Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2012-2013 トップリーグ 第5節 対 福岡サニックスブルース

2012.10.10

自分たちのラグビーを信じ、準備を続けたリコー

 開幕4連敗。ここ数年味わったことのない厳しい結果にも、選手たちは下を向かずに準備を続けてきた。自分たちのラグビーを貫こうとする気持ちは、階段を登りつづけてきた一昨年、昨年よりも強いように感じられる。何があろうが「自分たちはやれる」と信じ抜ける本当の自信を得る過程で、このステップはとても大切な状況だといえる。
だが同時に、勝利することでしかできない前進もある。2週間のインターバルをとって迎えた福岡サニックスブルースとの第5節は、当然負けられない試合だった。

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 ボールを丁寧にキープするリコーのペースで試合が始まる。前半6分、自陣中央10mライン付近でサニックスにノットロールアウェイ。ペナルティキックを大きく蹴りだし、敵陣22mラインまで攻め込む。右サイドのラインアウトからボールを回しアタック。FB小吹祐介が右サイドを突きポイントをつくると、そこから大きく展開。SO河野好光、CTB山藤史也とつなぎ、左中間からNO.8マイケル ブロードハーストが走り込んだWTB小松大祐にパスを通し左隅にトライ。ゴールは外れたが5対0とリコーが先制した。

その後も出足のよいディフェンスでボールを奪い、SO河野のキックでリコーが試合をコントロールする。16分、敵陣に攻め込み22mラインを越えていくとサニックスに反則。左中間でボールを持っていたSH池田渉が隙を突いてリスタート、左サイドのWTB小松にパス。ゴールまであとわずかの位置でラックをつくりFWが縦の突進を繰り返していく。頃合いを見て展開。左中間のSO河野からほぼゴール正面の位置のCTBワイナンド オリフィエにパス、その間に走り込んだFB小吹にボールを戻すと中央にできたギャップを真っ直ぐ抜けてトライを決める。ゴールも決まり12対0とした。

やや試合が膠着し、サニックスがアタックを見せるシーンが増え始める。24分、リコーは自陣で反則を犯しゴール前ラインアウトを与える。これをキープしたサニックスが展開。中央のわずかなギャップを突いて11番がトライ。ゴールも決めて12対7とする。

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 31分、リコーは再び敵陣に攻め込むと、中央ゴール前スクラムからボールを出し、走り込んだWTB星野将利につないで左中間にトライ(ゴール成功)。膝のケガから復帰した星野による2年ぶりのトライで19対7と点差を広げた。

その後、35分にリコーが攻め込むとゴール正面の位置のオフサイド。ゴールが成功し22対7。40分にはサニックスが攻め込むと左中間でディフェンスに行ったFB小吹の足がランナーに引っかかりペナルティ。サニックスもゴールを決め22対10で前半は終了した。
FB小吹は前半最後のプレーで一時的退出を科された。

後半粘るサニックスのアタックしのぎ、流れつかむ

 後半は数的有利とインパクトプレーヤーの力でサニックスが攻勢をかける。リコーはハンドリングミスなども出て、自陣でディフェンスに追われた。9分、一時的退出が解けたFB小吹を横山伸一、PR柴田和宏を高橋英明、CTBオリフィエをロイ キニキニラウに交代。キニキニラウがインサイドWTBに、小松がインサイドCTBに入った。交代直後のFB横山伸一の自陣からのゴロキックでエリアを取り戻すと、いいディフェンスで相手を敵陣に押し込んでいく。

12分、一瞬の隙を突かれラインブレイクを許すと、サニックス陣内22mライン付近から一気にリコー陣内へ。タックルミスもあり右中間のゲインを許し、ゴール前でパスをつながれ10番が右隅にトライ。ゴールも決まった。

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 22対17と点差が詰まったが、リコーは反撃を見せる。FB横山伸のハイパントや19分にSO河野に替わって入ったSO津田翔太のキックなどで22mラインを越えていく。

しかし20分、ゴール前のラインアウトからアタックを仕掛け、WTBキニキニラウが力強い突破を図り、ラックから展開したが、このパスをインターセプトされる。22番が一気に前進し、リコー陣内深くまでボールを運び、同点となるトライまであとわずかに迫ったが、必死に戻ったWTB星野らがなんとか捕まえゴール前で止めた。21分にNO.8マイケル ブロードハーストをコリン ボークに交代。

この大ピンチをしのいだリコーは22分、自陣左中間のスクラムからオープンサイドに出したボールをSO津田、CTB小松へ。小松からパスを受けたFB横山伸が自陣右サイドから仕掛け、ディフェンスラインを突破。加速し敵陣22mラインに迫ると、その内側を走りフォローした小松につなぎ中央にトライ。ゴールも成功した。このトライで29対17と再び引き離す。

さらにその直後の25分、敵陣に入り中央22mライン手前のスクラムからサインプレーを見せる。SH池田が左に走り、NO.8ボークが右のFB横山伸へ。横山伸はパスダミーを入れ正面のギャップを抜けると、その内側をフォローしたNO.8ボークにパスし、ポスト正面にトライ。ゴールも決めて36対17。

