Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2014-2015 トップリーグ ワイルドカードトーナメント 2回戦 vs サントリーサンゴリアス戦

2015.02.04

サントリーが試合の入りを制圧。3トライを奪われる

2011年以来、4年ぶりに進出したワイルドカードトーナメント2回戦の相手は、グループAの5位、サントリーサンゴリアス。リコーは1stステージで対戦し26−38で敗れたが、後半に4トライを挙げて互角以上の戦いを見せた。
この反撃はチームの転機となり、リコーはディフェンスの質を高める一方でフォワード、バックスが一体となったアタックが機能するようになり、以降のゲームを9勝2敗。敗れた2試合はいずれも1点差という快進撃を見せた。
前回の対戦から9つの勝利を重ねたリコーは、満を持して2003年のトップリーグ創設以来1勝という難敵と日本選手権という2つのターゲットに挑んだ。

強い寒風が吹きつける大阪・近鉄花園ラグビー場。リコーは風下の陣地で前半に臨む。SOコリン ボークのキックオフで試合が始まった。

最初のスコアはサントリー。リコーがハーフウェイライン付近でキックオフサイドを犯すと、サントリーが風に乗せて長いペナルティキックを蹴り、ゴール前ラインアウトを得る。

ラインアウトはノットストレート。リコースクラムとなる。リコーはインゴールからキックを蹴るがタッチを割らず、10mライン付近からサントリーがカウンターアタック。22mライン付近までゲインすると展開。左サイドに出すと、10番がループするサインプレーでゲインラインを突破すると、13番、15番とつないでインゴールへ持ち込みトライ。CGはポストに当たったが跳ね返って成功。0−7。(4分)

自陣からキックを使い前進を図ろうとするリコーだったが、風の影響を受けうまくいかない。それでも相手の反則で得たペナルティキックで敵陣に侵入。しかし、ラインアウトを奪われ、キックを蹴り込まれる。リコー陣内深くに飛び、WTB高平拓弥、FBピータースダニエルと回したところにサントリーのフォワードがプレッシャーをかける。なんとかボールを出しキックを蹴り返すが、サントリーが自陣からカウンター。15番がゲインし、リコー陣内22mライン付近まで前進。さらに攻めると左サイドのラックから出したボールを9番がハイパント。ゴール前で11番とWTB高平がジャンプして競り合い、両者がボールに手をかけたまま倒れるが、ボールはサントリーに出る。10番が力強いランでリコーの選手が厚く待ち構えるエリアを強引に突破。そのまま左隅にトライ。コンバージョンも決めて0−14。(13分)リコーのメンバーから「我慢!」の声が飛ぶ。

しかし、またもキックで前進され、自陣22m付近のラインアウトでリコーにノットストレート。スクラムからサントリーがアタックする。守るリコーがオフサイドを犯すと、リスタートからサントリーが攻め、10番が中央のギャップを突いてインゴールへ。サントリーの3連続トライで0−19。CGも決まり0−21。(17分)

試合の入りを完全に制圧したサントリー。リコーは風下の不利もあったが、相手のめまぐるしく選手が動くアタックに対し、的確なファーストタックルを決められず苦しんだ。とにかく1トライ返したいリコーだったが、なかなか敵陣に入れないまま試合が進む。

