Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2012-2013 春季オープン戦 対 近鉄ライナーズ

2012.05.31

 2012-13シーズンの対外試合も、今回で37回目を迎える近鉄ライナーズとの定期戦でスタート。会場の大阪・近鉄花園ラグビー場第2グラウンドの真夏のような陽射しの下、9月1日(土)のトップリーグ開幕に向けてチャレンジを続ける選手たちは、アグレッシブなプレーで、それぞれ今シーズンへの意気込みを表現した。

HO森のビッグゲインなどで前半3トライを奪う

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 13時、近鉄ライナーズ(近鉄)のキックオフで試合がはじまる。蹴られたボールは自陣右中間にセットしていたHO森雄基の手にダイレクトに収まる。森は迷いなくアタック。競り合おうとして押し上げてきたディフェンスラインのギャップを突破し、相手バックスもステップを切ってかわすと、一気にゴールライン近くまでゲインする。ゴールライン間際で、フォローしていたCTB山藤史也にパス。0分、ポスト左にノーホイッスルトライ。FBダニエル・ピータースのコンバージョンキックは外れたが、リコーが先制し5対0とする。

幸先よく先制したリコーだが、ここから近鉄がリコー陣内で攻勢をかける。リコーは気持ちの入ったタックルを見せるが、タックル後のリリースが遅くペナルティを取られ、近鉄はラインアウトモールでトライを狙う。これをリコーのフォワードが粘り強く止め、反転の機会を探る。近鉄のハンドリングミスにも助けられた。

前半10分過ぎまで近鉄ペースが続いたが、リコーは自陣左中間10mライン付近のラックでターンオーバーを決めると、再びHO森が独走。12分、今度は1人で走りきりポスト左へトライを決める。コンバージョンも決まり12対0とした。

トライ後も近鉄のワイドなアタックを受け、自陣でプレーする状況は続いた。ディフェンスラインはうまくコントロールされ、崩される場面は少なかったが、ペナルティで自陣深くに攻め込まれる場面が続いた。

ゴール前のラインアウトで近鉄がノットストレート。リコーは22mラインの内側のスクラムのサイドをWTBロイ・キニキニラウに突かせる。ラックからボールを後ろに出しSO津田翔太がキックを蹴りハーフウェイライン付近まで戻す。ラインアウトからの近鉄のアタックをディフェンスし、倒れこみの反則を獲ることに成功。リスタートからアタックを仕掛けるが、ノックオンで再び近鉄ボールに。さらに21分にもハーフウェイライン付近のマイボールラインアウトのチャンスを迎えたが、キープできず敵陣侵入を逃した。

その後は一進一退が続いたが、30分、近鉄陣内中央22mライン手前でスクラムを得たリコーは、NO.8森山展行からSH湯淺直孝へ。さらにFBピータース、WTBキニキニラウとつなぎ、右サイドタッチライン際を突く。ポイントをつくると逆サイドに展開。左中間でCTB岩田光がうまく身体をスピンさせタックルをかわし、左サイドをWTB小松大祐が突くと近鉄にペナルティ。タッチキックでゴール前ラインアウトにしてアタックするが、ペナルティで近鉄ボールに。

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 だが久々の敵陣侵入に集中力を発揮するリコー。中央10mライン付近の近鉄ボールのスクラムからの展開に、前に出て止めにかかる。左中間でCTB岩田がタックルを決めると、すぐ立ち上がり後ろに転がったボールを追って確保。これを中央に出しLO馬渕武史がダイレクトに縦へ突進。相手ディフェンスラインに食い込むとサポートが入り、すぐにボールを出しゴール正面にラックをつくる。互いにラインをセットし、ラックそばのディフェンスが薄くなった35分、SH湯淺は反応よく自ら右ラックサイドを突き、そのまま無人のライン裏スペースを走りインゴールへ。コンバージョンも決まり、リコーが19対0とする。よく守り、訪れたチャンスを確実に生かす攻撃を見せてリードを広げた。

39分、リコーは自陣10mライン付近のスクラムでコラプシング。ペナルティキックからゴール前ラインアウトにされ、モールを押し込まれる。崩れたところをさらにフォワードがアタックを継続し、そのままインゴールへなだれ込み5番がトライ。コンバージョンも決まり19対7となって前半を終了した。

後半の入りに攻勢も、トライ奪えず近鉄ペースに

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 ハーフタイムはディフェンスに対する評価と調整箇所、またダイレクトにプレーしていくこと、ペナルティを減らすことなどが選手に伝えられた。最後に「これが一番重要。気持ちを入れたプレーを。ハートを見せてほしい」と山品博嗣監督が声をかけ、メンバーは後半に臨んだ。

