Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2013-2014 トップリーグ 1stステージ第5節 対 近鉄ライナーズ

2013.10.08

1stステージを勝ち抜くために、負けられない試合

 2日(水)午前、弱い雨の中で第5節の近鉄ライナーズ戦を前に全体練習が行われた。前節は体調不良で欠場したFL野口真寛も元気に声を出す。キャプテンのWTB小松大祐やLO柳川大樹らも、メンバー入りすると思われるAチームの選手たちに向かっていく。トップリーグの激しい戦いでケガ人が多く出る中、グラウンドに戻る努力を続けてきた選手たちの復帰は心強い。

練習を終えた田沼広之フォワードコーチは、そうした状況に笑顔を見せつつ、こうも言う。
「抑えるところは抑えるように言っています。ケガが治った直後、もう一度ケガする選手を数えきれないほど見てきたから。試合での数十分の無理が、選手寿命を数年縮めることもある」。選手のはやる気持ちのコントロールしつつ、シーズンを通じた選手起用に心を砕く。

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 雨も予想された近鉄花園ラグビー場での近鉄戦だったが、薄い雲がかかる程度の好コンディションに恵まれた。

最初のチャンスはリコーに訪れる。SO河野好光が深めに蹴ったキックオフボールを追いWTB渡邊昌紀が走る。キャッチした選手にプレッシャーをかけ、ラックでリコーが圧倒するとボールがこぼれ、近鉄にオフサイド。1分、正面やや左の22mラインを越えたあたりから、FBピータースダニエルがペナルティゴールを狙うがこれは不成功。
ドロップアウトをキャッチし、自陣から攻めようとしたリコーはラックでボールを放せずペナルティ。タッチキックを蹴られゴール前ラインアウトのピンチを迎えたが、モールディフェンスに成功し守りきる。

その後互いにキックを使い一進一退の時間を経て9分、リコーに再びチャンス。ハーフウェイライン付近のラックでボールを奪った近鉄が攻め上がったが、オフロードパスのタイミングがずれてスローフォワード。

リコーは自陣右中間5m付近のスクラムからボールを出すと、スクラムの左をWTB星野将利が縦に突く。近鉄がディフェンスでオフザゲート。SH池田渉がタップキックを蹴りすぐに再開。展開し左サイドをWTB渡邊がゲインし敵陣に攻め込む。

ラックからさらにつなぎ、FLロトアヘア ポヒヴァ大和からのパスを受けたLOカウヘンガ桜エモシが中央を突きゲイン。10分、22mライン付近にボールを下げると、SO河野が広いギャップを見つけディフェンスラインの裏にゴロキック。右中間に向かって転がったボールを、走り込んだNO.8マイケル ブロードハーストが押さえてトライ。コンバージョンも成功しリコーが7-0と先制した。

開始10分はセットプレーのミスが目立った近鉄だったが、ブレイクダウンでの激しさはリコー以上のものがあった。15分にはハーフウェイライン付近のリコースクラムでボールを奪いアタック。リコー陣内に侵入すると、ハンドリングミスは出るがすぐにボールを奪い返すアグレッシブさで試合のペースを握りにかかる。

19分、近鉄はリコーのハイパントをキャッチして15番がカウンターアタック。リコーはタックルミスでゲインを許すとフェイズを重ねられ、じりじりと前進される。

右中間22mライン手前でリコーがホールディングのペナルティ。近鉄はタッチキックを蹴りゴール前ラインアウトとすると、モールで右中間を押す。リコーフォワードが奮闘しラックに移行したが22分、近鉄12番が持ち出しゴールラインに迫ると、最後は6番がグラウンディングしてトライ。コンバージョンも決まり近鉄が7-7に追いつく。

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再開後、リコーは25分にCTBリキ フルーティが負傷し徳永亮と交代。徳永がSO、河野がCTBへ入った。

