Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2007-2008 トップリーグ 第6節 対 クボタスピアーズ

2007.12.10

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 迷っていた。

トップリーグ第6節・クボタスピアーズ戦に挑んだブラックラムズの面々は、冬らしい乾いた晴天の秩父宮ラグビー場で、迷っていた。

前半こそは互角に渡り合った。スピアーズが前半7分にお家芸・ゴール前ラインアウトモールからNO8トウタイ・ケフによる先制トライ、13分にSO伊藤宏明がPGを決めたが、ブラックラムズは「いつもなら切れるところ、FWが盛り上げてくれた」(SO河野好光副将)。前半16分にハーフライン付近での相手ラインアウトをターンオーバー、ボールを受けた河野はすかさずゴール前右のスペースにグラバーキックを蹴りこむ。その処理に戸惑う相手選手のキックをFB小吹祐介がチャージし、そのままインゴールに飛び込んだ。

その後21分にはブラックラムズ陣地でのターンオーバーからスピアーズSH茂木隼人がトライするも、26分にはブラックラムズが敵陣ゴール前ラインアウトからBKが展開し、ルーキーWTB渋谷嘉広がトップリーグ初トライ。スコアは14対15。シーソーゲームだった。

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しかし、後半はスピアーズの意図したペースで試合が進んだ。4分、11分にラインアウトモールから続けてトライ、14分にはなんとLOマーティン・ヴィールがドロップゴールを決め、14対30に。ブラックラムズはマイボールラインアウトをことごとくターンオーバーされ、「攻め焦った」(河野)というBK陣がフィフティ・フィフティ(一か八かの)パスを連発。敵陣まで進入しても反則やターンオーバーでエリアを戻される悪循環でノートライに終わった。

会見に出席した佐藤寿晃監督と河野、ミックスゾーンを通過する各選手には当然、笑顔はなかった。

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激闘の直後、3試合続けて敗戦後の会見に出席した河野は言う。

「やっぱりラインアウト。ウチはラインアウトからどう崩すか、という練習をしていた。それがああやってミスが重なると。先週で去年上位のチームとの対戦が終わったんで、立て直すチャンスとしていたんですけど……」

自らが舵を取るBK陣のミスも悔いた。

「ラックで不用意にボールを離しちゃって……あれだけラインアウトが取れなくて、アタックする時間が無かったなかで攻め焦ってしまったというか」

グラウンドレベルでも焦りは体感したか、と聞く。

「それが、気付かなかったんですよね……」

NO8の相亮太はこう述懐する。

「ゲームプランが出ているんだから、そのために各自がやるべきことをやらなきゃいけないんだけど、それが飛び飛びになってる。“自分がこうしたい”が先に出て、根本のボールセキュリティーが疎かになって、無理しなくてもいいところで回しに行ったり。ゲーム中での劣勢をどう立て直すか。河野がリーダーなら、河野を中心にまとまらないといけないのに……」

そう、伊藤鐘史主将はこの試合も欠場、さらには滝澤佳之副将も負傷し、この試合はスタンドで観戦していたのだ。前節で負傷した肩の痛みを押して出場していた小吹も、「トライを取られても、“次、取り返そう!”という声もなかった」と唇を噛んでいた。

アフターマッチファンクション会場を出る佐藤監督の表情も、曇っていた。

「主将がいないところで誰が(チームの雰囲気を)戻すか……。河野やポジションリーダーと一緒になってやるしかないですね……」

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ちなみに、ここまで5試合に先発出場し計2トライを挙げ、この試合でも随所に力強いランニングを見せていた立正大学出身のルーキーWTB小松大祐はこう言っていた。

「大学生の時は強いところとばかりだったからトライを取られてもすぐ切り替えられた。でも、社会人は1勝が重いんですかね、沈んでしまう感じがある。忘れるっていうか、そういう事も必要なのかなって……」

出口への糸口は、意外とすぐそこにあるのかもしれないが――。

(文 ・ 向 風見也)

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