Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2013-2014 トップリーグ 2ndステージ第1節 対 コカ・コーラウエストレッドスパークス

2013.12.03

「流れを変える勝利」が必要な試合

 リコーブラックラムズは、前半戦7試合の成績で順位が決まる1stステージを1勝1分5敗、プールB7位という成績で終了。後半戦にあたる2ndステージは、8チームが9位から16位までの順位を争うグループBで戦うことになった。グループBの上位4チームにはトップリーグ終了後のワイルドカードトーナメントへの出場権が与えられる。これを勝ち抜けば、例年同様日本選手権への出場が可能だ。リコーを含めたグループBの各チームは、当面の目標をここに置く。

1stステージを4連敗で終えたリコーに必要なのは、とにかく勝利だ。

今シーズン、チームは悔しい敗戦を喫した後も、それを引きずることなく「前を向こう」と声を掛け合ってきた。パニックに陥らずに、問題を冷静に見据えようという姿勢が目につく。自分たちのラグビーができている時間帯のプレーには、選手もスタッフも一定の手応えを感じているようだった。

とにかく全体的な精度を上げながら、試合を通じて自分たちのラグビーを保つ――。そのためには地道な努力を粛々と続けてきた。だが、特効薬のない苦しい挑戦は簡単なことではない。耐え続けるチームには、なんとしても勝利が必要だった。

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 2ndステージ開幕戦の相手はコカ・コーラウエストレッドスパークス。今シーズン2度目の対戦となる。前回は秩父宮ラグビー場でのホームゲームだったが、今回は福岡・レベルファイブスタジアムに場所を移してのアウェイ戦となった。

リコーのSO河野好光のキックで試合が始まる。蹴り返しをLOカウヘンガ桜エモシに回し突進。ポイントをつくり展開すると、CTB山藤史也が自陣浅めからキックでゲインを狙うがこれがダイレクトタッチに。

コカ・コーラウエストはラインアウトから攻めるがノットロールアウェイ。リコーはペナルティキックで前進し、ゴール前ラインアウトを得る。だが、ここでミスが出てボールはコカ・コーラウエストに入る。リコーは先制のチャンスを逃す。

逆にコカ・コーラウエストはハーフウェイライン付近のスクラムから攻めてリコー陣内に侵入。選手が俊敏に動き、ボールをよく動かす様子にコンディションの良さを感じるアタック。一度ボールを失うが、自陣から攻めたリコーのペナルティでゴール前ラインアウトのチャンスをつくる。

そして9分、右サイドのラインアウトをキープすると展開。ラインブレイクを狙って攻める。ゴール間近でディフェンスするリコーは、左中間でCTBリキ フルーティーがうまく詰めて、パスカットに成功する。一転ビッグゲインのチャンスかと思われたが、フルーティーが出したパスを今度はコカ・コーラウエストの15番が詰めてカット。そのまま左中間からインゴールに達し、中央に回り込んでトライ。コンバージョンも成功させ0-7とした。

リコーはこの日朝、体調不良のマイケル ブロードハーストに代わり急遽出場の決まったFLコリン ボークが鮮やかなオフロードパスを決めるなどして前進。敵陣に入り攻める。ボールをキープしアタックを続けるが、コカ・コーラウエストのプレッシャーも激しくアタックのテンポが上がらない。選手は果敢に突っ込むのだが、そのときにはすでに相手のディフェンスが待ち構えている状態が続いた。そして、ついにハンドリングミスが出てボールを失う。

その後キックの蹴り合いとなるが、リコーは相手最後列へのタックルをはずされカウンターを浴びるなどミスが出て徐々に前進を許す。リコー陣内浅めの位置で攻防が続いた。

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 23分、自陣スクラムからのアタックで反則を犯したリコーは、ペナルティキックをタッチに蹴り出され、ゴール前ラインアウトのピンチを迎える。

