Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2011-2012 トップリーグ 第11節 対 NTTドコモレッドハリケーンズ

2012.01.28

ラストスパート 再び加速するリコーブラックラムズ

 10試合を終え5勝4敗1分。今シーズンはここまで五分、もしくは勝ちが先行する状況を維持してきたリコー。
「上位チームに対して良い試合をしたすぐ後、内容のよくない試合をしてしまったりする。この流れを減らさないと」
ここ数シーズン、山品博嗣監督、また多くの選手やスタッフが修正を目指してきた、試合ごとのパフォーマンスの波。それが今シーズンは明らかに小さくなってきている。もちろん、実際に勝ちを積み上げるには、パフォーマンスの維持を前提に、もう一歩踏み込んだレベルアップが必要だ。競った試合を闘い抜いて勝利する経験も必要である。
こんなテーマが浮上してきたのは、階段を一段昇り、新たな視界を手にした証だ。

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 1月22日(日)、東大阪市の近鉄花園ラグビー場。12時、第11節NTTドコモレッドハリケーンズ(NTTドコモ)戦。この日、SOに入ったタマティ・エリソンのキックで始まった。

攻め込んだのはNTTドコモ。キックオフの蹴り返しをLOカウヘンガ桜エモシがキャッチし、自陣からカウンターアタックを仕掛け相手ディフェンスラインに突入。リコーは中央ハーフウェイライン付近でボールを右に展開。ディフェンスに絡まれ、ノットリリースザボール。ペナルティキックで10mラインを越え、NTTドコモはリコー陣内でラインアウトを得る。

このボールをリコーは奪うが、こぼれたボールの争奪戦でNTTドコモが再獲得。展開しワイドにアタック。じりじりとリコーディフェンスを後退させ22mラインに迫った。しかしノックオンでリコースクラムに。

リコーは、SOエリソンがキック。NTTドコモは自陣10mライン付近でキャッチ、ボールを回しアタックを仕掛けるが、出足よくラインを上げたリコーのディフェンスラインが押し戻す。NTTドコモは前進できずタッチキックに逃れる。

リコーはラインアウトをキープしハイパント攻撃。だがノックオンでハーフウェイライン付近のNTTドコモスクラムに。NTTドコモは展開しアタックを仕掛けるが、HO滝澤佳之らが鋭く低く刺さり、これもリコーが前に出て止め続け、ついにボールを奪う。一度中央から右へ回し、右サイドでポイントをつくると逆サイドへ。
左中間でCTBマア・ノヌーからのパスを受けたWTB横山伸一が左サイドを一気に抜ける。そのままインゴールに達し6分、左隅にトライ。ターンオーバーから2フェイズで確実に仕留める鮮やかな攻撃で先制。角度のあるコンバージョンを、SH池田渉が決めて7対0。

NTTドコモのキックオフから試合再開。リコーはキャッチしたボールを蹴り返し、エリアを押し戻す。その直後、ラインアウトでオブストラクション。NTTドコモは、ペナルティキックをタッチに蹴り出しリコー陣内に侵入。左サイド22mライン付近のマイボールラインアウトからモールを組む。これが力強く、左中間から内に向かって押す。ゴールに迫ったところで展開しアタックを仕掛けられ、このディフェンスで、リコーにオフサイド。NTTドコモは再びタッチキックを蹴り、ラインアウトからトライを狙う。

リコーはしっかりファイトし、クイックボールを出させない。ゴール前に釘付けにするとラック戦で勝ちターンオーバー。インゴールから、FB小吹祐介がエリア回復を狙うタッチキックを蹴る。
NTTドコモはプレーを切らずカウンターアタック。するすると抜けて再びゴール前にボールを持ち込む。ゴール前の攻防となったが、リコーにノットロールアウェイの反則。NTTドコモはトライにこだわり、再びタッチキックを蹴り右サイドのラインアウトに。再びボールを回しアタックを仕掛けるが、左サイドでリコーがランナーを押し出す。さらに、この日安定感を見せたラインアウトをキープし、ゴール前を離脱した。

前半20分過ぎから、リコーがトライ量産

 ペナルティを重ね、攻め込まれがちだったが、ここからリコーはリズムをつかむ。
18分、蹴り合いからハーフウェイライン付近でリコーがラインアウトを得ると、一番奥のNO.8ハスケルに合わせ、走り込んだSH池田にパス。縦にギャップの突破を図ったがレフェリーと交錯。リコースクラムに。
スクラムでNTTドコモにコラプシング。SH池田が素早くリスタートしパス。これがオフサイドポジションの選手に当たりアクシデンタルオフサイド。

