Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2011-2012 トップリーグ 第7節 対 近鉄ライナーズ

2011.12.21

予想通り、タイトになった前半

「勝者が上位争いに参戦する権利を得るゲーム」

トップリーグ第7節近鉄ライナーズ戦を、山品博嗣監督はそう位置づけて準備をした。春のオープン戦、プレシーズンマッチでは勝っている相手との対戦となった。

「相手は代表組が抜けていましたしね。タイトなスコアになるだろう」。山品博嗣監督は近鉄戦の予想をこう述べ、昨シーズンの開幕戦(14対30)のリベンジを誓って臨んだ。

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 13時、京都市・西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場に試合開始のホイッスルが吹かれ、近鉄のキックオフで試合が始まる。天気は晴れ。風も弱く寒さもそこまで感じない好コンディションだ。

序盤、リコーが敵陣のディフェンスでオフサイド、ラインアウトでのバージングとペナルティを2つ続けると、近鉄がタッチキックを蹴りリコー陣内に侵入、攻勢をかける。

リコーは自陣でのプレーとなったが、的確なタックルを続けターンオーバーを狙い冷静に守る。相手のパスミスでボールを得て、CTBマア・ノヌー、SO河野好光らのキックでエリアを取り戻した。

その後、ラインアウトのキープに成功した近鉄は、自陣からボールを回しアタック。再びリコー陣内へ。リコーはまたディフェンスの局面を迎える。22mライン付近の密集でボールを奪いタッチに蹴り出したが、近鉄はラインアウトから、モールで左サイドを前進する。リコーも押しとどめにかかるが、完全には止められず、ゴールラインが迫る。だがここで近鉄にオブストラクション。LOカウヘンガ・桜エモシが素早くリスタート。相手をなぎ倒し、自陣ゴール前から左中間をゲイン、CTBノヌー、WTBロイ・キニキニラウとつなぎ、左サイドを一気に近鉄陣内22mライン手前まで突き進んだ。

しかしここは惜しくも近鉄ボールのスクラムに。近鉄は再び自陣からボールを回しアタック。これを前に出て止めにいったリコーにオフサイド。またペナルティキックで自陣へ。ラインアウトから、再びリコーのゴールに近鉄が迫ったが、リコーは相手のオフザゲートの反則に救われる。リコーはディフェンスからのアタックで安定感と切れ味を見せるも、ペナルティで主導権を相手に渡す展開が続いた。

この流れを断ち切るトライがリコーに生まれた。14分、右サイドにタッチキックを蹴り、ラインアウトから、ショートサイドをWTBキニキニラウらに続けて突かせ前進。右サイド22mライン手前でスクラムを得ると、自らボールを持ち出したSH池田渉が、またもスクラムとタッチラインの間のショートサイドを素早く抜け、一気にインゴールに到達しトライ。17分、池田のベテランらしい観察眼で奪ったトライでリコーが先制。コンバージョンもSO河野が決め7対0とした。

山品監督の「タイトなスコアになる」との予想通り近鉄も決めてくる。
リコーは自陣での近鉄ラインアウトからのアタックを浴びるも、こぼれ球に反応したFL覺來弦が果敢なセービングを見せボールを確保。自陣からつなぐ。近鉄にホールディングのペナルティが出ると、リスタートからCTBノヌー、LOカウヘンガらが左中間を力強く前進。ノヌーは敵陣深く右サイドに向かってボールを蹴り込むと、近鉄の蹴り返しがタッチを割り、リコーは近鉄陣内に侵入した。

右サイド15m付近のラインアウトからリコーは大きく展開、CTB山藤史也が左サイドを鋭く突く。ここから戻し、SH池田が中央ハーフウェイライン付近からディフェンスラインの裏へパントキック。これをキャッチした11番が、カウンターアタックを仕掛け、ハーフウェイライン付近までゲイン。ラックから9番が持ち出し突破。4番、6番とつなぎ左中間にトライ。コンバージョンも決まり7対7。

