Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2013-2014 トップリーグ 1stステージ第7節 対 パナソニックワイルドナイツ

2013.10.29

2ndステージに向けた光明を見いだすべく、敵地に乗り込んだリコー

 雨中のクボタ戦から中5日のインターバルで迎える1stステージ最終戦は、パナソニックワイルドナイツとのゲーム。ホームグラウンドである太田市運動公園陸上競技場では、パナソニックは非常に強く21連勝中という強敵だ。

だがリコーにとっては、2ndステージでの巻き返しの起点として、何かをつかまなければいけないゲーム。心配された台風も、試合開始時刻には通過。雲の間から日の光も差す空の下、試合が始まった。

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 前半のキックオフはパナソニック。開始早々相手のキックをNO.8マイケル ブロードハーストがチャージ。リコーはパナソニックのアタックを食い止め、ハーフウェイライン付近のラインアウトを得る。

左サイドからラインアウトを展開。右サイドでSO徳永亮がライン裏へのキックを試みるが、うまく転がらない。グラウンドにはところどころ水をよく吸った部分があり、キックでのゲインには工夫が必要であることをうかがわせた。

リコーは再びハーフウェイライン付近でラインアウトを得るとこれをキープ。確保したボールを受けたSH山本昌太は、近いサイドのギャップを抜け左中間をゲイン。

22mライン手前にボールを運ぶとリコーは右に展開。パスをつなぎWTBロイ キニキニラウが右サイドタッチライン際を突破する。ステップとパワーでディフェンスをかわすとそのまま右隅に飛び込んでトライ。右サイドからCTB河野好光が蹴ったコンバージョンは、惜しくも奥のポールに当たりはずれた。しかしリコーは5-0と先制に成功する。

その後、SH山本の自陣からのキックに反応しディフェンスの網でプレッシャーをかけ、敵陣でプレーしようとするリコー。蹴り返されたボールを、この日FBに入った星野将利が確実に処理し、また蹴り返しタッチへ。

敵陣からのラインアウト後、ラックのそばでまたキックをチャージ。チャンスになりかけたが、オフサイドが出てパナソニックにペナルティキックが与えられる。パナソニックはこれを大きく蹴り出しリコー陣内へ。

パナソニックは22mライン内側のラインアウトから攻める。リコーは復帰戦となるFL馬渕武史らが大きな声を張り上げ、ディフェンスの統制をとり突破を許さない。タックルもよく決まり、パナソニックを釘付けにする。

だがここでもオフサイド。12分、パナソニックは正面やや左22mライン付近からペナルティゴールを決めて5-3とした。

15分、リコーは中盤のラインアウトから中央を激しく攻める。ここでディフェンスするパナソニックにノットロールアウェイ。ほぼ正面ながら10mライン手前、ゴールまで距離のある位置だったが、リコーはCTB河野好光がペナルティゴールを狙う。キックティーに立てたボールが一度倒れるほどの風も吹いていたが、これに成功。8-3として序盤に入りに成功した。

リコーは20分過ぎに、リコー陣内で突破を図った相手10番がノックオン。このボールを奪ったWTBキニキニラウが自陣右サイドから中央に向かって大きなストライドで走る。一気に22mラインの内側へ攻め込みポイントをつくると、パスを回し右サイドに展開。トライのチャンスにスタンドが沸いたが、パナソニックの激しいディフェンスに遭いリコーにオーバーザトップ。ボールを失った。

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 ペナルティキックでゲインしたパナソニックは、リコー陣内中盤左サイドのラインアウトから展開。8番の突破でポイントをつくると右サイドを攻め、13番がライン裏にゴロキック。23分、これに反応した14番が快足を飛ばしインゴールで押さえトライ。コンバージョンははずれたが8-8と同点に追いついた。

