Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2014-2015 トップリーグ 2ndステージ 第3節 vs豊田自動織機シャトルズ戦

2014.12.17

エリアは獲得していくも、フェイズ重ねられず歯がゆいシーン続く前半

2ndステージ第3節は岡山・kankoスタジアムでの豊田自動織機シャトルズとの対戦。内容もともなった2連勝で勢いに乗るリコーだったが、3週続く遠征試合、勝利を渇望する相手を迎えることもあり、これまで同様タフな試合になることが予想された。

 冷たい風が吹くスタジアムにホイッスルが響き、豊田自動織機のキックオフで試合が始まる。追い風の陣地のリコーはキックでエリアを獲っていくが、風下と割り切って自陣から回して攻める豊田自動織機が勢いのあるアタック。リコーはディフェンスでペナルティを犯し、攻め込まれる。

リコーは22mライン手前からのアタックを受けるが、ディフェンスでプレッシャーをかけついにノックオンを誘うと、そこから攻める。ディフェンスが整う前にゲインし敵陣に侵入するが、そこから攻撃の形がうまくつくれずフェイズを重ねられず、10分が過ぎる。


蹴りこまれたボールをキャッチし、攻め上がったWTB星野将利にハイタックル。自陣10mライン付近だったがほぼ正面。リコーはゴールを狙う。風でボールが倒れないようNO.8マウジョシュアがボールを押さえ、FBピータースダニエルがキックを蹴るとボールは低い弾道で飛びポストを越える。60mに近いPGに成功したリコーが、3−0と先制する。(10分)

 その後もキック中心で試合が続く。リコーは自陣浅めに飛んだパント処理での相手の反則で得たペナルティキックで前進。(17分)ゴール前でフォワード、バックスが一体となって攻めるが、豊田自動織機の粘り強いディフェンスと自らのミスなどでボールを失う場面が続き、スコアできない歯がゆい展開。隙を見て豊田自動織機が蹴りこんだキックでリコーのバックスは処理に追われる場面もあったが、逆にギャップに仕掛けたCTB牧田旦のビッグゲインなどでエリアを戻した。(22分)

失点を予感させるようなピンチは少なかったが、我慢の時間を経てリコーが試合を動かす。自陣浅めのラインアウトの後のラックで、豊田自動織機がこぼしたボールを拾いターンオーバー。左中間から展開し右中間にポイントをつくると、狭いサイドでつなぎFBピータースがタッチライン際をブレイク。敵陣22mライン手前で内側をサポートしたSOボークに戻すと右中間にトライ。CGも決まり10−0とした。(27分)

さらにキックオフボールを回し、いきなり攻める。FL柳川のオフロードパスを受けたCTB山藤らの突破で敵陣に侵入。FBピータースのゴロキックでゴール前へ。一度豊田自動織機ボールのスクラムとなるが、出してまわしたボールがこぼれると、リコーはこれを奪って右中間から中央へ展開。CTB山藤がポスト下に飛び込みグラウンディングするが、テレビマッチオフィシャル(TMO)となる。ゴールライン手前で倒されダブルモーションだったと判断されノットリリースザボールのペナルティ。リコーは引き離すトライをあとわずかなところで逃す。(32分)

 流れをつくるスコアができなかったが、リコーはこの後もキックでエリアマネジメントを図りフィールド中盤付近で試合を続けた。前半終了直前、リコー陣内浅めの位置のスクラムから豊田自動織機が攻めると、守るリコーにホールディングの反則。さらにノット10mバックを犯し前進を許すと、左中間30m付近から豊田自動織機がPGを狙う。しかしこれははずれホーンが鳴った。リコーは10−0のまま試合を折り返す。

続く我慢の時間。しかし終盤にアタック噛み合いトライラッシュ

 メンバー交代はなしで後半スタート。序盤からリコーがアタック。前半よりもクイックなボールが出て、連続攻撃も見られるようになる。じりじりと攻め込みゴール前に進出するが豊田自動織機の強いスクラムと集中力のあるディフェンスに阻まれる。(9分)

