Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2013-2014 トップリーグ 2ndステージ第6節 対 豊田自動織機シャトルズ

2014.01.14

ブレイクダウンで勝利、前半を3トライ&無失点で折り返す

 2013-2014シーズンのトップリーグも残るところ2戦となった。リコーはここまで12試合を戦い3勝8敗1分。厳しい結果とも言えるが、8敗のうち4試合が5点差以内の接戦。選手たちの奮闘が結果に表れていないのも事実である。

ただ、このわずかな差にこそ課題があると考え、チームはハードワークを続けてきた。それは「今のリコーは先を見て戦えるチームではない」「一戦一戦、がむしゃらになって戦うだけ」というキャプテンの小松大祐の言葉からもわかる。

2ndステージ・グループBで2勝3敗のリコーは、残り2試合を連勝すれば自力で4位以内を確定できる状況にあった。だが、多くのメンバーの頭の中から星勘定は消えていた。

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 試合はリコーのキックオフで開始。キッカーは先発に復帰したSO河野好光。ボールが左中間深めに蹴り込まれると、そこから3分間にわたり攻防が続いた。

リコーは自陣のディフェンスでLOカウヘンガ桜エモシがボールを奪い、SO河野がギャップを狙ってアタック。ボールがこぼれ、ハーフウェイライン付近の豊田自動織機のスクラムに。ここで初めて試合が止まる。

このスクラムでリコーがコラプシング。豊田自動織機は速攻を仕掛け前進、22mラインまで進む。だがLOカウヘンガがラックでまたも会心のターンオーバー。SO河野が敵陣深くへボールを蹴り込む。蹴り返しをFB星野将利がタッチに蹴り出し危険を回避する。

ハーフウェイライン付近から豊田自動織機のラインアウト。これがオーバーし一番奥で構えていたFL武者大輔がキャッチして突破。キレのよいアタックに対し豊田自動織機がオフサイド。アドバンテージを得ると、SO河野がライン裏へゴロキック、チャレンジを見せる。

試合が止まると、ボールを戻しリコーはペナルティキックをタッチに蹴り出し、ゴール前ラインアウトからモールで押し前進。

ゴールライン際でラックをつくると、フォワードで荒々しく攻める。8分、NO.8マイケル ブロードハーストがトライを奪う。コンバージョンゴールも成功しリコーが7-0と先制する。

直後にリコーはペナルティを犯し、キックを蹴られゴール前ラインアウトのピンチを迎える。しかし22mラインの内側でディフェンスに集中。ボールを奪いキックを蹴り出してピンチを脱する。

14分、右サイドハーフウェイライン付近のラインアウトからリコーが展開。左サイドを突くがスローフォワードで豊田自動織機のスクラムに。このスクラムでペナルティを獲ったリコーはキックを蹴り出してゴール前ラインアウトにする。

ここからリコーは繰り返しアタックを見せ敵陣でプレーを続けるが、ハンドリングミスなども出てスコアにつながらない。28分に負傷したFL武者に替わり柳川大樹。

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 流れを失いそうな展開が続いたが、29分にリコーは敵陣22mライン手前右中間でスクラムを得る。

このスクラムの左脇のギャップをSH山本昌太が抜けてゲイン。パスを受けたCTBタマティ エリソンが中央でアタック。ポイントをつくると、左へ出しLOロトアヘアポヒヴァ大和が左中間を縦に突く。背後からエリソンがサポートに入り押し込む。優勢なラックをつくったが、ボールが動かなくなり5mスクラムで再開。

32分、スクラムからSH山本、SO河野、WTB長谷川元氣と左につないで突破し左隅に飛び込んでトライ。コンバージョンははずれたがリコーが12-0と点差を広げた。

さらに再開後の36分、ハーフウェイライン付近からSH山本がハイパントを上げ、これを確保し攻める。FB星野が中央を突破し右に展開。FL柳川が右隅にトライを決める。コンバージョンははずれたが17-0。

最終盤、キックオフボールの争奪でリコーにペナルティ。ゴール前ラインアウトのピンチを迎えたが、集中力を切らさず守りきってホーンを迎える。リコーはここ数試合うまく戦えていなかった前半をリードして終えた。 

