Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2013-2014 トップリーグ ワイルドカードトーナメント1回戦 対トヨタ自動車ヴェルブリッツ

2014.02.05

貫き通したリコーのラグビーで挑むトーナメント

 意地の2連勝で出場権を獲得したワイルドカードトーナメント1回戦の相手は、グループA6位のトヨタ自動車。接点で激しくファイトし、クリーンボールを出して効果的なアタックを繰り返そうとするリコーにとって、トップクラスのフィジカルのトヨタ自動車のフォワードとどこまでやり合えるかが鍵となる一戦となる。もちろんセットプレーでもここ2試合のクオリティを維持することも前提だ。2ndステージ最終盤でようやくつかんだ手応えを、より実感のあるものにしてシーズンを終えるためには絶対に勝たねばならない。

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 トヨタ自動車のキックオフで試合が始まる。白のセカンドジャージを着たリコーは自陣からボールを回し攻める。CTBタマティ エリソンが短いキックでライン裏に転がすなどスキルを見せてブレイクを狙っていく。蹴り込まれたキックを処理しSO河野好光が敵陣深くにキックを蹴り込むとよく弾んで22mラインの内側へ。トヨタ自動車はこの処理に手間取りつつもキックをタッチに出す。

ハーフウェイライン付近のラインアウトからリコーが展開。FB星野将利がライン裏へキック。グラウンドで弾んでタッチを割りトヨタ自動車陣内のラインアウトに。

これをキープしたトヨタ自動車はキックを蹴り込む。リコーはキャッチしたWTB長谷川元氣が仕掛けディフェンスラインに斬り込む。フェイズを重ねようとするが激しく絡まれノットリリースザボール。ほぼ正面、10mラインを越えたあたりからトヨタ自動車が40m弱のペナルティゴールを決めて0-3。

直後リコーは左サイドハーフウェイライン付近のラインアウトから展開、右中間を突く。突進を繰り返すとトヨタ自動車がノットロールアウェイ。7分、正面やや右約45mの位置からペナルティゴールを狙うがこれははずれた。

9分、リコーは自陣深い位置で相手のゴロキックをこぼしノックオン。トヨタ自動車が22mライン付近でスクラムを得る。ここはコラプシングを誘い危機を脱する。

リコーはペナルティキックを蹴り前進。ラインアウトから再びキックを蹴り込む。これが22mラインを越えトヨタ自動車がフェアキャッチ。

フリーキックをタッチに出すがSH山本昌太がキャッチしてクイックスローで継続。自陣よりNO.8マイケル ブロードハーストが仕掛け、ハーフウェイライン付近でクラッシュする。すかさずサポートが入り右へ。しかしノックオンでトヨタ自動車のスクラムに。

ハーフウェイライン付近のスクラムから、ボールを回しトヨタ自動車が勢いのあるアタック。22mライン付近までゲインする。しかしこぼれたボールをHO滝澤佳之がセーブしてターンオーバー。バックスでボールを回し、FB星野がタッチキックを蹴るがこれがダイレクトタッチになりトヨタ自動車のゴール前ラインアウトというピンチに。ここはトヨタ自動車がミス。こぼれたところにリコーディフェンスが押し寄せてノットリリースザボール。互いにミスが出る中、我慢比べが続く。

リコーはタッチを狙ってペナルティキックを蹴るがこれがノータッチ。トヨタ自動車は自陣よりカウンターを仕掛け一気にリコー陣内にボールを戻す。リコーは流れを奪い返すチャンスを逸した。

17分、リコーは自陣スクラムからCTBエリソンがキックを蹴り込み、それに反応したバックスがチェイス。敵陣10mライン付近のブレイクダウンで勝ち、素早くボールを出し近場を攻める。するとディフェンスするトヨタ自動車がオーバーザトップ。正面やや右30m弱の位置からペナルティゴールに成功し3-3。リコーが追いつく。

