ったり、BKの声を聞いたり。チームをうまくコントロールできるように、この1週間もう一度やり直したい。

CTB小松大祐

(周囲とよくコミュニケーションを図っているように見えた)自分たちのテンポでやろうという確認をしていました。ブレイクダウンから自分たちのテンポでボールを出せないと、自分たちのラグビーはできないので修正しようと声をかけて。後半はいいところもあったんですけど、要所要所で自分たちのミスが出たり、ブレイクダウンでプレッシャーかけられたっていうのが一番響いたかもしれないですね。ブレイクダウンは自分たちのスキルはもちろん、レフェリーとのコミュニケーションも大事だと思うので、今日に関しては、少しコントロールできなかったというのはありました。あとはNTTコムさんのブレイクダウンがシンプルに強かったっていうのはあります。自分たちはもっとレベル上げていかないといけない。短期決戦なので落ち込んでいる暇はない。とにかくいい状態を続けることが優先。負けましたけど、いい形でトライ取れたのをポジティブにとらえて次に生かしていきたい。(CTBでコンビを組んだナナイウィリアムズは?)すごいのひとこと。期待以上のキャリーをしてくれてチームもいい流れになりましたが、あのテンポをティムがいるいないにかかわらずできないといけない。これで自分たちの悪い時というものがわかった。次の試合からはそちらではなく、いい時のラグビーに持っていけるようにしたいですね。

WTB長谷川元氣

(キックパスをキャッチしてのトライは、事前にイメージを重ねてあった?)そうわけでもないですが、バーキー(SOコリン ボーク)が蹴る前の動きが見えたので反応できました。(反則が多い試合だった)流れを奪い返せそうなところで反則したり、相手にスコアされたり。あとは後半最後のほうはサポートの遅れも目立ったと思います。2人目が遅くてノットリリースザボールを取られてしまった場面があったので修正したいと思います。

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