2014-2015 トップリーグ 2ndステージ 第1節 vs宗像サニックスブルース戦

2014.12.03

2ndステージ開幕。日本選手権出場に向け、新たな戦いスタート!

 約40日の休止期間を経て、トップリーグが再開。プールB6位で1stステージを終え、2ndステージをグループBで戦うことになったリコー。初戦は今シーズントップリーグに復帰、プールA8位で1stステージを終えた宗像(福岡より変更)サニックスブルースとの対戦となった。

冷たい雨が降る福岡県宗像市・グローバルスタジアム。サニックスのキックで試合が始まる。リコーが蹴り返したキックをサニックスのバックスがノックオン。

 敵陣10m左サイドで得たスクラムを強く押して前進。ボールを出し中央をSOコリンボーク、LOカウヘンガ桜エモシ、FL武者大輔が縦に突き、武者のオフロードパスを受けたHO滝澤佳之がギャップを突いてゲイン。
さらに右に出し、FBピータース ダニエルがゴロキックを裏に転がすが、インゴールで押さえられドロップアウトに。リコーはセットプレーからの堅実なアタックを見せた。(1分)

自陣スクラムから出したボールを、SOボークが高く蹴り上げる。(4分)しかしバックスの飛び出しがはやくオフサイド。サニックスは正面40m弱の位置からPGを狙って成功。0−3と先制する。(5分)

直後、逆にサニックスが自陣からキックを蹴るが、バックスの飛び出しがはやくペナルティ。左サイド10mライン付近からリコーはタッチキックを蹴りゴール前ラインアウトにする。
キープし、モールで押そうとするも崩されラックに。左サイドから展開し、リコーがディフェンスラインに挑んでいく。SOボークが中央を突くが、あとわずかのところで倒されアンプレアブルに。リコーは再開のスクラムで圧倒するが、ボールがこぼれたところをサニックスがすかさずセーブしターンオーバー。キックでエリアを奪い戻される。

ラインアウトから再び攻めたリコーは、右中間30mのラックで激しくバトル。倒れ込みを誘いペナルティキックを得る。ここはゴールを狙い成功。トライのチャンスは逃したがしっかりスコアし3−3の同点に追いついた。(12分)
すぐ後、リコーはハイパントのキャッチに失敗。さらにこれを前方の選手が拾ったことでオフサイドの判定。正面やや左約40mの位置からサニックスがPGを狙い成功。3−6と再びサニックスが勝ち越す。(14分)

 試合は一進一退。アタックを仕掛けたリコーは、ノーボールチャージを受けペナルティキックを得る。正面約40m強の位置からPGを狙うが、これは左にはずれる。(18分)互いにショットで確実にスコアを狙っていく展開が続く。

サニックスの再開のドロップアウトが、風に流されダイレクトでタッチラインを割る。リコーは22mライン上のスクラムというチャンスを得る。
NO.8柳川大樹が出したボールを、SH山本昌太が受けスクラムの右のスペースに仕掛けゲイン。ゴールまであと5〜6mのところにラックをつくると左に展開。SOボークからのパスがCTBタマティ・エリソンへ。エリソンがタックルをはずしつつ出した的確なパスはFBピータースへ。タックルを受けながらもインゴールに飛び込む。

グラウンディングを確かめるTMO(テレビマッチオフィシャル)を経て、トライが認められる。CGははずれたが8−6とリコーが逆転する。(21分)

 そのすぐ後、サニックス12番にギャップを破られビッグゲインを許す。ゴール前のディフェンスに追われたが、相手のサイドへのキックパスがタッチラインを割りボールを取り戻した。このピンチをスコアさせずにしのぐと試合の流れはややリコーに。
続くポイントもリコーに入る。敵陣でのラインアウトでサニックスにオフサイド。右サイド22mライン付近のPGを決めた。6−11とリードを広げた。(30分)

前半残りわずかとなるが、LOカウヘンガがラックで反則。10分間の一時的退出処分を科される。(34分)その後アタックを浴び、自陣でのディフェンスが続いたがリコーはよく守る。サニックスが終了直前に蹴ったPGがはずれ前半が終了。(40分)

ボールを回し攻めるには不向きなコンディションだったが、リコーは的確な判断でコンスタントに得点を重ねた。ゴール前でのディフェンスも集中力が見られた。

雨の中我慢の展開。フォワードのスクラムでの奮闘光る

 後半は開始直後にサニックスが攻め込む。ゴール前のディフェンスでHO滝澤が負傷するアクシンデント発生。森雄基が急遽HOに入る。(2分)

1人少ない状況ながらリコーはよく守る。セットプレーにもうまく対応しトライを許さない。サニックスもよくボールをつないだが、ついにノックオン。ボールを取り戻したリコーは10分間の退出を終えたLOカウヘンガも戻り、厳しい時間帯を乗り越える。(5分)

しかし、ピンチを脱したかに見えたが、自陣ラインアウトからモールを組み押しかけたところでバックスの前進がはやく、これに対しオフサイドの判定。左中間22mライン手前からサニックスがPGに成功し11−9。守りきったかに見えた直後の痛い失点で試合は再び均衡状態に戻る。(8分)