26分頃、ようやくリコーに流れが傾く。右サイド、ハーフウェイライン付近のサントリーボールのスクラムを押して崩すと、FLマイケルブロードハーストがボールを奪って前方へ抜ける。SH山本昌太、NO.8柳川大樹とつないでゲイン。22mラインまで攻め込むと左へ展開。SOボークがCTB小浜和己にパスを出し、再びボールをもらい直すと1人飛ばして大外のFBピータースへ長いパス。これが通りゴール前まで前進すると、タックルが入りラックに。このラックでサントリーに反則。ペナルティキックをタッチに出し、左サイド、ゴール前のラインアウトに。このチャンスでモールを狙ったリコーだったが、組むことができずに反則。サントリースクラムとなる。
スクラムをわずかに押すも、早めに出されキックを蹴り込まれる。リコーは後退。しかしもう一度攻めなおすと、サントリーが反則。ペナルティキックを蹴り出し、もう一度22mラインの内側でラインアウトを得る。
今度はラインアウトからしっかりモールを組み押し込む。SOボーク、WTB高平らも加わって押すとボークが持ち出し展開。ここからリコーがボールを回して攻める。右サイドでWTB長谷川元氣らが鋭く仕掛けるが、サントリーのディフェンスは堅い。リコーもボールをキープして粘り強く攻める。
しかし、浮いたパスをジャンプして処理したFBピータースにタックルが入りノックオン。さらに拾ったボールで攻めようとしたサントリーの選手に対しリコーがハイタックル。ペナルティキックを大きく蹴り込まれ、リコーはこの試合初めて迎えたトライチャンスを逃す。(32分)

リコーはフォワードの縦の突進が有効で、中盤からサントリー陣内浅めの位置でチャンスをうかがう展開に持ち込む。しかしサントリーのプレッシャーを受け、そこから先には進めない。

こぼれたボールを獲ったサントリーは自陣からアタック。10番がタックルをかわして抜けると一気にリコー陣内に攻め込む。必死に戻るリコーのディフェスを、うまくパスをつないでかわすと、最後は左中間を9番が抜けてトライ。CGも成功し0−28。(40分)ディフェンスからの見事な切り替えで、与えてはならない失点を喫してリコーは前半を終える。

後半の入りにSH山本が意地のトライ。しかし突き放される。

メンバー入替なしで後半開始。直後からリコーが攻める。風上からキックを深く蹴り込むと、蹴り返しの距離が伸びず敵陣でのラインアウトを得る。これを奪われるが、ディフェンスで前進を阻み、相手のキックをキャッチするとテンポよく攻める。左サイドをWTB高平が鋭く突いてラックをつくるとサントリーにオフサイド。タッチに蹴り出し、再びのラインアウトからフォワードで攻め、左中間ゴールライン上のラックの攻防となる。ここでサントリーにノットロールアウェイ。

リコーはやや優勢だったスクラムを選択する。SH山本を牽制する相手9番が前方に出過ぎてオフサイド。リコーは再度スクラムを選ぶと、オープンサイドをSOボークが突いて前進。さらにNO.8柳川も鋭く突く。しかしゴールラインを割らせないサントリーのディフェンス。リコーはしつこく攻めたが、ボールが動かなくなりサントリースクラムに。

しかし中央、ゴール前のスクラムを、リコーが強く押す。完全に押し込んでボールを奪うとSH山本が左中間を突く。捕まるがサントリーにハンドの反則。リコーは左中間でスクラムを組むと、持ち出したSH山本が中央、ポスト間への一筋のランコースを見出し、飛び込んでトライ。CGも難なく決めて7−28。(10分)
攻め続けたリコーが、ようやくトライを奪う。リコーはここでPR大川創太郎を柴田和宏に、LO馬渕武史をカウヘンガ桜エモシに入れ替える。(11分)

続けざまにトライを獲る必要のあるリコーだったが、再開のキックオフの処理でミス。ノックオンで自陣ゴール前でスクラムを与えてしまう。サントリーは9番から10番へつなぐと、両者の間に走り込んだ14番にボールを戻し、そのまま抜けてポスト右にトライ。CGも成功し7−35。(13分)チャンスを確実に生かすサントリー。

リコーは痛恨のトライを喫し、後半開始から握っていた主導権を手放す。サントリーが激しく攻めたてリコーは押し込まれる。

しかし、ラックからこぼれたボールをWTB高平が確保しターンオーバー。SOボークが蹴ったキックは、風に乗り敵陣ゴール前まで転がって止まる。サントリーは処理にいくが、チェイスしたNO.8柳川、FBピータースらが捕まえてボールを奪う。一転チャンスを迎えたリコーは、ワイドにボールを回してテンポよく攻めるが、正面のラックでボールを放せずノットリリースザボール。

