Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2009-2010 トップリーグ 対 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

2010.01.14

 トップリーグ(TL)最終節、第13戦はトヨタ自動車ヴェルブリッツ(トヨタ)とのゲーム。前節、リーグ上位4位によるプレーオフトーナメント進出を決め士気高まる相手にリコーブラックラムズ(リコーラグビー部)は挑んだ。

「練習していることのいくつかが、ちょっとずつうまくいっていない。キックが少し長かったり、タックルがわずかに届かなかったり。コーチは"あと10%"という言い方をしているんですが、この10%のうまくいかない部分がなぜ生まれるのかを突き詰めて、プレーの精度を上げることに集中してきました」
試合前日の練習後、SOとしてトヨタ戦のスターティングメンバーに名を連ねた武川正敏は話した。「ケガ人も多いんですが、なんとかやってきたことを出したい」。

"10%へのこだわり"をテーマに掲げ、リコーラグビー部は締め括りの一戦を迎えた。

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 翌日、近鉄花園ラグビー場は快晴。穏やかな日和の中、12:00にトヨタのキックオフで試合が始まる。開始早々1分、トヨタが得点を奪う。10mライン左のラインアウトから中央付近にラックをつくるとその左を10番が縦に突破、ゲインする。サポートが素早く続き、トヨタはボールをキープ。10番を中心に縦へのアタックを繰り返し、7番がポスト左へトライを決めた。コンバージョンも決まり0対7となる。

開始直後に思い通りの形で得点を許し、一気に相手ペースにされかねないムードだったが、リコーラグビー部は冷静さを失わずに攻撃を見せていく。

4分、相手陣内に攻め込み22mエリア左中間に侵入。ここでトヨタがオフサイドを犯すとスクラムを選んで攻撃。チャンスとなったが、ここはスクラムで反則を取られ相手ボールに。

攻撃は続く。今度は10mライン付近左のラインアウトから展開、右サイドをWTB星野将利が突く。相手WTBが迫るとタッチラインぎりぎりでゴロキック。ゴールライン間近で密集ができるが、ここでリコーラグビー部がオフサイド。惜しくもトライならず。

しかし、タッチキック後の相手ラインアウトが乱れるとFL川上力也がボールを奪い相手ディフェンスを突破、ボールを回し再び攻撃を見せる。22mエリア左サイドに侵入。密集で相手にボールが渡るもトヨタがノットリリースザボールの反則。リコーラグビー部は左タッチラインに蹴り出し、ゴールライン間際のラインアウトというチャンスを得る。そのラインアウトボールをキープし、左中間をモールで押すがここでもターンオーバーされてしまった。

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 リコーラグビー部の3度にわたる攻撃を防いだトヨタに、試合の流れは向かう。

18分、リコーラグビー部は10mライン付近右のスクラムからボールを回しゲインを試みるが、トヨタは出足よくプレッシャーをかけ自陣右中間でターンオーバー。ボールを得た10番が、判断よく左サイドの空いたスペースにキック。これがライン手前で弾んでタッチを割る。トヨタはこのゲインを機に反撃を始め、リコーラグビー部陣内22mエリアになだれ込み連続攻撃を仕掛けた。

リコーラグビー部も集中力を保ちディフェンスするが、ゴール正面の位置でオフサイド。FWに自信を見せるトヨタはスクラムを選んで攻撃を仕掛ける。強く押し、リコーラグビー部の反則を誘うと正面やや右の位置に移し再びスクラム。今度はボールを素早く出すとギャップが出来ていたスクラムの右サイドを突き、22分、右中間に15番がトライを決めた。コンバージョンも決まり0対14となる。

組織だったディフェンスで、ターンオーバーを繰り返しては攻撃を見せるトヨタ自動車は、29分、33分にもトライを決め、0対28とリードを広げていった。

前半終盤、リコーラグビー部もこの日安定していたラインアウトから展開し、WTB星野らがラインブレイクを狙っていく。だが、乱れてもすぐにセットされるトヨタのディフェンスラインにはなかなかギャップが生まれず、ボールを回し繰り返しアタックを仕掛けるも阻まれた。結局、28点差をつけられたまま前半を折り返した。

 後半もトヨタディフェンスの安定感は変わらない。3分、リコーラグビー部はラインアウトからボールを展開して攻撃を仕掛けるが、トヨタディフェンスの押し上げを受けて前進できない。SH池田 渉からパスを受けたFB津田翔太が正面約25mの位置からドロップゴールを狙うが不成功。4分、CTBロイ・キニキニラウに替わりジョエル・ウィルソンがピッチへ。