19分、キックオフボールをキャッチし自陣からリコーが攻める。ラックからNO.8ブロードハーストがダイビングパスをつなぎバックスが右サイドを突く。しかし捕まりノットリリースザボール。ブレイクダウンでしつこく絡むトヨタ自動車ディフェンスの前では、わずかなサポートの遅れがチャンスをつぶす。

トヨタ自動車がペナルティキックでゴール前に前進する。再びピンチを迎えたリコーだったが、ラインアウトでノットストレート。リコーのスクラムとなる。さらにSO河野がうまくコントロールしたタッチキックでエリアを挽回する。

しかしすぐ後、リコーは相手の上げたハイパントからのブレイクダウンでオーバーザトップ。再びペナルティキックでゴール前に攻め込まれた。

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 23分、左サイド22mライン内側のラインアウトからトヨタ自動車が展開。フォワードが左中間を縦に突く。リコーがこの対応に意識を向けるのを見て右に長いパス。大外を破って14番が右隅にトライを決める。コンバージョンも成功し3-10。ピンチをしのいできたリコーだったがついにトライを許す。

さらに再開のキックオフボールをキャッチしたトヨタ自動車は中央を抜けて一気にリコー陣内へ。リコーは自陣でディフェンスに集中する。

10mライン付近のトヨタ自動車スクラムから再開すると、中央でFL武者大輔がファイトしノットリリースザボールを獲る。リコーはペナルティキックで敵陣侵入。しかしラインアウトでのミス、またトヨタ自動車の前に出るディフェンスに遭いアタックにつなげられなかった。

再び自陣侵入を許すと33分、連続攻撃の後、左サイドをバックスに破られトライを喫する。コンバージョンははずれたが3-15。

さらに直後の36分、リコーはキックオフボールの蹴り返しを確保すると敵陣10mライン付近でアタックを仕掛ける。テンポを上げると守るトヨタ自動車にペナルティ。アドバンテージを得たがアタックを続行する。

フェイズを重ねじりじりと前進。しかし、アドバンテージが解消されたところでボールを奪われる。右中間突破したトヨタ自動車は独走。中央にトライを決める。コンバージョンも成功し3-22。

40分、リコーは右中間ハーフウェイライン付近のスクラムから大きく展開し、WTB長谷川が左サイドをえぐる。22mライン付近まで前進しポイントをつくるとフェイズを重ねボールを右に運ぶ。

今度は右中間のギャップを突き、WTB渡邊昌紀が突破。中央ゴール前で捕まるがすぐ立ち上がり継続。直後にサポートを入れボールをキープしたリコーは、右に振ってタッチライン際を走ったFL柳川大樹につなぎ隅にトライ。難しいコンバージョンもSO河野が成功。10-22と点差を詰めて前半を終えた。

フィジカルバトルに挑み、成長見せたラスト40分

点差は12点。後半できるだけはやく、相手より先にスコアすることが逆転の条件ともいえた。しかし、前半同様のトヨタ自動車の激しいディフェンスに、簡単には自陣から脱せない。

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 それでも5分、自陣10mライン付近でボールを奪うとWTB長谷川が左サイドを突破。ゴール目前までゲインするとトヨタ自動車にオフサイド。タッチに蹴り出し、リコーはラインアウトからモールでトライを狙う。しかしこのチャンスでノックオン。さらにスクラムでアーリーエンゲージとミスを重ねチャンスを逸した。11分、リコーはHO滝澤に替えて森雄基。

13分、リコーはハーフウェイライン付近のラインアウトから回したボールをターンオーバーされ、22mライン付近までゲインされる。さらにディフェンスでノットロールアウェイ。タッチに蹴り出されトヨタ自動車のゴール前ラインアウトに。

トヨタ自動車はこれをキープし展開。中央を突くとリコーがラックでハンド。ほぼ正面からペナルティゴールを決められて10-25となる。

直後、キックオフボールをキャッチしたボールキャリアにFL武者がタックルを決め、こぼれたボールをリコーが獲る。22mライン付近からクイックに展開。CTB小松大祐、WTB渡邊とつなぎ右サイドを鋭く突くが、ゴール目前で相手15番が渡邊にタックル。渡邊はボールもろともタッチラインの外に押し出される。