コカ・コーラウエストは左サイドをモールで押しゴール間近にポイントをつくると展開、連続攻撃を仕掛ける。リコーは必死にディフェンスするが、中央の密集でLOカウヘンガが反則。ペナルティゴールを決められてスコアは0-10に。カウヘンガにはイエローカードが出て、10分間の退場を科された。

数的に不利な状況となったリコーだったが、SO河野のキックなどでうまくしのぎ前進。LOロトアヘア・ポヒヴァ大和が左サイドをゲインしゴール前に迫る。ラックからさらに攻めようとしたが、猛烈なタックルでボールがこぼれターンオーバー。逆に自陣まで攻め込まれた。だがコカ・コーラウエストにスローフォワードが出て、中央ハーフウェイライン付近のスクラムとなる。

30分、このスクラムからFLボークが突破を見せる。これをきっかけにフェイズを重ね約3分にわたるアタックを見せる。さらにカウヘンガがグラウンドに戻ると36分、敵陣左サイド22mライン内側のラインアウトから展開し、右サイドをFB星野将利、CTBフルーティーが突く。各選手が相手ディフェンスにつかまってもよくもがき、一歩でも前に出ようと粘りゴールを目指したが、コカ・コーラウエストのディフェンスの安定感は終始保たれトライは奪えず。リコーはスコアできないまま前半を終えた。

後半2トライを喫するも、連続トライで5点差に迫る

 後半リコーはHO森雄基に替えて滝澤佳之を送りスタートする。開始早々荒々しいディフェンスを見せ、ラックでボールを奪う。しかし、SO河野が蹴ったハイパントがうまく上がらずタッチを割るちぐはぐな攻撃となる。

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 しかしその後、自陣で相手のキックをキャッチしたCTB山藤、さらにはFLボークが右サイドを突く。ポイントをつくると展開、長いパスをつなぎ、SO河野からFB星野へ。わずかに届かずキャッチはできなかったが、FB星野は伸ばした足をボールに当て、前方に転がす。これがよく跳ねてゴール前まで転がった。コカ・コーラウエストはこれを戻って拾いタッチに逃れる。

リコーは左サイド22mライン手前のラインアウトから展開。ゴール正面の位置でコカ・コーラウエストがオーバーザトップの反則。リコーは6分、ペナルティゴールを決めて3-10とした。リコーはさらに、自陣右中間のスクラムからSO河野がブラインドサイドを突く攻撃を見せたが、組織的な連続攻撃にはつながらなかった。リコーは7分にSH神尾卓志を山本昌太に交代。

9分、自陣からボールを回して攻めたコカ・コーラウエストが、左サイドを破り22mラインの内側へ進む。次の得点は試合展開に大きく影響する場面に、リコーはディフェンスに集中したが痛恨のノットロールアウェイ。コカ・コーラウエストはペナルティキックをタッチに蹴り出し、ゴール前ラインアウトへ。さらにドライビングモールで押し、インゴールへ突き進むと2番がトライを決める。コンバージョンも成功し3-17。2トライ2ゴールでも同点。スコアのプレッシャーがのしかかる。

再開後、キックオフレシーブでコカ・コーラウエストがオブストラクション。左サイドに蹴り出し、ゴール前ラインアウトにしたリコーは、展開し右サイドを攻める。コカ・コーラウエストがラックでオフサイド。再びラインアウトから攻めようとしたリコーだったが、ここでノックオン。スクラムからキックを蹴りコカ・コーラウエストが陣地を挽回する。リコーは相手のミスにつけこめずチャンスを逃した。

リコーは、再度自陣から攻めようとするが、パスの乱れに出足よくプレッシャーをかけるコカ・コーラウエストの前にうまく前進できない。さらにリコーのランナーが自陣中盤でグラウンドに足を取られスリップしたところを襲われボールを奪われる。コカ・コーラウエストはこれをつなぎ、右サイドを突破。18分、11番が右隅にトライを決めた。チームを鼓舞するかのようにPR長江有祐がキッカーにプレッシャーをかけると、コンバージョンはそれた。しかし3-22。コカ・コーラウエストのリードは大きく広がった。19分にLOカウヘンガに替わり武者大輔。FL馬渕武史がLOに武者がFLに入った。