すぐさま取り返す近鉄に、接戦のムードが漂った。

小松とカウヘンガのビッグゲインで得点重ねる

 試合再開。キックオフボールの蹴り返しをキャッチしたWTB小松大祐がカウンターアタック。ディフェンスラインに突入しサポートしたSO河野、WTBキニキニラウとつなぎ右サイドを突く。ここで、ディフェンスに回った近鉄にオフサイド。タッチキックを蹴り、22mラインの内側のラインアウトを得るが、オブストラクションでチャンスを逸する。近鉄がその直後にタッチキック後のラインアウトでノックオン。右サイドハーフウェイライン付近で、リコーはスクラムを得る。

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 27分、リコーが左のオープンサイドへ展開、CTBノヌーからのフラットかつ安定した軌道のパスに、吸いつけられるように走り込みキャッチしたWTB小松が大外を走りゲイン。22mライン付近まで進み、サポートにFL川上力也がつき、密集でボールを奪い合う。ここで近鉄にノックオン。中央やや左、22mライン手前でリコーのスクラムとなるが、近鉄9番がオフサイド。29分、リコーはペナルティゴールを狙うとSO河野が成功。10対7とした。

31分には、SH池田のハイパントに反応したCTBノヌーの飛び出しにオフサイドの判定。中央やや右、ハーフウェイライン付近から近鉄もゴールを狙うが、これは外れた。再開のドロップアウトから蹴り合いとなり、FB小吹祐介が右サイド深くに続けてキックを蹴り込んでいくと、近鉄も蹴り返す。

リコーは最後列に下がっていたLOカウヘンガにボールを渡し、自陣からカウンターアタック。相手ディフェンスをジャンプしてかわすなど、器用さも見せながら前進。一気に近鉄陣内中央22mラインまで進む。サポートしたCTBノヌー、HO滝澤佳之と横につなぎ左サイドを突く。ポイントをつくるとSH池田がボールを内に戻しSO河野へ。

34分、河野は自ら仕掛け、見事ギャップを抜ける。中央から右中間に向けて走り、インゴールに達しトライ。コンバージョンも自ら決めて17対7。リコーはリードを広げていく。前半最終盤は近鉄のカウンターアタックをしのぎ、逆にCTBノヌーと山藤のコンビネーションなどでチャンスをつくったが得点は生まれずハーフタイムへ。

後半の入り、近鉄が意地の猛攻

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 後半、近鉄が一気に主導権を奪う。

2分、リコーはハーフウェイライン付近のマイボールラインアウトを奪われ、アタックを浴びる。さらにディフェンスでオフサイドを犯す。中央やや左、22mライン手前の位置から近鉄はペナルティゴールを狙い成功。17対10。

さらに5分、リコーのキックオフボールをキャッチすると自陣からモールを組み前進。押されたリコーがこれを引き落としたとしてコラプシングの判定。近鉄はタッチキックを右サイドに蹴り、ラインアウトからアタック。フェイズを重ね10番がディフェンスを破ると5番、4番とつなぎ右中間にトライ。コンバージョンは外れたが17対15とする。

近鉄ペースが続く9分、ゴール前まで攻め込んだリコーのアタックを阻みターンオーバー。キックを蹴り込むと、リコーの蹴り返しがダイレクトタッチ。近鉄はリコー陣内のラインアウトからアタックを重ね、またも10番が突破し、12番が左中間にトライ。コンバージョンも決まり、17対22と逆転。

リコーはこのトライ直後の10分、HO滝澤佳之に替えて野口真寛がピッチへ。

リコーは、常に声を掛け合い、あわてずにペースを奪い返す。近鉄の自陣からのキックがダイレクトタッチとなって得た10m付近のラインアウトから大きく外へ展開。順目に10、12、13、14とつなぎ、WTBキニキニラウが右サイドを大きなストライドで駆ける。ディフェンスをハンドオフして進路を確保すると右中間インゴールに飛び込んでトライ。角度あるコンバージョンもSO河野が決め24対22と再逆転に成功した。この後15分にPR伊藤雄大を高橋英明に、LO生沼知裕を柳川大樹に交替。

リコーは、さらにアグレッシブに攻め続ける。近鉄陣内左サイド10mでラインアウトをキープし、CTBノヌーから、背後より走り込んだNO.8ジェームス・ハスケルにパス、縦に突っ込むと近鉄のディフェンスがオフサイド。これを見たLOカウヘンガはボールをもらうと素早くリスタートしてゲイン、22mラインを越えポイントをつくると、リコーはクイックに左へ。