このプレーについて、レフェリーとアシスタントレフェリーが協議しハイタックルと判定される。15番にはイエローカードが出て10分間の退場処分が科せられた。

リコーにはペナルティトライが与えられ、中央からのコンバージョンも成功。17-25となる。8点差としたリコーはトライ後CTBエリソンをロイ キニキニラウに交代。

16分、キックオフボールを回しリコーは自陣から攻める。WTB長谷川がまたも左サイドを破りゲイン。敵陣22mライン付近までボールを運ぶとサポートが入りボールをキープ。FL柳川らが近場を突くとトヨタ自動車にノットロールアウェイ。リコーはタッチに蹴り出し22mライン内側のラインアウトからトライを狙う。

20分、ラインアウトをキープして展開。しかし最初のフェイズで、右中間で突破を図ったCTBキニキニラウの手から惜しくもボールがこぼれ、これをトヨタ自動車が拾いタッチキックでエリアを戻される。さらにリコーはラインアウトでノットストレート。9番にスクラムサイドを突いて攻め込まれディフェンスの局面に。

22分、リコー陣内浅めでランナーを捕まえたトヨタ自動車はノットリリースザボールを獲る。ペナルティゴールを狙うがこれははずれる。23分にPR高橋英明に替わり柴田和宏。

リコーがドロップアウトで再開すると、ボールを確保して攻めたトヨタ自動車がオフサイド。リコーはペナルティキックで前進するが、ラインアウトが乱れ効果的なアタックにつなげられない。15番が戻りトヨタ自動車は数的に不利な10分間を守りきる。

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 27分、攻め込まれたリコーはトヨタ自動車の反則を誘うディフェンスを見せ、キックでエリアを取り戻す。しかし、自陣中盤右サイドのラインアウトからボールを回すと、中央で激しいタックルを受けボールがこぼれる。これを拾ったトヨタ自動車10番が突破。中央にトライを決める。コンバージョンも決まり17-32。大きな得点が入った。

2トライ2ゴール以上の得点が必要となったリコー。残り時間は10分強。

リコーは30分にサイドを突いたバックスのアタックで反則を誘い、ゴール前ラインアウトのチャンスをつくったがノットストレートでボールを渡してしまう。31分、NO.8ブロードハーストに替わりコリン ボーク。

その後も点差から余裕をもってプレーするトヨタ自動車に対しリコーは攻め続けたが決定機はつくれない。40分経過のホーン後、最後のアタックを見せたが、こぼれたボールを拾われ、タッチに蹴り出されノーサイド。

激しいフィジカルバトルを引かずに戦ったリコーだったが、17を記録した相手のペナルティをうまくスコアにつなげられず敗戦。このゲームをもって2013-2014シーズンを終えることとなった。

「1stステージは結果が出なかったが、春からやってきたことを信じて戦った。それが織機、クボタとの試合でのラグビーにつながったと思う」(SO河野好光)

神鳥裕之監督

「今日はアウェイという環境にもかかわらず、たくさんの応援ありがとうございました。ようやくグループAで戦っていたチームを相手に対戦できるまたとない機会を得て、チャレンジャーの気持ちで向かっていきました。ですがトヨタ自動車さんのブレイクダウンのしつこさ、激しさなどに対し、思うようなラグビーをさせてもらえませんでした。上位グループで戦ってきた相手の強さを痛感させられました。完敗だと思います。
ただ、選手たちは厳しい状況の中でもしっかり前を向いて頑張ってくれていました。来年以降、必ずステップアップできるようなチームにしたいと思っています。今日の悔しさを生かしてチームをビルドアップします。ありがとうございました。
(グループAのチームを相手にどのようなゲームプランを描いたのか?)フィジカルの部分では今まで以上に厳しい戦いになると思ったので、しっかりとボールをキープしてフェイズを重ねていき、チャンスを見出そうと。セットプレーも厳しくなると思っていましたが、何よりクオリティボールを出すことを徹底しました。
(トヨタ自動車が密集に人数をかけていなかったように見えたが?)ゲームの流れ上そういうシーンもあったと思いますが、しつこくボールに絡んできた場面も多かった。相手のディフェンスの状況どうこうよりも、しっかりとクオリティボールを出す。2人目の選手のサポートの入り方にこだわるよう指示を出していた。そこで生きたボールを出せなかったことが厳しい展開を生んだと思っています」(記者会見にて)

