Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

プレシーズンリーグ2015 第5節 NTTドコモレッドハリケーンズ戦レポート

2015.10.14

セットプレーが安定せず苦しい前半。ディフェンスは安定

プレシーズンリーグ4つのプール2位が対戦するプレートトーナメント。その決勝に進んだリコーはNTTドコモレッドハリケーンズと対戦。昨シーズンはトップリーグで2度対戦があり、初戦は勝利、二度目の対戦は1点差で敗れ2ndステージ全勝を阻まれている。

会場の大阪・東大阪市花園ラグビー場では決勝に先立って近鉄ライナーズと宗像サニックスブルースによるエキシビジョンマッチが行われた。地元ファンの声援を受ける近鉄が最終盤に逆転トライを奪って勝利し、決勝はその余韻の中で始まった。天候は曇り。風はほぼなし。

NTTドコモ10番のキックオフで試合が始まる。リコーはうまくキャッチできずNTTドコモボールに。回して攻め最初のアタックを見せる。しかし中央22mライン付近でノックオン。

スクラムから出しSOコリン ボークがキック。しっかりチェイスし優勢なラックをつくると、NTTドコモにオーバーザトップ(倒れこみ)。リコーはPKで前進しゴール間近のラインアウトのチャンスを迎える。ラインアウトが乱れたがNTTドコモにミス。ほぼ同地点でリコースクラムとなる。ボールを出して右中間をCTB牧田旦が突く。激しく絡まれノットリリースザボール。

PKで陣地を戻したNTTドコモがラインアウトから回して攻めると守るリコーにオフサイド。連続ペナルティで自陣22mライン付近まで押し込まれた。しかし、リコーがプレシーズンリーグを通じ安定感を見せてきたディフェンスはこの試合も機能。徐々に押し戻し、ボールを奪い返すとFBピータースダニエルのキックで一旦プレーを切った。

NTTドコモのラインアウトがオーバーしNO.8野口真寛に入る。ここに押し寄せたNTTドコモが倒れこみの反則。リコーはPKで敵陣15m付近まで前進する。だがラインアウトを再び奪われアタックにつなげられない。自陣から陣地回復を狙うNTTドコモがキックを蹴り、リコーの返しのキックがタッチを割る。NTTドコモ陣内10mライン付近のラインアウトとなる。

これをキープしたNTTドコモは8番が力強く中央を縦に抜ける。リコー陣内に入るとサポートした5番、さらに7番につなぎ中央にトライ。(10分)WTB深津健吾らがタックルにいったが、オフロードパスをつながれた。CGも成功し0-7とする。

再開直後リコーはまだラインアウトが安定しない。ボールを奪ったNTTドコモは10番が中央ハーフウェイライン付近からキック。リコーは裏をとられたが、SH山本昌太が追いつきセービング。SOボークがキックを蹴り返す。

これをキャッチしたNTTドコモのバックスが自陣からカウンターアタック。リコー陣内に入るとつないで攻める。守るリコーはNO.8野口がラックでボールを奪いかけるが、その前にタックルにいった選手に対しノットロールアウェイ。アドバンテージが出る中でNTTドコモ10番がDGを狙うがこれははずれた。(15分)

PKをタッチに蹴り出したNTTドコモはラインアウトから展開。ワイドに攻めるとリコーがオフサイド。再びのラインアウトからモールを組むがここはリコーが押し出す。ボールを取り戻したリコーは、キックをフィールド内に蹴り込みディフェンスからチャンスをうかがう。激しい奪い合いとなるが、ボールが出ずNTTドコモのスクラムで再開。リコー陣内15m付近左中間のスクラムからワイドに攻めるがノックオン。

リコーは中央10m付近のスクラムから、8-9とつないで出しSH山本がゴロキックをライン裏へ蹴る。NTTドコモはこれを蹴り出してリコーのラインアウトに。しかしまたも相手にボールが入り、左サイド深くへとボールを運ばれる。

ゴール前でなんとかボールを奪い返したリコーは、SOボークの左中間から右中間へのキックパスがCTB山藤史也へ通り、さらに外のWTB星野将利につなぎ右サイドをゲイン。敵陣22mライン手前まで前進するが激しいディフェンスに遭いノックオン。

