Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2010-2011 トップリーグ 第4節 対 コカ・コーラウエストレッドスパークス戦

2010.10.08

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試合当日エスコートキッズとして、リコーブラックラムズの選手と一緒に入場した神奈川県・田園ラグビースクールの子供たち

互いの武器は「スピード」と「バックスの展開力」

 トップリーグ(TL)第4節は、コカ・コーラウエストレッドスパークス(コカコーラ)戦。選手の体格、スピードやバックスの展開力で勝負するラグビーのスタイルはリコーブラックラムズ(リコーラグビー部)と近い。だが、リコーはTLではこれまでコカコーラには未勝利。昨季も内容では五分の闘いを演じながら、勝負どころでペナルティが響き僅差で敗れた。

「とにかく勝つ」(HO滝澤佳之)。この試合へのリコーラグビー部のフォーカスポイントは明確だった。

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 12時、秋晴れの秩父宮ラグビー場にキックオフの笛が響く。コカコーラがリコー陣内右サイドへ蹴り込んだボールをLOマイケル・ブロードハーストがキャッチ。SO河野好光がコカコーラ陣内に蹴り返す。

コカコーラは、グラウンドをワイドに使いながらアタックを仕掛け、ゲインしていく。リコーはタックルするも倒しきれず、コカコーラは攻撃を継続。ボールがグラウンドを横に往復する。2分、相手の連続攻撃に反応が遅れ、生まれたギャップを逃さずコカコーラ10番が縦に抜け、ゴール右にトライ。今季初めて先制を許し、コンバージョンも決まって0対7。リコーは立ち上がりを突かれた。

CTB金澤良のキックで試合再開。出足鋭く落下地点に達したWTB小松大祐がボールをキャッチ。素早くサポートが入り、今度はリコーが攻撃を仕掛ける。ここでコカコーラがオフサイド。リコーはゴールライン間近の左サイドへタッチに出し、ラインアウトから展開する。コカコーラはゴール正面付近で再びオフサイド。6分、リコーはペナルティゴールを選択するとSO河野が確実に決める。3点を返して3対7。

WTB小松、PR長江のトライで2度の逆転

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 次の得点もリコーに入る。ハーフウェイライン付近左サイドのラインアウトをキープし、SH池田渉がハイパントを上げる。これに反応しブラインドサイドを駆け上がったWTB小松がキャッチ。ボールをつないで前進すると、ゴール左の密集でコカコーラがノットロールアウェイ。10分、スクラムから左に出すと待ち受けたWTB小松が左隅にトライ。コンバージョンは外れたが、5点を加えたリコーが8対7と逆転。コカコーラは攻防中に反則を繰り返した14番が一時的退出処分に。

10分を過ぎると両チームキックが増え出す。ここでいい判断を見せたのがWTB星野将利。味方がキックを放てば鋭く相手選手にプレッシャーをかけ、相手のキックが自陣に飛べばスペースを駆け上がりビッグゲイン。数的有利を活かし、繰り返しチャンスをつくった。しかし、コカコーラも集中して守り得点は奪えない。

逆に自陣10mライン付近のノックオンで相手スクラムを与えたリコーは、一時的退出から戻った相手14番にスクラムサイドの突破を許す。ゴール前までゲインされるが、NO.8ハレ・ティーポレがタッチライン外になんとか押し出す。しかし、ゴール前のマイボールラインアウトを奪われ、コカコーラがまたもゴールに迫ると、リコーはゴールほぼ正面の位置でオフサイド。21分、コカコーラがペナルティゴールを決めて8対10と逆転する。

27分、自陣のラインアウトでコカコーラがオフサイド。リコーはペナルティキックをタッチに出し、ゴール前左サイドでマイボールラインアウトのチャンスを得る。これをキープして展開、右サイドで縦への突進を繰り返す。ディフェンスラインは崩せなかったが、ボールを左サイドへ戻すとタッチライン際で待っていたのはPR長江有祐。タックルを受けながら左隅に執念のトライ。コンバージョンも成功。30分、リコーは15対10と再びリードを奪い返した。

連続ポイントで突き放したいリコー。だが、前半終了間際、自陣でのラインアウトをキープし、パントを上げて攻め上がる際の飛び出しでオフサイド。コカコーラはペナルティキックをタッチに出し、ゴール前左サイドのラインアウトを得る。モールで押すと、リコーが倒れ込みの反則。再びタッチに出し、コカコーラはもう一度モールでトライを奪いにくる。そのままインゴールエリアに達し38分、8番が左隅に押さえトライ。コンバージョンは外れ15対15。同点で前半終了。

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試合当日、ボールボーイとして試合のサポートをしていただきました東京都・世田谷ラグビースクールの子供たち

反則からのピンチ増えたが、シーソーゲームを制す

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 後半はリコーのキックオフで始まる。CTB金澤の右サイドへの短めのキックをWTB星野がキャッチして攻撃を仕掛けると、コカコーラがボールを持たない選手を捕らえるホールディングの反則。リコーはペナルティキックをタッチに出し、右サイドのラインアウトからボールを回しリズム良く攻め、ゴールに迫る。だが、倒れ込みの反則を犯し相手ボールのスクラムに。さらにアーリーエンゲージでペナルティキックを与え、ボールをハーフウェイライン付近まで戻された。