リコーは右中間10mライン付近のスクラムから左へ。SOエリソンが縦に突き、ディフェンスを引きずって前進、その脇を走り込んだCTBノヌーにオフロードパスを通し、ラインブレイク。20分、ノヌーは左中間から中央に向かってステップを切り、待ち構えたバックス選手をはねのけ、大歓声を受けながらポスト真下にトライ。コンバージョンもSH池田渉が決め14対0と点差を広げた。

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 25分に、NTTドコモが自陣22mライン付近のラインアウトをキープすると、バックスに出す。タッチキックを蹴ろうとすると、FL覺來弦が鋭くチャージ。キックは伸びず、右サイド22m付近のリコーのラインアウトに。
LO柳川大樹に合わせ展開、左中間をCTBノヌーが突き、外のLOカウヘンガにパス。ラックをつくると駆けつけたSH池田が拾い、自ら仕掛けギャップを抜け、一気に中央インゴールへ。判断力と衰えぬ俊敏さをたて続けに見せた池田が25分、トライを決めた。コンバージョンも決めて21対0とした。

リコーは引き続き攻め続けた。トライラッシュは続く。30分、左サイド22mライン付近のラインアウトから展開。右サイドを、CTB山藤史也が突き、ゴール前で激しくファイト。ポイントをつくり左へ大きく展開。左中間でCTBノヌーが仕掛け、相手ディフェンスを引きつけると、外のWTB横山伸がパスを受け突破。左中間にトライ。
さらに34分。右サイド22mライン付近のラインアウトから、CTBノヌーが左のCTB山藤へパス。再びノヌーにかえし今度は右のNO.8ハスケルに。ハスケルが力でゲインしゴールに迫ると、内側のHO滝澤へパスし右中間にトライ。

前半終了間際38分には、右中間10mライン付近でNTTドコモにオフサイド。45mの距離があったが、ペナルティゴールを狙う準備を始めたのはCTBノヌー。どよめくスタンド。ノヌーは助走をとりキック。大きな弧を描いたボールは、ポストの右に飛び、惜しくも外れる。
前半5つのトライを量産したリコーが33対0と大きくリードして終了した。

数的不利な状況下で、ディフェンスに乱れ

 後半の立ち上がりはリコーが制する。相手ペナルティ(ノットリリースザボール)のペナルティキックで前進。右サイドゴール前ラインアウトからモールで前進。ボールを持ったLOカウヘンガがオープンサイドに飛び出し突破を図るが孤立しボールを奪われる。すぐさまプレッシャーをかけ、ラックでボールを奪い返すと左に出し3分、CTB山藤が左中間にトライ(コンバージョン成功)。

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 6分にも自陣でボールを得たSH池田が、中央のギャップを抜けするすると前進。敵陣に入ると、10mライン付近で、左サイドをフォローしたWTB横山伸に向かって上半身を捻ってロングパス。これが通り、走りきると左中間から中央に回り込みトライ(コンバージョン成功)。14点を加え、47対0と大きなリードを築いた。

NTTドコモは反則を突きここから攻めた。リコーが自陣からの展開でスローフォワード。さらにスクラムでコラプシング。NTTドコモは左サイド22mラインまであとわずかという位置のラインアウトからアタック。フェイズを重ねて逆サイドにキックパス。リコーの手にわたりタッチキックに逃れた。12分、NO.8ハスケルをマイケル・ブロードハーストに、SOエリソンを津田翔太に、そしてWTBマーク・リーからロイ・キニキニラウへ。

15分、リコーは自陣中央、15m付近のスクラムから左へ出し、SO津田がキック。敵陣深くに転がったが、これをNTTドコモがじりじり攻め上がる。ハーフウェイライン付近で相手6番がラインブレイクし、走りきって中央にトライ。コンバージョンも成功し7点を返し48対7。16分には、HO滝澤から森雄基に、LOカウヘンガから馬渕武史に。

直後17分、キックオフがタッチを割り、中央からのNTTドコモスクラムに。これを展開してアタックを仕掛けてきたNTTドコモに対し、CTBノヌーがタックルにいくと、これが危険なショルダーチャージと判定されイエローカード。10分間の一時退出となる。

18分、14人で闘うリコーは、ペナルティキックで前進を許しゴール前のラインアウトを与えると、NTTドコモはモールで押す。ゴール前でラックに移行したがラックのショートサイドを22番に破られて、トライを許した(コンバージョン成功)。数的不利と大幅なメンバーチェンジの直後ということも影響し、ディフェンスにやや乱れが出た。

23分には、自陣右サイド22mラインの少し外側でNTTドコモにラインアウトを与えると、ボールを奪いにいきノックオン。NTTドコモスクラムとなる。左サイドからNTTドコモはボールを回し連続攻撃。リコーも必死のディフェンスをしたが、右中間を破られ、22番に再びトライを許す。コンバージョンも決まり、3連続トライ&ゴールで48対21。点差をグッと詰められた。