状況打開を図るリコーは、PR大川創太郎を柴田和宏に、LO馬渕武史をカウヘンガ桜エモシに交代。(14分、15分)カウヘンガの果敢な突進なども効き、リコーはさらに攻める。しかし勝負どころのパスなどでミスが出る。ゴール前のアタックで相手WTB(23番)にインターセプトされ、トライにもつながりそうなビッグゲインをわずかなところ止めるピンチもあった。(19分)
我慢比べの様相は後半も続く。リコーはFLマイケルブロードハーストを武者大輔に、CTB山藤史也をタマティ エリソンに交代。(24分)

しかし、我慢したリコーにようやくトライが生まれる。右サイド、22mライン内側のラインアウトをキープしたリコーが、モールで前進。ラックに移行しサイドを一度突いた直後、SH山本が迷いなく展開。SOボークから、スピードに乗って真っ直ぐ走り込んだCTB牧田へとつなぎ突破。牧田がポスト下に飛び込みトライ。テンポアップしたアタックでリコーがスコアに成功し15−0。CGも成功し17−0とする。(29分)

 このトライで流れが決まる。豊田自動織機の再開のキックオフが10mラインに届かず、リコーのセンタースクラムに。8−9でボールを出し、SH山本が飛び出すと、タイミングよく押し上げたバックスとの間でサインプレーが決まる。前に出たCTB牧田の裏のSOボーク、その内側のFBピータースへとつなぎ鮮やかに右中間を突破。最後は外をフォローしたWTB星野に回しトライ。CGも成功し24−0。(31分)ゴールを決めたピータースが、自陣に戻りながら、メンバーに向けて人差し指1本を出す。4トライまであと1トライ。ボーナスポイントが見えてきた。

敵陣浅めの位置での攻防で、LOカウヘンガ桜エモシがジャッカル。ここからフェイズを重ねる。左中間22mライン手前で再びボールを受けたカウヘンガから外に走り込んだWTB高平拓弥につなぐと鋭く加速しインゴールへ。CGははずれたが29−0とした。(34分)これで4トライのボーナスポイントを確保した。

4トライ達成後も手を緩めないリコーは自陣から攻め、FL武者のオフロードパスを受けたWTB高平が突破。大きくゲインし敵陣に侵入。鋭いゲインでハイタックルを誘った。
ペナルティキックをタッチに蹴りゴール前ラインアウトにすると、フォワードで勝負を挑む。ラックサイドを激しく突くと最後はLOカウヘンガがラックの真上を割ってトライ。CGも決まり36-0。そのままノーサイドを迎えた。

終盤たたみかけたリコーは我慢の試合を制し2ndステージ3連勝。ボーナスポイントも確保し勝ち点を17としてグループB首位をキープ。マンオブザマッチにはSOコリンボークが選ばれた。

「失うものがないチームとの対戦は危険が潜んでいる。そういう試合を勝てたのは成長」(SOコリン ボーク)

神鳥裕之監督

 前半は思った通りのパフォーマンスを出せず、織機さんの厳しいプレッシャーもあり、イージーなハンドリングミスや反則でリズムがつかめず苦しい展開でした。それでも後半最後の10分でたたみかけ4トライを獲れたこと、また0点に抑えたことは評価したいと思います。ただし、この状況に満足することなく次のドコモ戦もしっかり気を引き締めて戦います。
(ハーフタイムにはどんな指示を?)イージーなミス、簡単にキックでボールを手放してしまう場面が見られたので、もう少し自分たちでボールをキープしてチャレンジしていこうと共有しました。(その点は後半改善された?)実行してくれたところもありました。でも入りのところ、織機さんのプレッシャーが強かったというのもあるんですが、なかなかリズムに乗り切れない状況はありました。そこで我慢でしてくれたことで、最後のトライにつながったのかと思います。【以上共同記者会見にて】