その後、キックの蹴り合いとなるが、WTB星野の自陣右サイドから正面に向かって蹴ろうとうしたキックが右へそれ、ダイレクトタッチに。リコー22mライン付近のラインアウトを得たコカコーラ。これをキープし展開。リコーはここでオフサイドを犯してしまう。コカコーラは右サイドにタッチキックを蹴り出し、ラインアウトモールを仕掛けるとリコーがコラプシング。再びラインアウトとなるが、バックスへ展開したボールをCTB金澤がインターセプト。直後にノックオンとなるが、少しエリアを押し戻し22mライン付近でのスクラムに。

スクラムからのアタックで今度はコカコーラがノックオン。リコーボールのスクラムとなるが、コカコーラはスクラムでボールを奪い返す。密集内のボールはタッチラインを割る。めまぐるしくボールが行き来する。

ここでWTB小松が好判断。自らのクイックスローでプレーを再開させると、レシーバーにボールを戻させ、左サイドのタッチライン際を抜け出し約80m独走する。ゴールライン間際で捕まり倒されかけるが、ボールを後方に強く転がしてリリース。サポートしていたFB横山伸がこれを拾い11分、ゴール正面に飛び込んでトライ。コンバージョンも決まり、22対15。やや押されていた局面を見事にひっくり返し、リコーは勝ち越した。

トライ直後、リコーはLO金泳男をカウヘンガ桜エモシ、NO.8ティーポレを相亮太、FB横山伸一をタマティ・エリソンへと入れ替える。相はFLに入り、覺來弦がNO.8に回る。

シーソーゲームが続く。16分、コカコーラはリコー陣内左22m付近のラックでターンオーバー。リコーはここでオフサイド。コカコーラはゴールラインそばへとタッチキックを蹴り、ラインアウトからアタック。ラックのブラインドサイドを突き16分、7番が左隅にトライを決める。コンバージョンは外れたが22対20と詰め寄った。

WTB星野がキレを見せ9点差、ここからコカコーラが反撃

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 リコーは試合を決めるべく果敢に攻めていく。コカコーラ陣内右サイド22mライン手前のスクラムのオープンサイドをSH池田がステップで抜け出す。捕まるもボールをつないだリコーは右サイドで連続攻撃を仕掛けた。コカコーラも集中してディフェンスし、ラインブレイクは許さない。

ここでリコーは逆サイドにボールを振る。左サイドで待ち受けたWTB星野にボールが渡ると絶妙のコース取りでランニング。右サイドに注意を向けていたディフェンスを鮮やかに突破する。回り込んでゴール左にトライ。21分、コンバージョンも決まって29対20と点差が広がる。

コカコーラはあきらめない。27分、リコーのゴール前でのアタックをしのぎ、反則を誘うとキックで前進。22mライン手前左のラインアウトをキープして展開、右サイドを12番、11番とつないで右中間にトライ。コンバージョンも決まり29対27と再び詰め寄った。

リコーは、FBエリソンらの突破などでゴールに迫るも、ノックオンが続き決定機をつくれない。逆に、集中力を維持するコカコーラのアタックを受けに回り、ゴール前でしのぐ場面が続く。31分PR高橋英明に替えて伊藤雄大がグラウンドへ。

攻撃を約5分間しのぐと、コカコーラがノックオン。リコーボールのスクラムから出たボールを、インゴールエリアからFBエリソンが大きく蹴り出し、10mライン付近まで戻す。36分、コカコーラはラインアウトから再度アタック。この対処で、リコーは痛恨のオーバーザトップの反則。コカコーラの選手がゴールを指差す。距離は約30m、左中間からのペナルティキック。決まれば逆転を許し残り3分――。

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 これが外れ、歓声とため息が交錯する。コカコーラは残りの3分間、攻撃を続けたがリコーはしのぎきりノーサイド。29対27でリコーラグビー部は競り勝った。「4トライ以上」のボーナスポイント1を加え勝ち点5を獲得。マンオブザマッチには前節に続きWTB小松大祐が選ばれた。

「互いに似たスタイルのチーム同士のゲームはいいところを消し合うもの。勝てたことはうれしいですが、出せたのは実力の60%程度でしょうか。でも、この結果には期待も感じています。残り40%を出せれば、もっといいラグビーができるからです」。予想に近い展開だったというトッド・ローデン監督兼ヘッドコーチは、試合の感想をこう話した。「すべきことを、何度も繰り返し続ける姿勢が備わってきました。これはコーチングのみで生みだせるものではなく、選手の気持ちが大きく関わってくるもの」。メンバーの"Attitude"がよい状態にあるとの評価を下した。

ゲームキャプテンを務めたHO滝澤佳之は若いバックスリーの積極性を称えた。
「将利、小松、伸一は練習中から声を出してチームを引っ張ってくれた。今日は助けられました」。何度もサイドを駆け上がりチャンスをつくった星野と小松。相手のプレースキックに激しくプレッシャーをかける一方で、キックの処理では冷静さを見せ続けた横山伸。トライにつながった小松のクイックスローや星野のキレのあるランニングなど、この日のバックスリーの積極性は勝利を引き寄せた。「チームの中心的存在に成長しつつありますよ」(HO滝澤佳之)。

次節は10月9日(土)、熊谷ラグビー場へと場所を移しNECグリーンロケッツとのゲーム。リコーラグビー部は日本選手権(08-09シーズン)、TL(09-10シーズン)、春のオープン戦(10-11シーズン)と3連勝中。

「だからこそ、相手は今日の自分たちのように、絶対に負けられないという思いで来る。気を引き締めています」。接戦をものにして大きな自信を得たリコーラグビー部は、早くも次の闘いへと気持ちを切り替えていた。

(文 ・ HP運営担当)

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