リコーのキックオフで後半開始。攻勢をかけたのはリコー。キックオフボールを回す近鉄をタッチライン際に追い込み、ライン外に押し出すとクイックスローですぐさま攻撃。中央22mライン付近にラックをつくる。近鉄にディフェンスで反則が出てリコーのスクラムに。これをNO.8森山、CTB山藤と回し左サイドを突く。山藤の鋭いアタックに近鉄14番がハイタックル。リコーはキックを蹴りゴール前ラインアウトからフォワード戦を仕掛ける。しかし近鉄の粘り強いディフェンスに遭い、アンプレアブルとなりリコーのスクラムに。だがここでアーリーエンゲージ。近鉄はフリーキックをタッチライン外に蹴り、リコーのラインアウトとなるが、アタックでペナルティを犯し、その直後のノット10mバックで一気にエリアを失った。

リコー陣内22mライン付近のラインアウトから、近鉄がボールを動かしてアタック。リコーは再びディフェンスに追われる時間帯となる。相手のハンドリングミスで得たスクラムからキックを蹴るがノータッチ。プレーを切れずカウンターアタックを浴び、攻撃を続行される。そして17分、近鉄がゴール正面のスクラムから12番がギャップを抜けてポスト左にトライ。コンバージョンも決まり19対14とした。

近鉄はその後も出足鋭くリコーのボールキャリアにプレッシャーをかけ、前進を許さず、リコー陣内でプレーを続けた。キックに対してもプレーを切らず、攻撃を続行。25分には自陣のクイックスタートからのカウンターアタックで攻め込むと、ゴール前左中間のラックから8番がギャップを抜けトライ。コンバージョンも決まり19対21と逆転した。

さらに近鉄は30分に、長いキックパスからチャンスをつくり12番がトライを決め(コンバージョン成功)19対28と点差を広げた。

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 リコーは後半途中からグラウンドに立ったシニアプレーヤーたちがペースを奪い返しにかかる。35分には小吹の自陣22mライン付近から左サイドへのキックがうまくタッチを割り、近鉄陣内に侵入。ラインアウトからのアタックをうまく止めボールを奪うと、SH池田渉がすばやい球出しでテンポアップをはかり、じりじりラインを上げる。SO河野好光がキックでスペースを突くなどして試合の流れを変えかけるが、近鉄も最後まで集中力を維持。トライは奪えないままノーサイドを迎えた。 2012-13シーズンの初戦は19対28でリコーは近鉄に敗れた。

80分間チャレンジし、見せた強い気持ち

「まだチームとしては身体を大きくすることを中心にやってきています。フィットネスのほうはまだ取り組めていない。できないことがあるのはわかっていました。そうした中でもどれだけ必死にやれるかを見ていました。フィジカルなところで一生懸命やっていた。ただ、ブレイクダウン周りの(タックルの後のリリースの遅れなど)ペナルティが多かった。これはチームの成熟度とは関係のない部分で、昨シーズンから積み上げてきたことが生かせるところ。改善していきたいですね。
(前半と後半でスコアが一変したが)前半はターンオーバーからトライを獲れました。後半は、失点に影響したキックアウト(ボールをタッチライン外に出す)すべきところでできていなかった場面があった。失点したけれども、全員が必死に戻ってディフェンスした場面もあった。そういう意味では、何かが大きく変わったということではないと思います」(山品博嗣監督)

「春、やってきたことをしっかりチャレンジして出そうということ。そして観に来て下さっている方に何か伝わるような試合をしたいと思ったので、気持ちを前面に出してプレーしようと。あとはうまくいかない時間もあっても、80分間チャレンジし続けようと選手に伝えました。
前半についてはやりたいことができたし、ディフェンスで気持ちを出せたと思う。後半は立ち上がりにトライを獲られないように意識していたけれど獲られてしまった。自分たちの今の状況と理解しなければいけない。みんな意識を変えてやってくれると思う。
(キャプテンとして最初のゲームだが)やることは大きく変えていません。ただ、プレーに対する責任を持とうとは思っていました。キャプテンがしっかり走らなかったり、痛がっていたりしたらチームへの影響は出てくると思うので」(キャプテン・WTB小松大祐)

「リコーでないチームに対して練習でやっていることをどれだけできるか。個々でチャレンジしていこうと話していました。春から練習してきたことに対して実行力はまだこれから。ただ、ボールをワイドに動かされ、それに付き合って抜かれてしまっていたことなどは課題ですね。でも、ブレイクダウンの激しさや1対1のディフェンス、相手の出方に対し試合中に修正できていたことなどいいところはあったと思います。
(個人的には?)久々の試合だったこともあり緊張しました。今シーズンはこういう試合はもちろん、1回1回の練習からチャンレジする姿勢を保ってアピールしていきます。自分たちの世代の選手はみんなそういう想いだと思う。長江(有祐)が日本代表に選ばれたことも刺激受けていますね」(SO津田翔太)

この初戦、山品監督がメンバーに求めた"強い気持ち"を、メンバーがグラウンド上で示してみせた。結果は惜しくも届かなかったが、プレーの端々に選手それぞれの今シーズンへの思いが表れていた。"頂点"という2012-2013シーズンの目標へ近道はない。必死なプレーを続けていくことで一歩ずつ近づいていく。積み重ね、磨き上げていく。――そんな決意が伝わってくる初戦だった。

(文 ・ HP運営担当)

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