2点差に詰め寄られたリコーは変化をつけ、自陣からボールを回して攻める。10mライン付近からFBピータースが果敢に仕掛けると相手のハイタックル。リコーはペナルティキックで敵陣に攻め込む。ここでリコーはPR大川創太郎に代えて柴田和宏。(10分)

 ラインアウトでオーバーしたボールを、CTBエリソンが鋭く飛び出しセーブ。水しぶきが高く上がる。果敢なボールキープでアタックを継続すると、サニックスにノットロールアウェイ。正面40m弱のPGを決めて14−9。再び点差を広げた。直後にFL武者をマイケル・ブロードハーストに、CTBエリソンを牧田旦に交代。(12分)

リコーはキックでのゲインを基本線としつつも、相手の出方を見てランも見せ前進を図っていく。さらにセットプレーでプレッシャーをかけうまく試合をコントロールする。敵陣のスクラムを押すとサニックスが手でボールに触れるペナルティ。(19分)
右中間22mライン手前の位置からPGを狙う。これが右のポストに当たり、跳ね返ったボールを奪いにいくが、これはサニックスに入りキックでエリアを戻された。

 サニックス陣内浅めの位置での攻防が続いたが、サニックスは22mラインの内側にボールを下げて蹴ったキックがタッチラインを割る。22mライン内側のリコーのラインアウトからラックとなり、ここでサニックスに反則。リコーはキックを蹴り出してゴール前ラインアウトにする。(24分)

大きなチャンスを迎えたリコーだったが痛いノットストレート。サニックスボールのスクラムとしてしまうが、ここでフォワードが踏ん張る。相手HOがミスしボールがリコー側に転がった瞬間、スクラムを一気にインゴールまで押し込む。激しいディフェンスに遭いトライはできなかったが、優勢なラックをつくり激しく再度攻撃。

ボールが動かなくなり再びスクラムで再開。ボールをすぐ出しSOボークが縦に突進。そこにフォワードが集まりモールをつくり押し込む。そのままインゴールに入りグラウンディング。リコーが2つ目のトライを挙げ19−9とした。CGも決めて21−9に。(28分)リコーはこのトライの後、SH山本に替えて池田渉を送る。(30分)

 残り10分、接戦を確実に勝ちきりたいリコーは、ハーフウェイライン付近でうまく戦って時間を使う。しかし残り3分を切り、サニックス陣内でノットリリースザボールを犯すとペナルティキックで前進を許す。
自陣ラインアウトからアタックを継続され、22mライン付近でディフェンスに回る。出足よくタックルしていくが、13番が中央から右サイドにキックパス。これが長身の14番に通りそのままインゴールに飛び込んで右中間にトライ。CGも決まり21−16(38分)。サニックスが5点差に迫る。

再び5点差に迫られたが、キックオフ直後にホーンが響く。サニックスがこぼしたボールを拾いリコーがアタック。左サイドをFBピータースが突き、惜しくも押し出されたがここでノーサイド。
接戦を制したリコーが2ndステージ初戦を勝利で飾った。マンオブザマッチにはFBピータースが選ばれた。

ディフェンスでの我慢で相手を少し上回れた。それが今日の結果(SH山本昌太)

神鳥裕之監督

 2ndステージ初戦という、何が何でも勝って次につなげたいという試合でした。コンディションで難しいところもあったんですが、しっかり接戦をものにして勝った大きな1勝だったと思っています。今日の勝ちで流れに乗れるように、次の近鉄戦に向けてしっかり準備していきたいと思います。今日はありがとうございました。
(雨のコンディションを受けて、試合前にはどんな指示を?)フィールドポジションをしっかり意識して、敵陣で戦えるようなメッセージを出しました。キックをうまく使いながらリスキーなプレーを少なくするように。そんなイメージでした。
【以上共同記者会見にて】

