Black Rams - RICOH RUGBY FOOTBALL TEAM -

2007-2008 トップリーグ 第4節 対 サントリーサンゴリアス

2007.11.20

どこまでも強気のポーズとストライブの背広が映える大胸筋、そしてメディアへのリップサービスが特徴的なサントリーサンゴリアス清宮克幸監督は、群がる報道陣を前にして「ここでいい試合をするとまた緩むんで、今日はまぁ、これでいいです」とうそぶいた。前節星を落とし、再起をかけた一戦を終えてからの言葉だった。

2007年11月17日、泣きそうで泣かない空模様の三ツ沢公園球技場でサンゴリアスと対戦したブラックラムズは、後半に自慢のBKラインが機能して3トライを奪取する。前半にも1トライを奪っていたため、4トライ以上で得られるボーナスポイント1を今季初めて獲得した。スコアは22対43。しかし勝利したサンゴリアスの面々は納得のいかない表情を浮かべており、敗れたブラックラムズからは前節の惨敗時にはない指針が垣間見えた。

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まずは「細かいことを考えずにクラッシュしよう」という決意で試合に臨んだFB小吹祐介が後半16分、タッチライン際を駆け抜けた。ゴール前右ラインアウトからの大きな展開、大外へ振られたボールに快足を飛ばして走り込んだのだ。宣言どおりクラッシュを試みた結果相手ディフェンスを振り切ることに成功し、後半先手となるトライを奪った。スコアは10対31。

続く後半25分にも小吹が関与した。ハーフウェーライン付近での右ラインアウトから大外へ展開するサインが成功、ルーキーWTB小松大祐がビッグゲインし、そのサポートに入った小吹が敵陣22メートルラインを越えたのだ。ここから左へと展開、2度のフェーズを経て最後は途中出場のLOエモシ・カウヘンガが左タッチライン際のインゴールを越えた。「(サンゴリアスの守備は)外が開いているなという感じだった」とはその小吹の述懐。スコアは22対38となった。

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そして、最後は後半38分。こちらも途中出場から流れを変えたブライス・ロビンスが守備ラインを破り、最後は小松がトライ。トップリーグ初トライだった。小松個人における、または試合全体におけるこのトライの意味を知る観客が大歓声をあげた。この試合のハイライトのひとつだった。

しかし、佐藤寿晃監督は振り返る。「前半のミスが悔やまれる」と。試合後に集合した選手の前でも、「いいラグビーはできている。でも、勝つためには前半と後半で同じことを続けないと」と言うのだった。

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ブラックラムズにとって試合序盤は「いい雰囲気じゃなかった」(SO河野好光)。

立ち上がりの前半5分にサンゴリアスCTBジャック・タラントの突破を許し、最後はCTB北条純一にトライを奪われた。前半14分には、サンゴリアスのラインアウトミスを拾い続けて22メートルエリアに侵入してチャンスを作るが、サンゴリアスにターンオーバーされる。再びCTBタラントの突破、WTB小野沢宏時のトライを許した。その後も潮流は変わらず、ブラックラムズは19、21、37分と計5トライを奪われるのだ。

序盤にペースを握られ、折角のチャンスもミスで帳消しになってしまう展開は第2、第3節も同様だった。

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「立ち上がりが悪いのはリコーの悪いところ。やられてからまとまっている」とは殊勲の小吹だ。さらに続ける。

「試合前のアップから雰囲気が良くない。一人ひとりがやっている感じ。もちろん個人で高めるのはいいことなんだけど、それはその前の段階でやるべき。ラグビーのウォーミングアップはチームのウォーミングアップだから、最後はチームのためにという気持ちを持たないと」

佐藤監督をして「人間的に成長した」と言わしめるバックスリーのポジションリーダーは試合後、こんな事を思い巡らせていた。いずれにせよ「外に大きく振る」(佐藤監督)というベクトルは見えただけに、その徹底をすべく細部を再点検する段階ということだ。

次節は12月1日、高知県春野でトヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦する。

ちなみに伊藤鐘史主将は右ひざ内側を負傷し、この試合を欠場していた。公式戦の欠場は約1年半ぶり。自身のブログには「職人は現場に限る。早く復帰したい」と綴っていたが――。

(文 ・ 向 風見也)

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