Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2010-11 網走合宿 対 ホンダヒート戦/トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦

2010.08.20

第1試合 対ホンダヒート戦

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「35℃を超えることなんて、めったにありません」

今年の網走は、リコーラグビー部が滞在した宿舎に勤めている地元の方々も驚きの表情を見せるほど蒸し暑かった。しかし8月7日、合宿の締めくくりとなるホンダヒート、トヨタ自動車ヴェルブリッツとの試合当日は、適度に曇も出て気温30℃を割る良コンディションに。この日の試合はトップリーグ(TL)6チームなどが参加する『網走ラグビーフェスティバル』の一環として行われた。国内最高レベルのラグビーを観戦しようと多くファンが訪れ、会場の網走スポーツトレーニングフィールドは、にぎわいを見せた。

13時、ホンダのキックオフで第1試合が始まる。リコーラグビー部は、SH湯淺直孝と今シーズンSOでの出場が増えている重見彰洋のハーフバックスコンビを中心に、コミュニケーションを図りながらペースをつかみにかかる。だがホンダのモチベーションも高い。果敢な攻撃に、リコーラグビー部は自陣でのディフェンスに追われた。

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 リコーラグビー部の選手は落ち着いていた。20mライン付近まで押し込まれても「ノーペナルティ!」の声が飛び、焦らず規律を守ろうとする意識を維持。SO重見は何度も危機を脱する冷静なキックを見せ得点を許さない。逆に焦れた相手が攻撃中にペナルティを犯す形が続き、守備からリズムが生まれそうな気配も感じられた。

最初の得点は攻撃の手を緩めなかったホンダだった。ラインアウトモールでFWがリコーゴールに繰り返し迫ると、その対処でリコーラグビー部は反則を繰り返してしまい、22分にレフリーがペナルティトライを認定。コンバージョンも決まり、ホンダが0対7と先制した。

27分には、ハイパントを上げ、左サイドを駆け上がった相手選手と、チャージにいっていたWTBマーク・リーがホンダ陣内10mライン付近で交錯。マークにはレイトチャージの判定が下り、一時的退場を課される。

ホンダはペナルティキックでリコー陣内20mライン付近までゲイン。左サイドのマイボールラインアウトから展開、連続攻撃で右中間ゴールに迫る。そして29分、ラックサイドを突き、NO.8がインゴールエリア右隅に接地してトライ。コンバージョンも決まり、0対14。その後、リコーラグビー部もCTB小浜和己の思い切りのいいアタックなどで見せ場をつくったが、ホンダペースのまま前半を終えた。

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 前半を終えベンチに引き返してきたメンバーに、今季はコーチも兼任するCTBジョエル・ウィルソンが檄を飛ばす。「今日の試合の大切さを理解しているのか! 」相手ペースを奪うことができなかった前半の反省を済ませたチームが、後半のピッチに臨む頃、空からは大粒の雨が降り始めた。

SO重見のキックで試合が再開されると、リコーラグビー部はWTBマーク、長谷川元氣やFB横山伸一らがランで相手ディフェンスをかく乱、突破口を開こうと試みる。またFL覺来 弦らの思い切りのよい当たりも目立ち、終始相手ペースで進めてしまった前半の流れを変えようとそれぞれが奮起。ゲームキャプテンのSH湯淺の「レイジー(怠惰)になるな」の声が響くと、メンバーは攻守で素早いセットアップを見せ、キャプテンの声に応えた。

雨が原因と思われるハンドリングミスもあり、互いに決定機はつくれずにいたが、29分に試合が動く。リコーラグビー部は、ホンダ陣内の右サイドのスクラムから展開。逆サイドまでボールをつなげると、縦にロングキック。これが相手選手に触れてタッチを割り、左サイドゴール前のラインアウトというチャンスを得る。これをキープするとドライビングモールで力強く前進。インゴールエリアに達するとHO森 雄基が押さえてトライを決めた。コンバージョンは外れたが5対14とする。