1stステージでも雨の試合を経験していたので、それを生かしながらしっかりと戦ってくれたなと思いますね。
(ショットでスコアしていくという指示は明確に?)最初のメッセージとしては、4トライ狙っていくというものがあって、それは1stステージ後半のトライを獲りにいく姿勢がチームに勢いをもたらしたというのがあったので。ファーストチョイスはトライというメッセージを出しました。ただ当日になって、この雨の天候を見て今日はスコアを重ねようと。選手はその辺を実行してくれたと思います。
まだまだ課題はあります。ハンドリングエラー、ラインアウトで特に前半ばたついたところはあったので、細かいプレーの精度を高めていけばより正確に戦えたと思います。それはともかく、接戦を勝てたというのがまず大きいですね。
(スクラム、モールなどでは圧倒する場面もあったが?)サニックスにはバックスによい選手が多いので、まずフォワード戦で圧倒していければ有利な展開にできると思っていました。ブレイクダウン、スクラム、モールなどではフォワードは頑張ってくれたと思います。
(攻め込んだ場面はそんなに多くなかったが、攻め込んだ際はスコアできていた)そうですね。課題だったチャンスゾーンでの戦い方については、前半それでいい形でトライ獲れましたし、昌太(山本)もそこを意識してチャンスがあればボールをムーブさせるというところで、練習の成果はこのコンディションの中でも少しは出せたところもありました。
(FLマイケル・ブロードハースト、WTB長谷川元氣らも復帰した)マイケルは予定より少しはやい出場でした。残り20分くらいを考えていたので。今日がぶっつけの試合。11月の練習試合も出ていなかったのですが、動きを見る限り問題ないかと思っています。長谷川は春にケガをしましたが戻ってきてくれました。実績のある選手なので期待しています。
それにしても、うれしいですね。昨シーズンは1st、2nd両ステージとも初戦は勝てず、今シーズンも初戦を落としていたので。初めて勝ってスタートできました。スタートダッシュがすごく大事だと痛感していたので。
本当に選手たちに自信を持ってもらいたいんです。1stステージのスタッツ(記録)は、グループBにいるチームの数字じゃないんですよ。得失点差もトライも、失ったトライも。自分たちのやっているラグビーが高いレベルにあることには自信を持ってもらいたい。何よりも結果を積み重ねることで、スタッツ上の数字と自信がリンクする。それがチームを大きく変えると信じています。とにかく次の近鉄戦。5連敗中なので必ず勝てるように準備します。

SH山本昌太ゲームキャプテン

1stステージは初戦に勝ちきれずそのままの雰囲気でいってしまい流れに乗れなかった部分があったので、2ndステージの初戦にはフォーカスしていました。(そういう試合に)勝ちきれたというのは、チームにとっては大きかったかと思います。
(今日実際にフィールドで戦ってみて、よかった部分は?)敵陣に入ったときの戦い方、いかにスコアするかが1stステージでの課題だったので、11月はそこに重点を置いて練習してきました。今日はコンディションが悪く、練習してきたシェイプを見せたり、目指していたボールの動かし方はできなかったのですが、敵陣に入ってもボールをキープして、3点でもいいからスコアするというところはチームとしてはできたかなと思っています。【以上共同記者会見にて】

(ゲームキャプテンとしてジャッジを下していくのは公式戦では初めて?)そうですね。当初は4トライ以上獲っていくという方針だったんですけど、この雨だったので、相談してスコアできるところはスコアしていこうと決めていました。特にプレッシャーを感じたりせず、自分らしくやれたと思います。
(我慢する場面が長かったが)コンディション的に点差が開かないのはわかって試合に臨んでいたので。ディフェンスでいかに我慢するという部分で相手を少し上回れたのが今日の結果につながったのかなと。
ディフェンスは小松(大祐)さんがフィールドにいないこともあって、みんなが積極的に声を出そうと意識してくれていました。コミュニケーションはよくとれていたと思います。
(そんな中でも、スクラムなどでは自分から仕掛ける場面も)自分はたまたま。でもフォワードはセットピースをフォーカスして試合に臨んでいたので、バックスにいい球が出る場面が多かったですね。本当は敵陣に入ったときにボールを動かして、アタックしてという試合にしたかったんですが。でも敵陣で、ボールキープすることはできて、ペナルティもらえてスコアできたのでよかったですね。
(今日の試合、またウインドウマンスの練習を通じて後半節への手応えは?)合宿では、バーニー(アドバイザーのスティーブン ラーカム)らコーチからのアドバイスももらえたし、1stステージの結果からこれから何をしなければいけないかの課題がはっきりしていたので充実した時間をすごせました。
(SHの判断力もテーマに挙がっていたとか)はい。特にゴール前での判断、SOとのコミュニケーションが大事にしていこうと。自分にとってもSH全員にとっても、そこのレベルアップは課題です。

PR大川創太郎

雨が降っていてボールが動かしにくいのでフォワードでいこうと話していました。スクラムでは相手が変わった組み方をしてきたんですが、スカウティング通りだったのですぐ対応できたのも大きかった。スクラムはプレシーズンからいい感じだったので自信を持ってやれています。モールはサックなどで引き倒されてしまう場面も多いのですが、組めれば押せていると思います。

WTB長谷川元氣

公式戦としては春の肩の手術からの復帰戦だったんですが、フォーカスしたのはタックル。タックルをはずされないように。今日は先週のオープン戦のサントリー戦よりもできていました。(手術した)左肩でもいけたので以前の感覚が戻ってきていると思います。試合に出続けられるように頑張ります。

FBピータース ダニエル

すごく天気が悪かったですね。声が通りにくくボールも滑るのでラグビーが難しかった。ただアウェイのゲームで勝てたことはよかったです。(初戦も雨だったが?)今日のほうが寒かったし、風も強かった。
(点差が開かなかった。我慢する時間長かったが)ディフェンスのパターン、セットピースのトレースでミスしないようにとか、そういう声を掛け合っていました。ディフェンスはよかったと思います。(TMOを待つ時間はどんなことを?)トライだと思いましたが、一瞬のことなのでどういう判定になるかはわからないなと思って待っていました。

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