Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2011-2012 トップリーグ 第12節 対 東芝ブレイブルーパス

2012.02.02

秩父宮ラグビー場でのトップリーグ最終戦、大一番に

 トップリーグ第12節の東芝ブレイブルーパス(東芝)戦は、前日に行われた他会場の結果を受け、勝利すれば「トップ4入り」「プレーオフトーナメント進出」の可能性が最終節まで残る、重要な一戦となった。同時にチームが掲げてきた「昨シーズンのトップ4から勝ち星」を挙げるという目標へのチャレンジの一戦でもあり、さらにはホームである秩父宮ラグビー場でのトップリーグ最終戦でもあった。

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 14時5分、東芝のキックオフで試合が始まる。キックオフボールの争奪で東芝がノットロールアウェイ。リコーはペナルティキックを蹴り東芝陣内に侵入する。ラインアウトからボールを回し、ディフェンスラインにぶつかっていく。

互いにボールが手につかず、ボールは両チームを行き来したが、リコーが先にアタックの形に持ち込み、CTBマア・ノヌーのパスから両サイドをWTB横山伸一、HO滝澤佳之らが突いていく。さらに、FL川上力也が中央突破を図ったが、東芝ディフェンスが襲いかかり、ボールを放せずノットリリースザボール。

東芝はペナルティキックでリコー陣内にボールを戻すと、ラインアウトからアタック。しかしオフサイドでリコーボールに。
追い風を生かした長いタッチキックで、東芝ゴール前に迫る。ラインアウトでボールを失うが、風下から攻める東芝のキックは伸びず、リコーのチャンスは続く。ラインアウトから今度はモールを組むがノックオン。

22mライン手前の東芝ボールのスクラムはモールに。この密集の中、HO滝澤がボールを奪い左中間を前へ抜け、サポートしたLOカウヘンガ桜エモシが突進。ゴールに迫ると右に展開。CTBノヌーからのパスをFBタマティ・エリソンがワンタッチで方向のみ整え、右サイドのWTBマーク・リーへ。リーは鋭くゴールに迫ったが相手15番のディフェンスでタッチラインの外に押し出された。

東芝は自陣ゴール前のラインアウトからタッチキック、さらにリコーのハンドリングミスとペナルティ(インテンショナルノックオン)で、一気にリコー陣内22mライン付近まで前進する。しかし東芝のラインアウトは真っ直ぐ入らず、リコーのスクラムに。さらにコラプシングが出て、リコーがエリアを取り戻す。

東芝に主導権、前半3トライ

 ハーフウェイラインを挟み、両陣内の10mライン間で互いにアタックを仕掛けあう。互いに隙をみせず、ディフェンスラインを保つ拮抗状態が続いたが、12分、右中間を東芝6番が突進。つないだ13番がライン裏に抜け、外を走った15番にパス。そのままインゴールエリアに持ち込まれトライ。コンバージョンも決まり0対7と、リコーは先制を許した。

リコーはNO.8ジェームス・ハスケル、LOカウヘンガらの突進などでチャンスをつくりかけるがミス。ペースを奪えない。

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 18分、右中間ハーフウェイライン付近のスクラムから東芝がアタック。ボールを展開させ左サイドを突くと、CTBノヌーが猛烈なタックルでこれを止めタッチラインの外へ押し出すナイスディフェンス。ラインアウトをキープし、SO河野好光のタッチキックで東芝陣内10mライン付近までエリアを取り戻した。
このラインアウトでボールを投げ入れようとした相手2番が、タッチライン際のスペースと、列最前列の選手がフリーであるのに気づくと、とっさに短く投げ入れ、戻させるとタッチラインを走り大きくゲインする。

リコーは素早く戻り、ラインを整えるが22mライン付近での攻防では東芝が主導権を握る。20分、クイックボールを出されワイドにアタック。さらにギャップを縦に突きゴール前に迫るとラックから再び展開。最後は左サイドに大きく振って11番がトライ(コンバージョン成功)。ラインアウトの一瞬の隙を突くプレーでつくったチャンスを確実に生かされ、0対14とされた。

奮戦するリコーは、自陣から攻め上がろうとしたところを出足よく詰めてきた東芝のディフェンスにつかまりボールを奪われる。その後、倒れ込みの反則。右サイドゴール前のラインアウトを得た東芝は、モールをつくって前進。リコーのフォワードも必死に抵抗したが27分、モールはインゴールエリアに達し2番がトライ。コンバージョンは外れたが0対19とさらに点差は広げられた。