「2ndステージで敗れたコカ・コーラウエスト、九州電力などとの試合は相手の勢いにのまれて、『相手のラグビーをやられてしまった』という感覚はありました。今日の試合に関してはこちらの自滅。やれているところはたくさんあった。もったいないミスなどで流れをつかみきれずに負けてしまった。正直な話をするなら、やられてしまったという感じはないです。
それは向こうの狙いでもあって、しつこくしつこくディフェンスして、ミスを誘っていたのはあると思います。ブレイクダウンの粘りというか。そういった違いはあると感じました。厳しい環境でプレーしてきたチームとの差かなと。悔しいですね。試合の中で、やれているなと感じるところもありましたので。
ただ、例年トヨタ自動車のフィジカルは強い。これまでの数シーズン、完全にやられていた試合もあった。そういった意味では今日はフィジカルバトルで戦えている感じはしました。
ただ、2ndステージ終盤はクイックボールを出せていた場面で、1テンポか2テンポ遅れていた。それが向こうの巧さだと思います。紙一重だと思うのですが。
(前半は3つトライを奪われた―)攻め込み、フェイズを重ねる中でこぼれたボールが相手に入って与えた3つ目のトライはアンラッキーだと考え、ハーフタイムは気持ちを切り替えていこうと声をかけていました。崩されたわけではなかったので。ひきずらないように。そして後半は先にスコアしようと。
結果的にペナルティゴールを許しましたが、その後すぐに認定トライを獲り返した。あそこはゲームの流れをつかみかけたところだと思う。
その後相手はキーマンを欠いて14人という状況で、仕掛けられるチャンスがあれば積極的に仕掛けようと。ただ人数の少ない相手が、ディフェンスで焦ることもあり得たので、イージーな場所であればペナルティゴールをとって点差を詰めることも考えていました。2つのメッセージを送っていました。
後半の終わりは特に自滅が目立った。あわててボールをつなごうとしたりとか。時間はまだあるのでボールをキープして、敵陣に入ろうとは言っていたのですが思うようなラグビーをさせてもらえませんでした。痛いところでノットストレートが出たり、タッチを狙って蹴ったキックがノータッチになったり。これは誰が悪いということではなく、チームとしての集中しきれなかったことの表れだったように感じます。これは来年以降の課題ですね。チャンスどころでの意識。どうやったら修正できるかはコーチ陣、選手みんなでコミュニケーションをとって考えていかないといけない。
今シーズンは、結果的にですが若い選手がトップリーグの舞台で活躍する状況ができた。かつそこでものになる手応えを感じさせてくれた選手もいました。山本(昌太)しかり武者(大輔)しかり、藤原(丈宏)もそう。渡邊(昌紀)、柳川(大樹)も。1年目から3年目くらいのこれからのリコーを支えていく選手が経験を積めたのは大きな財産だった。
もちろん河野(好光)や小松(大祐)のようなシニアプレーヤーの域に達した選手にもまだまだ伸びしろがあると感じる場面もありました。来年以降も、今年のベースをなくさずにレベルアップしたいと強く感じますね。
(若手に試合に出られていることに満足するのではなく、上を目指す意識をもってもらうことも大事?)それはコーチ陣がマインドセットしていく必要がある。満足はしていないと信じていますし、来シーズンもレギュラーが保障されているわけではないとわかっているはずなので、大丈夫だと思います。
僕も若手を起用しようと決めていたわけではなく、グラウンドに立つのは実力のある選手と考えていて、結果的に若い選手が応えてくれたかたち。今後もシニアプレーヤーも練習で力を示せばレギュラーを奪い返せる状況はつくっていきます。
選手たちのマインドは前向きで自分自身を高めたいと思っている。これまでもそういう思いはあったと思いますが、一度悪い流れになると立て直せないシーズンもあった。今年に関しては厳しい状況で豊田自動織機、クボタに勝って自分たちで立ち直るメンタルを見せてくれた。少しずつですがそういう文化も芽生えてきたと思う。人のせいや周りのせいにせずに、自分がすべきことに取り組める選手が増えてきている。あとはそれを結果に結びつける努力を怠らずにやること。緊張感をもってチームづくりを仕掛けていきたい。
(プランしたラグビーについて、最終的な手応えは?)アタックについては、終盤戦に入りトライを数多く獲れるチームになってきたので、そこを引き継いでいきたいとは思う。ただ今日の試合でもそうですがブレイクダウンについては、結果的に苦しめられたわけなのでもっと追求していく必要はある。
ディフェンスはシーズン通してかなり不安定だった。最後の最後でようやく自信を持ってやれるようになってきたところなので、ここもレベルアップが必要。そう思っています」