17分、近鉄ディフェンスがタッチライン外に押し出そうとするのを耐えたWTBキニキニラウがインゴール左隅に飛び込む。確認の時間を置いて、トライのホイッスル。スタンドから歓声が沸いた。
リコーが連続トライ(コンバージョンは失敗)で29対22とリードを広げた。20分、NO.8ジェームス・ハスケルに替わりマイケル・ブロードハースト。

ノヌーが来日初トライ。大いに沸いた西京極のスタンド

 そして、この日多くの局面に顔を出しては、ディフェンスを引きつけ、CTB山藤、WTB小松らに精度の高いパスを供給してきたCTBノヌーが自ら魅せる。

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 21分、リコーは近鉄陣内左サイド10m付近のラインアウトからボールを回し、連続攻撃。SO河野の加速力あるランニングで相手ディフェンスを翻弄すると、徐々にゲインラインを前進させていく。
ほぼ中央、22mライン付近でボールはCTBノヌーへ。前方のギャップを見つけると加速、タックラーをもろともせず抜け出ると中央にトライ。来日初トライにスタジアムはこの日一番の盛り上がりを見せた。コンバージョンも決まり36対22。

29分、左中間15m付近のリコーのスクラム。オープンサイドをLOカウヘンガが縦に突進、続いてPR高橋が縦へ。22mラインに迫ると、横に振ったパスをもらったSO河野が前方へ抜ける。中央にこの日2つめのトライを決め(コンバージョンも成功)43対22とした。

リコーは30分にSH池田を神尾卓志に、35分にSO河野を岩田光、CTB山藤をマーク・リーに交替(WTB小松がCTBに入り、リーはWTBへ)するなどしてこのゲームの終盤を迎えた。

ボーナスポイントのかかった4トライ目を狙う近鉄。激しい連続攻撃で鋭いアタックにゴール前に迫られるリコー。ここで、前に出るディフェンスを実践。ホーン後の3分にわたるアタックにも屈せず、ついにターンオーバーを決め、ボールを蹴り出しノーサイドの笛。

リコーは43対22で勝利した。ボーナスポイントを確保し、かつ相手に与えないという順位争い上、非常に意味のあるスコアとなった。マンオブザマッチにはSO河野が選ばれた。

「チームとして、一人ひとりが責任を果たすというテーマも掲げて臨みました。今日は全員が果たさなければならない、一つひとつの小さな責任を果たす試合となりました」試合後の記者会見でこう述べた山品監督に、「責任」という言葉を使った理由についてもう少し聞いた。

「この前の試合(24対26で敗れたサントリーサンゴリアス戦)が終わって、マア(・ノヌー)と話をしたんです。すると、マア本人から『今回の自分のパフォーマンスは良くない。自分に課せられた責任を果たしていない。申し訳なかった』という言葉がありました。マアのようなトップレベルの選手でも、日々のパフォーマンスを振り返り、自分に厳しくチェックすることを怠らないのは素晴らしいと感じ、そうした思いをメンバーの前で話してもらえないかと頼みました。一人ひとりがチームのために果たすべき責任が何なのか。再確認を図りたかった。今日の勝ち方には、皆が自分の責任を果たそうという姿勢を感じました」

チームの成長を、強く感じるゲームが続く。

「フィジカルでも負けていない。フィットネスでも負けていない。それでも、トップチームになれるチームとなれないチームがある。その差はいい試合をしたあと、もう一度いい試合ができるかどうか。選手たちにはよく話してきていることなのですが、今日はいい試合が続けられたと思います」

次節は、12月25日(日曜日)13時からのパナソニック・ワイルドナイツ戦。今年も相手ホームの群馬県・太田市運動公園陸上競技場に乗り込んでの闘いとなる。トップ4から勝利を挙げなければ、この先へは進めない。昨シーズンの結果(17対74)の借りを返し、上位争いに加わるために、リコーは自分たちのラグビーを貫き、勝ちにいく。

(文 ・ HP運営担当)

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