その後は一進一退、ターンオーバーを繰り返し互いに攻めたがトライは生まれず。

しかし前半終了間際の36分、パナソニックはリコー陣内のスクラムから、ボールをつないで粘り強く攻める。リコーもよく守ったが13番がついに突破しポスト右にトライ。コンバージョンも成功しパナソニックが8-15と勝ち越した。

39分、直後のキックオフボールをめぐる密集で、パナソニックがオーバーザトップ。正面やや左、40m以上の距離があったが、CTB河野がペナルティゴールを成功させ11-15。リコーが点差を詰めたところで前半は終了した。

「ターンオーバーからのアタック」決まり出すパナソニック

 リコーは選手交代なし、パナソニックは9番を交代して迎えた後半。キックオフボールがこぼれ、リコーは敵陣浅め中央の位置でスクラムを得る。

スクラムから右サイドに出し、FB星野が突く。さらにWTB小松大祐が相手をかわしながら左へとボールを運ぶ。そして左サイドで待っていたNO.8ブロードハーストにつなぎ突破を図るが惜しくもノックオン。リコーはさらにオフサイドを重ね、自陣に押し込まれる。ゴール前ラインアウトのピンチを迎えパナソニックはモールで攻めてきたが、ここは相手の反則に救われた。

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 リコーはハーフウェイラインまで戻しアタックをかける。だが、パナソニックが得意とするディフェスからのターンオーバーを喫し再びゴール前に攻め込まれ、スクラムを与える。しかしここでコラプシングを獲りボールを奪取。NO.8ブロードハーストがリスタートしてゲイン。ハーフウェイライン付近から展開して攻める。右サイドをFB星野らが突いたが激しいディフェンスを受けボール放せずノットリリースザボール。キックで再びリコー陣内へ戻される。

8分、モールでトライを奪いにくるパナソニックに対し、リコーは必死に抗う。ペナルティも出たが、なんとかゴールラインを割らせまいと押し返す。

しかし、何度かのラインアウトを経て11分、パナソニックがモールから展開。10番が中央を抜けトライ。コンバージョンも成功し11-22と点差が広がった。

リコーは13分、PR長江有祐を藤原丈宏に、LO生沼知裕を赤堀龍秀に交代。
直後、SH山本が蹴った左サイドへのゴロキックをWTB小松がチェイス。わずかな差で処理されたが、プレッシャーのかかった状態で蹴られたキックをFB星野がキャッチし、WTBキニキニラウへと回し中央に攻めるとパナソニックにペナルティ。

リコーは22mライン付近に蹴り出し、セットプレーから攻めようとするが、このラインアウトを奪われる。16分、パナソニック陣内10mライン付近から蹴り込まれたキックがリコーのラインの背後に落ち、このボールを拾ったSH山本が出したパスが乱れる。飛び出してきた13番がキックでゴール前に転がし、それを自ら拾って右中間にトライ。コンバージョンも決まり11-29。ピンチを一転チャンスに変え、確実にスコアするパナソニックがさらに点差を広げた。

苦しい展開となったリコーだが、キャプテンのWTB小松が果敢に突破を図り、諦めない姿勢を見せていく。20分にはスクラムでターンオーバー。HO森雄基のアタックなどでチャンスを見出していく。
21分にSO徳永を小浜和己に、22分にSH山本を神尾卓志に交代。小浜はCTBへ。河野がSOに入る。

リコーは、自陣10mラインのスクラムのサイドをNO.8ブロードハースト、WTBキニキニラウが縦に突く。さらに今季初出場のCTB小浜も果敢にクラッシュしていく。

さらにラインアウトから中央を再びキニキニラウが突く。22mラインの内側で左に出しHO森が突進。しかしこれは惜しくもターンオーバー。パナソニックはリコー陣内にキックを蹴り込む。

リコーはこれを確保しカウンターを仕掛ける。FB星野が中央を突くがパナソニックディフェンスがまたもボールを奪う。25分、すかさず反攻。左サイドを2番が抜け、リコーのゴール前まで運び、ラックから素早く展開し、14番が右中間にトライ。コンバージョンははずれたが11-34。