直後にハーフウェイライン付近右中間のスクラムからWTB星野、SO徳永、CTB河野とパスをつなぎオープンサイドを攻める。ポイントをつくるとSO徳永がタックルを受けながらもパスをつなぎ、NO.8ブロードハーストが左中間をゲインする。さらにFLロトアヘアが鋭く突き、中央22mライン付近を再びLOカウヘンガが突く。しかし猛烈なディフェンスに遭いボールをリリースできずペナルティ。いいアタックを見せたがトライにはつながらず。

近鉄は34分、ハーフウェイライン付近のスクラムからアタックを継続。ブレイクダウンで優勢を保ち、じりじりと前進。そして10番がPRの間のギャップを抜けゲイン、22mラインを越えると走り込んだ8番にパスし中央にトライ。コンバージョンも決めて7-14と勝ち越した。

38分にも力強いアタックを見せると、リコーが自陣でオフサイド。近鉄はゴール前ラインアウトからモールを押し3連続トライ。コンバージョンも成功し7-21とリードを広げ、試合を折り返した。

ゴール前で粘り強く攻めたが、トライ重ねられず

 後半早めにトライが欲しいリコーは、開始直後の近鉄のアタックをディフェンスし、チャンスを待つ。だがノットロールアウェイを犯し、タッチキックを蹴った近鉄がゴール前ラインアウトのチャンスをつかむ。

2分、ラインアウトを経て、左中間にできたラックから中央を突く近鉄のアタックを一度止めたが、次のフェイズで8番がギャップを突き、インゴールに持ち込まれ中央にトライ。コンバージョンも成功し7-28と点差を広げられた。

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ここからリコーが攻める時間帯となる。キックオフボールの争奪で近鉄にオブストラクション。タッチキックでゴールのそばまで前進すると、ラインアウトからモールを組む。じりじりと押しゴールに近づくと近鉄がオフサイド。最後尾でボールを持っていたFLロトアヘアがリスタート。ゴールまであと1m足らずに迫ると、ここからリコーが粘り強く攻める。中央をSO徳永、左サイドをWTB渡邊、さらに再びロトアヘア、NO.8ブロードハーストも縦に突いていく。再び近鉄がオフサイドを犯すと、リコーはタッチに蹴り出しラインアウトからの勝負を選ぶ。

キープし近場を攻めたリコーだったがラックでターンオーバー。タッチキックを蹴られ、やや後退したがリコーは再び攻める。今度はノックオンでボールを渡すが、スクラムからのキックを拾ってもう一度展開。ゴール前の攻防に持ち込む。パスを受けたWTB星野が鋭く左サイドを突き、トライまであとわずかに迫ったが、足首をつかまれ惜しくも届かず。

そしてボールがこぼれると、拾った近鉄がキックで前進。ラックでリコーが反則を犯し近鉄ボールのスクラムとなり、約10分にわたるリコーの攻勢は得点につながらなかった。

直後の14分、リコーはHO川口顕義を森雄基に、PR藤原丈宏を柴田和宏に交代。16分にはSH池田に替えて山本昌太を送った。

山本は試合に入った直後、ペナルティからのリスタートで俊敏さを見せ、ギャップを抜けてゲイン。つないだボールを受けたHO森も大きくゲインしチャンスに。22mラインそばまでボールを運んだがゴール前でノックオン。惜しい攻撃を見せた。17分にはFL野口真寛に替わり川上力也がピッチへ。

22分、CTB河野が敵陣深くに蹴り込んだキックを処理した15番にWTB星野が襲いかかり、ゴール前でのボールの奪い合いとなる。近鉄がボールをキープしていたが、倒れ込みのペナルティ。リコーはタッチに蹴り出しラインアウトからトライを狙う

近鉄にボールを奪われたが、タッチを狙ったキックをキャッチしたWTB星野がクイックスローインで再開。近鉄陣内中央5mライン付近のラックから、SH山本が出したボールを持ったSO徳永が自ら仕掛け一気にゲイン。22mライン付近まで前進しラックをつくると、SH山本がライン裏へキック。これは相手ディフェンスが反応しインゴールでセーブされた。