リズムのつかみづらい試合でした。自分たちのミスも多かったですね。パフォーマンスとしては2ndステージの中で一番よくない試合。前半から後半の10分、15分ぐらいまでは。その中でも相手にスコアさせなかったのはチームの成長だと思います。
(前半はブレイクダウンでプレッシャーを受けていた?)ブレイクダウンまわりで相手をはがせず、リズムに乗れなかったり、ちょっとキックを使い過ぎていました。風は追い風だったので判断としては間違っていないのですが、敵陣に入った後、勝負すべきところでもイージーなキックがあった。それが結果的にミスキックになりスコアにつながらず、悪い流れを招いていました。
(敵陣に入るまではよかった)フィールドポジション自体はコントロールして戦えました。自陣で釘付けになる時間帯はなかったですよね。パフォーマンスは悪く、スコアできなくてフラストレーションはありましたが、やられているという気持ちにはならなかった。そこは成長を感じるところです。やろうとしていることができなくても、ディフェンスのクオリティ、ディフェンスブレイクダウンのアグレッシブさ、2人目の速さとか、そういうところをしっかり実行できればゲームが壊れるようなことがなくなってきました。
(ディフェンスについての評価は)今日はタックルクオリティをフォーカスポイントにしていました。まだスタッツを見ていないので何とも言えませんが、ゲームを見ている限りではよくやってくれていたと思います。
(なかなか追加点を奪えず4トライはきついと感じる時間帯もあった)時間的に難しくなってきたので、とにかく勝利に目標を置き安全な点差にもっていきたいと考えていました。3つ目のトライでそれは達成したのですが、最後までトライを狙ってくれました。あとから入ってきたプレーヤーはいい仕事をしてくれましたね。WTB高平(拓弥)、LOエモシ(カウヘンガ)、PR柴田(和宏)など。彼らが役割を理解してパフォーマンスをしっかり出してくれたのは評価したいです。
(ブロードハーストとタマティ エリソンの交代についての思惑は)CTB山藤が少し痛んだという話があったので。FLマイケル(ブロードハースト)は80分出てほしい選手ですがこのような形になりました。でも、武者(大輔)、エモシあたりがいてくれることで、外国人選手も様々な起用ができる。チームの層が厚くなってきたと思います。
(これで3連勝)選手たちの疲れもでやすい遠征の試合で結果を出せたというのは、チームにとって大きかったですよね。ここからはホームで戦えますので、そういったところをモチベーションにして課題を解決していきたい。東京でもいいラグビーお見せしたいですね。相手は調子を上げてきているNTTドコモなので気を引き締めてしっかり勝ちたい。
今日は後半出てきた選手がいい働きしてくれたので、彼らの高いモチベーションを取り込むようなメンバー構成を考えたい。それによってチーム全体のモチベーションをさらに高めたいですね。

SH山本昌太ゲームキャプテン

前半から後半途中まで苦しい展開が続いたんですけど、まずエリアを獲って敵陣で戦おうというところは守れていて、それが後半最後のトライラッシュにつながったと思います。3連勝しましたが気を引き締めて戦っていきたいと思います。本日はありがとうございました。【以上共同記者会見にて】

2連勝して3戦目。選手は全員この試合が大事な試合だと思っていました。スタッフも同じ思いだったと思います。織機さんは2ndステージで勝利がなく何としても勝ち点を獲りにくる相手で、そういう相手に対して、どれだけチャレンジできるか、という姿勢で試合に臨みました。想像した通り難しい試合になり、前半と後半途中までは簡単なミスを繰り返してしまったのは反省点ですね。
ただ、エリアをしっかり獲っていくという部分については、バーキー(SOボーク)やダニー(FBピータース)がうまくコントロールしてくれて、敵陣で戦うことは徹底できました。追い風が強く、それを生かせていたとも思います。ディフェンスでは多少ペナルティはあったんですけど、0点に抑えられたのはチームとしての成長だと思う。
(個人として警戒していたこと、気を遣ったことなどは)ゲーム序盤からブレイクダウンでプレッシャーを感じていたので、球出しがやりづらいところがありました。ただ、フォワードもバックスも皆頑張っていてくれたので、自分もなんとかスムーズに球出しできるように努めました。(外側のバックスのブレイクダウンは、動かせているようにも見えたが)ワイドに展開した後のブレイクダウンは、チームとしても重点的に練習していたところ。そこで確実にボールを出していけたのは良かった。
(最後の10分、トライが続けて奪えたが)ボールが動き出して、自分たちが準備してきたことが出せればスコアできるというのはチーム全員が感じていること。やってきたことを出せたかなと思います。リザーブの選手がしっかり準備してくれていました。
遠征続きでしたが、やっと秩父宮で試合ができるので、職場の方々などに観にきてもらえるのが楽しみです。3連勝に満足せず、気を引き締めて。自信をもって戦い勝ち点を重ねられるように。その上で観て楽しいラグビーをお見せできればと思います。