とにかく返していくしかないリコーは、自陣ラインアウトをキープし、SH山本のパントに反応したディフェンスが上がって相手を捕まえ、ボールをリリースさせない。ノットリリースザボールのペナルティを得てリコーは自陣を脱出する。

さらに右サイドのラインアウトからボールをキープしフェイズを重ね突破を図る。前半同様コカ・コーラウエストのディフェンスが堅く、リコーもテンポの良いボール回しはできず、各選手が泥臭くゲインを狙っていく。CTBフルーティーらがギャップに身体をねじ込んでは、全身を使ってもがく。

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 リコーは長いアタックを経て、右中間22mライン付近でスクラムを得る。このスクラムでコカ・コーラウエストに反則が出ると、リコーはリスタートして攻める。SH山本が持ち出し、CTBフルーティーが鋭く左サイドのギャップを狙う。

26分、そこからボールを出すと、中央付近のFLボークからの長いパスが右サイドタッチライン際を走るFB星野に通り、星野はインゴールへ。リコーが待望のトライを奪い8-22とした。難しい角度のコンバージョンもSO河野が決めて10-22とした。27分にCTBフルーティーに替えてピータース ダニエル。

この後リコーは再びゴール前に攻め込まれるが、ラインアウトとスクラムで連続ターンオーバー。スクラムでボールを奪った後は、WTB長谷川元氣がブラインドサイドをゲイン。このアタックにコカ・コーラウエストが反則を犯すと、SH山本が素早くリスタートし敵陣に侵入する。

33分、この動きに反応して攻め上がったFLボークが22mライン越えていくと、最後は右サイドタッチライン際を走ったWTB長谷川に渡し右隅にトライ。ここも角度があったが、SO河野が短めのキックをうまくボールをコントロールしコンバージョン成功。7点を追加し17-22。連続トライで再びコカ・コーラウエストの背中を捉えた。
リコーは34分にWTB長谷川に替えて高平拓弥。これで武者、山本、高平とルーキー3人がグラウンドに立つ形になり、リコーは新人の思いきりのよいプレーに逆転を託す。

しかし、足を止めず攻めてくるコカ・コーラウエストは、リコー陣内に侵入。リコーはゴール前ラックでターンオーバーするビッグプレーを見せたが、反転攻勢しようと展開したパスにスローフォワードの判定。

38分、ゴール目前、正面やや左の勝負を懸けたスクラムとなったが、リコーにコラプシング。コカ・コーラウエストは4トライのボーナスポイントではなく、勝利を確定すべくペナルティゴールを狙い成功。17-25となり、これで1トライ1ゴールでは届かない点差となる。

リコーが短いキックで試合を再開すると、ほどなくホーンが響く。トライを奪って点差を詰め、「7点差以内の敗戦」のボーナスポイントを得たいリコーは数分間にわたり攻めたが、コカ・コーラウエストのディフェンスを揺さぶるテンポは出せず、逆にボールを失いトライを奪われる悔しい結末。

7点を加えられ17-32でノーサイド。リコーのトップリーグ2ndステージは敗戦の幕開けとなった。

「ゲインラインに対し果敢にチャレンジしていくこと。それができなかった」(神鳥監督)