後半残り11分、リコーは少ないフェイズを活かす

 28分、CTBノヌーが復帰すると、リコーは勢いを取り戻す。自陣に攻め込まれるもNTTドコモにオフザゲートのペナルティ。これをタッチに蹴り、自陣右サイド15m付近のラインアウトを得る。ここでPR長江有祐から柴田和宏に。

これを大きく展開すると、中央のCTBノヌーからWTBキニキニラウにつなぎ、外のWTB横山伸へ。横山伸は、自陣から一気に加速して敵陣に侵入。グラバーキックを前方へ蹴ってさらに追う。ゴールラインの手前でボールに追いつくともう一度小さく蹴り、内を走ったWTBキニキニラウへのパスを意識したNZ代表のFBミルズ・ムリアイナをかわし、ゴールラインを超えたところで押さえてトライ。コンバージョンもSO津田が決め54対21。

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 リコーの勢いあるリズムは続く。少ないフェイズを活かして33分、CTBノヌーが中央ゴール前のスクラムからのパスを受け右中間にこの日2つ目のトライ。コンバージョンに成功する。
36分、左中間ハーフウェイライン付近のスクラムからNO.8ブロードハーストがダイビングパス。これがノヌーを経て右サイドWTBのキニキニラウに渡り、タッチライン際を走り、寄せたディフェンスをハンドオフしながらゲインしインゴールへ。右サイドから中央へ回り込みトライ。コンバージョンも決まった。

最後はボーナスポイントをかけ4トライを狙うNTTドコモが粘り強く攻めたが、これを、身体を張ってしのぎ切った。リコーは難敵・NTTドコモから前後半通じて計10トライ。トップリーグ創設以降チーム最多得点の68点を挙げた。

マンオブザマッチは4トライを挙げ、トライの数でもトップリーグ5位タイに浮上した横山伸一が選ばれた。

東京での最終戦。すべてをぶつけスタンドから大声援を!

 試合後、滝澤佳之キャプテンは、気を引き締める言葉から話し始めた。
「前半反則は多かったけれど、一人ひとりが自分の仕事をしてくれた。後半は点差の緩みなのか、少し受けに回る時間があった。そこを徹底できないとさらに勝っていくのは厳しい。
(東芝戦はどんな試合をしたいか?)どう闘うというより、とにかく勝ちたい。それだけです。チャンスもあると思うので。ほんと、そういう気持ちです。
勝つという自信がないと勝てない。みんな勝てると思ってプレーするとは思う。でも、名前負けしないように。東芝と言えば強いなというイメージは自分たちの中にどうしてもある。そこから変えていかないと。(次節、期待をしている社員やファンは多いはず)そういう期待は感じている。それにぜひ応えたい」

4トライを挙げるも横山伸一は謙虚だ。
「みんなが調子よくて。自分はごっつぁん(笑)。マア(ノヌー)からどんなパスが来るかはわからない。サインプレーでも相手次第で臨機応変に調整してくるから、練習中から絶対気が抜けません。いつも、パスが来る、こっちにパスが来るぞ、って思いながらプレーしています。試合で『やっぱり来た』となるとうまくいく。やっぱり、あのような選手なので外にスペースはできます。1対1なら負けない自信があるから、あとはボールもってグラウンディングするだけという感じです。
正直、順位も、勝点も、相手も気にしていないんです。トライだって自分がしてもしなくてもいい。とにかく大切なのは『リコーの勝利』。その一点に集中しています」

今シーズンの目標でもある「昨シーズンのトップ4(サントリー、パナソニック、東芝、トヨタ自動車)チームからの勝利」を目指し闘うラスト2試合。山品監督は――
「(東芝の印象は?)隙らしい隙はない本当に強いチーム。どうしましょうかね?」
だが、言葉とは裏腹に表情に迷いはない。むしろ、試合が待ち遠しそうにすら映った。誰よりも、この『リコーブラックラムズ』を信じ切っているのは、ほかでもない指揮官・山品本人だ。

自力でのトップ4入りの可能性は消滅した。だが、勝ち続ければ、何が起こるかはわからない。次節1月29日(日曜日)14時~秩父宮ラグビー場での東芝ブレイブルーパス戦。リコーブラックラムズは、すべてを出し切る集大成となる。その姿は、就任当初山品監督が目指してきた「観ていて、心が熱くなる」ラグビーとなるに違いない。

ぜひ、スタジアムへお越しいただき、高く分厚い壁を打ち破ろうとするリコーに、大きな声で応援を!

(文 ・ HP運営担当)

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