後半入りのピンチ耐え、連続トライで突き放す

後半はHO滝澤佳之を森雄基に、CTBエリソンをロイ キニキニラウに交代しスタート。

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 開始直後より、CTBキニキニラウ、FB星野の力強い仕掛けなどで攻め込みゴールに迫り、2分にわたり敵陣でアタックする。リコーが呼びかける「キープザボール!」の声が響くが、豊田自動織機がこぼれたパスを拾いターンオーバー。さらに攻め上がろうとする選手にリコーが絡むとノットロールアウェイ。

ペナルティキックを蹴り出してリコー陣内に攻め込んだ豊田自動織機は、ラインアウトをキープして展開し中央を突破。リコーのディフェンスでボールは一度こぼれたが、これを13番が直接キック。前方に転がったボールをさらに蹴ってインゴールに転がし5分、自ら押さえて右中間にトライ。コンバージョンも決めて17-7とした。

さらに8分、キックオフボールをリコーがノックオン。これを拾った豊田自動織機はプレーを継続し自陣から左中間をゲイン。23番がリコーのディフェンスをなぎ倒し22mライン付近までボールを運ぶと展開。ディフェンスの整わない右サイドを破ると8番が右中間にトライ。コンバージョンも決めて17-14。後半の入り10分で一気に点差を詰めた。

前半から一転、タイトな展開となったが、背水のリコーは即座に反撃する。

再開後の11分、22mライン付近でマイボールスクラムを得ると、これを押してじりじりと前進。タイミングを計ってSH山本が持ち出しゴール間近まで運んでラックをつくる。この日ファイトし続けるフォワードが縦の突進を続けると、LOカウヘンガが中央を突き破ってトライ。気持ちで奪い返したトライに、アウェイの瑞穂ラグビー場で声援を送るリコーファンから歓声が上がる。コンバージョンゴールも成功し24-14。

直後、豊田自動織機はリコーのペナルティを突きゴール前ラインアウトのチャンスをつくると、22mライン付近からモールでトライを狙ってくる。ここでターンオーバーを連発してきたLOカウヘンガがボールをもぎ取るとインゴールからのキックでエリアを取り戻す。

豊田自動織機のアタックは続いたが、リコーはディフェンスに集中。インゴールまでボールを運ばれる場面もあったが粘り強く守る。18分にSH山本に替わり池田渉。

そして24分、自陣の豊田自動織機ボールのスクラムに押し勝ちコラプシング。ペナルティキックを蹴り出し、リコーは長いディフェンスの局面を終える。ここでスコアさせなかったことが試合のターニングポイントになった。

キックを使いゲインを狙う豊田自動織機に対し、リコーはSH池田らの冷静な状況判断でうまくプレッシャーをはねのけていくと自陣のラックでこぼれたボールに飛びつきリコーがターンオーバー。ラックからSH池田が出したボールをSO河野がキック。タッチを割ったが、ハーフウェイライン付近から豊田自動織機がクイックスローインして継続。

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 28分、これを読んでいたNO.8ブロードハーストらが鋭く飛び出しランナーをタックルで倒すと、サポートが押し寄せボールを乗り越えてハーフウェイライン付近でターンオーバー。

これを待っていたかのようにバックスが反応。左に展開したボールを持ったFB星野が左サイドを破り、22mライン付近でサポートしたHO森にパス。森は倒されるが這うようにしてゴールに迫ると、もう一度FB星野がもらってインゴールへ運び、回り込んで中央にトライ。コンバージョンも成功し31-14。守りきってターンオーバー、そしてフォワードとバックスが一体となったアタックで試合の流れを決めるスコアが入る。

突き放したリコーは、32分にも自陣でターンオーバー、PR長江有祐が相手をなぎ倒して攻め上がる。中央ハーフウェイライン付近のラックからCTBキニキニラウが左サイドを突破。

ハンドオフでディフェンスを払いのけると、WTB長谷川につないでインゴールに運び中央にトライ。37分にもWTB渡邊昌紀の突破で敵陣に侵入、さらにCTBキニキニラウの再びの中央突破から得たペナルティでゴールを決め41-14。このままホーンを迎えるとSH池田のタッチキックで試合を切りノーサイド。今季最多の6トライを挙げる快勝で2ndステージ3勝目(3敗)。勝ち点は20でグループB4位タイを維持。総得点ではトップ、トライ数と得失点差では2位となった。

