Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2013-2014 春季オープン戦 対 近鉄ライナーズ

2013.06.12

勝負へのこだわりもって戦う ―― 春のオープン戦開幕

 2013-14シーズン最初の対外試合は、毎年の恒例の近鉄ライナーズとの定期戦。1年ごとに互いのグラウンドで開催されているが、今年はリコー総合グラウンドで試合が行われた。

「チームづくりは、トップリーグ開幕戦を目標に進めています。春のオープン戦は過程の確認。ただその中でも、1戦1戦、勝負にこだわって戦うことを求めます」。神鳥裕之新監督はオープン戦をそう位置づける。先発メンバーには、ルーキーや2年目の選手の名前も並び、チーム内の競争は昨シーズンからさらに活性化しそうな様子もうかがえた。

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 13時、梅雨入りした6月とは思えない晴れ空の下、近鉄のキックオフで試合が始まる。直後、リコーは自陣10m付近、右サイドのラインアウトから展開。CTBダニエル ピータースが左中間を突くがハーフウェイライン付近で捕まり、ターンオーバー。近鉄は勢いに乗ってリコー陣内に攻め込む。左右にボールを回し、フェイズを重ね22mラインを超えたが、ノックオンでリコーにボールが渡った。

リコーはスクラムから出したボールをSO徳永亮がキックして前進。相手のラインアウトのミスを突いてさらに前進。10mライン付近までボールを戻す。左中間のスクラムからボールを回し、右中間からルーキーのFB高平拓弥が思い切りのいいアタックを見せ、絡んできたディフェンスからノットロールアウェイを奪う。ペナルティキックで近鉄陣内に侵入したが、ミスとペナルティでボールを奪われた。開始からの15分は互いに攻撃の局面をつくり試合は進んだ。

次のチャンスはリコーに訪れる。自陣浅めのスクラムで近鉄のコラプシングを誘うとキックで近鉄陣内へ。ラインアウトを確実にキープするとグラウンドをワイドに使いアタックを仕掛ける。両サイドをキレよくえぐりポイントをつくり前進していく。22mラインを超えてゴールラインに迫ったが、惜しくもノックオン。

近鉄はスクラムからボールを出しキックでエリアを取り戻したが、リコーはラインアウトからボールを回し再び攻める。22mライン付近右中間で、SO徳永がギャップを突く動きを見せると近鉄に反則。リコーはペナルティキックを左サイドに蹴り、ゴール前ラインアウトから近場を突く。ラックをつくりフォワードが力強くぶつかっていくが、近鉄もよくこらえゴール前でのしのぎあいが続いた。リコーはほぼ正面ゴール前のスクラムを得てフォワード勝負を仕掛ける。しかしここでペナルティを犯して近鉄ボールに。風上の近鉄は距離の出るキックを蹴り、ハーフウェイライン付近まで押し戻した。

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 25分頃より、近鉄がリコーのペナルティと風上のアドバンテージを生かしゲインを繰り返しリコー陣内深くに攻め込む。リコーも「アクション!」の声をかけあいながら素早くラインをつくり続け、崩されることなくディフェンスに取り組んだ。一度ノックオンを誘いボールを奪ったが、スクラムでターンオーバーされ、さらに反則。31分、近鉄は右中間22mライン内側からスクラムを押すと、一瞬の隙を突き、左サイドに大きく展開。密集にやや寄り気味だったリコーディフェンスのギャップを破り、13番が左中間にトライ。コンバージョンも決まり近鉄が0対7と先制した。

その後、リコーは33分にキックオフボールを得た選手に激しいタックルを決めてノックオン。スクラムで反則を奪いゴール前ラインアウトを獲得する。しかしミスが出てボールを奪われチャンスを逃す。さらに35分にもゴール前ラインアウトを得て左サイドから展開し右サイドを突いた。しかし出足のよい近鉄のディフェンスに阻まれトライを奪えず。結局0対7のまま前半を終えた。

チャンスを生かし3トライ。終盤も集中力切らさず

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 後半は開始直後にリコーがアタックを見せる。SO徳永、FL森谷和博らが鋭く突破しゲインを見せた。さらにスクラムでペナルティを獲ると、タッチに蹴り出しゴール前ラインアウトからアタック。右サイドから展開しトライを狙ったが、やや連携が乱れパスがスローフォワードと判定されトライならず。