リコーは30分にFL馬渕武史を川上力也に、32分にはHO森を川口顕義に、CTB山藤史也を長谷川元氣に交代。直後に敵陣に入ったが、ラインアウトを奪われ再び攻め込まれた。

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 35分、リコーは自陣のスクラムで反則を犯し、ゴール前にタッチキックを蹴られる。ラインアウトモールでなだれ込まれ、連続攻撃の後19番にトライを許した。コンバージョンも成功し11-41。

40分、ほとんど残り時間なしと思われる状況で攻勢をかけたリコーは、CTB小浜のパスでLOロトアヘア・ポヒヴァ大和が左サイドを突く。そこからつなぎ中央をFB星野将利が抜け、フォローしたCTB小浜のゲインでボールをゴール前へ。

そこからフォワードがパワープレイを仕掛け、ゴール前で突進を繰り返す。パナソニックにペナルティが出るとリスタートで再び攻撃。2ndステージにつながるトライを獲りたいリコー。絶対に決めるという強い意思が伝わる突進はついに結実。左中間にLO赤堀龍秀が飛び込みトップリーグ初トライを決めた。コンバージョンも成功し18-41とした。

ここでホーンが鳴りノーサイド。-前半は4点差で折り返すことに成功したリコーだが、後半試合の主導権を失い取り戻せなかった。リコーは1勝1分け5敗、プールB7位という順位で1stステージを終えた。

「(最後は)自分でトライ獲ってやろうという気持ちで攻めた」(赤堀龍秀)

神鳥裕之監督

「相手は1位争いをしているチーム。そういうチームに勝つということは、自分たちの存在感をアピールできるチャンスだったので、そういうところをモチベーションにして試合に臨みました。一矢報いたい。意地を見せるという声は選手たちからも出ていたので、共有できていたと思います。
前半は本当によく戦ってくれたと思うのですが、やはり勝負のあやというか、結果的に後半の最初にスコアを獲れなかったり、しっかり身体を張らなければいけないイーブンボールで、少し楽をしようとしてトライに持っていかれたり。選手たちは悪いプレーをしているわけではないですけど、ちょっとした執着心、メンタルタフネスの部分。その差で、すこしずつパナソニックにプレッシャーをかけられて、最終的にスコアにつながったのかもしれません。相手のミスをスコアにつなげる集中力の差。向こうもミスはしていたので、それに対して我々はもっと付け込むシーンはいくらかあったと思う。それをスコアにつなげられないというのは、今のうちの弱さかもしれない。
(1ヵ月休止期間が入るが、どんな使い方を?)つくり直したい。これまでの戦術を覆すという意味ではなくて、基本的な動作から一人ひとりの約束事というのでしょうか、それをもう一度やり直したい。パスのスキルだったり、パスの取り方、ボールランナーとしてしっかりファイトして足を掻くこと。2人目の速さに対して行った後の精度の高いオーバー。そういうものの積み重ねが、最終的に我々の戦術につながってくる。そこに立ち返る。
さらにそれをルールとして80分間守り続けるというところにもフォーカスしながらですね。どうしても後半でルールが守れない試合が続いたので。フィットネス、メンタルも含めてしっかりやり直したい。2ndステージは全部勝つという目標をたてて、日本選手権で上位のチームと対戦する。そこにモチベーションを置いて戦いたいと思います。
(合宿などは?)11月の2週目に静岡県で、ラグビートレーニング中心のものをやります。(ケガした選手も戻りつつある?)そうですね。あとは若い選手がいいパフォーマンス出してくれたのが収穫。2ndステージは十分活躍できそうな選手も出てきています」