SOコリン ボーク

前半と後半で全く違うハーフでした。前半はストラクチャー(形)ができていなくて、ミスも多かった。僕たちは試合ごとにアタックするターゲットを決めているのですが、そのターゲットにアタックできなかった。その結果悪いパフォーマンスになりました。
後半はボールキープできるようになり、ターゲットにアタックできるようになった。その結果、勢いが出てポイントにつながった。僕たちは正しい方向に向かっていると思います。
(よくなったというのは後半全体か。2つ目のトライの後か)後半は頭からよかった。マインドセットがうまくできたと思います。前半はうまくいかなかったことを認識していたし、ハーフタイムにはそれをコーチに指摘されもしたので。
(前半いいラグビーができなかったのはなぜか)私たちのメンタルが関係していたと思う。うまく準備できていなかった。(連勝したから?)それもあるかもしれない。3連勝に挑むのは久しぶりのことだったし。あとは移動距離の長いアウェイ戦が3週間続き少し身体が疲れていました。
(今日は難しい試合だった)そうですね。勝たなければいけない試合だったし、相手チームが必死になって勝ちにくるのは間違いなかった。失うものがないチームとの対戦は危険が潜んでいるものです。そういう試合を勝てたのは成長だと思う。
(東京でもいいラグビー見せられそうか)はい。前半、後半どちらかだけが良い試合ではなく両方とも良い試合を見せたい。今日の後半のようなね。

CTB山藤史也

(前半うまくいかなかった理由はどこにあったと感じているか)しっかりレビューしないと、なんともいえないのですが、ミスはあったし、攻めていてもブレイクダウンのところでうまくプレッシャーをかけられたり。相手のプレッシャーに対してうまく対応できていなかった部分もありました。1人目のサポートが遅れていたのか、ボールキャリアのリリースの仕方だとか、細かいところが正確にできていなかったのかもしれない。とにかく見直してみたいです。
(強い違和感の中で戦っていたわけではない)自分たちの中に“いける”と気持ちが先行していて、それが空回りしていたのかもしれない。後半入った選手がしっかりトライを獲ってくれたので、チームとしての実力はついてきたのかなと。結果がついてきているから言えることですが、充実してきていると思います。

FBピータース ダニエル

リコーのラグビーが全然できていない時間があった。ボールキープできず、自分たちのペースでやれていなくて、ディフェンスしている時間も伸びた。ディフェンスは良かったんですけど。10-0のまま我慢する時間が続いて、トライできた場面の前後からはボールキープできるようになりリコーのラグビーになっていました。(前半波に乗れなかったのは)ミス、ブレイクダウンターンオーバー、あと相手の上がりを見て裏にキックを蹴ったけれど、それが良い攻撃にならなかった。
最後の10分は全部合っていました。我慢してボールキープする場面をつくれれば、リコーのラグビーはできるのだと思った。(エリアはうまくコントロールできていた)敵陣でプレーできたので、ミスしてもすぐピンチにはならなかった。でも、日本選手権を目指しているのだから簡単にミスしていてはだめですね。ここから東京での試合が続きますが、リカバリーなどでかなり楽になると思います。

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