近鉄がキックなどで押し戻し、近鉄陣内浅めの位置で一進一退が続いたが、リコーはFL森谷のターンオーバーを起点に攻める。WTB渡邊昌紀がゴール前にボールを運びポイントをつくると、フェイズを重ねディフェンスを揺さぶる。そして10分、手薄になった左サイドを抜けて後半出場のCTBリキ フルーティーが左中間にトライを決めた。SO徳永がコンバージョンを決め、リコーは7対7の同点とした。

次の得点もリコーに。ハーフウェイライン付近のスクラムサイドを後半から出場のNO.8ポヒヴァ ロトアヘアが突く。これはノットリリースザボールを獲られたが、このペナルティを起点とした近鉄のアタックをしのぐと、ラックからこぼれたボールを奪いリコーが左サイドを突く。15分、最後はスピードに乗って走り込んだWTB小松大祐がインゴール左隅に飛び込んでトライ。コンバージョンは外れたが12対7とリコーは勝ち越しに成功した。

後半20分を過ぎると、リコーはHO芳野寛、FL武者大輔、CTB塩山瑛大など若手選手が登場しさらに活気づき、近鉄陣内でプレーを続けた。27分には右中間のスクラムから中央をフォワードが縦に突き、トライを狙って激しくファイト。インゴールに持ち込むがこれは惜しくもグラウンディングならず。

しかし試合の最終盤、ゴール前の攻防で近鉄がオフサイドを犯すが、クイックリスタートを試みたSH神尾卓志のタップキックが不十分だったとして近鉄にボールが渡る。このボールをキープした近鉄がリコー陣内へと攻めあがり、リコーにオフサイドなどの反則も出て一気にゴール前まで攻め込まれる。

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 最後の力を振り絞りディフェンスしたリコーは、なんとかマイボールスクラムを獲得すると、ゴールライン間近から追い風を生かし敵陣にキックを蹴り込む。近鉄最終ラインの背後に転がったボールを、判断よくスタートしたWTB星野将利がチェイス。近鉄陣内中盤でボールを処理しようとしたバックスの選手を捕らえ、追いついたリコーの選手がこれをすかさずサポート。39分、こぼれたボールを拾ったリコーはCTB塩山につなぎ中央へトライ。コンバージョンも決めて19対7。厳しい場面をしのぎ、訪れたチャンスをしっかりと仕留めたリコーは、このままノーサイドのホイッスルを迎えた。

「ブレイクダウンでさらなる激しさを」

「結果がでたことはよかったです。ただ、春の1戦目ということで、練習通りいかない部分もありました。ブレイクダウンのところで激しさがほしかった。ボールランナーはもう少しハードにいければ……。コンタクトシチュエーションで激しくいくというのは、決めごと以前の原則なので。あと、ボールを動かす意識はいいのですが、パスミスやハンドリングエラーもありました。
判断でいうと、オフロードパスをすべきか、ラックにして次の攻撃に備えるべきかの判断で改善の余地がありました。オフロードパスを通そうとしてボールを奪われるケースが少し目立っていました」(神鳥監督)

「春先からやってきたことで、通用した部分もあったし、通用しなかった部分もありました。サインプレーのパターンやコミュニケーションのところは精度を上げて、スタンドオフとしてフォワードやバックスが迷いなくプレーできるようにリードしていきたい。チームには昨シーズンから、さらに一体感が高まっているのは強く感じます。今日は勝った上で反省点も見えてきたので満足しています」(SO徳永亮)

「今シーズン第1戦ということで気合いは入っていました。ただ、新しいことにも取り組む試合だったので、すべてはうまくいかないだろうとも思っていました。フォワードでは、そうなったとしても思い切ってやろうと声をかけあっていました。思い切りはよかったと思います。シンプルなプレーをハードに、という意識は保てていたのでは。ただ、まだここからなので、1つひとつレベルを上げていきたい」(FL森谷和博)

 若手からシニアプレーヤーまで、幅広い世代が出場した試合であり、今季初戦でありながら、チームとして一体感を感じるプレーも何度か見られた。以前より続けられてきた、チームが結束するための選手とスタッフの努力は、年度をまたぎ熟成の兆しを見せた。さらに今シーズンより神鳥新監督と小松大祐キャプテンらが中心となり取り組む、密度のあるコミュニケーションをチーム内にもたらそうとする努力も、新たな刺激となり結束を強固なものへと変えている。
 積み上げてきたものを生かしながら、変わるべき部分を変えていく――新しいリコーの挑戦は、まずまずの内容で幕を開けた。


(文 ・ HP運営担当)

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