WTB小松大祐キャプテン

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「前回のクボタ戦では、自分たちのラグビーは90%ぐらいできたと感じましたが、今日は50%くらいしかできませんでした。特に前半でもう1つトライを獲りたかった。獲れるところで獲れなかったのが後半に響いてきたと思います。後半、パナソニックさんのターンオーバーからのアタックは僕らも研究してきたんですけど、うまく対応できず強みを出させてしまった。それが今日の印象です。2ndステージはメンタル部分も強くないといけないなと感じたので、そこも監督と話しあって強化していきます」

LO赤堀龍秀(トップリーグ初トライ)

「フォワードのパワープレイはずっと練習してきたところ。ピック、ピックで。自分でトライ獲ってやろうという気持ちで攻めて、3年目で初めてのトライが獲れました。(セットプレーなど、徐々に安定してきているように感じるが?)全体を通じて安定してきた感じはある。ただ、自分は途中出場してすぐのプレーでミスがあったりするので、そういうところの精度を高めたい。ゴール前などでもミスのないように。サテライトリーグが始まるので、1ヵ月間は休止期間だとはとらえていない。2ndステージではスターティングメンバーで出られるようにアピールしていきます。(自信もついてきたのでは?)はい。あと少しウェイトを増やせれば」

SH山本昌太

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「前節、今節でだいぶ慣れてきた感じはあります。ただ新たな課題も見つかってきています。最初はがむしゃらにやっていて、まずは言われていたことをこなすことに集中していました。ゲームタイムが延びてくるとそれだけじゃだめで、ゲームの流れや状況に応じた判断だったりが課題として見えてきています。
今日は自分のできるところと課題が両方はっきり見えた試合。負けたのは悔しいけれど、貴重な経験が積めました。1ヵ月空くので課題と向き合いたい。(緊張している様子がないが?)もともとあまりしないほう。それに先輩がみんな声をかけてくれるので、リラックスしてやれています」

SO徳永亮

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「クボタ戦が終わって『パナソニックに勝って、日本選手権に出たときにプレッシャーを感じさせるような試合をしよう』と声をかけあってきたので、モチベーションは高かったと思います。入りも良くて、先にトライも獲れましたし。
後半はプレッシャーかかってきた中で、自陣でプレーしてしまったのがまずかった。もっとエリアを獲っていけるようなプランで頑張るべきだったかもしれない。向こうはディフェンスからのターンオーバーというこちらが想定していた通りのプレーをしてきただけで、後半特別なことをされたわけではない。前半やれていたように後半もやらなければいけなかった」

CTB小浜和己

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「時間が限られていたので、もうタックルしかやらないぐらいのつもりでいったんですけど。やることはわかっていたので自分のプレーをするだけ。うまくはいかなかったですけど。(パナソニックの印象は?)やっぱりディフェンスは強い。でもこのレベルで自分のプレーができないと上ではやっていけないと思うので。このインテンション(強度)のところを僕の身体自体に馴染ませていくっていうか、このレベルで自分のプレーができるように。
(準備し続ける前半戦だったと思うが、モチベーションの維持で苦労は?)絶対チャンスは来るって思っていたので。維持は大変なところもあるけれど、折れずに待てました。そこでどう自分のプレーができるか。サテライトでアピールして、2ndステージはスタートで出れるように。今日、強いパナソニックとやれたことを自分の自信にしたい」

 この試合をもって、ジャパンラグビートップリーグ2013-14シーズンの1stステージは終了。リコーは11月末に再開される2ndステージまで約1ヵ月の休止期間に入る。ただし、リコーはサテライトリーグの試合を3試合組んでおり、神鳥監督が話していた通り合宿も予定されている。実質的にはここまでと同様のテンションのタフな毎日が続くだろう。1ヵ月でチームはどこまで変われるのか。日本選手権に向けて突き進む、自信溢れるリコーブラックラムズの姿がぜひ見たい。なお、2ndステージのスケジュールは、11月初旬に発表される予定だ。


(文 ・ HP運営担当)

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