神鳥裕之監督

「コカ・コーラウエストのディフェンスの勢い、激しさに完全に受けて立ってしまった。フェイズを重ねてもなかなかゲインできない状況も続いたので、自分たちで自分たちを苦しめるような試合にしてしまった。(ラックなどでターンオーバーを見せながらも、そこから攻めていく際、スピードが出なかったように映ったが?)リアクションのスピード、イーブンボールへの働きかけも含めて、ちょっと身体が重かったかもしれない。初戦に向けて準備はしてきたのですが。そこの意識の部分の違いは結果的な差になった。
(この1ヵ月の休止期間中のテーマは?)ゲインラインに対し、もう少し果敢にチャレンジしていこうと。フェイズを重ねていく中で、ゲインラインに近いところで勝負していければ、きっとチャンスは生まれてくる。そんなテーマを掲げて合宿含めて取り組んできましたが、今日の試合はまさにそこができなかった。相手のディフェンスの勢い、速さに対して、後ろで捕まるシーンがありました。
ディフェンスでは単純なミス、コミュニケーションでのミスも含めて、キックチェイスの後のラインディフェンスであったり、そういった明らかなイージーミスがありました。そこは次の試合でしっかり直さないといけない。とはいえ、一時は5点差まで追いつめたのは自力と考えることもできる。結果がついてこないとチームというのは自信を失いがちなので、結果に結びつけて勢いをつけていきたい。
(先発のSHには神尾卓志選手を起用する試みも?)競争力を高めていくという方針の中で、サテライトの試合でもいいパフォーマンスを見せていたので。頑張ってくれたと思う。(ブロードハースト選手の状況は?)代表から戻ってきてコンディションはよかったのでメンバーにいれましたが、今日になり体調不良の様子が見られたのでコリン ボークが替わりに出場しました。コリンもこのコカ・コーラウエスト戦を目標に、ケガから復帰をしようとトレーニングしてくれていたので対応してくれた」

FLコリン ボーク

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「試合にはとにかく勝つことを考えて臨みました。残念ながらそれはできなかった。シンプルなミスがありました。自分たちのラグビーができず、なかなか波に乗れなかった。でもあきらめはしなかったのでそれはよかったと思う。やっぱり小さなミスが響いてしまった。(ケガからの復帰戦だったが、チームは変化していたか?)去年よりはいいチームになってきている。ただそれを証明するためのパフォーマンスをグラウンドで見せられていない。それはみんなにとってフラストレーションの溜まる状況ではある」

NO.8柳川大樹

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「ケガから明けて、自分自身としては楽しもうと考えてプレーしていました。結果が結果なので楽しめたとはいえない。(身体は思い通り動いたか?)動きましたけどベストではない。状況判断、ゲームフィットネスで足りない部分を感じた。もっとゲームタイムを増やしていきたい。やることはシンプル。精度を上げていくだけ。頑張ります」

SH神尾卓志

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「ターゲットにあったゲインラインをフォーカスして、ブレイクダウンでリードすること、ダイレクトにプレーしてボールをキープすること。そして自分たちのアタックを継続するということを意識して試合に入りました。
ですが、うまくアタックができていなかった。走り込んでボールを前に運ぶということができていなかった。止まってボールをもらうことが多かったですね。そこはタイミングだったり…。それで攻撃をキープしていても、ゲインを切れなかった」

WTB長谷川元氣

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「意識していたのは、ボールをもらったらゲインラインを越えるということ。(思い切りのよいプレーを見せていた場面も?)自分の持ち味を出すには、思いきりやることが大事。前半はそういうプレーができなくて、ディフェンス一辺倒だった。チームも自分たちのラグビーができずに、受けて受けて失点。ディフェンスでも、もっと思いきりやる必要があると思う。前で止める意識はみんなが持てば流れも変わったかもしれない。(チームの雰囲気は?)負けたのは真摯に受け止めて、次は勝とうと切り替えている」

 1stステージ開幕戦で引き分けに終わった相手へのリベンジは果たせず、黒星スタートとなった2ndステージ。悔しい思いはつのるが、トップリーグはこの後休止なく一気に8週間で7試合が続く。とにかく切り替えて、浮上のきっかけをつかむしかない。

次節は12月7日(土)12:00から行われる年内最後のホーム・秩父宮でのNTTコミュニケーションズ戦。結果の出ない苦しさの中、あきらめずに戦うリコーブラックラムズに声援の力を! よろしくお願いします。


(文 ・ HP運営担当)

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