しかし、スクラム、ラインアウトを経てボールを奪い返すと、敵陣浅めからのアタックチャンスを迎える。FL福本翔平、HOマウジョシュアらが縦に突き展開。左中間でボールを受けたCTB牧田が鋭い加速で前方のスペースをゲイン。22mライン付近で外をフォローしたWTB深津にパス。深津はゴールラインに迫ったがタックルを受け惜しくもノックオン。(27分)セットプレーからはなかなかチャンスをつくれず苦しむも、ターンオーバーからアタックへの流れでは一体感が見られた。

その後、ペナルティ、ノックオン、ペナルティと繰り返しリコーは再び攻め込まれる。さらにゴール前ラインアウトに対するディフェンスで、SOボークに反則の繰り返しがあったとして一時的退出処分が科された。リコーはSOにピータースが入り対応。(32分)

1人多いドコモは右サイドの5mスクラムから展開。左サイドを突く。インゴールに達したが、テレビジョンマッチオフィシャル(TMO)でノートライの判定。再度5mスクラムとなるがここでリコーに反則。リスタートしたNTTドコモ8番が飛び込んでトライ。(36分)CGも決まり14-0。守りきりハーフタイムで立て直したかったリコーは、追加点を許してしまう。

中盤のラックでボールを奪うと、CTB山藤が蹴り出し前半終了。

終盤連続トライで追撃するも届かず。プレートT準優勝

FBピータースのキックで後半スタート。ラインアウトを得たリコーは、キープしモールを組む。あまり押し込まずSH山本がハイパントを上げ、WTB星野が追う。競り合うが確保できずNTTドコモスクラムに。

しかし直後のFBピータースのキックでうまく前進。再び敵陣ラインアウトのチャンスを得る。モールで、またボールを回して、ゴール前を攻めるリコーのプレッシャーにコラプシングやホールディングなどNTTドコモがディフェンスでペナルティを繰り返す。さらにNTTドコモ4番に故意の反則があったとして一時的退出が科される。(6分)

リコーはペナルティをもらって選択した右中間のスクラムの最後尾で、NO.8野口が足でうまくボールをコントロールしながら前進。ゴールラインに迫っていくと、再びレフェリーがホイッスル。NTTドコモの反則で認定トライを宣言。(9分)CGもFBピータースが決めて7−14とした。

数的有利を得た状況で1トライ1ゴール差にしたリコーは連続ポイントで一気に追いつきたい場面を迎える。しかし、自陣浅めの位置で、タックル後のリリースがやや遅れホールディング。一時的退出中の選手の戻りを待つNTTドコモはPGを狙うが、これははずれた。(13分)結局リコーは追加点を奪えないまま相手4番が復帰する。

リコーは前半あまりつくれなかったアタックチャンスをつくりだす。自陣でのディフェンスでボールを奪い、素早く逆サイドに展開、前方のスペースへWTB星野が抜けるチャンスをつくる。しかしここは孤立しノットリリースザボール。(15分)

リコーはスクラムでの反則などもあり自陣を抜け出せない時間が続くと、NTTドコモがスコア。左サイドゴール前ラインアウトからラックをつくり、広い方のサイドを7番が鋭く抜けポスト左のインゴールへ飛び込みトライ。(21分)CGははずれたが7−19と再び点差が広がった。

リコーはこのトライの後、HOマウジョシュアを芳野寛に、WTB星野将利を小松大祐に入替。さらに2分後にはCTB牧田旦を小浜和己に入替。(23分)

残り20分を切り12点差。勝つためには早急にスコアが必要な状況に。しかしリコーは敵陣でのマイボールラインアウトでターンオーバーを許し、自陣から蹴ったハイパントもうまく上がらず、攻勢に転じることができない。NTTドコモはペナルティでアドバンテージを得ると10番がDGを狙うなど(27分・不成功)積極的なアタックを見せる。

そしてリコーの倒れこみで獲った右サイドゴール前のラインアウトから、NTTドコモがモールで押すと、右中間に相手5番がトライ。(30分)CGも成功し7−26。リコーにとっては重い失点となる。