マンオブザマッチにはNO.8マイケル ブロードハーストが選ばれた。

「自分たちの未来は、自分たちでつかめる状況にある」(神鳥裕之監督)

神鳥裕之監督

「今日はアウェイという環境の中、たくさんのリコーファンの方に来ていただき、ありがとうございました。負けたら終わりという状況で、トーナメントの気持ちで戦おうとこの一戦に全力を注ぎました。選手たちはよくやってくれて、後半の入りの部分で失点する問題を改善できて、ゲームプラン通りの戦い方ができました。でも、今日の勝ちで全てが決まったわけではないので、最後のクボタ戦をしっかり勝てるように準備していきます。ありがとうございました」(会見にて)

「会心のゲームだったと思います。ただ、順位的には前節と状況は変わっていない。次を勝たなければいけないのも変わっていません。(勝ち点が並んだ場合の基準となる)得失点差を広げることは望んでいたことなので、それをなし得たのは収穫でした。
(この1週間、どこに意識づけを?)この数試合、それは勝ったNTTドコモとの試合も含めて、3試合ぐらい立ち上がりが悪かったので、そこのマインドセット。ディフェンスのところ、トレーニングメニューも含めて工夫しました。ディフェンスにフォーカスした部分は普段より大きかったと思う。メンバー選考についてもゲームをつくれる選手を、特に外国人選手の起用で変えて、それは選手へのメッセージになっていたと思う。とにかく前半の入りでゲームをつくって後半で勝負していこうと。そのプランをしっかり実行してくれたと思う。
(豊田自動織機に関するイメージは?)サイズ面ではうちのほうが大きいというのはあったのですが、アタックのテンポが非常にいい。レオン(ホールデンヘッドコーチ)とも話をしていたのですが、特に外国人選手は、今シーズンのトップリーグの中でも、トップレベルの調子。そこをしっかり止めることが重要になってくるというイメージをもっていました。キーマンを自由にさせるなというメッセージには選手が応えてくれた。それが勝因の1つになったと思います。
(モールを使った攻撃、またモールへの対応は安定感を維持しているようだが?)前節の九州電力戦では負けてしまったが、今シーズン苦しんでいたラインアウトからのモールでトライが獲れました。それが自信になっていたと思う。
(SH山本、池田両選手がともに持ち味を発揮した?)プレッシャーゲームになることを予想していたので、厳しい局面の中で(池田)渉の持っている経験を生かしてもらいたいと思っていました。後半のところはプラン通り渉を入れました。
(勝つしかない状況は続いているが?)今週始まる前にも話したのですが、得失点差でNTTコムをかなり上回っているので勝ち点をフルで挙げていけば自分たちの未来は自分たちでつかめる状況にあるということ。それは今週を終わっても変わることなく、同じマインドでやってくれると思います。
(トップリーグは残り1戦。結果とは別に、チームの芯はぶれずに戦えたのではないか?)結果は悪かったり良かったりのアップダウンはありましたが、チーム内の状況については、地に足を着けて戦えた。このマインドを維持することでチームは成長できると思う。選手の成長も感じています。そんなシーズンの集大成として、リーグ戦最後の試合を区切りとしてしっかり戦いたい」

CTB小松大祐キャプテン

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「織機さんは調子がよかったので、僕たちよりも上のチームだという認識を持って、チーム全員がチャレンジした結果、勝てたと思います。なかなか結果が出ていなかったのですけど、一戦一戦着実に力をつけて、その成果を出せたのだと思う。でも僕たちはあと1試合勝たないといけないので、次に向けてしっかり準備したいと思います。ありがとうございました。
(前節負けて、危機感がある中での準備だったと思う。チームの雰囲気は? また、どこにフォーカスして練習してきたか?)やはり負けた後の週なので雰囲気はあまり良くなかったです。ただ相手のことを考えずに自分たちのプレーをやろうと切り替えられたので、集中できました。それが勝利につながったと思う。
(後半に入って点差が詰まったが、28分に相手のクイックスローインからのアタックを止めてターンオーバー、そこからトライを獲って流れが変わったように見えたが?)大きいプレーだったと思います。ブレイクダウンでプレッシャーを受けていなかったので、ターンオーバーできそうだと。ターンオーバーできれば、外にミスマッチもできていたので、そこを突こうと思っていました。そのあたりは、今日はうまくできたと思います」(会見にて)

