Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2007-2008 トップリーグ 第5節 対 トヨタ自動車ヴェルブリッツ

2007.12.03

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師走に紅葉、最高気温は17度。2007年12月1日14時、高知県春野運動公園競技場に差し込む日差しは穏やかだった。ブラックラムズはここでトップリーグ第5節・トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦に挑むのだった。

結論から言えば、「言葉にならない敗戦」(佐藤寿晃監督)だった。自慢のBK陣による攻撃も「チームとしてのトライは殆ど無い」(同)状態で、前半17分と後半39分にブライス・ロビンスが個人技でトライを奪った以外は、見せ場が少なかった。

そして守備。日本代表としてW杯に出場していた遠藤幸祐のパワフルなランニングと“JK直伝”のステップに、2トライ1アシストを喫する。他にも随所で守備網が切り裂かれ、計9トライを与えた。最終スコアは20対61だった。

この試合も欠場となった伊藤鐘史主将に代わって試合後の記者会見に出席したSO河野好光副将は、意気消沈の表情でこう言った。「この試合に向けて2週間準備してきて、それが全く出せなかった」と。

とはいえ、単なる無策、無抵抗の敗戦ではなかった。たとえば試合前の動き。これまで「負けている試合は全部立ち上がりのミス」(伊藤)で、「アップの段階から雰囲気が良くない」(FB小吹祐介)という背景から、直前のウォーミングアップのメニューを大幅に変えたのだ。

個人というよりもチーム全体としてのウォーミングアップとするため、グリット練習(パス回し)では盛んに声を掛け合った。満を持しての今季初スタメン、代表経験も豊富なLO田沼広之も、「さぁ行こう!自分たちで作って行こう!最初から!」と、練習時と変わらぬ大声を張り上げていた。

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さらにはより試合に即したメニューとして、コンタクト練習も多めにした。ハンドダミーを持った選手にボールキャリアが当たり、そこへ激しいサポート……これを繰り返した。試合直前としては異例だった。

ブラックラムズの面々はヴェルブリッツよりも早くグラウンド入りし、遅くロッカールームに引き上げた。激しいウォーミングアップで選手が発する声とハンドダミーを貫く音は、メインスタンド付近で行われたよさこい祭りのイベントの音声とも、五指で組んでいるようだった。

ところが、ブラックラムズは立ち上がり前半1分に先制トライを奪われてしまう。

トヨタボールのキックオフを受けた後のモールでミスが出てターンオーバー、その帳消しを試みるもノットロールアウェーの反則を取られる。ヴェルブリッツはそこからタッチに蹴り出し、ゴール前左ラインアウトを獲得。ブラックラムズがマークの確認に慌てている間に、ヴェルブリッツFL菊谷崇が抜け出してインゴールしたのだ。

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河野は述懐する。

「ミスから自分たちの首を絞めるようになってしまって……。
開始直後のトライだったので、流れが変わったプレーだったと思います」

そして、ラインアウトの軸であるFL磯岡和則も悔やむ。

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「(立ち上がりの失点の場面では)“誰が誰を見る”ということをハッキリしてなかった。アップではいい感じだったんですけど、(試合での)1対1のファーストコンタクトで、一人ひとりがちゃんとヒットできなかった」

その後の展開は前述どおりだった。守備面ではドリフト(ライン1列になって斜めに飛び出し、相手を外へ押し出すようなシステム)が流れきった後のスペースをブェルブリッツに狙われ、ブラックラムズは幾度となく中央突破を許してしまった。試合立ち上がりの動きと同時に、守備ラインの修正も今後の課題となった。

17時49分、闇に包まれた高知竜馬空港の出発カウンター。選手を集めた佐藤監督は言う。

「お疲れさん!これからディフェンスは、もう一度修正していこう!」

次節は12月8日、クボタスピアーズとの対戦だ。
大敗した次の試合となれば、キックオフは週始めの練習となる。

(文 ・ 向 風見也)

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