なんとか前半のうちにトライを返しておきたいリコー。試合の流れを変えることはできず守勢が続く。だが32分、自陣ゴール前で東芝のアタックを食い止めて得た、マイボールスクラムからのパスが高く浮く。インゴールエリアでジャンプして取りにいったSO河野が着地時に転倒。負傷退場する不運に見舞われる。35分、河野に替わって金澤良が入りWTBに。FBエリソンがSOへ、WTB横山伸がFBに入った。

前半終了間際、反則に乗じて東芝陣内に侵入し、SOに入ったエリソンの仕掛けからチャンスを数回つくったが得点は出来ず。0対19のまま、ハーフタイムに。

激しさ取り戻し、リコーの時間つくる

 後半、リコーはPR伊藤雄大に替わり高橋英明を投入してスタート。序盤からペースをつかみにかかるも、押し込まれゴール前でのディフェンスに追われる。ラインアウトを奪いかけるなど意地も見せたが、東芝の力強いモールに押され、コラプシングの反則。

トライを狙う東芝はタッチキックを蹴りラインアウトから再びモールで攻めると、ついにゴールラインを越え、6分に東芝6番がこの日チーム4つめのトライを決めた。コンバージョンも成功させ0対26。

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 点差と残り時間を考えれば、ただちに反撃が必要な状況を迎えたリコー。強風を受け、キックオフがダイレクトでタッチラインを割るミスが出たが、直後に相手にもハンドリングミスが出てボールを取り返す。さらに、スクラムのサイドを突いたNO.8ハスケルの突進に絡んだ東芝ディフェンスがノットロールアウェイ。リコーはペナルティキックで22mラインの内側に入る。

10分、右サイドからのラインアウトをキープすると、右中間でボールを持ったSOエリソンは、ギャップを自ら突いてラインブレイク。その外をフォローしていたWTBリーにパスすると、リーは回り込んで中央に飛込みトライ。コンバージョンをWTB金澤良が決めて7対26とする。

このトライで試合の流れを引寄せたリコー。自陣スクラムから展開し左サイドを突いてビッグゲイン。オフサイドを誘うと、素早いリスタートでゴール前まで前進しアタック。前半無かった激しさを取り戻し、ペースをつかみ15分、HO滝澤佳之を森雄基に、NO.8ジェームス・ハスケルを馬渕武史に、WTBマーク・リーをロイ・キニキニラウに。

東芝もキックでリコーの勢いをいなしにかかるが、CTBノヌーらが接点での激しさを見せてターンオーバーを繰り返し、さらにノヌーからパスを受けたLOカウヘンガの左サイドの突破などで攻勢をかけた。

攻め込むリコーは、右サイド22mライン付近のラインアウトを得るがノットストレートで東芝ボール。追い風にのせてタッチキックを蹴られエリアを失ったが、自陣左サイドのラインアウトからLOカウヘンガが中央突破を図る。さらに密集から素早くボールを出し、FB横山伸を経て大外に張っていたWTBキニキニラウへ。

ハーフウェイライン付近から1人、また1人と寄せてくるディフェンスをハンドオフ。右サイドタッチライン際を走りきってインゴールエリアへ。回り込んで中央へトライを決めた。コンバージョンも成功し14対26。点差を詰め残り20分。見えた逆転への光明に、秩父宮のスタンドは沸いた。

勝負どころで集中力と経験をみせる東芝。キックオフボールの蹴り返しをキャッチするとカウンターアタックを仕掛け、一気にリコーの22mライン付近までゲイン。ゴール前でボールを左右に回しリコーを攻めたてた。

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 リコーは集中し、闘志を前面に出しディフェンスし続けゴールラインを死守。フェイズを重ねる東芝のアタックにも屈せず、ラインを素早く整えてはブレイクを狙うランナーを止め続けた。レフェリーの手が上がりオフサイドの判定。25分、東芝は2トライ2ゴールでも届かない15点差へと広げるペナルティゴールをほぼ正面から狙って成功。14対29とした。

直後、キックオフの落下地点でのブレイクダウンで東芝に反則。ペナルティキックをタッチに出したリコーにゴール前ラインアウトのチャンスが舞い込む。絶対にトライを獲りたい場面だったが、モールで攻めるも押し切れず、展開を図るとCTBノヌーがディフェンダーに包まれ、ボールを放せずペナルティでチャンスを逸した。