CTB小松大祐キャプテン

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「今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました。リコーとしてトヨタ自動車さんにチャレンジしていったのですが、今日のゲームは我慢する時間が長かった。ですがフィジカルのところで全然負けていなかったので、来シーズンに向けて楽しみな部分もありました。それでも結果を出せなかったことはしっかり反省をして、来シーズンまたここに戻ってきたいと思います」(記者会見にて)

「終わった直後なので整理はついていませんが、選手目線からだと昨シーズンの問題を解決しながら、うまくまとまって戦えたシーズンだったと思っています。ラグビーについては、1stステージ、2ndステージの開幕戦を両方とも勝てなかったのがポイントで、勝ちきって勢いに乗ることが大事だったようにも感じる。そこで勝つためには、夏の網走合宿ではある程度チームの方向性を決めて、そこでいろいろ試してシーズンを迎えないとだめ。もう少しはやい段階でチームとしてこれをやろうというのが決まっていればよかった。ただ今後は今シーズンのものの上に積み重ねていけると思うし、そうしないともったいない。
(大局的でシーズンを捉えているが、キャプテンとして多少余裕が出てきたのか?)気負わずいつも通りやろうと思って臨めたので、余裕を持ってできていたと思う。周りも見えて自分の中でつかめたものもある。
(追いつめられたところから粘りは見せた―)ずるずるいかなかったことは唯一よかったのかなと。あとは特に後半戦、いろんな選手に引っ張ってもらった。今日も長江がよく声を出してくれました。そういう雰囲気がチーム全体に広がるといいなと思っています」

PR長江有祐

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「浮き沈みの激しい、良い時と悪い時がはっきりしたシーズンでした。その中でも、毎年ですけど、すこしずつ良くなっていかなければいけない状態の中で、なかなかそういうのが見えてこなかった。1stステージは特に。2ndシーズンに入って変わったかなと思ったら結局良くなくて。入れ替え戦を回避した(豊田自動織機、クボタとの)2試合に関しては評価できる戦い方ができたのかなとは思いましたが、集大成として挑んだ今日の試合に勝てなかったのは、それが全てで、今シーズンを表しているのかなと。僕もミスしてしまったりして良くなかったとは思いますが、1試合の中で、攻めていけている局面もあるのに、受けるところは受けてしまって。トヨタ自動車のやりたいようにやらせてしまったのは僕らの敗因だと思います。波の激しかった今シーズンのチームが、今日の1試合にも出ていたと感じます。
結局、あの2試合を終えた時点で少し満足してしまったのかなと思うところもある。あの2試合に向けた準備と比べると、今日に向けた2週間、特に今週は集中力に欠けたところもあったかもしれない」

SO河野好光

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「(シーズンを通じて)一番感じたのは、波のあるチームだということ。この間のクボタ戦、その前の豊田自動織機戦のようなパフォーマンスを続けられるようにならなければ、このチームは上にはいけないなとすごく感じたので。
(1stステージ序盤は粘り強く戦っていたようにも映ったが?)波は1stステージを通じてあったと思う。ただ、序盤は勝ちを重ねられない中でも、春からやってきたことをずっとみんなが信じてやり続けていた。それが2ndステージに入って、NTTコムや豊田自動織機、クボタとの試合での結果につながったのだと思う。でも、それを毎試合続けていかないと。それが来シーズンへの課題だと思います」