サントリーはクイックリスタート。風下からボールを回して攻める。すると今度は14番が自陣15m付近でラインブレイクし、一気にゴール前へ。リコーはこれを捕まえきれず、サントリーはゴール前で10番、15番、10番とつないで左中間にトライを決める。CGも成功し7−42。(21分)

リコーはHO滝澤佳之を森雄基に、SOボークをタマティ エリソンに入れ替える。さらにCTB小浜を牧田旦に入替。(22分)

リコーはサントリー陣内浅めでプレーするが、そこから先には侵入できない。さらにPR藤原丈宏、柴田が同時に相手選手と交錯し負傷。髙橋英明、大川がグラウンドに立つ。(25分、27分)

10mラインを越えたあたりのラックでサントリーにオフサイド。リコーはペナルティキックでゴール前に攻め込む。ラインアウトでボールを失うが、ボールが動かなくなりリコースクラムに。ここでFL武者大輔をFL野口真寛、SH山本を中村正寿に入替。(31分)

このスクラムを押し、リコーがペナルティを獲る。右中間ゴール前からLOカウヘンガがリスタートして突進。再度リコーのスクラムとなるが、これを押すと展開し中央をCTB山藤史也、LOロトアヘアポヒヴァ大和が突く。密集の中でボールをもらったLOカウヘンガが、ポストすぐ右のゴールライン上にボールを押さえつけトライ。CGも成功し14−42。(34分)

残り5分はほぼサントリーのアタックに費やされたが、ホーン後のラストワンプレーはリコーのゴール前のアタックに。しかしラックでボールが動かなくなりノーサイド。

リコーはワイルドカードトーナメント2回戦での敗退が決定。2014-15シーズンの終了が決定した。

「必要なのは、それぞれが目指す基準を上げて、一日一日を大事にすること」(FL野口真寛)

神鳥裕之監督

今日はチャレンジャーとして、何とか相手を焦らせるようなゲーム展開でチャンスを生み出したかったのですが、風下の前半、入りの部分で少し差を空けられてしまった。勝利に結びつける展開にできなかったことは悔しく思います。サントリーさんの強みを感じ、我々の力不足を痛感した試合でした。
ですが1年間、選手たちはよくやってくれました。目標としてきたAリーグにいけずに迎えた2ndステージから、6勝1敗という成績を残して、サントリーさんへのチャレンジをつかみ取った選手たちを誇りに思います。悔しい結果ではありましたが、この1年間でつくったベースを、来年またビルドアップして、もう一度チャレンジできるチームにしたいと思います。1年間ありがとうございました。
(相手の10番に走られる場面が多かったが)相手の9番10番が外国人選手だというのは当然わかっていましたので、ディフェンスのところでコミュニケーションをとって、前にプレッシャーをかけるような準備をしていたのですが、ファーストタックラーのクオリティがかなり悪かったので、1人目のタックルをはずされることで、相手のシェイプ、アタックに勢いをつけさせてしまいました。試合中も、しっかりノミネートして、前に出て、プレッシャーをかけて、コネクトし続けようと伝えましたが、うまく立て直せませんでした。【以上共同記者会見にて】