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 7分、攻め込んだトヨタが25m左のラインアウトからボールを回して攻撃。ボールをワイドに動かしながらじりじりとゲインしていく。リコーラグビー部はしっかり当たって止めていく展開を継続するがボールは奪えない。トヨタは22mエリアに侵入すると左中間のラックから左に出し、乱れたディフェンスラインのギャップを抜けて11番が中央にトライ。コンバージョンも決まり0対35となる。

リコーラグビー部はここで大幅にメンバーを入れ替えた。HO滝澤佳之を森 雄基、LOホッティ・ロウを田沼広之、NO8後藤慶悟をロッキー・ハビリに。そしてSO武川正敏に替わり小松大祐が入った。小松は左WTBに入り、横山健一が左WTBからFBに、津田がSOへとポジションを移す。

トヨタペースはなおも続いた。14分、ゴールライン際左のラインアウトからモールで押して左中間にトライ。リコーラグビー部はラインアウトで競らずモールでの攻撃に備えたが、トヨタFWに圧倒された。コンバージョンも決まり0対42に。

反撃を見せたいリコーラグビー部は、WTB小松、星野やFB横山健らがスピードとステップワークで状況の打開を図っていくが、統率の取れたディフェンスに素早く取り囲まれてしまう。脚力を前に向かって生かせず、横へと流されていく場面が繰り返された。

25分にはハーフウエイライン付近右中間のスクラムからのパスが乱れたところを奪われて、37分にはラインアウトの乱れを突かれたターンオーバーからと、カウンター気味に2つのトライを許し0対52に。

"トップ4"の壁は厚かった。リコーラグビー部は、トライを奪えないままノーサイドのホイッスルを聞いた。

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 最終節の結果は厳しいものとなった。

「(ブレイクダウンで)こっちの人数が多いときには、チャレンジしてこない。でも、タックルが決まって、うまくこっちをホールドできたようなときには一気に集まってくる。それでボールを出すのが遅くなって、ターンオーバーされる形が結構ありました。
(そのジャッジが上手かった?)うーん、そうだとしても、僕らとしてはもっと素早くサポートしなきゃいけなかったんですが」
ボールをまわしても、まわしても隙を見せず、リコーラグビー部を受け止めては攻撃につなげていたトヨタについて、FL川上力也はそう話した。

「トヨタは今、TLで一番いいチームではないかと思います。プレーオフや日本選手権でも優勝できる実力を兼ね備えていると思います。一方で、私たちは若いメンバーの判断力不足な面が出てしまった。ただ、今シーズンはそうした若いメンバーに経験を積んでもらうことも目標でしたから、今日のゲームは、価値あるものだったと思います」
トッド・ローデンヘッドコーチ(HC)も、記者会見では相手への賛辞を送り、続けて13試合を闘い終えての感触を話した。

「日本人を中心にしたチームづくりを目指してきましたが、若い選手は成長を続けて期待に応えてきてくれている。コーチとして、来シーズンはとても楽しみです。日本人の選手だけをフィールドに出してもいい結果を出す力はあると思っています」
思うような結果が出ずとも指揮官はぶれずに前を向き、選手を信じる。会見が終わると、無念の表情を浮かべるゲームキャプテン・HO滝澤佳之の背中を2回軽く叩いて励まし、会見場を出ていった。

ローデンHCが期待を懸ける若手たちは、TLを闘い抜き、明らかに精悍さを増したように見える。13試合のチャレンジを終えた今、どんなことを感じているのだろう。

「取れるところで取れない。勝てる試合を逃す。そうなるってことは甘い部分、やさし過ぎるところがあるのかなって。今日から来シーズンに向けたトレーニングを始める気持ちでいきたい。どんな相手にもがむしゃらにいくことが大事」(HO森 雄基)
「難しかったのは、全試合通して同じレベルでプレーすること。相手に合わせてチームがとる戦術によっては、自分のよさが出せなかったことがありました。来シーズンはどんな闘い方をしても、力を発揮できるように」(LO馬渕武史)
「TLでも、セブンス(7人制日本代表)でも、自信を持って全力を出し切れば、やれないことはないと感じました。でも、ウイングの1つのプレーは、チームにとって重大だってこともこのゲームで改めて再確認できました。それをきちんと決めて、初めて仲間に信頼してもらえるんだなって。もっともっとボールをもらって、"こいつなら"って思われるウイングになりたい」(WTB横山健一)

2009-10トップリーグを12位で終えたリコーラグビー部は、2月13日(土曜日)に行われるTL残留・昇格を懸けた入替え戦に進むことになる。相手は、三地域リーグの1位チームによる総当たり戦"トップチャレンジ1"の3位チームだ。

今シーズンTLで培った自信と力を発揮し、もう一度TLで闘うための大事な一戦となる――。チームの未来を懸けたゲームまでの6週間、リコーラグビー部はハードワークを続ける。

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(文 ・ HP運営担当)

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