FL武者大輔

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「今日は自分自身のプレーが前半悪かった。タックルで内側から一発で仕留めたかったんですけど、飛び込んでしまっていた。
後半は敵陣のスクラムで自分がはやく入ってしまい反則を取られ、その流れでスコアを許してしまった。それを取り返そうと思って、キックオフ直後にいいタックルを決められた。あれぐらいのタックルを波なくやっていきたいと思った。
自分の中でもいいプレーが出ると乗ってくる。ちょっとだめだと出し切れていない感じになる。しっくりこないなっていうのがわかるんですよね。今日も前半そういう感じがあって、だめだとわかっているのに飛び込んでしまって。リードされて浮き足だっているというのもあったんですけど、バタバタしている自分がいました。
(シーズン後半はかなりプレータイムをもらった。信頼の証だと思うがプレッシャーも?)なくはないですけど、自分のプレーをしっかりやろうという思いのほうが強かった。来シーズンも出場し続けるためには、悪いところを直していかないといけない。(課題だと感じていることを1つ挙げるなら?)タックル回数やジャッカルの回数をもっと増やしたい。先輩の川上力也さんはタックルの回数が僕よりもずっと多い。見習いたい」

 リコーの2013-2014シーズンが終了した。トップリーグでは16チーム中11位。昨シーズンから1つ順位を落とし、ワイルドカードトーナメントでは3年連続の1回戦敗退。日本選手権出場は今シーズンも果たせなかった。結果は出なかった。

だが、停滞感のみを感じるシーズンだったかと言えば、そうではなかった。

日本代表での経験を生かし、チームに高い目標と緊張感をもたらした長江とマイケル。確実にチームを刺激した藤原、山本、武者、渡邊、高平ら若手選手のパフォーマンス。数年がかりで取り組んできたフォワードのパワーアップは計算できる攻撃力となり、特にモールが組まれゴール前で黒い塊ができた時の期待感は間違いなくここ数年最高のものだった。

スクラム、フィールドプレーはもちろん、競争するようにスローイングの精度を高め続けた滝澤と森。ブレイクダウンで激しくファイトし、リコーのラグビーを実現するためのエンジンとなったポヒヴァとエモシ。安定感あるプレーとスキルでも魅せたコリン。馬渕、柳川、生沼ら日本人選手もパワーをつけた一方でワークレートでも勝負した。

バックスでは経験を生かし試合をつくり、やはりチームの中心にいた河野、池田。SOとして挑戦を続けた徳永。ついに出場機会をつかんだダニエルの開幕戦の同点ペナルティゴールも忘れられない。リキの密集で一歩でも前に出ようともがき、時にはモールにも加わっていくがむしゃらな姿はチームを鼓舞していた。成長を遂げた長谷川の思いきりの良いアタックは何度もチャンスをつくり、星野は切れ味に加え判断力をFBとして生かした。書き尽くせないが他にも数多くの印象的な場面があった。

マインドの部分では、なんといってもキャプテンとして2年目のシーズンを過ごした小松の、苦しい状況でも前を向く強靭なメンタル。そして序盤はケガの小松に替わりグラウンドでチームを引っ張った山藤、野口らリーダーの成長もあった。

点差が開き響くホーンの中、リコーが最後のアタックをかけると、もう逆転はないにもかかわらず、瑞穂公園ラグビー場にこの日最も大きいリコーコールが巻き起こった。これは、これからのリコーへの声援にほかならない。今年チームが積み上げたものは伝わるべき人々にはきっと伝わっている。

声援に応えるには、積み上げたものを結果に結びつけるほかない。
1シーズン信じ抜き、光明を見出したリコーのラグビーをさらに磨き上げるための日々は、わずかなオフを経てすぐにやってくる。


(文 ・ HP運営担当)

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