しかし33分、今度はホンダが左サイドをドライビングモールで前進、PRがグラウンディングしてトライ。コンバージョンも決まり5対21。

残り7分、後半途中から出場していたSO岩田 光、FB徳永 亮らが攻撃のチャンスをうかがったが得点を奪うことはできず、ノーサイドの笛が鳴った。

第2試合 対トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦

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 トヨタ戦は15時、相手のキックで始まった。リコーラグビー部は速いパス回しで攻撃を仕掛け、ペースをつかんでいく。3分、フィールドのほぼ中央でトヨタが反則を犯すと、SO河野好光が右サイド深くにタッチキックを蹴り込み、チャンスを迎える。ラインアウトから攻撃を仕掛け、中央付近に密集ができるとトヨタが再び反則。河野は今度は左サイドに蹴り出し、ゴール間近のラインアウトから攻撃する。そこでスクラム得ると押し込んで6分、LOハレ・ティーポレが左隅に押さえてトライを決める。コンバージョンは外れたが5対0。リコーラグビー部は相手の反則を誘うアグレッシブな攻勢で先制する。

トヨタは大型FWの攻撃力で反撃を試みる。しかし、リコーラグビー部のディフェンスは固く、回して突破を図る相手に対し一歩も退かずゲインを許さない。しばらくの間、トヨタを自陣内に釘付けにしてみせた。状況を打破すべく、トヨタはキックを蹴り込むもFBスティーブン・ラーカムらが冷静に処理。逆に相手陣の際どいエリアに蹴り返し、チャンスにつなげていった。

試合をコントロールするリコーラグビー部だったが、相手ゴール前に迫っていくも追加点を奪うには至らない。すると20分を過ぎたあたりから、トヨタがペースを取り戻しだす。ラインアウトを確実にトヨタがキープする一方でリコーラグビー部はラインアウトやスクラムでボールを失う場面が続き、徐々に自陣でプレーする時間が長くなってきた。
そして29分、左サイドゴールラインまで数mの位置のラインアウトから、ドライビングモールで押し込んだトヨタのPRが左中間にトライ。コンバージョンも決まり、5対7と逆転を許す。

お互いに攻め合ったが無得点のまま前半40分が経過。トヨタ2点リードで試合を折り返した。

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 後半先手をとったのはトヨタ。4分、リコーゴール前の密集で、LO山本健太に反則の判定が下り一時的退出を課された直後、ゴール間近右サイドのラックのブラインドサイドを、トヨタPRが突いて右隅にトライ。コンバージョンも決まり5対14。

リコーラグビー部も反撃を見せる。9分、トヨタゴール前のラインアウトをLOマイケル・ブロードハーストがキャッチして展開、BKが縦に右中間を突くとトヨタがペナルティ。リスタートからの攻撃で、今期日本人として帰化したLOカウヘンガ・桜エモシがトライを決める。コンバージョンは惜しくもバーに当たりはずれたが10対14。トヨタに引き離されずに付いていく展開が続いた。

接点でのマークが若干甘くなったのか、トヨタのボールの回りがよくなると17分、リコー陣内に侵入したトヨタはパスをSH→SO→FL→WTBと細かくつないでディフェンスラインを突破。抜け出したWTBが右隅へトライ。さらに21分には右サイドのラインアウトで奪われたボールを展開され、走り込んだトップスピードのCTBに20mライン付近でボールが渡ると、そのままディフェンスラインを突破される。左中間にトライを許し、10対26となる。

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 リコーラグビー部は攻撃の芽を見出せないまま、トヨタペースで試合が進んだ。そんな中31分、SH神尾卓志が自陣のスクラムの脇にギャップを見つけると、俊足ですばやく抜け出し、ハーフウェイライン付近から独走。中央にトライした。コンバージョンも決まって7点を返し17対26とする。

だが流れは変えることはできず、リコーラグビー部は終盤35分、38分に続けてトライを許し、17対38でノーサイド。

ゲームには敗れたが、試合後、下を向く選手は一人もいない。グラウンドには各々が感じた「課題」をコミュニケイトすることへの渇望感があった。観衆への挨拶を済ませるやいなや、互いの考えを率直に述べあう声があちこちから響いていた。

合宿締めくくりの2試合を終えて、クラブキャプテン湯淺直孝が話す。
「(チーム内でコミュニケーションは取れているようですね)はい。コミュニケーションレベルは高まってきていると感じます。合宿中にとるべき量がとれたと思います。でも、もちろんまだ完璧ではありません。間もなくTLが始まりますが、闘いながら一歩一歩、レベルを高めていければいいですね。
(試合の多い合宿でしたが…)そうですね。試合に集中すること、そして試合を通してチームや自分のプレーを見直すことができたのではないでしょうか。合宿中はよく集中できていました」
合宿での収穫を語るキャプテンの口調には、静かな自信が漂った。

"チームファースト"をキーワードに一丸となるリコーブラックラムズは、TL開幕に向け、臨戦態勢に突入する。

(文 ・ HP運営担当)

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