プレシーズン締めくくりの一戦をこのまま終わることはできないリコーは、プライドを懸けてラスト10分に挑む。反則を獲ってゴール前ラインアウトにすると、モールを押しFL柳川が左中間にトライ。(33分)CGははずれたが12−26。

PR辻井健太を松本友介(33分)、SH山本を神尾卓志(34分)に入替。さらにPR藤原丈宏を眞壁貴男(35分)、CTB山藤を木上鴻佑(36分)に入替。

WTB小松の左サイドタッチライン際の突破で敵陣に入ると、また反則を獲ってゴール前ラインアウトに。ノックオンでNTTドコモスクラムとなるが反則でボールを奪い返す。

SOボークのリスタートから中央インゴールになだれ込む。TMOとなるがトライは認められない。リコーの中央5mスクラムで再開すると左に展開。SOボークのパスがWTB小松へとつながり左隅にトライ。(39分)17−26。角度のあるCGがはずれたところでホーンが鳴りノーサイド。

リコーはプレートトーナメント準優勝、トータルでは6番目という成績でプレシーズンリーグを終えた。5試合を通しディフェンスは安定しブレイクダウンでプレッシャーを受け続ける試合もなかった。セットプレーが安定した試合では、トライの予感が漂う相手に脅威を与えるアタックが自然と生まれ、優勢な展開となった。しかしセットプレーの安定感を欠くと好循環が生まれず、ディフェンス力に頼る我慢の試合になった。トップリーグの開幕ゲーム・11月14日のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦までの1ヵ月、チームは予定されているリコー総合グラウンドでのキャンプなどを通じ明確になった課題の修正に挑む。

「自分たちはチャンピオンを倒しにいくチーム。立ち位置を確認し、さらに厳しくやろうと伝えた」(NO.8野口真寛キャプテン)

神鳥裕之監督

まずはアウェイ開催ながらリコーを応援してくださったたくさんの方々に感謝申し上げます。今日の試合は、どうしてもこのリーグで優勝して、弾みをつけてトップリーグに臨みたいという気持ちで戦ったのですが、結果としては相手どうこうというよりは自分たちのミスで試合を壊してしまった。そういう反省があります。セットプレーや反則の部分。トップリーグの上位を目指せるまでにはまだ至っていない。今日の負けで感じたこの気持ちを忘れずに、しっかり準備していきたいと思っています。今日はありがとうございました。
(トップリーグに向けて具体的な修正ポイントがあれば)ここ数試合セットプレーが安定しない部分がありましたのでスクラム、ラインアウトの安定は考えている課題。あとは反則で苦しむ展開も続いていましたので、チームとしての見解を統一しながら、レフェリーとコミュニケーションする機会があれば、そういった準備もしていきたいと思います。【以上共同記者会見にて】

(チーム内には小さなケガを抱えた選手もかなりいた?)タフな状況の中でも、しっかり勝ち切るような試合をしたかったのですが。選手も言い訳することはなくそうしようとしていました。でもゲーム内容としては、今までと比べても入りが悪かったですし、精神的にもふわっとした感じでした。セットプレーも安定しませんでしたね。
(それでも前半は2トライ。ディフェンスがよかったということか)ディフェンスシステム自体はトップリーグ開幕に向けて機能しはじめていると思います。NTTドコモさんのアタックもよかったですから。バリエーションも増えましたよね。昨シーズンはダイレクトダイレクトで来ていたんですが、深みもあって、外に展開する力もありました。そんなワイドなアタックにもコネクションできていました。前半が終わったときには、真ん中の選手のスピードがやや遅いといった細かな修正はしましたが。
(なんとか少ないトライでしのいで、後半逆転という流れがつくれなかった)過去2試合も前半はやられながら、後半逆転してきたのでそうしたかった。今日はその2試合以上に前半が悪かったですね。ただ、セットプレーが安定せずボールキープができない状態が続いていたわけで、その中では(スコア的には)よく頑張ったと言うべきなのかもしれない。
(アタックに関しては)前半は見せ場がほとんどなかった。後半は一部修正できて機能しはじめたのは評価したいです。ラインアウトも後半は落ち着いて獲得率が上がりましたし、スクラムはうちがやられたというよりは、フィーリングの部分? 我々のかたちを律して微調整していくことが大事かなと思っています。課題の多く見えた試合。本番前にこういう試合ができてよかったと考えたいですね。焦りはないです。
(開幕までの残り1ヵ月はどう使うか)まずはプレシーズンリーグの疲れもあるので1週間ほどリフレッシュして、キャンプというかたちで再スタートします。うちのグラウンドで、ラグビーフォーカスのトレーニングをやります。キャンプにはおおかたのケガ人も戻ってこれると思いますので、チーム一丸となって取り組めると思います。