「今日の勝利はチームにとって大きい。調子のよかった豊田自動織機相手に勝てたので。あと前半10分、自分たちのやろうとしたことでトライが獲れて、ディフェンスでも粘れたので。
今週は準備の時間が1日短く、相手に合わせた練習というよりは自分たちのするべきラグビーの確認に時間を使いました。その分シンプルに準備できたのがよかったのかもしれない。
ただ、勝って喜んだあとはすぐに次のクボタ戦に切り替えたい。絶対5ポイント獲って勝たないといけないので、自分たちのプレーに集中して1週間やっていく。
(前節と最も違ったのは?)ディフェンスで粘れたこと。ブレイクダウンで向こうのアタックにプレッシャーをかけることができていた点。それがターンオーバーにつながって、さらに外のスペースを使うことができた。今日はよく噛み合っていた。
ディフェンスからアタックっていう場面も多かったので。ブレイクダウンは練習してきたところなのでうまくできたと思います。敵陣に入ってからもフォワードとバックスもリンクできていたと思う。前半獲りきったこと、ディフェンスで我慢できたことは本当にチームの成長を感じています。
(試合前から気合いが入っているように見えたが?)入っていました。勝たなきゃ終わりという状況もあるけれど、いつもこれが出せるチーム力をつけていきたい。NTTコム戦に続いて自分たちのいいイメージを持てたと思うので、次につなげていきたい」

PR松本友介(トップリーグ初出場)

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「いつでもいける準備はしてきたのですが、やっと出れたという気持ち。そういう試合で勝てたことも嬉しいです。(緊張は?)大学とかでも緊張したことはあまりなかったのですが、昨日の夜は少し緊張しました。でも今日はリラックスしてやれました。もう、あとがないという気持ちで戦い続けます。自分もリザーブで満足はしていないので、いつでもいけるよう準備していきます」

LOカウヘンガ桜エモシ

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「(次の試合の目標は?)勝つこと。そしてボーナスポイントを獲ります。自分としてはいつも通り、ゲインラインを越えるという役割を果たします」

CTBタマティ エリソン

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「ゲインラインを越えることを狙って、ダイレクトにプレーすることはチームのプランに従いました。ここまで出場してきた山藤史也のスタイルに近い感じで。
(最終節クボタ戦に向けてどんな準備を?)これまでと変わりません。今日のような試合ができたので同じようなプレーができるように。自分自身にもチームにも自信を持っています。このチームなら求められた仕事ができるはずです。コーチの考えるプランを待って、僕に何を求めているのかを聞いて準備します。どのような役割を求められるかわかりませんが、アウトサイドバックスにいい選手がいるので、僕がスペースをつくれれば相手にダメージを与えてくれると思う。ベーシックなことをやるだけです。才能はあるチームなので」

WTB渡邊昌紀

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「今日はバックスリーの他2人がトライを獲ったのに、チャンスにあまり絡めず悔しいですね。同じポジションの関東学院大の先輩・長谷川元氣さんと切磋琢磨できているいいシーズンになっている。さらに先まで進めるよう頑張ります」

FB星野将利

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「チームが勝ちに飢えていたのを感じました。トライを獲られて点差が詰まっても、むしろ雰囲気は盛り上がっていった。それが勝ちにつながったと思います。次の試合も、今日と同じような勢いでいければ絶対勝てる。このままいきたい。今日はフォワードに勢いがあったので、それを続けてもらって、僕らもそれを盛り上げていけるように」

 今シーズンベストと言ってもいい内容での勝利。リコーはこれで最終節での「4トライを挙げての勝利」によって他の試合の結果に左右されず、自力でワイルドカードトーナメント進出を決められる。

シーズン終盤で形になったフォワードの激しいファイトと、バックスと一体となったアタックでトライを量産するリコーのラグビーを、ホーム・秩父宮でも見せることができれば、必ず歓喜の時は訪れる。

最終節・1月18日(土)12時からのクボタスピアーズ戦は、苦しみながら成長を果たして来たリコーの集大成を見せる試合となる。声援での選手たちの後押しを、ぜひともよろしくお願いします。


(文 ・ HP運営担当)

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