24分、近鉄が自陣5mライン付近のラックで反則。リコーはリスタートして攻めると、左中間から展開。右サイドのWTB星野まで回しゴールまで約5mに迫る。ラックをつくり展開すると近鉄の飛び出しが早くオフサイド。リスタートしたFLロトアヘアへのタックルも早く、ゴール前での連続の反則に対しレフリーがペナルティトライを宣告。リコーは25分、正面からのコンバージョンも決めて14-28。残り15分、2トライ2ゴールで追いつける点差とした。

だが、リコーは直後のキックオフボールをキープできず、右サイドタッチライン際のラックでボールを奪われる。近鉄23番にボールが渡ると右サイドを突破。26分、インゴールへ運ばれトライを許す。コンバージョンも成功し14-35。再び近鉄の背中が遠ざかった。27分、リコーはLO生沼知裕に替わり赤堀龍秀。

32分、リコーは自陣からのペナルティキックでゴール前へ。ラインアウトからトライを狙う。モールで近鉄がペナルティを犯すと、LOカウヘンガがリスタートし猛然と前進。つかみかかるディフェンスを引きずって右中間インゴールにボールを持ち込みトライ。コンバージョンははずれたが、3つめのトライを挙げ19-35とした。

残り約6分、4トライのボーナスポイントに向けて攻めるリコー。ハーフウェイライン付近での攻防から、SO徳永らが積極的に前に出ていく。32分にWTB渡邊に替わり試合に入った長谷川元氣らも鋭くギャップを突いた。

39分、自陣22mライン付近で近鉄がノックオン。さらにスクラムで近鉄にペナルティ。リコーはLOカウヘンガがリスタートすると再び近鉄が倒れ込み。アドバンテージが出たのを見て、CTB河野がライン裏へキックを蹴るがこれは決まらず。ホーンが鳴り、LOカウヘンガがタップキックして最後のアタックをかける。だが密集の中でボールは近鉄サイドにこぼれ、23番が蹴り出してノーサイド。

リコーは前節に続き、勝ち点を獲得できないゼロポイントの敗戦。勝ち点は8のままで変わらず、プールB7位に順位を落とした。

「ポイントサイドの素早いポジショニングができなかった」(PR藤原丈宏)

神鳥裕之監督

「勝たないと次はないというくらいの覚悟で臨んだ試合でした。前半早々にいい形でトライが獲れて、これから自分たちの時間にしていきたいと思っていたところで、近鉄さんのフォワードの勢い、厳しいプレッシャーの中でなかなかリズムをつかめずに、悪い流れを結果的に試合の最後まで変えることができなかった。完敗です。
(ディフェンスがうまくいかなかった?)何が原因なのか。コンディションの影響があったのか。見ていても動きが重く、前に出られずディフェンスのラインスピードが上がらなかった。ブレイクダウンで受けに回り、相手にいいリズムでボールを回させてしまった。悪循環が続いてゲームのリズムをつくっていけませんでした。  引きずらずに次に向かっていくしかない。残り2つまだあるので、しっかり獲って、光が見えてくる可能性もまだありますので。 (後半、SH山本昌太、SO徳永亮らが思いきりのいいプレーもあった。評価は?)彼らにはテンポアップを図ってほしいというメッセージを試合前から送っていました。彼らの強みを出してくれたと思いますね。今後に向けていいパフォーマンスを見せてくれたと思います。
WTB小松(大祐)は次のキヤノンとの練習試合で出場させる予定です。そこで試運転という感じですね。日本人選手については来週、再来週で戻ってくる選手も多い。明るい材料もあるので、開き直って戦います」

武川正敏バックスコーチ

「前の2試合はブレイクダウンで相手のボールをスローにして、その間に準備して前に出られていました。今日はそこができていなかった。アタックでの激しさ、荒々しいというよりは、しっかり前に出ることを意識する。2週間、みんなで集中していきたい」

ゲームキャプテン・FL野口真寛

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「個々のタックルで受けていたので、それでゲインラインを少しずつ下げられていました。それでリポジションが遅れたりして。そういうことが少しずつ積み重なり今日の試合の結果になったのかなと。敵陣に入ってからの要所要所でのミスも目立ちました。2週間を使ってしっかり修正していきます。(勝ち点)5点5点とっていくしかないので」