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 勢いに乗ったリコーは、その後も36分に敵陣左中間のスクラムから展開、SO津田が自ら仕掛けて中央付近のギャップを抜けると内のWTBキニキニラウにパスしてトライ。さらに40分、ホーン後粘り強くフェイズを重ねてできたギャップを抜けてSH池田渉がポスト右にトライ。

リコーは計7トライで今シーズン初勝利を挙げた。マンオブザマッチには小松大祐が選ばれた。

「この4敗がおかしな結果かといえばそうではない。 一戦一戦、最後のつもりで闘います」(HO滝澤佳之)

WTB・CTB小松大祐

「ここ数試合、BKがボールをもらうシチュエーションがなかったので、バックスリーの間ではチャンスがあれば、自陣からでもボールをもらって攻めようと声をかけていました。それに対し、みんなよく反応してくれた。その直前まで、相手の攻撃に対し受けに回っていたので、自陣から仕掛けて攻める気持ちを示そうとしました。
(4連敗中で、チームの雰囲気はどうだった?)僕自身はキャプテンとして考えすぎてしまった部分はあった。でもチームのほかのメンバーが元気よく声を出して、練習を盛り上げて一体感を出してくれた。そのおかげで自分たちのプレーをすればいいのだと、集中できるようになった。
前節では、やや孤立したアタックが目立ちましたけど、あれをしっかりサポートすれば必ずチャンスになると確認して。それは実行できました。4連敗してはいたけれど、ディフェンスしているだけでは勝てないという意識はずっとある。どこかでアタックを仕掛けていくことは皆の頭の中にあった。ネガティブにならずにやれたのだと思う」

CTB山藤史也

「チームの雰囲気は悪かったわけではない。悪いラグビーをしていたわけでもなかった。詰めの部分でうまくいかなかっただけだと思っていました。
(フィニッシュについて修正があった?)形でやろうとするから、自分の頭で判断するのをやめていたのはあるかもしれない。最後は自分の判断でいくところだと思うので。あとはFWでゴリゴリいくか、BKで回すか、そのバランスをとろうという話は出ていましたね。そこは上手くいったと思う」

LO馬渕武史

「セットプレーは2週間こだわってきたのでそこはしっかりできたと思う。課題はディフェンス。1対1。個々の部分で負けているところはあったので。次の試合の相手のNECは大きな選手が多いが、やっぱりFWから。しっかりファイトしてボールを供給すればBKは今日のようなランニングを見せてくれると思うので」

FB横山伸一

「勝ったことがうれしい。
この4試合、チームの成績をもどかしく思っていました。7人制代表からチームに戻ったのは先週。約2週間練習できました。
(感じたことは?)いいプレーしているのに、それが雰囲気をよくして、いいムードづくりにつながっていない感じがしました。それで単純にコミュニケーション不足なのかなと思って。もっと話そうと声をかけました。獲りきるためには、あんまり形にこだわるだけではなくて、1対1とラインアタックを基本に、状況によって判断していくことも大事。チャンスだと思ったらダイレクトにいこうとは話していました」

HO滝澤佳之

「ケガから全体練習に戻ったのはこの月曜日。約一週間前。今日は勝ったのでそれなりには満足している。でも1勝で喜んでいる場合じゃないので。やっとスタートしたのかなと。ここまでの4試合は、自信もってゲームに臨んでいないのかなとは思いました。やはり勝たないと自信にもつながらないので。
(これまでは獲りきるべきところで獲りきれなかったが?)獲りきる練習が足りなかったのかもしれない。もっと積極的にアタックしてもよかったんでしょうね。今週の練習では攻める意識を感じていたけれども、それが試合で出たと思う。チームとして危機感もあったんでしょうね。今日負けてしまえば、かなり厳しいことは皆わかっていたので。自分自身もプレッシャーは感じていました。でもこういう試合で使ってもらえることは、とてもうれしかった。
(セットプレーは安定しているように見えたが?)課題にはしていたし、声も出ていた。でも今日はディフェンスで課題があった。ここまで、自分たちのラグビーはできていたとはいえ、この4敗がおかしな結果かといえばそうではない。力が足りなかった部分はある。とにかく一戦一戦、最後のつもりで闘ってやっといい勝負ができる。そのための準備を続けるだけ。次の試合は大事」

 リコーは、自力で開幕からの連敗を4で止めた。勝ち点5を挙げた。
「やっていることは間違っていない」と信じ、自分たちのラグビーを貫いたメンバーやスタッフの努力が実った結果だ。勝利という結果がチームにもたらす自信は大きなものであるに違いない。

次節は東京・秩父宮ラグビー場で10月13日(土)14時から行われるNECグリーンロケッツ戦。スピードラグビーを目指すリコーは、一昨年、昨年と接戦でNECに敗れている。これまで何度も上位進出を阻まれたNECを撃破し巻き返しを図りたい。少し時間はかかったが、リコーの形は明確に像を結んだ。今年最後の秩父宮でのゲーム。これまで以上に自信に溢れた大胆なプレーで、盛り上げてくれるはずだ。
準備をしてきたものを信じて、そして仲間を信じきって、リコーはノーサイドまで自分たちの「スピードラグビー」を貫いて勝利を目指す。


(文 ・ HP運営担当)

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