完敗です。ここまでやられると。最初は風下で選手たちも戦いにくかったと思います。タックルミスも、サントリーさんのアタックシェイプが想像以上にクオリティが高かったというのもあると思います。エリアが獲れない、風のプレッシャーが大きい、そういう状況で大事なラインアウトを2つ、3つ落としてしまい、自分たちの首を絞めてしまったのは悔やまれます。
(試合の入りは前の試合でも苦しかった。そのあたりへの意識は?)そこに限ったフォーカスはなく、80分間戦い続けようというメッセージを出していました。
(イメージしていたのは、ある程度トライを獲り合うような試合か?)アタック力のあるチームなので、ロースコアに持ち込むのは難しいかなとは思っており、前半は接戦で折り返したいと考えていました。我々のアタック力を見極めたときトライを4つ、5つと獲られると厳しいだろうと。それが前半だけで4つ獲られてしまったのは想定外。前半最後に4つめのトライを獲られたこと、(流れがこちらに来た)前半の20分くらいからの時間にトライを獲りきれなかったのが大きかったですね。これらは結果論でしかありませんが。
(この先に向かうために、何をすべきか)今日は我々の生命線であったディフェンスが崩壊してしまいました。ゲームをつくる上で最も重要なのがディフェンスの部分なので、これぐらい高いレベルのアタックをしてくるチームに対しても、高いクオリティのディフェンスをするというスタンダードが必要だと感じました。
あとは細かいミス。プレッシャーもきつくなってくるので、個人個人のスキル。ハンドリング、タックルテクニック。上がってはきていますが、この段階の試合で勝つためにはまだ足りない。
(厳しい試合を数多く重ねる必要も?)それはやはり大事で、来シーズンは上位グループで戦えるように、何としても1stステージで良い成績を残したいですね。ただし、日頃の練習に自分たち自身が緊張感を持って臨むことでも効果は期待できる。2ndステージをグループB1位で勝ち抜き、NTTコムにも勝ち、ある程度の自信を持って臨んだ試合がこういう結果になった。突きつけられた現実は、チームに緊張感をもたらしてくれると思う。負けて強く悔しがったり、勝っても内容が悪ければ満足しないという雰囲気はこの1年間でだいぶ培われたと思っています。もう一皮剥けるための努力の仕方を、コーチングスタッフで考えていきたいと思います。

SH山本昌太ゲームキャプテン

試合については、前半の入りが全てかなと感じています。風下というエリアで、我慢しなければいけない状況にあったにもかかわらず、サントリーさんに簡単にスコアを重ねられたというのが全てだと思います。とはいえ、今シーズンを通して自信を持ってプレーできるところや、反省点が出てきたので、チームとして一回り成長して、来シーズンを迎えたいと思います。ありがとうございました。【以上共同記者会見にて】

HO滝澤佳之

まずは1年間サポートしてくれた方々に感謝を伝えたいです。ありがとうございました。試合としては残念な終わり方でした。試合の入りで相手に持っていかれて、率直に力の差を感じました。もっと僅差にもっていかないとだめだった。ここ一番で自分たちの力が発揮出来ないのが、上で戦っているチームと、這い上がろうとしているチームの差。
(手応えも感じられたシーズンではなかったか)感じられたものもあった。ダミアン(ヒルヘッドコーチ)、バリー(リアム バリーフォワードコーチ)たち引っ張ってくれたコーチに感謝したい。皆がいい緊張感を持ってグラウンドに立てる環境をつくってくれたので。

CTB山藤史也

個人的にミスタックルが多かった。前半風下で、風がかなり強くて、その中でエリアを全部確保されていて、アタックも向こうのすごくいいシェイプができていて、うまくアタックされて、その中でタックルミスが出て。最悪の展開というか。
(試合前、この試合に向けて準備したことは)この試合に向けてつくった、どこを狙うかというプランや、それに沿ったサインは当然ありました。でもアタックに関しては準備していたものが出せなかった。それ以前にボールキープできなかった。(ハーフタイムは?)点差が開いていたので、戦術というよりはそれぞれが果たすべき役割を果たそうという声がけをしました。
(悔しい結果に終わったが、シーズンで9勝。成長を果たしたのでは)……それでもこういう試合で力を発揮できない自分たちは、まだまだだなと感じる。上のチームとの差は縮まっていないのかなと。また、来シーズンに向けて、新しいことも採り入れて変わっていければ。

FL野口真寛

脳しんとうの影響で約1年間休み、復帰して2週間で肩を脱臼して、ようやくプレーできるようになりました。今シーズンはほとんど何もしていないのですが、今日はメンバーに入れたので、少しでも盛り上げられるように心がけました。チームが勝っていることは嬉しく思う一方で、そこに自分がそこにいられないのは寂しくもあり悔しくもある、そういうシーズンでした。最後に出場機会を与えてくれた神鳥監督には感謝しています。(この上にいくには、何が必要か)一人ひとりの意識ですかね。妥協せず、それぞれが目指す基準を上げて、一日一日を大事にすることだと思います。

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