NO.8野口真寛キャプテン

応援に来てくださった皆さんありがとうございました。選手としてもミスが目立った試合だったと思います。またまだ本番ではないとはいえ、しっかり戦いたかったんですけれども、ドコモさんのプレッシャーもあったと思いますが、セットプレーのミスから自滅してしまったという結果だったと思います。今日の反省点を重く受け止めて、次回に繋げたいと思います。ありがとうございました。
(レフェリーとのコミュニケーションがうまくいかず、反則を犯す場面が多かったように見えたが)
特にラックまわり、ハンズオフですね。ボールの離し方のところで理解にずれがあったようです。レフェリーとのコミュニケーションはキャプテンの重要な仕事。プレシーズンはそれを行ういい機会なので、いつも以上に意識してはいました。
【以上共同記者会見にて】

セットプレーに課題が残る試合でした。プレシーズンリーグ通してもそうなのですが。ラインアウトですね。ブレイクダウンなどに関してはいい結果が残せていると思います。(ラインアウトにも様々な要素があるが、課題はどこにあるかは見えている?)そうですね。いろんな選手が出場したり、いろいろなオプションを試しているのもある。そういった中でも結果は出していかなければいけないのですが。
(キャプテンとして今のチームはどう見えている?)気が緩んでいるわけではないのですが、自分たちの立ち位置をもう一度確認しようとは伝えています。自分たちはチャンピオンではなく、チャンピオンを倒しにいくチーム。自分により厳しくやろうと。(手応えは?)感じています。いい結果が残せると思っています。

PR藤原丈宏

フロントローとしてスクラムでプレッシャーをかけていこうとしていたんですが、ペナルティが出てしまった。シーズンに向けていい経験。レフェリーとのコミュニケーションもうまくとっていきたいですね。春にケガをして復帰したのは最近で手応えはまだまだですが、焦ってはいません。スポットコーチのアドバイスも参考になっています。開幕までもう少しペースアップして上げていきます。

LO小山智聲

相手の出足(のよさ)にミスを重ねてしまった。自分たちのミスで崩れて、それが負けにつながったのかなと。細かいところでミスが重なって、さらにペナルティが絡んで、結果的に点数を重ねられなかったというのが今日のポイントだったと思います。(相手のディフェンスはよく前に出てきていた)スペースにボールを運ぶといテーマにフォーカスしていましたが、あまり実行できなかったかなと。昨シーズンよりもチャンスをもらえているけれど、自分はただやるべきことをやっていくだけ。開幕戦もメンバーに入れるように頑張ります。(昨シーズンとは何が違う?)遠慮していた部分がなくせてきている。自分から発信することも増やせています。

WTB深津健吾

自分たちのミスで後手後手に回ってしまった。内容としての評価より、自分たちのラグビーをできる土俵に立たないといけない。そういった面で、今日はもったいないというのも変ですけど、消化不良の感じが残る試合でした。
(個人的にうまくいったプレー、いかなかったプレーは?)牧田さんが抜けたところ(前半27分)で、少し遅れたんですがちゃんと追い上げてフォローできたプレー。あそこでタッチに出てしまうのはWTBとしてはだめなので、もっとうまいボディバランスでプレーできるように。(ディフェンスでも目立っていたが)ピンチでもうどうしようもないという場面で詰めたときに、ボールキャリアに対してタックルに入れたという印象です。ポジショニングでバックスリーが連携をとっていくという部分がまだ甘いので、コミュニケーションをもっと取り、またコーチとも話し合っていきたいと思っています。

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