CTB山藤史也

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「強いランナーに対して、高く入ってしまった。ゲインされてディフェンスが後手後手に回る感じだった気がします。原因はすぐには挙げられないけれど、アタックもディフェンスも受けていた感じがします。明らかに東芝とやったときとは雰囲気が違った」

PR藤原丈宏

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「コミュニケーションのところとか、ポイントサイドの素早いポジショニングができなかった。あとは個人個人のタックルとか。もちろん自分も含めて。モールディフェンスも今日は止めると言っていたんですけど獲られてしまった」

FBピータース ダニエル

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「(試合前に意識していたのは?)欲しいのは結果だということ。それから頭を上げること。頭を上げてもっと前に出るということ。ディフェンスは、システムはよかったと思います。でも、タックルのとき相手を絶対に倒すという気迫が大事なときに足りなかった。逆に相手にはそれがありました。
でもまだ、あきらめない。2つ勝ってトップ4に入っていく。ケガした選手も戻ってくるし、全員そろってリコーのベストを見せたいと思います」

SO徳永亮

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「急な出場でしたが、準備はできていました。入ってすぐ(池田)渉さんから自分の力を示す機会だぞと言われ、気持ちが引き締まり緊張もほぐれました。
後半は点差もあり、チームとして攻めることを共有していたので、攻めるサインを出しました。
フェイズを重ねていくうちにディフェンスのギャップができてきた。自分が抜ける場面もつくれたし、空いているところにパスを供給できた場面もあった。ミスは多かったけれど、ボールキープできれば、チャンスはつくれると実感しました。ミスなく継続させることが勝つための近道。自分たちがボールを保持している時間が長ければ負けない。
(成長できているシーズンでは?)チャレンジさせてもらっています。ヤマハ発動機戦(第2節)でディフェンスが悪く、キヤノン(第3節)との試合に出られなかったのですが、それはわかっていた部分でもありました。ムラを無くすことが試合に続けて出るためには必要。同じパフォーマンスを継続的に出すことが今の目標です」

SH山本昌太

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「流れが悪かったので、テンポアップだとか展開のところで、自分が監督やコーチに求められていることを全力でやろうと考えて入りました。テンポアップは自分の持ち味でもあると思うので。試合の流れからしても、球を動かせばなんとかなると思っていました。
(実際にはどの程度できた?)チームとしてフォーカスポイントにしてきた2人目のサポートができているときは、球もしっかり出てきていた。少し遅れてしまうと外国人選手など相手のキープレーヤーにボールに絡まれてスローダウンさせられていた。
春・夏の練習試合などを通じて、トップリーグで今の自分ができることが何かは、少しずつ見えてきています。今日の長いゲームタイムの経験を今後に生かしていきたいです。
(ライン裏へのキックについて)前を見たら空いていたのと、バックスから声が聞こえたので。自分は回りの声が入らないとよく言われるので、試合に入る前に、他のメンバーの声をよく聞こうと意識していました」

LO赤堀龍秀

「点差を考えてインパクトのあるプレーをしようと思っていました。(4トライで得られる)勝ち点1を狙うということだったんですけど、セットプレーも安定させられず結果をだせなかった。
今週意識してきたのは2人目の寄り。チームにはインパクトのあるプレーヤーがいるので、そういう選手をいかにはやくサポートするか。自分の役割を考えて練習してきました。残りを勝つしかない。自分がいつでもいけるように準備することで、今先発出場しているメンバーが全てを出しきれるよう支えていきます」

 この試合の翌日に行われたキヤノンイーグルスとクボタスピアーズの試合は、クボタが勝利した。そのため、プールBは4位から7位までの勝ち点差が4という混戦が続くことになった。この後2試合の結果次第でリコーが4位以内に入る可能性はまだ十分残されている。

次節、10月20日(日)14時より、新潟・新発田市五十公野公園陸上競技場で行われるクボタ戦も、とにかく勝つしかないゲームとなる。まずは1stステージ最終戦まで望みをつなぐべく、リコーは全力でクボタに立ち向かうことになる。


(文 ・ HP運営担当)

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