その後、とにかく攻めるしかないリコーは、自陣からボールを回しラインブレイクを狙っていくが、東芝は隙を見せずしっかりと網を張り突破を許さない。数日前の降雪の影響を受けたピッチのコンディションも、スピードやステップでの突破を難しくしているように映った。リコーは29分、SH池田 渉を神尾卓志に。

攻め手は欠くも、ディフェンスでは集中力を維持していたリコーだったが、アタックを防ぎ続けてゴール前で得たスクラムからの球出しでハンドリングミス。東芝のスクラムに替わるとアタックを浴び、さらにオフサイドの笛。

33分、東芝はタッチに蹴り出し、左サイドゴール前ラインアウトからモールで攻める。リコーフォワードも意地で押し返す。一瞬、黒い密集が赤い密集を内から外に向かって動かしたようにみえたが、タッチラインの外までは押し出せない。逆に、圧力を押しとどめた東芝は、うまくドライビングモールで外から内へ。インゴールエリアへ達すると16番が右隅にグラウンディング。トライを決めた。

コンバージョンは外れたが、スコアは14対34に。さらに、ホーンが鳴ってからも粘り強く攻めた東芝は、42分にディフェンスラインをこじ開けてトライを挙げた(コンバージョン不成功)。トップ4への望みをつなぐべく挑んだゲームだったが、リコーは14対39で東芝に敗れた。

「申し訳ない。闘って負けたのならいい。でも、そういう感じがしない」(滝澤佳之)

 前節、「とにかく勝ちたい」という率直な思いを口にしていたキャプテンの滝澤佳之は、試合後反省点をこう述べた。
「細かいミスを続けて、修正できなかった。後半の入りの気持ちを前半の頭から持ってこないと。(前半は)タックルやハンドリングミスが出たとき、それぞれが自分に向いてしまい切り替えられなかった。チームとしてもう少し声をかけあうことが必要だった。
楽しみにしていたゲームだったのに、残念です。絶対一人ひとりがもっと出せたと思うし、闘って負けたのならいいんですけど、チーム全体としてそういう感じがしない。特にモール。1年間、昨シーズン苦しめられた東芝のモールにどう対抗するかという思いで練習してきたのに、3つモールでトライを与えてしまった。コーチにも、試合に出ていないメンバー、そして応援いただいているファンの皆さんに申し訳ない」

「気持ち」については、連戦を闘って迎えたシーズン終盤、激しい練習で追い込み士気を高めていくこと、コンディションを整えるのに集中すること、それを両立する難しさもありそうだ。
「でも、チームの雰囲気に頼っていてはいけない。自分の気持ちを高めるにしろ、コンディションを整えるにしろ、足りないと感じたら自分自身で補っていくべき」

FL覺來弦も、試合の感触を反省を交えながら話していた。
「自分たちで勝手にチグハグにしてしまった。大きなことではない。小さな細かいところがうまくいかないことで、チーム全体がうまく機能しなかった。特に前半。
ハーフタイムは、自分たちのやるべきことをやろう、それから少しおとなしい雰囲気だったので、闘志を表に出していこうという話をしました。それはある程度、後半の改善につながりましたが、モールでトライが取りきれていない。
やってきたことが出せない、今日のような試合にはしないこと。最終戦はそれを心がけたい」

山品博嗣監督も、記者会見では「東芝に勝つには足りないものがあった」と述べつつも、淡々と振り返り先を見据えた。
「ハーフタイムは、前半は少しパニック状態の感じがあったので、落ち着いてやろうとは話した。ロッカールームでも、ウォーミングアップでも雰囲気はよくモチベーションも高かった。
(後半、ロイ・キニキニラウ投入直後にトライが生まれたが?)とにかくトライを獲らないといけない状況だったので、(フォワードから外国人選手を外すことで)スクラム、ラインアウトで劣勢になるかもしれなかったけれど、それでも少しはやめに入れるべきだろうという判断をしました。 トップ4入りの可能性は今日でなくなったのは残念です。最終節に勝つこと、ワイルドカードトーナメント、日本選手権を勝ち抜くことへと、私たちの気持ちは切り替わっています」

今シーズンのトップリーグは、最終節2月5日(日曜日)13時からのトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦を残すのみとなった。相手のホーム、名古屋市瑞穂公園ラグビー場。わずか3点届かなかった昨シーズンの借りを返してワイルドカードトーナメント進出を目指す。キャプテン滝澤が言ったように「絶対、一人ひとりがもっと出せる」はずだ。リコーブラックラムズが持てる力を出し切れば、自然と結果はついてくる。

(文 ・ HP運営担当)

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